20 / 57
20.皇帝という名の赤ちゃん
しおりを挟む
「………」
皇帝の皇帝……、とても立派といいますか、気品があるというのかーー、うん、何いってんの、俺?
「手が止まっている」
わかってるよ。なんだよ、楽しそうな声しやがって……。
「ーーここは自分で洗えよ」
「自分で洗ったことなどない」
「じゃあ、練習しとけ。3歳児じゃあるまいし」
自分で身体を洗わないなんて、逆にめんどくさいだろ。やってもらうのは背中だけにしとけ。
「ここに乗れ」
「どこだよーー……、って嫌に決まってるだろ!」
ルイリが自分の膝の上を指差した。なんでそんなところに乗らなきゃならないんだ?
「跨るように座れ」
「死ね」
さすがに許容範囲外だ。皇帝でも下品なギャグかますんだな。
「つまらんな」
がっかりしたように言われたんだけど、どこまで本気なんだろうーー?雑と言われようが、ガシガシ秘部を洗い、俺は風呂接待を終える。
「……ーーなあ、ルイリ」
「何だ?」
「冷え性なのか?」
ルイリの肌はいつもひんやりとしてるんだけど、お湯をかけたらあったかくなるかな~?って思ってたんだよ。でも、お湯をどれだけかけようが温まってくる様子がない。
「………ああ」
「それは大変だ」
体質かな?寒い国で冷え性って、キツいよなーー。
俺が湯船に戻ると、ちゃっかりこいつも入って来やがった。ーーこれから毎日これじゃないだろうな……、ホント厄介だよ……、言う事聞かない中坊みたいだ。
「……嫌か」
「ん?」
「触りたくない…か……?」
「え?そんなわけないじゃん」
ひとの体質にケチなんかつけちゃダメだよな。本人にはどうにもならないことだってあるだろうしさ。
「ーーあっ、ルイリ」
「なんだ?」
白い湯気の中でルイリが薄く笑ってんだけど、それがなんかエロくて、……俺は困る。マジで何かにつけて困ってんだよ……。
ーー男でも色っぽいって表現が使えるんだな…。ヤベーぐらい色気エグいじゃん。
「庭にたくさん植わってる木、あれがロウバイなのか?」
ロウバイ宮殿の庭には、いまは枝だけの木がたくさん植わってるんだ(枯れ葉が残ってるやつもあるけど)。なんだろうな…、って思ってたけど、他の姫様がユリとかダリアとかついてるなら花の名前なのかな?
「知らないのか?」
「ああ」
「ーー冬に黄色い花を咲かせる。感じの良い花だ」
「へぇーー」
「ーー咲いたら花見をしよう」
「ん?ああーー……」
花見か……、それはいいなーー。楽しそうだ………。
ーーでも、……まだ次の人が来なければの話だよ…。
「おい、歯を磨いたか?」
ふぅー、とバスローブもどきを着てくつろいでいらっしゃる皇帝に、俺は声をかける。まったく、俺ってば何を聞いてんだよな?
「磨け」
腰かけていた長椅子に横になり、ルイリが言った。
「………はいはい」
クラメンが道具をもってきて俺に手渡す。ルイリの横に座り、頭を少しもちあげてそこに自分の膝をいれる。何が悲しくて俺は同じヤローに膝枕なんかしてやってんだろな?
慣れてしまったが、毎晩これなんだよーー。ここまで皇帝って自分のこと自分でしないの?大丈夫か?すぐにボケないーー?……とはいうものの、ルイリのきれいな歯並びを見るのは別に嫌じゃない。ーーあれ?俺って変態だったかな?まっ、たしかに膝に頭をのせて磨いてる図は、何のプレーだよ、って感じだけどさ。
ちなみに使うのは豚毛で作られてる歯ブラシなんだ。磨き粉はハーブのセージと塩みたいなものが混ざったやつ。なんでもそうだけど、塩って大事だよなーー。
「ーーはい、クラメン」
こいつは私生活を誰に見られても恥ずかしいとかないんだろうな。まわりにひとばっかりいるし、きっと慣れっこなんだ。
「失礼いたします」
うがいした後の容器をクラメンが持っていってくれる。侍女ってやることが多い……、見てると申し訳なくなってくるよーー……。
柔らかい手拭いでルイリの口元を拭く、その口が笑っているようにみえるけど見間違いかな?
