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43.騙された月璃
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「こんちわ~、新薬協力に来ました!」
魔法師ギルド『ファッロ』、その黒い建物の中にはいると、黒いローブを着たおじさんが迎えてくれた。魔法使いって雰囲気でてるよな。
「よく来てくれた……、サージと……ツキリだな?」
「そうです」
「よろしく頼むよ。今日試薬してもらう魔法薬は、いま一番需要があるあれなんだ……」
「はい!いまから楽しみにしてますんで!」
うれしそうなサージに、俺は首を傾げる。薬ってそんなに楽しみものか?逆に副作用とかで心配なものだろう?魔法だから大丈夫なのかな……。
サージとの温度差を感じながら、俺達は灰色の廊下を歩く。あちこちから変なニオイがするし、暗い布はかかってるし(おしゃれなのか?)、ちょっとここ普通の施設じゃない気がしてきたんだけど……。
「ーーなあサージ」
「ああ?」
「帰っていいか?」
「いいわけないだろ!」
おじさんに聞こえないよう声のボリュームを下げた俺は、噛み付くような怒鳴り声をサージに返され唖然となる。な、なんだよ、そんなに怒らなくてもいいだろ?
「だってここ、雰囲気悪いし……」
「魔法師ギルドはこんなもんだ!」
そんなデカい声出すなよ、おじさんに聞こえるだろ?必死な形相なサージに不気味なものを感じながら、俺は奥の部屋に連れて行かれる。
「帰られたら困るーー、おまえは特にな……」
「ははっ」
おじさんの言葉にサージが慌てたように笑う。ーー俺に帰られたら困る?人数がいる検査なのか?
「依頼主たっての希望だ。………サージはそのままで、ーーツキリはここに入るように」
扉を小さく開けたおじさんに手招きをされた。まあ、サージと別ならいいか……。警戒しながら扉に近づき、そっと中の様子を見ようとしたんだけどーー。
扉の隙間から部屋を覗きたかったのに、それより早くおじさんに背中を押された。
「え?」
つんのめりながらはいったそこは、殺風景な何もない部屋だ。ーー窓もない…。窓がないって、……叫んでも無駄ってことなんじゃ……。
ゾクッーー……。
悪寒が背中を走る。
「なんだよ、この部屋ーー」
そこはまるで牢屋だった。真正面には鉄格子があって、通路が見える。そして、通路の向かいには俺のいるところと同じで鉄格子があるんだよ。
「え?」
困惑する俺の口に、おじさんがコップを押し付けてきた。
「ぶっ」
グイグイとそのコップを押し付けて、中身を飲まそうとしてくる。おい!無理やりすぎるだろ、やめてくれよーー!
「ちゃんと飲め。飲まなきゃ殺すーー」
「!」
ギラついたおじさんの目が、マジだって言ってる。その証拠に、俺の腹には別のおじさんが短剣を押し当てているんだ……。
「……全部飲んだか?」
「こぼすんじゃない……、ほら、追加だーー」
「っ!」
ドロっとした甘く苦い液体を無理やり飲まされ、俺は呆然としたまま顔を引き攣らせることしかできない。
な、なんでーー?こんな無理やりやることなのかーー?
「ひゃ~、全部飲んだか?ツキリ~」
はしゃいだ声をだすサージを探して、俺は目を動かす。あいつは隣りの部屋にいるんじゃないのか?俺のように、無理やり薬を飲まされているんじゃないのかーー……ッ!?
「ーーサージ……」
そして、目を疑う光景を見た。
「……なんで?」
サージが俺を牢屋の外から見ているんだ。通路に立ってニヤついた顔のまま、おじさん達にはがいじめにされてる俺を見てるだけなんだよーー。
「ーー良い眺めだな……。待ち遠しくて仕方ねえ」
「こいつは1時間後に効いてくる薬を飲ませた」
床に俺を落としたおじさんは、すぐ横に大きな砂時計を置いた。砂がサラサラと落ちはじめる。
「1時間後……!長いだろ!」
口をゆがませたサージが、鉄格子を叩く。イライラしたような態度に、俺は眉をひそめるしかない。おまえ、俺をだましたのかーー!こいつらとグルになって、俺に何を飲ませたんだよ!?
