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47.カメリアとロディテ
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「失礼致します!か、カメリア、陛下がロウバイ宮殿の侍女クラメンという者を連れて来いと!」
「え?ーーええーー!?」
突然の指示にカメリアも意味がわからず、公爵達も互いの顔を見合わせる。
「それは、陛下の御指示か?」
「間違いなく。明日からは朝議にでる、との御言葉も賜りましたーー」
肩で息をするブラコアが、嘘を言っているようには見えない。彼はこの報告を早く伝えなければ、と全力で走ってきたのだろう。
「そうか……、それで陛下の御様子は?」
「ーーは、はい。それが、とてもお疲れの御様子でして、少しお痩せになったようにも思います」
緊張したブラコアが息を整えながら話す。こちらの知りたいことを正確に伝えてくれるーー、四公爵は彼の言葉にほっと胸を撫で下ろした。
「やはり御病気だったのか……」
「陛下は仰られないから。やはり、早く皇妃をお選びにならないとーー」
「そのクラメンとやらを早く連れて行け。何か陛下がお気に召すところがあったのだろう」
「それは喜ばしいことではないかーー」
肩の荷が下りたような公爵達は、使用人を呼んでお茶の準備をさせる。そこに、カメリアが口を挟んだ。
「ですが、ロウバイ宮殿がおとなしく侍女をだすでしょうか?」
あのセラフィナのことだ。グラキエスが自分の侍女を所望していると聞けば、また無理難題を言い出すに決まっている。それをどうするのかーー?
「いま、セラフィナ様は愛妾エリアで使用人をいじめている最中だ。いまならさらって来れるだろう」
「早く行け。我々がセラフィナ様を引き留めておくーー」
「はっ!」
勇ましい声をブラコアがあげる中、カメリアは愕然とした表情で下を向いた。
「ーーカメリア!」
「ーーあっ、はい!」
名を呼ばれ彼女は返事をする。その様子に、ミモザ公爵が大きなため息をつく。
「ーーラノス元伯爵令嬢カメリア……」
「……はい」
「おまえをこの城に置いている意味はわかっているのだろうな?」
「………」
カランコエ公爵の冷たい声が会議室に響いた。カメリアの頭は下げられたままだ。彼女は返事もできずに色のない顔で、自分の靴を見るしかなかった。
「陛下の叔父君ラノス元伯爵クロム、いわばあの男をおとなしくさせるための人質としておまえをここに置いているのだ」
「ーーー心得て、おります……」
声が震えそうになるのを、カメリアは必死に堪える。
「おまえはロディテ殿の妹なのに、一度も求められたことがないそうだな?」
「………」
「おまえの父親がアルドール国に逃げるのに、ロディテ殿を連れて行かなければ、皇妃はすぐに決まったはずーー」
「おまえを連れて行かなかったのが、あの男らしいーー。おまえでは姉の代わりにならないのがわかっていたのだろう」
「姉とまったく似ていないのだから仕方がない、カメリアは女にしては厳ついからなーー」
残念そうに言うが、実際は馬鹿にしているのだろうーー、カメリアは目を見開いたまま口を開く。そして、他の女性達より大きな、自分の靴を見ながら言った。
「申し訳、ありません………」
踵を返したカメリアは、俯きながらブラコアの後を追いかける。その目にはうっすらと涙が光っているのを、知る者はいないーー……。
「え?ーーええーー!?」
突然の指示にカメリアも意味がわからず、公爵達も互いの顔を見合わせる。
「それは、陛下の御指示か?」
「間違いなく。明日からは朝議にでる、との御言葉も賜りましたーー」
肩で息をするブラコアが、嘘を言っているようには見えない。彼はこの報告を早く伝えなければ、と全力で走ってきたのだろう。
「そうか……、それで陛下の御様子は?」
「ーーは、はい。それが、とてもお疲れの御様子でして、少しお痩せになったようにも思います」
緊張したブラコアが息を整えながら話す。こちらの知りたいことを正確に伝えてくれるーー、四公爵は彼の言葉にほっと胸を撫で下ろした。
「やはり御病気だったのか……」
「陛下は仰られないから。やはり、早く皇妃をお選びにならないとーー」
「そのクラメンとやらを早く連れて行け。何か陛下がお気に召すところがあったのだろう」
「それは喜ばしいことではないかーー」
肩の荷が下りたような公爵達は、使用人を呼んでお茶の準備をさせる。そこに、カメリアが口を挟んだ。
「ですが、ロウバイ宮殿がおとなしく侍女をだすでしょうか?」
あのセラフィナのことだ。グラキエスが自分の侍女を所望していると聞けば、また無理難題を言い出すに決まっている。それをどうするのかーー?
「いま、セラフィナ様は愛妾エリアで使用人をいじめている最中だ。いまならさらって来れるだろう」
「早く行け。我々がセラフィナ様を引き留めておくーー」
「はっ!」
勇ましい声をブラコアがあげる中、カメリアは愕然とした表情で下を向いた。
「ーーカメリア!」
「ーーあっ、はい!」
名を呼ばれ彼女は返事をする。その様子に、ミモザ公爵が大きなため息をつく。
「ーーラノス元伯爵令嬢カメリア……」
「……はい」
「おまえをこの城に置いている意味はわかっているのだろうな?」
「………」
カランコエ公爵の冷たい声が会議室に響いた。カメリアの頭は下げられたままだ。彼女は返事もできずに色のない顔で、自分の靴を見るしかなかった。
「陛下の叔父君ラノス元伯爵クロム、いわばあの男をおとなしくさせるための人質としておまえをここに置いているのだ」
「ーーー心得て、おります……」
声が震えそうになるのを、カメリアは必死に堪える。
「おまえはロディテ殿の妹なのに、一度も求められたことがないそうだな?」
「………」
「おまえの父親がアルドール国に逃げるのに、ロディテ殿を連れて行かなければ、皇妃はすぐに決まったはずーー」
「おまえを連れて行かなかったのが、あの男らしいーー。おまえでは姉の代わりにならないのがわかっていたのだろう」
「姉とまったく似ていないのだから仕方がない、カメリアは女にしては厳ついからなーー」
残念そうに言うが、実際は馬鹿にしているのだろうーー、カメリアは目を見開いたまま口を開く。そして、他の女性達より大きな、自分の靴を見ながら言った。
「申し訳、ありません………」
踵を返したカメリアは、俯きながらブラコアの後を追いかける。その目にはうっすらと涙が光っているのを、知る者はいないーー……。
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