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Chapter9 サマー・エクスプロージョン!
#48 Japan突劇隊!
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「気のせいじゃない? 誰を狙って盗撮するの?」
私は不安を振り払いたくて口にした。すると、「私かもしれません」と砂川さんが気恥ずかしそうに首をかく。
「実は、一部のファンの間でDeeeeepのマネージャーとして顔が割れちゃってるんです。たまに写真や握手を求められたりすることもあって」
「それは、国民的アイドルのマネージャーも大変ですね」
「アイドル本人よりは全然マシですよ」
蒼君はまだ周囲をうかがっていた。砂川さんの腕時計型デバイスが点滅し始め、彼はディスプレイを操作して「砂川です」と答える。片耳にイヤホン、マイクはデバイスに内蔵されているようだ。通話はすぐに終わり、「すいません」と砂川さんが私たちを見る。
「会場内の案内もできればよかったんですが、何しろ予言騒ぎのせいで余裕がなくて」
「お気遣いなく。――あ、そうだ。これ、実家が茶楠で、祖父母も茶農家なんです。水出し用なので、良かったら」
蒼君に預けていた紙袋を砂川さんに差し出すと、彼は捧げ持つようにして「ありがとうございます」と頭を下げた。
「じゃあ、私はこれで。もし怪しい人を見かけたりしたら、私か、近くのスタッフや警備員に言うようにしてください。あっ、それから。情報収集にスマホを使われるでしょうけど、警備員の目につきますし、周囲のお客様のこともあるので、状況に応じてコミュニケーションラウンジを使うようにしてください。色々言ってすいませんが、よろしくお願いします」
早口に言うと、砂川さんは小走りに去っていった。係員にパスを見せる彼にファンの子が駆け寄ったが、砂川さんは手を振っただけで慌ただしく建物の中に姿を消す。
『ただ今開場いたしました。チケットをお持ちのお客様は――』
アナウンスが聞こえてくる。私たちはもうしばらくスカイアリーナ周辺をうかがうことにし、第二駐車場を突っ切って、スタジアム周辺をぐるりと回った。蒼君はこまめにPitterとCommuLinkをチェックし、新文部オフ会メンバーも現地に到着したことがわかった。
「チケット持ってるメンバーがふたりいるみたいです。他は会場外で時間潰して、ライブ後にまた合流するようですね」
「予言信者のせいで終演後も混みそうね。どうせ華泰堀あたりで飲むんだろうから、そっちでネット見てればいいのに」
「そういう人もいるみたいです。べったりスカイアリーナに張り付いてるのはごく一部じゃないですか? フードエリアもDeeeeepのライブが始まる3時頃には撤収するみたいだし」
蒼君は喋りながらスマホを操作し、「これ」とPitter画面を私の目の前に差し出した。『#スカイアリーナ』『#予言現場中継』『#どうなるDeeeeep』の検索結果だ。
『動きがなさそうなので万博記念館エリアで暇つぶしして帰るか。現在ループバスで移動中』
『終演までいるつもりだったけど暑いし華泰堀に移動しようかな』
『開場してDeeeeepファンごっそり消えた。残ったのはヤバいやつら。俺も含めww。警備員の視線が怖いので撤収しようかなー』
スカイアリーナの写真を添付して、そんな投稿がされている。驚いたのはタグのバリエーションの多さだ。
「予言関連のタグ、こんなにあるの?」
「色々ありますよ。『#Deeeeep解散 』『#予言的中 』『#予言外れろ』とか。リテラ・ノヴァやAI翻案って言葉がほとんど見られないのが幸いです。
ローカルトレンドで『#S★O』がありますね。Sheeeeep★Oracleが少し前からアクセスできなくなってるんですけど、たぶん、アクセス集中でサーバーがダウンしてるんでしょう。ライブ終わるまではサイト復活しない気がします」
蒼君は私に見えるように画面をスクロールしていたが、ふと指が止まった。表示されているのは動画配信サイトのサムネイルだ。
『人気アイドル予言は本当にデマなのか!? 現場で聞いてみた!』
迷惑系配信者『Japan突劇隊!』のライブ中継のリンクが貼られた投稿だった。『#予言現場中継』というタグがついており、蒼君はリンクをタップして動画配信サイトに移動する。中継は終わっているが、視聴はできるようだ。
『おー待たせしました! 予告通りやって来ましたよー、スカイアリーナ! Deeeeepサマー・エクスプロージョン!
