拝啓両親へ、俺は異世界で竜のお姫様と旅をすることになりました

サクラ

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本編

盗賊発見

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 エリソンから少し歩き立ち止まる。


 『飛翔』

 だんだんと体が地面から離れていく。空中を仰向きで進みながら地図を見る。


 「今日までには三分の一は進みたいな。今日は途中にあるアルジャーまで飛ぶか。」

 基本的に空中は敵が少ないそのため暇だ。最初の頃は景色が綺麗で楽しかったが、エリソン周辺の景色は何回も見ていて飽きた。
そんな俺の暇つぶしはネットで小説をあさること。理屈はともかく異世界でもネットに繋がった。ただし、連絡ツールは全部使えない。Go○gleマップも機能しない。動画や検索は出来るからそこまでの不便はない。


 この世界は意外と料理が美味しいけど、料理の種類は地球の方が多い。そのため、料理チートができた。まあ、ただの男子大学生の俺が難しい料理の作り方を知っているはずもなく、ネット頼りだけど。
よく、マヨネーズの作り方とかが定番で出てくるけど地球ではコンビニでも売っていて高いという訳でもない。それなら買った方が楽なわけで作ったことなんてあるわけがない。てか、なんで知ってるんだよ。だいたいの材料ぐらいしか知るわけがない!
レシピなんて、何をしてたら知るんだよ!最近人気の料理男子?乙男?そんなの知るか!!男子大学生の料理レベル舐めるな!
 ま、そんな時のネット!調べて作って、王国で1番大きな規模の商会ビアード商会に売りに行った。今では大人気で特許権のおかげで懐が潤っている。

 特許権があるって知った俺は直ぐに試作品を作って商会に売り込んだ。あ、その時には冒険者としてある程度有名になってたから門前払いはされなくて売り込みも楽だった。他にも色々作って売って貰ってる。基本的に旅がしたいから商品作成とかの工程は会頭のブレイクに頼んで俺はレシピ料を貰ってる。


 その結果今俺の口座には何にもしなくても勝手に大金が振り込まれている。地球で汗水ながしてバイトした時より楽に稼げてる。




 「お、盗賊の反応だ。」

 マップに盗賊の反応が映った。他には人の反応。


 「あー、人を襲ってるのか。それじゃあ早く行かないとな。さて、さっさと倒して稼がせて頂きますか!賞金首だといいな」

 最初の頃は人を傷つけるのに拒否感があったが異世界2年目な俺にとってはなていうことはない。



 襲われている人と盗賊の上空に着く。


 『結界』

 「オラッ」

 ガキンッ

 「あ?なんだよこれっ切れねぇ!」

 「え、なにこれ?」

 まずは、盗賊以外の人や馬車、馬に結界を展開して守る。


 『飛翔・解除』

 飛翔を解除して戦っている場所の真ん中辺りに落下する。地上が近くなったら風魔法でクッションを作り地面に着地する。


 「な、なんだお前は!」

 「うわ~、ありきたりな台詞。」

 「あ?なに言ってんだよ。お前も殺すぞ!」

 俺は地面に木の魔法を仕掛ける。


 「かまわねぇ!おいっ!!あの男を殺せ!!」

 「せっかちだな。」

 周りの盗賊が俺に向かって来る。


 「うわぁっ」

 「おわっ」

 俺に向かって走って来た盗賊がドミノの様に転んでいく。


 「てめぇら何してんだ!!」
 
 「なんだこれ!?」

 「足に蔓が絡まってやがるっ」

 「蔓だぁ?さっきまではそんなの無かっただろうが!!」

 着地した時に展開した魔法を発動させ、盗賊達の足に巻き付ける。あとは、相手が勝手に転ぶ。


 「よっし切れた!」

 盗賊達が蔓を切っている間に次の魔法を展開する。


 「やっとか?」

 バチッ

 雷魔法で死なない程度に電気を浴びせ気絶させる。殺してもいいけど、生きたまま町などの門番や騎士に突き出せばその分沢山のお金が多くはいる。突き出した盗賊などは鉱山夫などの労働に従事する事になる。


