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まるでエンジェル火山測定装置編
69 私の中のかけら
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キルディアを採掘場に置いて、先に私は、火山測定装置の設置された最奥部の洞窟に、アマンダとスコピオ博士と共に到着して、早速作業を開始した。火山の中は、やはり想像していた以上に体感気温が高く、長時間の作業は、体に大きな負担を与える。
それは脳に対しても同様で、油断して、大事に至らぬよう、こまめな水分補給が鍵となる。幸い、博士の小さな助手は覚えが早く、私のサポートを高い精度で実行してくれる。
汗を拭く作業、そればかりは、出来ればキルディアに頼みたかったが、彼女は採掘に興味があると言う。やはり、体を動かすこと自体に興味があるのか、それとも実は鉱石に興味があるのか、或いは、また別の理由か。そう考えた時に、タールと言う名の男の、盛り上がった肩の筋肉が、脳裏に過った。
……気になる事を、そのまま頭の中でピン留めしておくことを、私は好まない。何においても、不明な箇所があれば、納得するまで知り尽くしたい。よって、今日部屋に戻り次第、彼女にタールの筋肉は好きかと、質問する予定を立てた。
「いやあ、ジェーンさんは、流石だなぁ~ちょっとこのバルブの構造について二、三聞きたい事があるんだが!」
スコピオ博士はウォッフォンのホログラムで、私が先日彼に渡した、マイクロバルブの新しい設計図を表示させ、疑問点を指差しながら質問した。私は彼に説明をしながら、作業を続ける。
ここまで熱心に、私の発明した火山測定装置について聞かれることは、キルディアにも話した通り、少し……不思議なことだが、やる気が湧く。生きる意味、それが生じる。この人生で、あまり感じたことのない心踊る感情、それが嬉しさなのだろう。
時が経つのは早い、考え事をしながらも私は作業を完了させると、最後に測定装置の全ての蓋を、カチッと音が鳴るまで閉じた。ここまで長かった。だが、良い経験だった。私は最後に言った。
「さて完了しました。テスト測定を実行して下さい。」
「お!ありがとうございます~どれどれ……。」
スコピオ博士が測定装置の電源を入れると、持っていたPCで測定を開始した。画面を見ていると、みるみるうちに波状のグラフや数値が表示された。成功で間違いない。そう思った瞬間、博士が声を上げた。
「ああ!直りました!ああ~これです、これこれ!良かった!ジェーンさんは我々グレン研究所の誇りです!勇者ですよ!」
「ジェーン凄い!本当に直った!」
アマンダと博士は飛び跳ねながら喜んでいる。瞬間的に、よくリンが気分が高揚した時に、ウサギのように飛び跳ねているのを思い出した。この世界でも、着々と私の中に思い出が刻み込まれている。それは嬉しくもあり、悲しみの原因でもあった。
いずれ、私はこの世界を去るだろう。この世界で生まれた人間ではない私は、この世界で生き続けるべきではない。私のわがままで時空を歪ませ、時を飛び越えてしまった事は、計り知れないほどの罪である。分かっている。分かってはいるが、胸の中に心残りがある。彼女との交流、その中で生まれつつある、何か……だった。
それを置いて、元の世界に帰った時、私はどうなるだろうか。言わば、元の世界に戻ることが、私の犯した罪への罰となるのやもしれない。
「……どうでしょう、ジェーンさん。この際、グレン研究所に来ませんか?ソーライ研究所よりも給料を弾みますよ!」
「結構です。私は今の待遇に満足しております。」
「……ああそう。」
残念そうな顔をして、スコピオ博士が私をじっと見つめた。何か悪いことでも言っただろうか。ほのかに彼の執着感のある視線を感じながら、私は測定装置の周辺に散らばっている道具を、片付け始めた。