果たして、国民的人気アイドルDeeeeepは解散してしまうのか。それともただのデマなのか。今日の企画は「スカイアリーナ現地直撃インタビュー! あなたは予言を信じるか?!」ということで、張り切ってやっていきたいと思いまーす』
背景に見覚えがあった。元新文部3人組と最初にすれ違ったあたりのようだが、あの時と比べると人が少ない。開演待ちしていた観客がスカイアリーナ内へ移動し、予言信者たちも居場所を移したのだ。
撮影はふたりで行われているようだった。画面に映る、三橋と名乗る30歳前後の金髪の男性と、その話相手のカメラマン戸塚。彼らは解散予言について説明しながらスタジアム方向へ移動し、人とすれ違うたびに「ちょっとインタビューを」と声をかけるも、応じる人はなかなか見つからない。むしろ、動画配信者だとわかると逃げるように画面から消えていく。
「迷惑系って言われるだけのことはありますね。ライブ配信手慣れてるようだし、リアルタイムでモザイク処理する方法くらい知ってるはずなのに、わざとモザイクかけてないみたいです。顔が全部映り込んでる」
「モザイク処理しないと違法ってことはないでしょ?」
「肖像権絡みでの訴訟リスクがあります。動画配信者のエンタメコンテンツは報道とは違いますし、モザイクかけるのが一般的です」
三橋を映していた画面が突然ブレて、『Deeeeep女子発見しました、三橋さん』とカメラマンの声。
『お、マジだ。戸塚ちゃん、行くぞ!』
ピントが合わないまま、ふたりは駆け出した。カメラの中央に映っているのはパステルカラーのDeeeeepファッションに身を包んだツインテールの女性と、その隣に立つ、ライブ限定仕様のバッグを肩にかけた女性。
「蒼君、このふたりって」
「あのふたりですね。ルミとヒナキでしたっけ」
足音に気づいて振り返った女性ふたりは、予想通り彼女たちだった。大人しそうなヒナキは怯えたように肩をすくめ、気の強いルミは三橋と戸塚を睨みつけている。
『なんですか? 勝手に映さないでください!』
『まあまあ、そう言わないで。俺ら、Japan突劇隊!って言うんですけど、今日ここに集まった人にインタビューしてるんです。
あなたは予言を信じますか?』
三橋は最後のひと言を、演技がかった口調で口にする。ヒナキが「行こう」とルミの手を引いたが、彼女は応じなかった。
『あれは予言じゃないわ。私たちDeeeeepファンへの試練なの!
ハヤトからファンへのメッセージなんだから、あんたみたいな野次馬が神聖なライブを汚さないで!』
『ちょっと待ってください。予言は信じてない。でも、解散予言はハヤトからのメッセージ? どういうことですか?』
三橋は半笑いで問い返す。
『解散を阻止するためにここにいるのよ! あなたたちみたいなバカがおかしなことしないように!』
『えーっと、それは、予言を信じてるってことじゃないんですか?』
コメント欄は『ヤバいやつ来た』『お花畑女子降臨!』と、お祭り騒ぎだ。ルミは可愛らしい顔立ちをしていて、パステルカラーのファンシーな格好も似合っている。それが余計に視聴者を盛り上げているのだが、もちろんコメント欄はルミには見えていない。
『あれは予言じゃないっていってるでしょ。ハヤトからファンへのSOSなの!』
居た堪れなくなって画面から目をそむけた時、『そこ、ちょっと』とスマホから男性の声がした。
『あ、警備員来た。戸塚ちゃん、ひとまず撤収。ふたりとも、インタビューありがとね!』
三橋と戸塚はダッシュで駆け出し、カメラには地面が映っている。20秒ほどそれが続き、少しずつ走る速度が遅くなって、画面が周囲を映した。
『戸塚ちゃん、ここらへんにも意外に人いるね。予言インタビューしがいありそうな雰囲気じゃね?』
『そんな感じっすけど、めっちゃ警戒されてますよ。みんな遠ざかっていってる』
『うわ、ほんとだ。俺、なんか異臭発してる?』
『汗臭いっすね~』
三橋もカメラも、取材相手を探すように左右に首を振る。
「あっ、止めて!」
私が声をあげると、蒼君は一瞬遅れて動画を止めた。
「何かありました?」
「ちょっと戻して。三橋が後ろを振り返る直前」
蒼君は10秒前から再生する。三橋の背後に映るのはスタジアムの日陰にたむろする予言信者たち。振り返る三橋。壁際の人の群れの中に、頭ひとつ大きな人影がスルッと紛れ込んだように見え、私は自分の指で動画を止めた。
心臓が、嫌な音を立て始める。
私は不安を振り払いたくて口にした。すると、「私かもしれません」と砂川さんが気恥ずかしそうに首をかく。
「実は、一部のファンの間でDeeeeepのマネージャーとして顔が割れちゃってるんです。たまに写真や握手を求められたりすることもあって」
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「会場内の案内もできればよかったんですが、何しろ予言騒ぎのせいで余裕がなくて」
「お気遣いなく。――あ、そうだ。これ、実家が茶楠で、祖父母も茶農家なんです。水出し用なので、良かったら」
