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テスト三昧
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「凄いね優。全部補習ギリギリセーフじゃん」
「褒められてる気がしない」
「褒めてる気がしない」
休み明け連続テストなんて聞いてないよ。抜き打ちなんて今の世の中まだ残ってたの!?
「これからは澪ちゃんに教えてもらうって言ったから私は私で自分の勉強してたけど。お姉さんが分かりにくかったの?」
「違う。澪ちゃん今忙しすぎて勉強見てあげるどころじゃなかった」
「え、じゃあノー勉?」
「奏に見てもらった」
「姉の意地とは」
オー・タマールにも春夏秋冬はありまして、今はまだ春だから台風とか気候変動が凄いんだって。毎年春と秋になると澪ちゃんは凄く苦労してる。
「中学と高一ってほぼ同じ教材を使ってるらしいからよっぽどじゃない限り分かったらしいよ」
「……やっぱり私も勉強見るよ。聞いてるこっちが悲しくなってくるから」
「え、そう? 桃華が良いなら遠慮なく」
なんか何とも言えない顔されてるけど。進んで教えてくれるのなら万々歳。
「まあ私も英語以外はからっきしだけど」
「仲間!」
「ごめん、平均は取れてる」
「裏切り者!」
分かっていましたとも。その上げて落とす癖が変わらないところは。でも自力でやってもほんの一ミリも成長できない私は反論なんて一切できない。
「じゃあとりあえず今日の昼休みにテスト直ししよう」
「直しって必要?」
「……あんたは勉強法から改善していった方がいいのかしら?」
お昼ご飯を食べながらみっちり絞られた私は午後の授業、半分意識が無かった。恐るべし、英語の殺人力。
「ああ~死ぬところだった」
「死なないで。誰にも気づかれないように門くぐらなきゃいけないのに死体なんて目立つでしょ」
「えーそこー?」
薄情な妹だ。疲れすぎて気力が無いから返事もだらけてるけど。
「まったくもう。それで?」
「何が?」
「テストはどうだったの? 期待はしてないけど私昨日自分の勉強より優ちゃんを優先したんだからね。テスト見せて」
「あ、テスト用紙捨てちゃったかもー」
あんなの見せたら奏がキレるからしらばっくれる。この子怒ると強いからな。拓ちゃんを殴って黙らせるくらい。
「さっき桃華ちゃんとテスト直ししてるとこ見たよ」
「ストーカー!? あ、ごめん抓らないで、いててて」
そんな凶器になりうる爪でほっぺ抓らないでください。飾りとかも食い込んできてめっちゃ痛い。
「ねえ奏。何か効率の良い勉強法とか無いの?」
「あるけど人それぞれ相性があるからどれかって探すのが大変だよ」
「ならば片っ端から調べていくのみ」
「それに付き合う私の身にもなって欲しいんだけど」
メモを見ただけじゃ分からない私には必然的に説明役が必要になってくる。また奏の勉強時間が減っちゃうね。すまん。
「澪ちゃんに教えてもらうのが一番早いんだけどね」
「そうだね」
天気予報を調べてみたら最低でも後二日は荒れるらしい。その間は澪ちゃんの手を借りられない。
「それにしたって皆遅いね。もうすぐ門開くよ」
「うん。次に来るのは八時になっちゃうから小学生組は危ないよね」
「迎えに行ってもいないし」
「何してるの二人とも」
「いや怜達が……修ちゃんいつの間に!?」
門をくぐる為には校門で待ち合わせる必要があるから別に誰が通っても良いんだけど急に現れたら流石に驚くわ。
「怜達がいないの? 後十分くらいだけど」
「うん。毎日のことだからギリギリまで遊んでるわけでは無さそうだし」
もしかしたらもう一度小学校に行けば会えるかもしれない。
「奏。魔法は?」
「ああそっか。ちょっと二人とも隠して」
魔法は秘密にしてなきゃいけないから。修ちゃんと私の背中に隠れて奏は足踏みを始める。
「え、ちょ、やばいよ修ちゃん!」
確認し終わった奏が急に焦り出した。
「どうしたの奏」
「何か追われてるよ三人。図体でかい男数人に」
「場所は?」
「小学校の裏にある人気の少ない公園」
あそこは近いけど遊具が殆ど無いに等しいから滅多に人が来ないところ。中学と高校を繋ぐ人気のない渡り廊下が第一とすればこの公園は第二に学生が行きたがらない場所。
「し、修ちゃん」
「大丈夫。急ごう」
取られる心配は置いとくことにした私達は校門にバッグを置いて公園まで猛ダッシュした。
「……弱いものイジメするなんて最低だと思う」
怜が呟く。その目の前には五人の大男が。
「怜兄あぶないよ!」
後ろでは剛と結が心配そうにその様子を見ている。
なんの恨みがあって捕まってるかは知らない三人だが、一般人に迂闊に自分の力を見せてはいけないと教えられている手前、逃げることしか出来ない。
「おい。まだ本田は来ないのかよ。さっさとしねえと可愛い弟妹が痛い目見るぞ」
「本田ってどの本田? 九人いるから分かんないよ」
「うっせえんだよチビ!」
「一発殴っちまおうぜ? あいつは挑発しない限り殴って来ねえよ」
男の一人が怜の前髪を引っ掴む。
「怜兄!」
「歯ぁ食いしばれよ」
男が拳を怜の頬に殴りつけようと振り上げた。
「堕落しきった奴らだな」
「あ?」
「あ」
低い声で二人の間を遮ったのは
「修兄」
「褒められてる気がしない」
「褒めてる気がしない」
休み明け連続テストなんて聞いてないよ。抜き打ちなんて今の世の中まだ残ってたの!?