「じゃあジェーンさん、俺は研究所に報告するから、広場まで戻りますね。はぁーあ、給料弾むのになぁ。……そうだ、ついでにマグマの様子も測定してきますね。はあ、給料弾みますよ?」
「測定の件、承知致しました。あとしつこいです。」
「……すみませんでした。」
最奥部の洞窟に私とアマンダを置いて、スコピオ博士が広場へ戻って行ってしまった。アマンダがじっと機械を見つめている。今までならアマンダが積極的に火山について話をしてくれたので、私は聞いているだけだったが、今は静かだ。
私から話しかけるのは、多少勇気が要る。
この場合、大人なら、傍にいる子どもに話しかけるべきだろうか。キルディアならどうするだろう。彼女ならきっと、話しかけるに違いない。
元の世界に連れて帰ることが出来ないのなら、せめて私の中に、キルディアのかけらを残しておきたい。そう考えた私は、キルディアを参考に、意を決してアマンダに声を掛けた。
「アマンダ、何か不明な点でも?」
「あのね、これって、どう言う仕組みか気になっていたの!どうして火山の動きを調べられるの?どうして?」
私は微笑んだ。そのざっくりとした質問に、どう答えるべきか。
「何処が知りたいですか?」
「じゃあねえ、ここは?」
アマンダが機械のある部分を指差した。私は答えた。
「それはスイッチに反応し、動力に信号を送るパーツです。」
「じゃあこれは?」
その後も、私は彼女の質問に答え続けた。
数分後に、ザッザッと、足音が聞こえ始めた。どうやらスコピオ博士が帰って来たようだ。私は道具箱を両手に持ち、洞窟の出口へと向かった。何故か複数の足音がする。なるほど、キルディアも一緒に来たに違いない。そう考えると、急に胸が締め付けられた。
アマンダと共に洞窟を抜けようと、歩みを進めている時だった。我々の目の前に現れたのは、スコピオ博士でもキルディアでもなく、全身防具姿の男だった。鎧では無いが、白い制服、胸元の勲章から、彼らは新光騎士団の人間だと理解した。その中には、私達に銃口を向ける者もいた。私は息を飲み、立ち止まった。
「あなたたちは……!?」
「お前の隣に居るのは、アマンダか?」
この質問をする辺り、私ではなくアマンダに用事があるようだ。彼女は不安そうな目を私に向けている。私はすぐに答えた。
「違います。この子は私の娘です。アマンダという名ではありません。何故ですか?」
「そうか違ったか……。」
彼らは、ぼそぼそと話し合いを始めた。その間も、私には銃が向けられている。緊迫した状況に、私は呼吸を整えることに集中した。
「まあいい。合っているだろう。」
「何が……!?」
合っているのか?そう質問する前に、彼らの一人が手に持っていたボタンを押すのが見えた。次の瞬間、目の前が激しく爆発した。
ガラガラと岩が崩れる。洞窟の入り口から注いでいた光は閉ざされた。視界が暗い。私は無意識にしゃがんで、隣に立っていたアマンダを必死に抱きしめていた。
幸い、私にはまだ意識がある。胸の中の小さい頭も、震えてはいるが、しっかり意識がある。少し安心して、徐々に土煙が収まるのを待った。明かり一つ漏れておらず、何も見えない。まだ煙臭く、私たちは咳き込んだ。
「アマンダ……怪我は、ありませんか?」
「だ、大丈夫。でも怖い。」
「大丈夫です、私が付いています。」
しゃがんだ姿勢のまま、私はウォッフォンのライトを点けた。辺りを見回す。スコピオ博士にとっては朗報だろうか、奥にある測定装置には何も危害が及んでいない。しかし、帰路が岩で埋もれてしまっていた。
私はアマンダを近くに座らせて、道具箱から工具用のハンマーを取り出して、崩壊した岩を何度も叩いた。しかしビクともしない。何度も何度も叩いたが、私の腕が熱く、痛むだけだった。
「ジェーン、出られないの?」
「大丈夫です、方法は必ずあります。私が、解決策を……。」
