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第52話 恋のAビーC
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「わ~、圭の部屋って、結構綺麗にしているのね。
やっと入れたよ 笑」
結局、ビッグニュースに釣られ、僕は陽菜を部屋へ招き入れていた。
これまで、何度か遊びに来たいというのを、全力で阻止してきたのだった。
「どれどれ、エロいものはないのかな~」
陽菜は、ベッドの下をスマホのライトで照らしながら覗き込んでいた。
「あれ~、男子って、ベッドの下にエロいものとか隠すんじゃないの?」
「なんで一人暮らしで隠す必要があるんだよ?」
そんな事より、僕は小梢についてのビッグニュースとやらが気になって仕方なかった。
「ところでさ」
「ん?」
「なんで枕が二つあるの?」
「(しまった、普通に不自然だったかーー )」
愛莉が頻繁に泊まりに来るようになってから、僕は枕を二つにしていた。
確かに一人暮らしでベッドに枕を並べているのは不自然だ。
「そ、それは……だな、僕は寝相が悪いから、二つないと枕から頭が落ちちゃうんだ」
「なんだ~、ワタシのために用意してるのかと思ったよ。
圭、一緒にお昼寝しよ。枕も二つあるしさ~」
そう言うと、陽菜はベッドに寝転がり、枕に顔を埋めた。
「……」
「どうした? 陽菜」
枕に顔を埋めていた陽菜が、ピタリと動きを止めて、死んだようにじっとしている。
「女の人の匂いがする!」
「(しまったーー 昨日、愛莉が泊まったんだった!)」
昨日、愛莉が泊まって、朝方帰ったばかりだ。その残り香に陽菜が反応したのだと直ぐに分かった。
「き、気のせいだろ、柔軟剤の匂いだよ」
「違う! あーー!!」
「な、なんだよ?」
「長い髪の毛、女の人の髪の毛が付いてる!」
「いや、それは違うんだ」
「何が違うの? 髪の毛なんて、圭以外に付かないんじゃないの?」
陽菜が詰め寄ってくる。しかも、目が細くなって『アヤシイ~』といった表情になっていた。
愛莉はショートカットだから、それほど長い髪の毛ではないはずだ、なんとか誤魔化せるかもしれないと、僕の頭脳が姑息に働く。
「そうだとも、僕の髪の毛だよ、たまたま長めの髪の毛がついていたんだろ、女の子の髪にしては短いだろ」
陽菜は、ますます目を細める。
「ふ~ん、ショートカットなんだ、その子」
「なっ! (なんで分かったんだ!?)」
「そもそも、髪の毛が付いてたなんて、嘘 笑」
(くそ! かまをかけたのか!)
「それを、わざわざ、『長めの』とかさ、誤魔化してるとしか思えないよ」
「いや、これには事情があって……」
あからさまに不機嫌そうな顔をする、陽菜。
「新しいカノジョができたの?」
「いや、カノジョというのではなく、複雑なんだ」
僕は、観念して愛莉の事を話した。もちろん、佳那や綾乃の事は言えない。
「変なの、カレシがいるのに圭とも付き合って、しかも、ワタシに無断でここに泊まってるなんて許せない、ビッチめ!」
なんで、僕の部屋に女の子を泊めるのに陽菜の許可が必要なんだ? と思うが、ここは流して話題を変える。
「それより、ビッグニュースってなんだよ?」
「まだ!」陽菜が怒りの目を僕に向けた。そして、ベッドの上で手を広げる。
「なに?」
「キスして、それから、ビーも」
そう言うと、ベッドの上で腰をくねらせた。
「だから、ビーってなんだよ?」
「圭は、恋愛のABCも知らないの?」
陽菜は、僕に昭和の知識を教えてくれた。
「へ~、そんな言い回しがあるんだ、知らなかったよ、というか、陽菜はなんで知ってるんだ?」
「ん? ネットで恋愛のことを調べてたら出て来たよ」
要するに、耳年増、という訳のようだ。それにしても英語の教材じゃあるまいし恋愛をABCに例えるなんて、昔の人の発想は面白いと思った。
「ワタシ、キスされるの好きなの、お願い。して」
陽菜が求めるので、とりあえず、僕は唇を合わせる。
「ねえ、圭。 ワタシ、高校生になったんだから、もっとして」
陽菜は、自らブラウスのボタンを外し、胸元を露わにする。
「ちょっ、なにやってんだよ」
「お願い、ここにもして欲しい」
「ダメだって!」