「ぷっ」
ヤバいヤバい、我慢できずに吹いちゃったよ。
「どうした?」
「……ルイリは甘えん坊だな」
なんか、俺もたいがい遠慮のない人間だけど、こいつもけっこうひどいだろ。
「ーー甘えん坊……」
ふんっ、と鼻で笑われちゃったけど、事実じゃねえか。ルイリがおかしそうな顔で俺の頬に触れて、そのひんやりとした指で俺の火照りを冷ましてくれる。湯上がりにこれは最高だけどさーー。
皇帝の皇帝……、とても立派といいますか、気品があるというのかーー、うん、何いってんの、俺?
「手が止まっている」
わかってるよ。なんだよ、楽しそうな声しやがって……。
「ーーここは自分で洗えよ」
「自分で洗ったことなどない」
「じゃあ、練習しとけ。3歳児じゃあるまいし」
自分で身体を洗わないなんて、逆にめんどくさいだろ。やってもらうのは背中だけにしとけ。
「ここに乗れ」
「どこだよーー……、って嫌に決まってるだろ!」
ルイリが自分の膝の上を指差した。なんでそんなところに乗らなきゃならないんだ?
「跨るように座れ」
「死ね」
さすがに許容範囲外だ。皇帝でも下品なギャグかますんだな。
「つまらんな」
がっかりしたように言われたんだけど、どこまで本気なんだろうーー?雑と言われようが、ガシガシ秘部を洗い、俺は風呂接待を終える。
「……ーーなあ、ルイリ」
「何だ?」
「冷え性なのか?」
ルイリの肌はいつもひんやりとしてるんだけど、お湯をかけたらあったかくなるかな~?って思ってたんだよ。でも、お湯をどれだけかけようが温まってくる様子がない。
「………ああ」
「それは大変だ」
体質かな?寒い国で冷え性って、キツいよなーー。
俺が湯船に戻ると、ちゃっかりこいつも入って来やがった。ーーこれから毎日これじゃないだろうな……、ホント厄介だよ……、言う事聞かない中坊みたいだ。
「……嫌か」
「ん?」
「触りたくない…か……?」
「え?そんなわけないじゃん」
ひとの体質にケチなんかつけちゃダメだよな。本人にはどうにもならないことだってあるだろうしさ。
「ーーあっ、ルイリ」
「なんだ?」
白い湯気の中でルイリが薄く笑ってんだけど、それがなんかエロくて、……俺は困る。マジで何かにつけて困ってんだよ……。
ーー男でも色っぽいって表現が使えるんだな…。ヤベーぐらい色気エグいじゃん。
「庭にたくさん植わってる木、あれがロウバイなのか?」
ロウバイ宮殿の庭には、いまは枝だけの木がたくさん植わってるんだ(枯れ葉が残ってるやつもあるけど)。なんだろうな…、って思ってたけど、他の姫様がユリとかダリアとかついてるなら花の名前なのかな?
「知らないのか?」
「ああ」
「ーー冬に黄色い花を咲かせる。感じの良い花だ」
「へぇーー」
「ーー咲いたら花見をしよう」
「ん?ああーー……」
花見か……、それはいいなーー。楽しそうだ………。
ーーでも、……まだ次の人が来なければの話だよ…。
「おい、歯を磨いたか?」
ふぅー、とバスローブもどきを着てくつろいでいらっしゃる皇帝に、俺は声をかける。まったく、俺ってば何を聞いてんだよな?
「磨け」
腰かけていた長椅子に横になり、ルイリが言った。
「………はいはい」
クラメンが道具をもってきて俺に手渡す。ルイリの横に座り、頭を少しもちあげてそこに自分の膝をいれる。何が悲しくて俺は同じヤローに膝枕なんかしてやってんだろな?
