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49.ルイリの告白と薬の後遺症
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「ちょ、ちょっと待ってくれよ!」
整理しよう。ものごとは何でも整理整頓が大事だからな。
「ーーなんだ?」
いや、いまキスはいいんだよ。ご遠慮つかまつるでござるよ。キスの寸止めくらったからって、怒るんじゃないの。
「ル、ルイリはどういうつもりで俺のこと好きなんだよ!」
まずはそこだ。『愛している』、なんて軽々しく口にするなって!
「恋しい、愛おしいーー、そういうつもりだ」
「違う!それは勘違い!、じゃないやーーーよ、ようは……、あれだ!ーーも、も、元カノと俺が、ーー似てるんだよな?」
うわぁ、言っちまったよーーーッ!自分で言っててメンタル削れエゲツね~~~!
「ーーおまえのような顔が好みなのだろう」
顔を覗き込まれて言われるんだけど、いや、心臓に悪いからやめて?
「へぇーーー、っじゃない!なんで別れたのか知らないけど、結局、俺は身代わりだろ!」
「違う」
はっきりと否定したルイリの声色には、何のブレもなかった。これが嘘なら彼はたいした役者なんだろうけどさ………。
「違わないじゃん。絶対に比べるし、ーー忘れられない、んだろ……?」
自分で言ってて悲しすぎるよ。俺の顔を見るたびに元カノ思い出してるなんて、最悪だろ。
「ーーそうだな……。思い出しはする、ーー比べることもあるーー」
「マジ最悪じゃん………」
ぷいっと気持ちは顔を背けたいのに、首が痛いんだよ。何の筋肉痛だ!俺はもう、こいつの顔なんか見たくないんだ!
「ーーロディテよりおまえの話し方のほうがいい……、おまえの笑い方のほうが好きだーー」
「………え?」
「おまえといる方が楽しいし、おまえがいなくてはとても寂しい……」
「………あ……」
「ロディテがいないことよりも、おまえがいないことの方がつらい……、いつまでも側にいてくれ、ツキリーー」
「…………」
ーーーえ?何いってんだ、こいつ?
俺は真剣な眼をしたルイリに、現実を教えてやらなきゃ、って思った。まさか、わかっていないとはな。
「ーー俺が側にいて、おまえ、何も良いことなんかないじゃん……」
「幸せだ」
言い切られると俺の心も揺れる。だけど、そこに甘えるわけにはいかないよ。
「………いや、ーーけど、俺、………男だし……」
「わかっている」
「いや、わかってないよ。ーーおまえには、他に嫁さんがたくさんいるのに、俺なんかにかまう暇なんかないはずだ。それに、あ、あとつ……」
現実を言葉にだすと、その言葉の意味が俺の心をえぐってきて、泣きたくもないのに涙がこぼれてしまう。
「………ぐすっ」
リタナ姫様達を大事にしてやって、とか、後継ぎができたらいいな、とか、言わなきゃいけない言葉があるのに、俺の口はそれを言わせてくれなかった。ただ、ガキみたいに鼻をすすって、ルイリのほうから目をそらしてくれと願ったよ……。
「ーー私の側にいることが、そんなに難しいか?」
「………」
難しいに決まってる。俺にはおまえにしてやれることなんか、何にもないんだから……。
「そうか……」
「………」
そうだよ、俺は大丈夫だから。ひとりでここに来たんだから、ひとりでも生きていけるってことだろ?ーーいや、もしかしたら他でラブラブな彼女ができるかもしれないし、さ……。
「ならば、私がおまえの側にいることにする」
「…………?」
ーーん?ーーそれってどういうことなんだ?いまので、なにか解決したか?
いやいや、違うだろ……、言葉を続けようとした俺だったけど、急にお腹のあたりがギュッと変な動きをして息がつまった。
ーーーッ!?
「………うっ」
俺は顔をしかめる。ん……、んっ?ーーな、なんだよ、こ、これ……?
「ーー依存か、後遺症のようなものか……、難しい薬だ。神経に深く入り込んでいる。ーーノウスに……、魔導師に調べさせてはいるのだが……、完全に取り除くのは無理のようだな……」
「……?………、ぅ~~~~~んっ」
ちょっと待て。どうなってるの?俺の身体!熱い、熱くて、真夏でも熱湯につかってるわけでもないのにーー身体がおかしくなってくる!
「話は後だ。ツキリーー」
ルイリの声が耳の側で聞こえ、俺の身体に鳥肌が立った。や、ヤバい!なんて、感じる声なんだよーー、背中がゾクゾクくる。ーーあ……、俺がおかしいのか!?
「~~~ッ!」
激しく首を振って、熱を逃がしたいのに、身体はどんどんと燃えていくように熱くなる。
「ーー来い」
ルイリのひんやりとした手が俺の頬を撫でた。その冷たさがとても気持ちがよくて、俺はなぜか涙がとまらなくなった。
ーー俺、いまかなり変だよ、変すぎてヤバイよーー。こんなんでも、おまえはいいの?
雨のように降るくちづけや、そよ風のように身体を撫でる手に、俺の理性が甘く溶けていくーー……。あーー、気持ちがイイ……、ずっとこうしてたい……。こんなにキスされちゃ、俺の身体どうなっちゃうんだろう……?
