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Chapter9 サマー・エクスプロージョン!
#49 ハヤト教と理解者
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「蒼君、この人にピント合わせるのは無理?」
「この人って、どれですか?」
スマホの小さな画面では、指さした先にみっつよっつ頭がある。蒼君は静止した動画をピンチアウトで拡大したが、ピンボケ状態で顔の判別は難しそうだった。
「この、キャップかぶってる背の高い人」
「知ってる人ですか?」
「知ってるっていうか、知り合いに背格好が似てる気がするんだけど……」
蒼君は「ちょっと待ってください」と、動画をひとコマずつ送って確認していく。手前に大映しになった三橋の影から現れ、予言信者に紛れるまでほんの数秒。目深にかぶったキャップで顔はほとんど映っておらず、自分でも無茶を言ってるとわかる。
「やっぱり無理よね」
「人物を特定するのは難しいです。画質の問題じゃなく、顔自体がほとんど隠れてるし、手がかりになりそうなものが映ってないですから。でも、解像度上げるくらいはできるので、家に帰ったらやってみます」
そう言ったあと、蒼君はためらうように口を開いて閉じる。
「何か気づいたことでもある?」
「いえ、そうじゃなくて。この人、僕も知ってる人ですか?」
「え……っと、たぶん、会ったことはないと思う」
聡い蒼君のことだから、私が匠真を疑っていると気づいたのかと思ったが、彼は安堵したようにフウと息を吐いた。
「蒼君、誰だと思ったの?」
「誰ってわけじゃなくて、DRI職員じゃないならいいです。ライブ配信は僕らが砂川さんと別れた直後だし、あのとき写真撮られたような気がしたから、知り合いじゃなければいいと思って……」
どことなく歯切れ悪く喋る蒼君の様子を見ていて、ふと彼の懸念を察した。
「もしかして一希君だと思った? 最近ちょっと変だって言ってたし、一希君、たしか今日休みだよね」
蒼君はバツが悪そうにスッと視線をそらす。
「本気で疑ったわけじゃないから、新田さんには言わないでください。あの人はもっとなで肩だし、髪の毛はこれより明るめで長いから」
蒼君の言葉で、いっそう匠真への疑念が膨らんだ。ピントはまったく合っていないけれど、がっしりした肩、短く切り揃えた真っ黒な髪。そして、キャップもTシャツも匠真が好んで着る黒。
――でも、そんな人はたくさんいる。
似たような背格好の人がライブ会場にいるというだけで、証拠らしい証拠は何もない。匠真がハヤト君を目の敵にしているというだけで、目についたものを安易に匠真と結びつけてしまっているだけだ。
「動画進めてみてくれる? またどこかに映ってるかもしれないし」
「もう数十秒しか残ってないですけど」
そう言いつつも、蒼君は再生マークをタップする。配信者の三橋が『怪しまれてるし、一旦止めて場所移すか』と言い、カメラは横にスライドして彼を正面にとらえ、画面から予言信者が消えた。動画はそのまま終了。
「手がかりなしですね。Pitterの反応見てみましょう」
蒼君が『#Japan突劇隊!』で検索すると、Pitterには動画からキャプチャーされたルミの画像が投稿されていた。
『ハヤト教爆誕「ハヤトからのメッセージを受け取り解散を阻止するのがDeeeeeepファンの使命なの!」』
『Deeeeep女子やべえ』
『予言にあるハヤトの不祥事は新興宗教の教祖説』
こうしてハヤト君がターゲットにされているのを見ると、否応なく匠真の顔が浮かんでくる。何度振り払おうとしても、背の高い、黒いキャップの男の姿が脳裏に舞い戻ってくる。
「蒼君、新文部の方はどうなってる?」
「特に大きな動きはないです。オフ会参加者が集合したなら直接話せば済む話ですから、しばらく投稿はないかもしれませんね。フードエリアあたりに行ってみますか? もしかしたらいるかもしれません」
蒼君の提案でスカイアリーナ正面広場に戻った。
午前中はパステルカラーのファッションが目立っていたが、今はその割合はかなり減って、Tシャツにハーフパンツのようなラフな格好の人もいれば、よそ行きの小綺麗な服装の集まりもある。広場から見える巨大サイネージでは、Deeeeep以外の前座3組のステージが一部中継されるという話だったから、それ目当ての人が多いようだ。
「新文部がいるの、ここじゃないかもしれませんね」
「でも、せっかく来たなら雰囲気楽しんだりするんじゃない?」
2人組から4人組くらいがほとんどの中、私たちは新文部オフ会と思われる6~7人程度のグループを探した。どこもかしこも話題は「解散予言」。「Japan突劇隊!」の動画を輪になって見ている人たちもいる。しかし、「新文部」や「AI翻案」に関する会話はなかなか耳に入ってこない。
10分ほど人の群れの中をうろついたあと、離れ小島のように点在する少人数グループに近づいて聞き耳を立てた。予想通りこちらは予言信者の集まりらしく「漆黒の夜」という言葉が聞こえてくるが、新文部の話は出てこない。
「リアルの知り合いとは、予言の話で意気投合することなんてないんでしょうね。初対面っぽいグループが多い感じでした」
情報収集を中断し、離れた場所で広場をながめながら、蒼君が言った。
「そうね。ネット上で話すのと、顔をあわせて話すのはまた違うだろうし。すごく盛り上がってたよね」
「あの人たちにとって、お互い良き理解者なんでしょうけど」
蒼君は語尾を濁して肩をすくめる。
――匠真の理解者は誰だろう?