 「「ゔぁ…」」

 「やったか。」

 『拘束・縄』

 気絶した盗賊達の腕と足を創造で作った縄で拘束する。


 『結界・解除』

 「おい大丈夫か?」

 結界を解き声を掛ける。


 「あ、ああ。助かった。ありがとうな。お陰で俺たちの命だけじゃなく商品も助かったよ。俺は行商人のアルバだ。よろしくな。」

 「俺は冒険者のサクヤだ。商人だったか。お前ら護衛はどうした?」

 「サクヤ!?まさか、Sランク冒険者のっ?」

 「あれ?俺のこと知ってるのか?」

 「当たり前だろ!これでも商人だなんだから、有名な冒険者ぐらい知ってて当たり前だろ。」

 「そんなもんか。まぁ、それは置いておいて護衛はどうしたんだよ?」

 「あぁ、そうだったな。それが、朝目が覚めたら居なくなっていた。多分、盗賊達と組んでいたようだ。」

 「そりゃ運がなかったな。それじゃぁこれからどうするんだ?ここを通っているってことはこの先の町アグロンを目指してるんだろ?」

 「あぁ、その予定だっんだけどな…」

 「護衛が居なくなっちまったんだよな。どうしようか困ってるんだが、アグロンまで護衛して貰えると助かるんだが?頼めるか?」

 「まぁ、俺も急いでる訳じゃないからいいぞ。」

 「本当か!!」

 「だけど、今捕まえた盗賊達の拠点も潰したいんだがいいか?そんなに時間を掛ける気はないが遠回りするかもしれないぞ?」

 「それで安全が確保出来るなら安いものだ。あ、依頼料はどうする?」

 「それならアグロンで飯奢ってくれたらいいぞ。」

 「は?そんだけ?Sランク冒険者の護衛代が?俺としては助かるけどそんなもんでいいのか?」

 「いいよ。嫌味みたいになるけど金には困ってないし今のところ必要でもないしな。」

 「まぁ商人からしたら勿体ないと思うが、俺としては助かるからもんくはねぇよ。それで今から拠点に向かうのか?」

 「あぁ、その予定だ。尋問してさっさと向かうつもりだ。」

 「この転がってる盗賊はどうするんだ?」

 「こいつらなら、インベントリに荷車があるからそれに積んでく。」

 「インベントリ!いいなぁ。商人としては羨ましい限りだ。だが、どうやって引くんだよ?」

 「従魔に頼む。」

 そう言い、インベントリから荷車を取り出し1人だけ地面に残し他の盗賊達を積んでいく。

 『召喚・風雅』

 足下に魔法陣が描かれ、光る。その中から大きな白い狼が現れる。


 「呼んだか?なんだよサクヤ?」

 「風雅久しぶりだな。実はこれを引っ張って欲しいんだけど頼めるか?」

 盗賊達が山のように積まれた荷車を指さす。


 「お前なぁ、一応俺は神獣なんだが?」

 「頼むって、今度美味しい料理出してやるからな?」

 「うぐっ、分かった。ただし、絶対に美味い物をくれるんだな?約束だからな?」

 「おう、いいぜ。美味い酒も付けてやる。」

 「そう言えばそこに転がっている男は拘束してないがいいのか?」

 「え?盗賊は全員拘束したけど…」

 俺は風雅が指(前足)さした方を見る。そこに転がっていたのは…


 「えっ!アルバどうしたんだっ?」

 「フェ、フェンリルッ!?」

 「え、そうだけど。それがどうした?」

 「普通は目の前にいきなり神獣なんかが現れたらびびるだろっ!」

 「……そうなのか風雅?」

 「普通はな。お前はいきなり俺に抱きついて来たからな。」

 「え、俺普通じゃないの?」

 「今更だろ。とりあえず盗賊じゃないなら、助けてやったらどうだ?」

 「あ、そうだな。ほら、手をかせ。」

 俺はアルバが差し出した手を掴み持ち上げて立たせた。

 「紹介するなこいつは風雅、フェンリルだ。」








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