「これからは澪ちゃんに教えてもらうって言ったから私は私で自分の勉強してたけど。お姉さんが分かりにくかったの?」
「違う。澪ちゃん今忙しすぎて勉強見てあげるどころじゃなかった」
「え、じゃあノー勉?」
「奏に見てもらった」
「姉の意地とは」
オー・タマールにも春夏秋冬はありまして、今はまだ春だから台風とか気候変動が凄いんだって。毎年春と秋になると澪ちゃんは凄く苦労してる。
「中学と高一ってほぼ同じ教材を使ってるらしいからよっぽどじゃない限り分かったらしいよ」
「……やっぱり私も勉強見るよ。聞いてるこっちが悲しくなってくるから」
「え、そう? 桃華が良いなら遠慮なく」
なんか何とも言えない顔されてるけど。進んで教えてくれるのなら万々歳。
「まあ私も英語以外はからっきしだけど」
「仲間!」
「ごめん、平均は取れてる」
「裏切り者!」
分かっていましたとも。その上げて落とす癖が変わらないところは。でも自力でやってもほんの一ミリも成長できない私は反論なんて一切できない。
「じゃあとりあえず今日の昼休みにテスト直ししよう」
「直しって必要?」
「……あんたは勉強法から改善していった方がいいのかしら?」
お昼ご飯を食べながらみっちり絞られた私は午後の授業、半分意識が無かった。恐るべし、英語の殺人力。
「ああ~死ぬところだった」
「死なないで。誰にも気づかれないように門くぐらなきゃいけないのに死体なんて目立つでしょ」
「えーそこー?」
薄情な妹だ。疲れすぎて気力が無いから返事もだらけてるけど。
「まったくもう。それで?」
「何が?」
「テストはどうだったの? 期待はしてないけど私昨日自分の勉強より優ちゃんを優先したんだからね。テスト見せて」
「あ、テスト用紙捨てちゃったかもー」
あんなの見せたら奏がキレるからしらばっくれる。この子怒ると強いからな。拓ちゃんを殴って黙らせるくらい。
「さっき桃華ちゃんとテスト直ししてるとこ見たよ」
「ストーカー!? あ、ごめん抓らないで、いててて」
そんな凶器になりうる爪でほっぺ抓らないでください。飾りとかも食い込んできてめっちゃ痛い。
「ねえ奏。何か効率の良い勉強法とか無いの?」
「あるけど人それぞれ相性があるからどれかって探すのが大変だよ」
「ならば片っ端から調べていくのみ」
「それに付き合う私の身にもなって欲しいんだけど」
メモを見ただけじゃ分からない私には必然的に説明役が必要になってくる。また奏の勉強時間が減っちゃうね。すまん。
「澪ちゃんに教えてもらうのが一番早いんだけどね」
「そうだね」
天気予報を調べてみたら最低でも後二日は荒れるらしい。その間は澪ちゃんの手を借りられない。
「それにしたって皆遅いね。もうすぐ門開くよ」
「うん。次に来るのは八時になっちゃうから小学生組は危ないよね」
「迎えに行ってもいないし」
「何してるの二人とも」
「いや怜達が……修ちゃんいつの間に!?」
門をくぐる為には校門で待ち合わせる必要があるから別に誰が通っても良いんだけど急に現れたら流石に驚くわ。
「怜達がいないの? 後十分くらいだけど」
「うん。毎日のことだからギリギリまで遊んでるわけでは無さそうだし」
もしかしたらもう一度小学校に行けば会えるかもしれない。
「奏。魔法は?」
「ああそっか。ちょっと二人とも隠して」
魔法は秘密にしてなきゃいけないから。修ちゃんと私の背中に隠れて奏は足踏みを始める。
「え、ちょ、やばいよ修ちゃん!」
確認し終わった奏が急に焦り出した。
「どうしたの奏」
「何か追われてるよ三人。図体でかい男数人に」
「場所は?」
「小学校の裏にある人気の少ない公園」
あそこは近いけど遊具が殆ど無いに等しいから滅多に人が来ないところ。中学と高校を繋ぐ人気のない渡り廊下が第一とすればこの公園は第二に学生が行きたがらない場所。
「し、修ちゃん」
「大丈夫。急ごう」
取られる心配は置いとくことにした私達は校門にバッグを置いて公園まで猛ダッシュした。
「……弱いものイジメするなんて最低だと思う」
怜が呟く。その目の前には五人の大男が。
「怜兄あぶないよ!」
後ろでは剛と結が心配そうにその様子を見ている。
なんの恨みがあって捕まってるかは知らない三人だが、一般人に迂闊に自分の力を見せてはいけないと教えられている手前、逃げることしか出来ない。
「おい。まだ本田は来ないのかよ。さっさとしねえと可愛い弟妹が痛い目見るぞ」
「本田ってどの本田? 九人いるから分かんないよ」
「うっせえんだよチビ!」
「一発殴っちまおうぜ? あいつは挑発しない限り殴って来ねえよ」
男の一人が怜の前髪を引っ掴む。
「怜兄!」
「歯ぁ食いしばれよ」
男が拳を怜の頬に殴りつけようと振り上げた。
「堕落しきった奴らだな」
「あ?」
「あ」
低い声で二人の間を遮ったのは
「修兄」
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