私の脳裏にそんな疑問が過った。勤務しているのは母校の西京大だから知り合いはそれなりにいる。出版社との関係も噂で聞く限りは問題なさそうだ。
でも、200万人のファンを持つハヤト君への批判的な姿勢、メディア露出を極端に嫌う態度を見ていると、何かの拍子に出版社側から見切りをつけられてしまうのではないか――そんな考えが時おり頭を掠める。
「相手が本当の理解者かどうかって、リアルな関係の方がわかりにくいものかもね。理解してるフリも処世術っていうか」
「そうかもしれませんけど、ここに集まってるような、ネットで知り合った信者同士が本当に互いを理解してるかと言えば、そんなことないと思います。あの人たちの関係は、たぶん『相手は自分を理解してくれてる』という幻想の上に成り立ってる。
ネットもリアルも同じですよ。『理解してほしい』が先に立つと目が曇る。大切なのは『理解しようとする姿勢』じゃないですか?」
蒼君はまた喋り過ぎたと感じたのか、気恥ずかしそうに顔をそむけた。そして、ボソッとひと言付け加える。
「理久さんって、理解しようとする人でしょ?」
「えっ?」
『Deeeeepサマー・エクスプロージョン! 13時より期待の新人デュオ、SHY&RYUのステージが開催されます。開演まであと10分となりました――』
会話を遮るようにアナウンスが流れた。第一駐車場の方から走ってきたDeeeeep女子ふたりが、「ギリ間に合った~」と期待に満ちた表情で入場ゲートへと向かっていく。広場にいたDeeeeep女子たちが、羨ましそうにその後ろ姿を見送った。
ルミが言っていた、「ホント、みんな何もわかってないんだから」という言葉を思い出した。
このライブを無事終えるために関係者が背負った苦労を、ファンはどれだけ理解しているのだろう。少しでも理解してくれたらと思うけど、それを感じさせないのがきっとプロだ。
「あ、オフ会メンバーがリプライで写真投稿しました」
蒼君がCommuLinkの投稿を私に見せた。以前スカイアリーナに来た時、同じような景色を見た記憶がある。
「窓にモニュメント写ってるから、たぶん西側の2階か3階のエレベーターロビーだと思う。そこ、撮影禁止のはずだけど」
「Pitterだと公式セキュリティアカウントから注意喚起の投稿がついてるようですけど、CommuLinkはそういうのはなさそうです。それをわかってて投稿してるのか、悪気なくやってるのかはわかりませんが」
「この写真の撮影場所に行っても、新文部の人には会えないよね。せっかく関係者パスまで用意してもらったのに、何もできない気がしてきた」
「収穫はあったじゃないですか。元新文部の人たちに接触できたし、庄間由宇香っていうアカウントが怪しいこともわかりました。十分ですよ」
「そうね。そろそろスタジアム入ろうか。Deeeeepの出番までは会場を回って、その後はライブを満喫しよう」
東ゲートから入場し、私たちはオフ会メンバーの投稿写真の撮影場所に向かった。そこにいたのはアイドルの話で盛り上がる人たちばかりで、「新文部の方ですか」と声をかけられる雰囲気ではなかった。
アリーナにも行ってみたけれどオールスタンディングで大盛り上がりしていて、そのまま踵を返した。コミュニケーションラウンジに出入りして度々ネットをチェックするも、Deeeeepライブの開演15分前を告げるアナウンスがあるまで何の動きもなく、私たちは大人しく東スタンドの指定席に向かったのだった。
「この人って、どれですか?」
スマホの小さな画面では、指さした先にみっつよっつ頭がある。蒼君は静止した動画をピンチアウトで拡大したが、ピンボケ状態で顔の判別は難しそうだった。
「この、キャップかぶってる背の高い人」
「知ってる人ですか?」
「知ってるっていうか、知り合いに背格好が似てる気がするんだけど……」
蒼君は「ちょっと待ってください」と、動画をひとコマずつ送って確認していく。手前に大映しになった三橋の影から現れ、予言信者に紛れるまでほんの数秒。目深にかぶったキャップで顔はほとんど映っておらず、自分でも無茶を言ってるとわかる。
「やっぱり無理よね」
「人物を特定するのは難しいです。画質の問題じゃなく、顔自体がほとんど隠れてるし、手がかりになりそうなものが映ってないですから。でも、解像度上げるくらいはできるので、家に帰ったらやってみます」