慣れてしまったが、毎晩これなんだよーー。ここまで皇帝って自分のこと自分でしないの?大丈夫か?すぐにボケないーー?……とはいうものの、ルイリのきれいな歯並びを見るのは別に嫌じゃない。ーーあれ?俺って変態だったかな?まっ、たしかに膝に頭をのせて磨いてる図は、何のプレーだよ、って感じだけどさ。
ちなみに使うのは豚毛で作られてる歯ブラシなんだ。磨き粉はハーブのセージと塩みたいなものが混ざったやつ。なんでもそうだけど、塩って大事だよなーー。
「ーーはい、クラメン」
こいつは私生活を誰に見られても恥ずかしいとかないんだろうな。まわりにひとばっかりいるし、きっと慣れっこなんだ。
「失礼いたします」
うがいした後の容器をクラメンが持っていってくれる。侍女ってやることが多い……、見てると申し訳なくなってくるよーー……。
柔らかい手拭いでルイリの口元を拭く、その口が笑っているようにみえるけど見間違いかな?
「ぷっ」
ヤバいヤバい、我慢できずに吹いちゃったよ。
「どうした?」
「……ルイリは甘えん坊だな」
なんか、俺もたいがい遠慮のない人間だけど、こいつもけっこうひどいだろ。
「ーー甘えん坊……」
ふんっ、と鼻で笑われちゃったけど、事実じゃねえか。ルイリがおかしそうな顔で俺の頬に触れて、そのひんやりとした指で俺の火照りを冷ましてくれる。湯上がりにこれは最高だけどさーー。
63
あなたにおすすめの小説
30歳まで独身だったので男と結婚することになった
あかべこ
BL
※未完
4年前、酒の席で学生時代からの友人のオリヴァーと「30歳まで独身だったら結婚するか?」と持ちかけた冒険者のエドウィン。そして4年後のオリヴァーの誕生日、エドウィンはその約束の履行を求められてしまう。
キラキラしくて頭いいイケメン貴族×ちょっと薄暗い過去持ち平凡冒険者
その首輪は、弟の牙でしか外せない。
ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。
第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。
初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。
「今すぐ部屋から出ろ!」
独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。
翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。
「俺以外に触らせるな」
そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。
弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。
本当にこのままでもいいのか。
ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。
その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。
どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。
リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24)
※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。
三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。
オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる
クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。
【完結】お義父さんが、だいすきです
* ゆるゆ
BL
闇の髪に闇の瞳で、悪魔の子と生まれてすぐ捨てられた僕を拾ってくれたのは、月の精霊でした。
種族が違っても、僕は、おとうさんが、だいすきです。
ぜったいハッピーエンド保証な本編、おまけのお話、完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
トェルとリィフェルの動画つくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのWebサイトから、どちらにも飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりました。
これからもどうぞよろしくお願い致します!
表紙や動画はAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。校正も自力です!(笑)
白熊皇帝と伝説の妃
沖田弥子
BL
調理師の結羽は失職してしまい、途方に暮れて家へ帰宅する途中、車に轢かれそうになった子犬を救う。意識が戻るとそこは見知らぬ豪奢な寝台。現れた美貌の皇帝、レオニートにここはアスカロノヴァ皇国で、結羽は伝説の妃だと告げられる。けれど、伝説の妃が携えているはずの氷の花を結羽は持っていなかった。怪我の治療のためアスカロノヴァ皇国に滞在することになった結羽は、神獣の血を受け継ぐ白熊一族であるレオニートと心を通わせていくが……。◆第19回角川ルビー小説大賞・最終選考作品。本文は投稿時のまま掲載しています。
不遇聖女様(男)は、国を捨てて闇落ちする覚悟を決めました!
ミクリ21
BL
聖女様(男)は、理不尽な不遇を受けていました。
その不遇は、聖女になった7歳から始まり、現在の15歳まで続きました。
しかし、聖女ラウロはとうとう国を捨てるようです。
何故なら、この世界の成人年齢は15歳だから。
聖女ラウロは、これからは闇落ちをして自由に生きるのだ!!(闇落ちは自称)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる