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少女の説明に頷いてから、もう一度俺は部屋を見回した。
「隠してあるってことは、この部屋のどこかに出入り口があるってことだよな?」
本棚の裏に扉がある……とか本棚自体が扉になっている……とかなら面白そうだな。
「ま、そうね。出ようと思えばすぐに出られるわ。出入り口が無いと思うから出られないのよ」
少女はすっと目の前の壁を指差した。
「え、……ここに、扉が?ただの壁みたいだな」
少女が指した壁に近寄り叩いたり仕掛けがないか探したりするがそれらしいものは一切見つからず、俺は顔をしかめる。
「……貴方は人に同じことを何度も言わせるのが好きらしいわね。言ったでしょう?無いと思うから出られない、扉を見つけられないのよ」
少女が椅子からぴょんと飛び降りる。
「ほら、ここには扉があるの。もう一度よく見るがいいわ」
そう言って、スタスタと扉の前に歩いて行った。
「は……?そう言われても無いものは……?!」
少女が壁に手をかざすと、壁に紋章が浮かび輝き、それはたちまち扉となった。
「なんだそれ……何でもありかよ」
思わず声に出すと、また少女はジト目でこちらを見上げてくる。
「ここは夢の中よ?もっと想像力を働かせたらどうかしら?バカ人間」
「……バカバカうるせーよ、俺は現実主義者なんだよ」
「……そ。じゃあ現実主義者は夢の中では皆バカになるってことなのね。」
「……もういいよ」
俺は首を振った。
こんな小さな子相手に何言ってるんだろ。
バカバカ言う奴には言わしておけばいいんだ。
「ふぅん。……で、扉を開こうとしているってことは、ここを出て行くってことでいいのかしら?」
扉を開こうとすると、何を思ったのか少女がじっとこちらを見つめてくる。
「何だよ、さっさと出ていけって言ったのお前だろ?」
少女は相変わらずの表情で頷いた。
「あら、そうだったわね。確かに言ったわ。貴方を他の夢魔だと勘違いしていたから」
「でも人間なら話は別よ。人間は夢魔とは違って好き勝手できちゃうワケ。屋敷を勝手に荒らされては困るわ」
「は……?どういう意味だよ」
「……そうね、想像力に乏しいバカ人間だから心配は無いのかしら」
「おい」
少女はくすりと笑った。
が、また直ぐに無愛想な表情に戻る。
「……冗談よ。まぁ、本当に貴方なら屋敷の心配はないと思っているわ。問題なのはバカ人間、貴方の方」
「隠してあるってことは、この部屋のどこかに出入り口があるってことだよな?」
本棚の裏に扉がある……とか本棚自体が扉になっている……とかなら面白そうだな。
「ま、そうね。出ようと思えばすぐに出られるわ。出入り口が無いと思うから出られないのよ」
少女はすっと目の前の壁を指差した。
「え、……ここに、扉が?ただの壁みたいだな」
少女が指した壁に近寄り叩いたり仕掛けがないか探したりするがそれらしいものは一切見つからず、俺は顔をしかめる。
「……貴方は人に同じことを何度も言わせるのが好きらしいわね。言ったでしょう?無いと思うから出られない、扉を見つけられないのよ」
少女が椅子からぴょんと飛び降りる。
「ほら、ここには扉があるの。もう一度よく見るがいいわ」
そう言って、スタスタと扉の前に歩いて行った。
「は……?そう言われても無いものは……?!」
少女が壁に手をかざすと、壁に紋章が浮かび輝き、それはたちまち扉となった。
「なんだそれ……何でもありかよ」
思わず声に出すと、また少女はジト目でこちらを見上げてくる。
「ここは夢の中よ?もっと想像力を働かせたらどうかしら?バカ人間」
「……バカバカうるせーよ、俺は現実主義者なんだよ」
「……そ。じゃあ現実主義者は夢の中では皆バカになるってことなのね。」
「……もういいよ」
俺は首を振った。
こんな小さな子相手に何言ってるんだろ。
バカバカ言う奴には言わしておけばいいんだ。
「ふぅん。……で、扉を開こうとしているってことは、ここを出て行くってことでいいのかしら?」
扉を開こうとすると、何を思ったのか少女がじっとこちらを見つめてくる。
「何だよ、さっさと出ていけって言ったのお前だろ?」
少女は相変わらずの表情で頷いた。
「あら、そうだったわね。確かに言ったわ。貴方を他の夢魔だと勘違いしていたから」
「でも人間なら話は別よ。人間は夢魔とは違って好き勝手できちゃうワケ。屋敷を勝手に荒らされては困るわ」
「は……?どういう意味だよ」
「……そうね、想像力に乏しいバカ人間だから心配は無いのかしら」
「おい」
少女はくすりと笑った。
が、また直ぐに無愛想な表情に戻る。
「……冗談よ。まぁ、本当に貴方なら屋敷の心配はないと思っているわ。問題なのはバカ人間、貴方の方」
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