「ーーあくまでこっちは新薬の経過検査なんだ。おまえの後ろにいるやつがその半分ほど、その隣りのやつはーーもうすぐだな」
「ふん、まあいい……。楽しみだぜ!」
ふたりの話が終わった直後だった。すぐ近くから、ひとの呻き声が聞こえてきたんだ。
魔法師ギルド『ファッロ』、その黒い建物の中にはいると、黒いローブを着たおじさんが迎えてくれた。魔法使いって雰囲気でてるよな。
「よく来てくれた……、サージと……ツキリだな?」
「そうです」
「よろしく頼むよ。今日試薬してもらう魔法薬は、いま一番需要があるあれなんだ……」
「はい!いまから楽しみにしてますんで!」
うれしそうなサージに、俺は首を傾げる。薬ってそんなに楽しみものか?逆に副作用とかで心配なものだろう?魔法だから大丈夫なのかな……。
サージとの温度差を感じながら、俺達は灰色の廊下を歩く。あちこちから変なニオイがするし、暗い布はかかってるし(おしゃれなのか?)、ちょっとここ普通の施設じゃない気がしてきたんだけど……。
「ーーなあサージ」
「ああ?」
「帰っていいか?」
「いいわけないだろ!」
おじさんに聞こえないよう声のボリュームを下げた俺は、噛み付くような怒鳴り声をサージに返され唖然となる。な、なんだよ、そんなに怒らなくてもいいだろ?
「だってここ、雰囲気悪いし……」
「魔法師ギルドはこんなもんだ!」
そんなデカい声出すなよ、おじさんに聞こえるだろ?必死な形相なサージに不気味なものを感じながら、俺は奥の部屋に連れて行かれる。
「帰られたら困るーー、おまえは特にな……」
「ははっ」
おじさんの言葉にサージが慌てたように笑う。ーー俺に帰られたら困る?人数がいる検査なのか?
「依頼主たっての希望だ。………サージはそのままで、ーーツキリはここに入るように」
扉を小さく開けたおじさんに手招きをされた。まあ、サージと別ならいいか……。警戒しながら扉に近づき、そっと中の様子を見ようとしたんだけどーー。
扉の隙間から部屋を覗きたかったのに、それより早くおじさんに背中を押された。
「え?」
つんのめりながらはいったそこは、殺風景な何もない部屋だ。ーー窓もない…。窓がないって、……叫んでも無駄ってことなんじゃ……。
ゾクッーー……。
悪寒が背中を走る。
「なんだよ、この部屋ーー」
そこはまるで牢屋だった。真正面には鉄格子があって、通路が見える。そして、通路の向かいには俺のいるところと同じで鉄格子があるんだよ。
「え?」
困惑する俺の口に、おじさんがコップを押し付けてきた。
「ぶっ」
グイグイとそのコップを押し付けて、中身を飲まそうとしてくる。おい!無理やりすぎるだろ、やめてくれよーー!
「ちゃんと飲め。飲まなきゃ殺すーー」
「!」
ギラついたおじさんの目が、マジだって言ってる。その証拠に、俺の腹には別のおじさんが短剣を押し当てているんだ……。
「……全部飲んだか?」
「こぼすんじゃない……、ほら、追加だーー」
「っ!」
ドロっとした甘く苦い液体を無理やり飲まされ、俺は呆然としたまま顔を引き攣らせることしかできない。
な、なんでーー?こんな無理やりやることなのかーー?
「ひゃ~、全部飲んだか?ツキリ~」
はしゃいだ声をだすサージを探して、俺は目を動かす。あいつは隣りの部屋にいるんじゃないのか?俺のように、無理やり薬を飲まされているんじゃないのかーー……ッ!?
「ーーサージ……」
そして、目を疑う光景を見た。
「……なんで?」
サージが俺を牢屋の外から見ているんだ。通路に立ってニヤついた顔のまま、おじさん達にはがいじめにされてる俺を見てるだけなんだよーー。
「ーー良い眺めだな……。待ち遠しくて仕方ねえ」
「こいつは1時間後に効いてくる薬を飲ませた」
床に俺を落としたおじさんは、すぐ横に大きな砂時計を置いた。砂がサラサラと落ちはじめる。
「1時間後……!長いだろ!」
口をゆがませたサージが、鉄格子を叩く。イライラしたような態度に、俺は眉をひそめるしかない。おまえ、俺をだましたのかーー!こいつらとグルになって、俺に何を飲ませたんだよ!?
「ーーあくまでこっちは新薬の経過検査なんだ。おまえの後ろにいるやつがその半分ほど、その隣りのやつはーーもうすぐだな」
「ふん、まあいい……。楽しみだぜ!」
ふたりの話が終わった直後だった。すぐ近くから、ひとの呻き声が聞こえてきたんだ。
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