「良いじゃない、小梢さんはもういないんだし」
「え? どういう事?」
「あ……、しまった 笑」
やっと入れたよ 笑」
結局、ビッグニュースに釣られ、僕は陽菜を部屋へ招き入れていた。
これまで、何度か遊びに来たいというのを、全力で阻止してきたのだった。
「どれどれ、エロいものはないのかな~」
陽菜は、ベッドの下をスマホのライトで照らしながら覗き込んでいた。
「あれ~、男子って、ベッドの下にエロいものとか隠すんじゃないの?」
「なんで一人暮らしで隠す必要があるんだよ?」
そんな事より、僕は小梢についてのビッグニュースとやらが気になって仕方なかった。
「ところでさ」
「ん?」
「なんで枕が二つあるの?」
「(しまった、普通に不自然だったかーー )」
愛莉が頻繁に泊まりに来るようになってから、僕は枕を二つにしていた。
確かに一人暮らしでベッドに枕を並べているのは不自然だ。
「そ、それは……だな、僕は寝相が悪いから、二つないと枕から頭が落ちちゃうんだ」
「なんだ~、ワタシのために用意してるのかと思ったよ。
圭、一緒にお昼寝しよ。枕も二つあるしさ~」
そう言うと、陽菜はベッドに寝転がり、枕に顔を埋めた。
「……」
「どうした? 陽菜」
枕に顔を埋めていた陽菜が、ピタリと動きを止めて、死んだようにじっとしている。
「女の人の匂いがする!」
「(しまったーー 昨日、愛莉が泊まったんだった!)」
昨日、愛莉が泊まって、朝方帰ったばかりだ。その残り香に陽菜が反応したのだと直ぐに分かった。
「き、気のせいだろ、柔軟剤の匂いだよ」
「違う! あーー!!」
「な、なんだよ?」
「長い髪の毛、女の人の髪の毛が付いてる!」
「いや、それは違うんだ」
「何が違うの? 髪の毛なんて、圭以外に付かないんじゃないの?」
陽菜が詰め寄ってくる。しかも、目が細くなって『アヤシイ~』といった表情になっていた。
愛莉はショートカットだから、それほど長い髪の毛ではないはずだ、なんとか誤魔化せるかもしれないと、僕の頭脳が姑息に働く。
「そうだとも、僕の髪の毛だよ、たまたま長めの髪の毛がついていたんだろ、女の子の髪にしては短いだろ」
陽菜は、ますます目を細める。
「ふ~ん、ショートカットなんだ、その子」
「なっ! (なんで分かったんだ!?)」
「そもそも、髪の毛が付いてたなんて、嘘 笑」
(くそ! かまをかけたのか!)
「それを、わざわざ、『長めの』とかさ、誤魔化してるとしか思えないよ」
「いや、これには事情があって……」
あからさまに不機嫌そうな顔をする、陽菜。
「新しいカノジョができたの?」
「いや、カノジョというのではなく、複雑なんだ」
僕は、観念して愛莉の事を話した。もちろん、佳那や綾乃の事は言えない。
「変なの、カレシがいるのに圭とも付き合って、しかも、ワタシに無断でここに泊まってるなんて許せない、ビッチめ!」
なんで、僕の部屋に女の子を泊めるのに陽菜の許可が必要なんだ? と思うが、ここは流して話題を変える。
「それより、ビッグニュースってなんだよ?」
「まだ!」陽菜が怒りの目を僕に向けた。そして、ベッドの上で手を広げる。
「なに?」
「キスして、それから、ビーも」
そう言うと、ベッドの上で腰をくねらせた。
「だから、ビーってなんだよ?」
「圭は、恋愛のABCも知らないの?」
陽菜は、僕に昭和の知識を教えてくれた。
「へ~、そんな言い回しがあるんだ、知らなかったよ、というか、陽菜はなんで知ってるんだ?」
「ん? ネットで恋愛のことを調べてたら出て来たよ」
要するに、耳年増、という訳のようだ。それにしても英語の教材じゃあるまいし恋愛をABCに例えるなんて、昔の人の発想は面白いと思った。
「ワタシ、キスされるの好きなの、お願い。して」
陽菜が求めるので、とりあえず、僕は唇を合わせる。
「ねえ、圭。 ワタシ、高校生になったんだから、もっとして」
陽菜は、自らブラウスのボタンを外し、胸元を露わにする。
「ちょっ、なにやってんだよ」
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「え? どういう事?」
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