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52.皇妃に決められている月璃
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そうだ、なんで言われるまで忘れてたんだろう……。サージに騙されてあんな目に合って……、俺は「絶対にヤダ~~~!もう死んでやるぞ!」、って頸動脈バッサリやってしまおう、って思ったんだよな。
ーーでも、やっぱり怖くてーー……、ルイリのことを考えたら、恐怖心もなくなるかな、とか思っただけでーー……。
すごいキレイな目を向けられてるんだけど、ーーマジかよ……。ホント、こいつは俺とどうなるつもりなんだ?
「ーーなあ、ルイリ」
「ああ」
「俺はたしかに、あんたが好きだ」
「………」
そんなうれしそうな顔をされても、戸惑うしかない……。俺は軽く息を吐いて、言葉を探した。う~ん、何ていうのが一番なのかな……。
「……でも……未来、っていうのかな……。やっぱりそこは気になるからーー……」
「ツキリ」
「な、何だよ」
手を握りしめられ、俺は肩をビクッと震わせた。いきなりで驚くじゃん。
「私はおまえを皇妃にする」
「………」
「おまえの一生を私に寄越せ。おまえのすべては、この瞬間から『私のもの』とする。異論は、認めないーー」
「………ルイリ」
ーーどこまで本気なんだ、こいつ………。
俺様な発言にキュンとくるものはあるけど、ちょっと冷静にならなきゃな……。ひんやりとした唇なのに、やたら熱烈なキスをしてくるしーー……、って、もう恥ずかしいからやめてよ~~~。
「ル、ルイリッ!ーーちょっ、ちょっと、待て!待ってくれーー!変なとこさわるな!」
「ーー腰が弱いな」
「やらしいこと言うなって!ーーーそ、そういうのは、まだ早いのーーッ!!」
ーーって俺が真剣に叫んだら、ルイリのやつすごい目で俺を見てきたよ。ん?ーー俺、変なこと言ってないだろ?身体なんて、3か月ぐらい付き合わないとダメなんじゃないのかーー?
「ーーまだ、早い、か……」
なんでちょっと照れてるんだよ。
「おまえがそういうのなら、待たなければな」
ーーいや、逆にそういうのも意識しちゃってヤバいのかな……?何が正解なんだ?やりたくなったらするのか?
「あっ!そうだ、俺、短剣持ってただろ!?」
「ああ、そこに置いてある」
「ありがと!ファナさんに返さなきゃーー、橋の下に行ってもいいか?」
「いまは無理だ」
「え……」
「おまえの飲んだ薬の解毒薬がまだ完成していないからな……、いつまた…発作がでるかもしれない状態だ。城からでることは許さん」
きつく言われ、それが本当に危険なことなのだと、俺は理解した。
「そっか……、迷惑をかけてるな……」
どんな発作なんだろ……。もう2度と変な薬には手を出さないようにしないとーー、それに橋下の子供達があの仕事をしないようにしたい…できないかな……?
「私の皇妃のためだ。迷惑などではない」
「………」
俺ってば皇妃に決定されてんの?ルイリのやつ、けっこう身勝手なオレ様タイプなんだな。ーーそうは言っても、他のひとが許さないよ、そんなこと……。
「ーーん……」
…けど、ーーいまだけは、素直にくっついとこ……。
俺はルイリの肩に頭をのせ、目を閉じた。ひんやりとした身体が、熱をもっているような身体にはちょうどいいや。
「どうした?」
「ーー風邪引いたかな……?なんか、熱いんだよ……」
「そうか……」
どうしたんだろ、俺ーー。なんだか俺の身体、……ルイリを欲しがってる。なんで?意味わかんねえよ……。
「ーーツキリ」
顎をつかまれ、彼からのキスを受ける。情熱的なキスに脳ミソが蕩かされていく。なのに、俺の身体はそれ以上のことを望んでしまっているーー、俺ってヤバいヤツだな……。
「ーー可愛いやつ」
「…なんだよ、それ……」
キスって気持ちいい……、ってぼんやりと思いながら、俺は熱のせいにしてルイリとのキスを楽しんだ。向こうもかなりごきげんで、何度も何度もキスをしながらきつく抱きしめてきて、「離さない」って言ってくれた。
でも、終わりはくる。
離れなきゃいけないときは必ずくるんだ。
だけど、いまだけは一緒にいていいかなーー。……ーーん……、あれだ、思い出を作るんだ。いつか、思い返したときにあんなことあったよな……楽しかったな……、っていう思い出をたくさんつくろう。
アルバムがルイリであふれるぐらい、そんなのができたらいいな………。
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