そう言ったあと、蒼君はためらうように口を開いて閉じる。
「何か気づいたことでもある?」
「いえ、そうじゃなくて。この人、僕も知ってる人ですか?」
「え……っと、たぶん、会ったことはないと思う」
聡い蒼君のことだから、私が匠真を疑っていると気づいたのかと思ったが、彼は安堵したようにフウと息を吐いた。
「蒼君、誰だと思ったの?」
「誰ってわけじゃなくて、DRI職員じゃないならいいです。ライブ配信は僕らが砂川さんと別れた直後だし、あのとき写真撮られたような気がしたから、知り合いじゃなければいいと思って……」
どことなく歯切れ悪く喋る蒼君の様子を見ていて、ふと彼の懸念を察した。
「もしかして一希君だと思った? 最近ちょっと変だって言ってたし、一希君、たしか今日休みだよね」
蒼君はバツが悪そうにスッと視線をそらす。
「本気で疑ったわけじゃないから、新田さんには言わないでください。あの人はもっとなで肩だし、髪の毛はこれより明るめで長いから」
蒼君の言葉で、いっそう匠真への疑念が膨らんだ。ピントはまったく合っていないけれど、がっしりした肩、短く切り揃えた真っ黒な髪。そして、キャップもTシャツも匠真が好んで着る黒。
――でも、そんな人はたくさんいる。
似たような背格好の人がライブ会場にいるというだけで、証拠らしい証拠は何もない。匠真がハヤト君を目の敵にしているというだけで、目についたものを安易に匠真と結びつけてしまっているだけだ。
「動画進めてみてくれる? またどこかに映ってるかもしれないし」
「もう数十秒しか残ってないですけど」
そう言いつつも、蒼君は再生マークをタップする。配信者の三橋が『怪しまれてるし、一旦止めて場所移すか』と言い、カメラは横にスライドして彼を正面にとらえ、画面から予言信者が消えた。動画はそのまま終了。
「手がかりなしですね。Pitterの反応見てみましょう」
蒼君が『#Japan突劇隊!』で検索すると、Pitterには動画からキャプチャーされたルミの画像が投稿されていた。
『ハヤト教爆誕「ハヤトからのメッセージを受け取り解散を阻止するのがDeeeeeepファンの使命なの!」』
『Deeeeep女子やべえ』
『予言にあるハヤトの不祥事は新興宗教の教祖説』
こうしてハヤト君がターゲットにされているのを見ると、否応なく匠真の顔が浮かんでくる。何度振り払おうとしても、背の高い、黒いキャップの男の姿が脳裏に舞い戻ってくる。
「蒼君、新文部の方はどうなってる?」
「特に大きな動きはないです。オフ会参加者が集合したなら直接話せば済む話ですから、しばらく投稿はないかもしれませんね。フードエリアあたりに行ってみますか? もしかしたらいるかもしれません」
蒼君の提案でスカイアリーナ正面広場に戻った。
午前中はパステルカラーのファッションが目立っていたが、今はその割合はかなり減って、Tシャツにハーフパンツのようなラフな格好の人もいれば、よそ行きの小綺麗な服装の集まりもある。広場から見える巨大サイネージでは、Deeeeep以外の前座3組のステージが一部中継されるという話だったから、それ目当ての人が多いようだ。
「新文部がいるの、ここじゃないかもしれませんね」
「でも、せっかく来たなら雰囲気楽しんだりするんじゃない?」
2人組から4人組くらいがほとんどの中、私たちは新文部オフ会と思われる6~7人程度のグループを探した。どこもかしこも話題は「解散予言」。「Japan突劇隊!」の動画を輪になって見ている人たちもいる。しかし、「新文部」や「AI翻案」に関する会話はなかなか耳に入ってこない。
10分ほど人の群れの中をうろついたあと、離れ小島のように点在する少人数グループに近づいて聞き耳を立てた。予想通りこちらは予言信者の集まりらしく「漆黒の夜」という言葉が聞こえてくるが、新文部の話は出てこない。
「リアルの知り合いとは、予言の話で意気投合することなんてないんでしょうね。初対面っぽいグループが多い感じでした」
情報収集を中断し、離れた場所で広場をながめながら、蒼君が言った。
「そうね。ネット上で話すのと、顔をあわせて話すのはまた違うだろうし。すごく盛り上がってたよね」
「あの人たちにとって、お互い良き理解者なんでしょうけど」
蒼君は語尾を濁して肩をすくめる。
――匠真の理解者は誰だろう?