しかし何も思い浮かばない。取り敢えず、私はウォッフォンでキルディアに緊急信号を送った。このまま、ここに居続ければ、私達は熱気と酸素の不足で危ない。
「どうか、早く……。」
私は何度も彼女に信号を送った。
それは脳に対しても同様で、油断して、大事に至らぬよう、こまめな水分補給が鍵となる。幸い、博士の小さな助手は覚えが早く、私のサポートを高い精度で実行してくれる。
汗を拭く作業、そればかりは、出来ればキルディアに頼みたかったが、彼女は採掘に興味があると言う。やはり、体を動かすこと自体に興味があるのか、それとも実は鉱石に興味があるのか、或いは、また別の理由か。そう考えた時に、タールと言う名の男の、盛り上がった肩の筋肉が、脳裏に過った。
……気になる事を、そのまま頭の中でピン留めしておくことを、私は好まない。何においても、不明な箇所があれば、納得するまで知り尽くしたい。よって、今日部屋に戻り次第、彼女にタールの筋肉は好きかと、質問する予定を立てた。
「いやあ、ジェーンさんは、流石だなぁ~ちょっとこのバルブの構造について二、三聞きたい事があるんだが!」
スコピオ博士はウォッフォンのホログラムで、私が先日彼に渡した、マイクロバルブの新しい設計図を表示させ、疑問点を指差しながら質問した。私は彼に説明をしながら、作業を続ける。
ここまで熱心に、私の発明した火山測定装置について聞かれることは、キルディアにも話した通り、少し……不思議なことだが、やる気が湧く。生きる意味、それが生じる。この人生で、あまり感じたことのない心踊る感情、それが嬉しさなのだろう。
時が経つのは早い、考え事をしながらも私は作業を完了させると、最後に測定装置の全ての蓋を、カチッと音が鳴るまで閉じた。ここまで長かった。だが、良い経験だった。私は最後に言った。
「さて完了しました。テスト測定を実行して下さい。」
「お!ありがとうございます~どれどれ……。」
スコピオ博士が測定装置の電源を入れると、持っていたPCで測定を開始した。画面を見ていると、みるみるうちに波状のグラフや数値が表示された。成功で間違いない。そう思った瞬間、博士が声を上げた。
「ああ!直りました!ああ~これです、これこれ!良かった!ジェーンさんは我々グレン研究所の誇りです!勇者ですよ!」
「ジェーン凄い!本当に直った!」
アマンダと博士は飛び跳ねながら喜んでいる。瞬間的に、よくリンが気分が高揚した時に、ウサギのように飛び跳ねているのを思い出した。この世界でも、着々と私の中に思い出が刻み込まれている。それは嬉しくもあり、悲しみの原因でもあった。
いずれ、私はこの世界を去るだろう。この世界で生まれた人間ではない私は、この世界で生き続けるべきではない。私のわがままで時空を歪ませ、時を飛び越えてしまった事は、計り知れないほどの罪である。分かっている。分かってはいるが、胸の中に心残りがある。彼女との交流、その中で生まれつつある、何か……だった。
それを置いて、元の世界に帰った時、私はどうなるだろうか。言わば、元の世界に戻ることが、私の犯した罪への罰となるのやもしれない。
「……どうでしょう、ジェーンさん。この際、グレン研究所に来ませんか?ソーライ研究所よりも給料を弾みますよ!」
「結構です。私は今の待遇に満足しております。」
「……ああそう。」
残念そうな顔をして、スコピオ博士が私をじっと見つめた。何か悪いことでも言っただろうか。ほのかに彼の執着感のある視線を感じながら、私は測定装置の周辺に散らばっている道具を、片付け始めた。
「じゃあジェーンさん、俺は研究所に報告するから、広場まで戻りますね。はぁーあ、給料弾むのになぁ。……そうだ、ついでにマグマの様子も測定してきますね。はあ、給料弾みますよ?」
「測定の件、承知致しました。あとしつこいです。」
「……すみませんでした。」
