拝啓両親へ、俺は異世界で竜のお姫様と旅をすることになりました

サクラ

文字の大きさ
8 / 8
本編

俺にはそういう趣味ないから!!

しおりを挟む



 あれ、そういえばあの子竜どこに行ったんだ…


「咲也着替えたよっ!偉いでしょ撫でて!」

 咲也は声に反応して振り返る。

 声の主は咲也が渡した服を身にまとい腰に手を当てて立っていた。
 ブラウスに後ろに行くにつれて裾が長いフィッシュテールスカート、リボンタイ…


「あ、靴も無いのか」

咲也は裸足に気が付きインベントリから靴を出して彼女に渡す。


「この靴も服と同じで自動でサイズが変わるはずだけど一応履いてみてきつくないか確認するんだぞ。サイズじゃなくても歩きにくかったら教えてくれ」

「うん!」

 彼女は靴を履き動いてみて感覚を確かめていた。


「どうだ?大丈夫そうか?」

「うん、大丈夫。歩きやすいよ、咲也ありがとうっ!」

 彼女は咲也に向かい駆け寄り再度抱き着いて咲也の胸に頭を擦り付けてくる。咲也はその頭を撫でながら頭の中で素数を数えていた。

あー平常心、平常心……
なんか、マタタビにでもなった気分だな……


「それでお前は一体誰なんだ?」

 咲也がそう問い掛けた途端彼女はピシッと固まり恐る恐る顔をあげ… 


「咲也もしかしてわからないの?」

「え、いやっ」

「うっ、うぅ…」


大きな瞳にうっすらと水の幕が張り
ヤバいっ!!


「うわぁーんっ」

「うわぁっ、泣くなよ、えっとどうすればいいんだ⁉」

「咲也が私の名前付けてくれたのに、幸せを呼ぶってっ!」

幸せを呼ぶ・・・・・?白銀の髪に透き通るような琥珀色の……


「まさか、琥珀か?」

「っうん!」

彼女いや、琥珀は顔を輝かせて返事をする。

「琥珀、人化できたのか?」

「うん、できるよ?だって琥珀は愛子いとしごだもん。愛子はね生まれながらに人化出来るんだよ。古竜たちも長年生きていくことで出来るようになるでしょ?それが最初から出来るのが愛子の特権の1つなんだよ」


    なんかこんな重大そうなことを俺が知っていいのか……?てか、愛子って結局なんだ?初めは精神年齢が見た目よりも低いかと思ったけどこれだけ説明出来るなら意外と精神年齢も見た目と同じぐらいなのか?


「ところで咲也、どうして女の子の服なんて持ってるの?もしかして咲也にはそういう趣味があるの?っあ、大丈夫だよ、咲也がそういう趣味持ってても嫌わないから。お母さんも偏見はダメって言ってたもん」


……そういう趣味?女の子の服?


「俺には女装の趣味なんてないぞッ!!」

見た目清純そうだからこそのこの攻撃力っ!!

「え、でもどうして女の子用の服なんて持ってるの?」

「今度俺が携わってる店が売り出す服の最終チェックを頼まれたからだよ!俺はてきとうに知ってるデザインを提供してるんだよ!変な勘違いすんな!!」

「へー」

「質問しておいて何その塩対応!!いきなり変わりすぎじゃないか!? 」

さっきまでの可愛さはどこにいった!

「フフっ、ごめんごめん。嘘だよからかってごめんね。だって咲也自分が私に名前付けたのに気が付いてくれなかったんだもん。」

「いや、それは、人化できるなんて思わなかったし。だって、人化できるのなんてごく一部だけなんだぞ」

そんな咲也の言い分を無視して琥珀は扉の方へ歩きだした。
 
「それでも、すぐに気がついて欲しいんだよ!!これからはどんな些細な事でも直ぐに気がついてね!」


琥珀はそう言いながらこちらを振り返り笑った。


「ほら、早くこんな所出よ咲也!」
 


✯*・☪:.。∅・*:。✡*:゚____________________________________✯*・☪:.。❅:*.。❅

今回は短いですがきりがいいのてここまでにします。いつも読んでいただきありがとうございます!
(๑⃙⃘ˊ꒳​ˋ๑⃙⃘)ᵗᑋᵃᐢᵏ ᵞᵒᵘ ¨̮

やっと、ヒロイン登場です!まだ、キャラ設定が安定してないのはご愛嬌ということで大目に見て下さい゚+。(o・ω-人)・.。



しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  ブックマーク・評価、宜しくお願いします。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

処理中です...