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【8】聖女 家をリフォームする
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翌日の早朝。
宿屋の一室で、わたしは白い紙を前に腕を組んで唸っていた。
とにかくあのオンボロの家を人の住める状態にまでしなければならない。だが、大工さんに頼むにしても、どこにどこまで手を入れるべきか……。
「手持ちのお金にもかぎりがあるし……。
雨漏りと割れた窓ガラスは直すにしても、」
紙に家のイラストを描いて、その横に直したい箇所をリストアップしていく。
「家の周りを柵で囲んで、畑を作って――……。お金ないし、そこは自分でやるかぁ……。あとは床も張り替えるようかなぁ……」
「そこも自分で出来ますよ」
背中をよじ登って、肩からひょこっとゴーシェが顔を出した。
「というか、僕なら全部できます」
ぜんぶって……、
「君はいつから大工さんになったのだね」
「違いますよ。様はゴーレム制作の応用です。ウッド・ゴーレムの体を家の屋根や壁にすれば良いんですよ」
「それ……見た目もゴーレム屋敷にならない?」
「見た目は『普通の家の形』のゴーレムを作れば良いんです」
簡単に言う~。
わたしは紙を裏返して魔術式を書き始めた。
「つまりぃ……顔や手足を取り払って……いや、頭を屋根にすればいいってこと? ……それとも何匹か作って、組み合わせで家の形にした方が良い……?」
「畑も同じようにストーン・ゴーレムの応用で作れますよ。岩蛇に土を耕させつつ、出て来た石や岩は体に吸着させて、最終的には畑の隅にでもまとめておけば良いんですから。ああ、石は畑の外枠にするとか、小道に敷くとか、かまどにしても良いですね」
「まってまってまって!」
わたしはぬいぐるみの言葉を遮った。
「元・天才宮廷錬金術師のスピードで進めないで!」
宿屋の一室で、わたしは白い紙を前に腕を組んで唸っていた。
とにかくあのオンボロの家を人の住める状態にまでしなければならない。だが、大工さんに頼むにしても、どこにどこまで手を入れるべきか……。
「手持ちのお金にもかぎりがあるし……。
雨漏りと割れた窓ガラスは直すにしても、」
紙に家のイラストを描いて、その横に直したい箇所をリストアップしていく。
「家の周りを柵で囲んで、畑を作って――……。お金ないし、そこは自分でやるかぁ……。あとは床も張り替えるようかなぁ……」
「そこも自分で出来ますよ」
背中をよじ登って、肩からひょこっとゴーシェが顔を出した。
「というか、僕なら全部できます」
ぜんぶって……、
「君はいつから大工さんになったのだね」
「違いますよ。様はゴーレム制作の応用です。ウッド・ゴーレムの体を家の屋根や壁にすれば良いんですよ」
「それ……見た目もゴーレム屋敷にならない?」
「見た目は『普通の家の形』のゴーレムを作れば良いんです」
簡単に言う~。
わたしは紙を裏返して魔術式を書き始めた。
「つまりぃ……顔や手足を取り払って……いや、頭を屋根にすればいいってこと? ……それとも何匹か作って、組み合わせで家の形にした方が良い……?」
「畑も同じようにストーン・ゴーレムの応用で作れますよ。岩蛇に土を耕させつつ、出て来た石や岩は体に吸着させて、最終的には畑の隅にでもまとめておけば良いんですから。ああ、石は畑の外枠にするとか、小道に敷くとか、かまどにしても良いですね」
「まってまってまって!」
わたしはぬいぐるみの言葉を遮った。
「元・天才宮廷錬金術師のスピードで進めないで!」
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