最奥部の洞窟に私とアマンダを置いて、スコピオ博士が広場へ戻って行ってしまった。アマンダがじっと機械を見つめている。今までならアマンダが積極的に火山について話をしてくれたので、私は聞いているだけだったが、今は静かだ。
私から話しかけるのは、多少勇気が要る。
この場合、大人なら、傍にいる子どもに話しかけるべきだろうか。キルディアならどうするだろう。彼女ならきっと、話しかけるに違いない。
元の世界に連れて帰ることが出来ないのなら、せめて私の中に、キルディアのかけらを残しておきたい。そう考えた私は、キルディアを参考に、意を決してアマンダに声を掛けた。
「アマンダ、何か不明な点でも?」
「あのね、これって、どう言う仕組みか気になっていたの!どうして火山の動きを調べられるの?どうして?」
私は微笑んだ。そのざっくりとした質問に、どう答えるべきか。
「何処が知りたいですか?」
「じゃあねえ、ここは?」
アマンダが機械のある部分を指差した。私は答えた。
「それはスイッチに反応し、動力に信号を送るパーツです。」
「じゃあこれは?」
その後も、私は彼女の質問に答え続けた。
数分後に、ザッザッと、足音が聞こえ始めた。どうやらスコピオ博士が帰って来たようだ。私は道具箱を両手に持ち、洞窟の出口へと向かった。何故か複数の足音がする。なるほど、キルディアも一緒に来たに違いない。そう考えると、急に胸が締め付けられた。
アマンダと共に洞窟を抜けようと、歩みを進めている時だった。我々の目の前に現れたのは、スコピオ博士でもキルディアでもなく、全身防具姿の男だった。鎧では無いが、白い制服、胸元の勲章から、彼らは新光騎士団の人間だと理解した。その中には、私達に銃口を向ける者もいた。私は息を飲み、立ち止まった。
「あなたたちは……!?」
「お前の隣に居るのは、アマンダか?」
この質問をする辺り、私ではなくアマンダに用事があるようだ。彼女は不安そうな目を私に向けている。私はすぐに答えた。
「違います。この子は私の娘です。アマンダという名ではありません。何故ですか?」
「そうか違ったか……。」
彼らは、ぼそぼそと話し合いを始めた。その間も、私には銃が向けられている。緊迫した状況に、私は呼吸を整えることに集中した。
「まあいい。合っているだろう。」
「何が……!?」
合っているのか?そう質問する前に、彼らの一人が手に持っていたボタンを押すのが見えた。次の瞬間、目の前が激しく爆発した。
ガラガラと岩が崩れる。洞窟の入り口から注いでいた光は閉ざされた。視界が暗い。私は無意識にしゃがんで、隣に立っていたアマンダを必死に抱きしめていた。
幸い、私にはまだ意識がある。胸の中の小さい頭も、震えてはいるが、しっかり意識がある。少し安心して、徐々に土煙が収まるのを待った。明かり一つ漏れておらず、何も見えない。まだ煙臭く、私たちは咳き込んだ。
「アマンダ……怪我は、ありませんか?」
「だ、大丈夫。でも怖い。」
「大丈夫です、私が付いています。」
しゃがんだ姿勢のまま、私はウォッフォンのライトを点けた。辺りを見回す。スコピオ博士にとっては朗報だろうか、奥にある測定装置には何も危害が及んでいない。しかし、帰路が岩で埋もれてしまっていた。
私はアマンダを近くに座らせて、道具箱から工具用のハンマーを取り出して、崩壊した岩を何度も叩いた。しかしビクともしない。何度も何度も叩いたが、私の腕が熱く、痛むだけだった。
「ジェーン、出られないの?」
「大丈夫です、方法は必ずあります。私が、解決策を……。」
しかし何も思い浮かばない。取り敢えず、私はウォッフォンでキルディアに緊急信号を送った。このまま、ここに居続ければ、私達は熱気と酸素の不足で危ない。
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