私の脳裏にそんな疑問が過った。勤務しているのは母校の西京大だから知り合いはそれなりにいる。出版社との関係も噂で聞く限りは問題なさそうだ。
でも、200万人のファンを持つハヤト君への批判的な姿勢、メディア露出を極端に嫌う態度を見ていると、何かの拍子に出版社側から見切りをつけられてしまうのではないか――そんな考えが時おり頭を掠める。
「相手が本当の理解者かどうかって、リアルな関係の方がわかりにくいものかもね。理解してるフリも処世術っていうか」
「そうかもしれませんけど、ここに集まってるような、ネットで知り合った信者同士が本当に互いを理解してるかと言えば、そんなことないと思います。あの人たちの関係は、たぶん『相手は自分を理解してくれてる』という幻想の上に成り立ってる。
ネットもリアルも同じですよ。『理解してほしい』が先に立つと目が曇る。大切なのは『理解しようとする姿勢』じゃないですか?」
蒼君はまた喋り過ぎたと感じたのか、気恥ずかしそうに顔をそむけた。そして、ボソッとひと言付け加える。
「理久さんって、理解しようとする人でしょ?」
「えっ?」
『Deeeeepサマー・エクスプロージョン! 13時より期待の新人デュオ、SHY&RYUのステージが開催されます。開演まであと10分となりました――』
会話を遮るようにアナウンスが流れた。第一駐車場の方から走ってきたDeeeeep女子ふたりが、「ギリ間に合った~」と期待に満ちた表情で入場ゲートへと向かっていく。広場にいたDeeeeep女子たちが、羨ましそうにその後ろ姿を見送った。
ルミが言っていた、「ホント、みんな何もわかってないんだから」という言葉を思い出した。
このライブを無事終えるために関係者が背負った苦労を、ファンはどれだけ理解しているのだろう。少しでも理解してくれたらと思うけど、それを感じさせないのがきっとプロだ。
「あ、オフ会メンバーがリプライで写真投稿しました」
蒼君がCommuLinkの投稿を私に見せた。以前スカイアリーナに来た時、同じような景色を見た記憶がある。
「窓にモニュメント写ってるから、たぶん西側の2階か3階のエレベーターロビーだと思う。そこ、撮影禁止のはずだけど」
「Pitterだと公式セキュリティアカウントから注意喚起の投稿がついてるようですけど、CommuLinkはそういうのはなさそうです。それをわかってて投稿してるのか、悪気なくやってるのかはわかりませんが」
「この写真の撮影場所に行っても、新文部の人には会えないよね。せっかく関係者パスまで用意してもらったのに、何もできない気がしてきた」
「収穫はあったじゃないですか。元新文部の人たちに接触できたし、庄間由宇香っていうアカウントが怪しいこともわかりました。十分ですよ」
「そうね。そろそろスタジアム入ろうか。Deeeeepの出番までは会場を回って、その後はライブを満喫しよう」
東ゲートから入場し、私たちはオフ会メンバーの投稿写真の撮影場所に向かった。そこにいたのはアイドルの話で盛り上がる人たちばかりで、「新文部の方ですか」と声をかけられる雰囲気ではなかった。
アリーナにも行ってみたけれどオールスタンディングで大盛り上がりしていて、そのまま踵を返した。コミュニケーションラウンジに出入りして度々ネットをチェックするも、Deeeeepライブの開演15分前を告げるアナウンスがあるまで何の動きもなく、私たちは大人しく東スタンドの指定席に向かったのだった。
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※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
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