キモチ

花結まる

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空気清浄機

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ぼくはお部屋の隅にいる。
毎日吸って吐くを繰り返す。
一日中、二十四時間、それを休むことはない。

ぼくが吸うと、空気中のゴミは
ぼくの肺の中におさまる。
ぼくの周りの空気はきれいになる。
だけど、ぼくの肺は段々黒くなっていく。
それでもぼくは、休むことはない。
ぼくがいくら動いても、ゴミはなくならないからだ。

たまに、ぼくの肺は掃除してもらえる。
そうすると、ぼくはまた深呼吸ができるようになる。
だけど、掃除しても、段々汚れは取れなくなってくる。
ぼくの肺は、もうあの頃のきれいな姿には戻れないのだ。

ぼくはそのうち、動けなくなる。
このお部屋に、いらないものになるのだ。

ぼくの肺を捧げてもなくならなかったゴミは、
ぼくの次の台になれば消えるのだろうか。
それとも、その次の、いやそのまた次の、
いやまたその次の次の台になれば消えるのだろうか。

あといくつの肺を捧げたら、
この世界はきれいになるのだろうか。

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