気持ちがよすぎても死ぬことあるのかな?ーー死んじゃうなら、このまま俺のこと、抱きしめててくれるーー?あぁ、ルイリ、もっときつくしてよーー、キツイのが、イイんだからーーー………。
整理しよう。ものごとは何でも整理整頓が大事だからな。
「ーーなんだ?」
いや、いまキスはいいんだよ。ご遠慮つかまつるでござるよ。キスの寸止めくらったからって、怒るんじゃないの。
「ル、ルイリはどういうつもりで俺のこと好きなんだよ!」
まずはそこだ。『愛している』、なんて軽々しく口にするなって!
「恋しい、愛おしいーー、そういうつもりだ」
「違う!それは勘違い!、じゃないやーーーよ、ようは……、あれだ!ーーも、も、元カノと俺が、ーー似てるんだよな?」
うわぁ、言っちまったよーーーッ!自分で言っててメンタル削れエゲツね~~~!
「ーーおまえのような顔が好みなのだろう」
顔を覗き込まれて言われるんだけど、いや、心臓に悪いからやめて?
「へぇーーー、っじゃない!なんで別れたのか知らないけど、結局、俺は身代わりだろ!」
「違う」
はっきりと否定したルイリの声色には、何のブレもなかった。これが嘘なら彼はたいした役者なんだろうけどさ………。
「違わないじゃん。絶対に比べるし、ーー忘れられない、んだろ……?」
自分で言ってて悲しすぎるよ。俺の顔を見るたびに元カノ思い出してるなんて、最悪だろ。
「ーーそうだな……。思い出しはする、ーー比べることもあるーー」
「マジ最悪じゃん………」
ぷいっと気持ちは顔を背けたいのに、首が痛いんだよ。何の筋肉痛だ!俺はもう、こいつの顔なんか見たくないんだ!
「ーーロディテよりおまえの話し方のほうがいい……、おまえの笑い方のほうが好きだーー」
「………え?」
「おまえといる方が楽しいし、おまえがいなくてはとても寂しい……」
「………あ……」
「ロディテがいないことよりも、おまえがいないことの方がつらい……、いつまでも側にいてくれ、ツキリーー」
「…………」
ーーーえ?何いってんだ、こいつ?
俺は真剣な眼をしたルイリに、現実を教えてやらなきゃ、って思った。まさか、わかっていないとはな。
「ーー俺が側にいて、おまえ、何も良いことなんかないじゃん……」
「幸せだ」
言い切られると俺の心も揺れる。だけど、そこに甘えるわけにはいかないよ。
「………いや、ーーけど、俺、………男だし……」
「わかっている」
「いや、わかってないよ。ーーおまえには、他に嫁さんがたくさんいるのに、俺なんかにかまう暇なんかないはずだ。それに、あ、あとつ……」
現実を言葉にだすと、その言葉の意味が俺の心をえぐってきて、泣きたくもないのに涙がこぼれてしまう。
「………ぐすっ」
リタナ姫様達を大事にしてやって、とか、後継ぎができたらいいな、とか、言わなきゃいけない言葉があるのに、俺の口はそれを言わせてくれなかった。ただ、ガキみたいに鼻をすすって、ルイリのほうから目をそらしてくれと願ったよ……。
「ーー私の側にいることが、そんなに難しいか?」
「………」
難しいに決まってる。俺にはおまえにしてやれることなんか、何にもないんだから……。
「そうか……」
「………」
そうだよ、俺は大丈夫だから。ひとりでここに来たんだから、ひとりでも生きていけるってことだろ?ーーいや、もしかしたら他でラブラブな彼女ができるかもしれないし、さ……。
「ならば、私がおまえの側にいることにする」
「…………?」
ーーん?ーーそれってどういうことなんだ?いまので、なにか解決したか?
いやいや、違うだろ……、言葉を続けようとした俺だったけど、急にお腹のあたりがギュッと変な動きをして息がつまった。
ーーーッ!?
「………うっ」
俺は顔をしかめる。ん……、んっ?ーーな、なんだよ、こ、これ……?
「ーー依存か、後遺症のようなものか……、難しい薬だ。神経に深く入り込んでいる。ーーノウスに……、魔導師に調べさせてはいるのだが……、完全に取り除くのは無理のようだな……」
「……?………、ぅ~~~~~んっ」
ちょっと待て。どうなってるの?俺の身体!熱い、熱くて、真夏でも熱湯につかってるわけでもないのにーー身体がおかしくなってくる!
「話は後だ。ツキリーー」
ルイリの声が耳の側で聞こえ、俺の身体に鳥肌が立った。や、ヤバい!なんて、感じる声なんだよーー、背中がゾクゾクくる。ーーあ……、俺がおかしいのか!?
「~~~ッ!」
激しく首を振って、熱を逃がしたいのに、身体はどんどんと燃えていくように熱くなる。
「ーー来い」
ルイリのひんやりとした手が俺の頬を撫でた。その冷たさがとても気持ちがよくて、俺はなぜか涙がとまらなくなった。
ーー俺、いまかなり変だよ、変すぎてヤバイよーー。こんなんでも、おまえはいいの?
雨のように降るくちづけや、そよ風のように身体を撫でる手に、俺の理性が甘く溶けていくーー……。あーー、気持ちがイイ……、ずっとこうしてたい……。こんなにキスされちゃ、俺の身体どうなっちゃうんだろう……?
気持ちがよすぎても死ぬことあるのかな?ーー死んじゃうなら、このまま俺のこと、抱きしめててくれるーー?あぁ、ルイリ、もっときつくしてよーー、キツイのが、イイんだからーーー………。
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