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第66話 スライムさんの告白
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「最初は、羨ましかっただけなんだ」
俺を一瞬取り込んだことで人語をコピーしたスライムさん。
インフィニティスライムの親玉であるスライムさんが、今までのことを白状し始めた。
「僕たちも最初は強くなかった。フェンリルさんに憧れていたんだ」
スライムさんは申し訳なさそうに話す。
「それで最初は目立ちたくて。強くなろうと思って魔物と戦った。そこで気づいたんだ」
「コピーする能力があることに?」
「うん。僕たちには特別な力があった」
インフィニティスライムは「相手の能力をコピー」できる。
誰がどう言おうと、それは特別力だろう。
「でも、それが全てのきっかけとなってしまったんだ」
「?」
スライムさんは少し見上げて続けた。
「それから僕たちは、あらゆる魔物から狙われるようになった。脅威だ、危険だって」
「……なるほど」
「だけど、僕たちだってそのままやられるのは受け入れられなかった。だから戦った。こうして、たくさんの個体が生まれるまで」
スライムさんは、周りの小さめのインフィニティスライムたちをそっと触手で撫でた。
彼らも同じ種族、家族だもんな。
それに関して文句を言えない。
「僕たちは抵抗した。そして、幸いなことに全てに勝ってきた。すると……」
「自然に能力も増えていったと」
「うん」
インフィニティスライムの特性上、向かってくる敵をなぎ倒していけばそうなるだろう。
それにしても全ての戦いに勝ってきたとは。
里長さんも言っていた通り、やはり無限の可能性を持った能力だと思う。
「やがて僕たちは、フェンリルさん達にまで脅威に感じられるようになった」
「実際には戦ったの?」
「ううん。直接の被害はお互いにないよ」
「え、ないの?」
その言葉に首を傾げる。
実際に戦っていたわけではなかったのか。
「でも、フェンリルさんはこの森のたくさんの種族と仲が良くて。僕たちはその種族たちともいっぱい喧嘩をしちゃったんだ」
「だから戦いだと?」
「そうだと思う」
フェンリル側にとっても、同じ縄張りの種族を襲われれば、そう捉えるのは仕方がないか。
里長さんが「種族をかけた争い」、「最終決戦」と言っていたのは、いよいよフェンリルとぶつかるという意味だったのかもしれない。
「フェンリル達と戦う気はあったの?」
「あんまりなかったよ。でも、戦うというならそうするつもりだった」
スライムさんも、インフィニティスライムという種族を守る親玉。
仲間が傷つけられるのを黙って見ているわけにはいかないよな。
俺は、ふと呟いた。
「じゃあギリギリ間に合ったわけか」
「え?」
不思議そうな顔を浮かべるスライムさんに、俺は向き直った。
「俺たちはフェンリル側とも話をつけているんだ」
「そうなの!」
「うん。きっと事情を説明すれば──」
「そういうことであったか」
「「!!」」
そんな時、後方から渋い声が聞こえてくる。
「里長さん!」
「やすひろ殿」
フェンリルの里長さんだ。
「フェンリルの……!」
「インフィニティスライムか」
そうして、里長さんとスライムさん、両者が顔を見合わせた。
この距離まで来れば当然だ。
「──」
「里長さん……!」
そして、里長さんはスライムさんに告げた。
俺を一瞬取り込んだことで人語をコピーしたスライムさん。
インフィニティスライムの親玉であるスライムさんが、今までのことを白状し始めた。
「僕たちも最初は強くなかった。フェンリルさんに憧れていたんだ」
スライムさんは申し訳なさそうに話す。
「それで最初は目立ちたくて。強くなろうと思って魔物と戦った。そこで気づいたんだ」
「コピーする能力があることに?」
「うん。僕たちには特別な力があった」
インフィニティスライムは「相手の能力をコピー」できる。
誰がどう言おうと、それは特別力だろう。
「でも、それが全てのきっかけとなってしまったんだ」
「?」
スライムさんは少し見上げて続けた。
「それから僕たちは、あらゆる魔物から狙われるようになった。脅威だ、危険だって」
「……なるほど」
「だけど、僕たちだってそのままやられるのは受け入れられなかった。だから戦った。こうして、たくさんの個体が生まれるまで」
スライムさんは、周りの小さめのインフィニティスライムたちをそっと触手で撫でた。
彼らも同じ種族、家族だもんな。
それに関して文句を言えない。
「僕たちは抵抗した。そして、幸いなことに全てに勝ってきた。すると……」
「自然に能力も増えていったと」
「うん」
インフィニティスライムの特性上、向かってくる敵をなぎ倒していけばそうなるだろう。
それにしても全ての戦いに勝ってきたとは。
里長さんも言っていた通り、やはり無限の可能性を持った能力だと思う。
「やがて僕たちは、フェンリルさん達にまで脅威に感じられるようになった」
「実際には戦ったの?」
「ううん。直接の被害はお互いにないよ」
「え、ないの?」
その言葉に首を傾げる。
実際に戦っていたわけではなかったのか。
「でも、フェンリルさんはこの森のたくさんの種族と仲が良くて。僕たちはその種族たちともいっぱい喧嘩をしちゃったんだ」
「だから戦いだと?」
「そうだと思う」
フェンリル側にとっても、同じ縄張りの種族を襲われれば、そう捉えるのは仕方がないか。
里長さんが「種族をかけた争い」、「最終決戦」と言っていたのは、いよいよフェンリルとぶつかるという意味だったのかもしれない。
「フェンリル達と戦う気はあったの?」
「あんまりなかったよ。でも、戦うというならそうするつもりだった」
スライムさんも、インフィニティスライムという種族を守る親玉。
仲間が傷つけられるのを黙って見ているわけにはいかないよな。
俺は、ふと呟いた。
「じゃあギリギリ間に合ったわけか」
「え?」
不思議そうな顔を浮かべるスライムさんに、俺は向き直った。
「俺たちはフェンリル側とも話をつけているんだ」
「そうなの!」
「うん。きっと事情を説明すれば──」
「そういうことであったか」
「「!!」」
そんな時、後方から渋い声が聞こえてくる。
「里長さん!」
「やすひろ殿」
フェンリルの里長さんだ。
「フェンリルの……!」
「インフィニティスライムか」
そうして、里長さんとスライムさん、両者が顔を見合わせた。
この距離まで来れば当然だ。
「──」
「里長さん……!」
そして、里長さんはスライムさんに告げた。
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