蒼君に預けていた紙袋を砂川さんに差し出すと、彼は捧げ持つようにして「ありがとうございます」と頭を下げた。
「じゃあ、私はこれで。もし怪しい人を見かけたりしたら、私か、近くのスタッフや警備員に言うようにしてください。あっ、それから。情報収集にスマホを使われるでしょうけど、警備員の目につきますし、周囲のお客様のこともあるので、状況に応じてコミュニケーションラウンジを使うようにしてください。色々言ってすいませんが、よろしくお願いします」
早口に言うと、砂川さんは小走りに去っていった。係員にパスを見せる彼にファンの子が駆け寄ったが、砂川さんは手を振っただけで慌ただしく建物の中に姿を消す。
『ただ今開場いたしました。チケットをお持ちのお客様は――』
アナウンスが聞こえてくる。私たちはもうしばらくスカイアリーナ周辺をうかがうことにし、第二駐車場を突っ切って、スタジアム周辺をぐるりと回った。蒼君はこまめにPitterとCommuLinkをチェックし、新文部オフ会メンバーも現地に到着したことがわかった。
「チケット持ってるメンバーがふたりいるみたいです。他は会場外で時間潰して、ライブ後にまた合流するようですね」
「予言信者のせいで終演後も混みそうね。どうせ華泰堀あたりで飲むんだろうから、そっちでネット見てればいいのに」
「そういう人もいるみたいです。べったりスカイアリーナに張り付いてるのはごく一部じゃないですか? フードエリアもDeeeeepのライブが始まる3時頃には撤収するみたいだし」
蒼君は喋りながらスマホを操作し、「これ」とPitter画面を私の目の前に差し出した。『#スカイアリーナ』『#予言現場中継』『#どうなるDeeeeep』の検索結果だ。
『動きがなさそうなので万博記念館エリアで暇つぶしして帰るか。現在ループバスで移動中』
『終演までいるつもりだったけど暑いし華泰堀に移動しようかな』
『開場してDeeeeepファンごっそり消えた。残ったのはヤバいやつら。俺も含めww。警備員の視線が怖いので撤収しようかなー』
スカイアリーナの写真を添付して、そんな投稿がされている。驚いたのはタグのバリエーションの多さだ。
「予言関連のタグ、こんなにあるの?」
「色々ありますよ。『#Deeeeep解散 』『#予言的中 』『#予言外れろ』とか。リテラ・ノヴァやAI翻案って言葉がほとんど見られないのが幸いです。
ローカルトレンドで『#S★O』がありますね。Sheeeeep★Oracleが少し前からアクセスできなくなってるんですけど、たぶん、アクセス集中でサーバーがダウンしてるんでしょう。ライブ終わるまではサイト復活しない気がします」
蒼君は私に見えるように画面をスクロールしていたが、ふと指が止まった。表示されているのは動画配信サイトのサムネイルだ。
『人気アイドル予言は本当にデマなのか!? 現場で聞いてみた!』
迷惑系配信者『Japan突劇隊!』のライブ中継のリンクが貼られた投稿だった。『#予言現場中継』というタグがついており、蒼君はリンクをタップして動画配信サイトに移動する。中継は終わっているが、視聴はできるようだ。
『おー待たせしました! 予告通りやって来ましたよー、スカイアリーナ! Deeeeepサマー・エクスプロージョン!
果たして、国民的人気アイドルDeeeeepは解散してしまうのか。それともただのデマなのか。今日の企画は「スカイアリーナ現地直撃インタビュー! あなたは予言を信じるか?!」ということで、張り切ってやっていきたいと思いまーす』
背景に見覚えがあった。元新文部3人組と最初にすれ違ったあたりのようだが、あの時と比べると人が少ない。開演待ちしていた観客がスカイアリーナ内へ移動し、予言信者たちも居場所を移したのだ。
撮影はふたりで行われているようだった。画面に映る、三橋と名乗る30歳前後の金髪の男性と、その話相手のカメラマン戸塚。彼らは解散予言について説明しながらスタジアム方向へ移動し、人とすれ違うたびに「ちょっとインタビューを」と声をかけるも、応じる人はなかなか見つからない。むしろ、動画配信者だとわかると逃げるように画面から消えていく。
「迷惑系って言われるだけのことはありますね。ライブ配信手慣れてるようだし、リアルタイムでモザイク処理する方法くらい知ってるはずなのに、わざとモザイクかけてないみたいです。顔が全部映り込んでる」
「モザイク処理しないと違法ってことはないでしょ?」
「肖像権絡みでの訴訟リスクがあります。動画配信者のエンタメコンテンツは報道とは違いますし、モザイクかけるのが一般的です」
三橋を映していた画面が突然ブレて、『Deeeeep女子発見しました、三橋さん』とカメラマンの声。
『お、マジだ。戸塚ちゃん、行くぞ!』
ピントが合わないまま、ふたりは駆け出した。カメラの中央に映っているのはパステルカラーのDeeeeepファッションに身を包んだツインテールの女性と、その隣に立つ、ライブ限定仕様のバッグを肩にかけた女性。
「蒼君、このふたりって」
「あのふたりですね。ルミとヒナキでしたっけ」
足音に気づいて振り返った女性ふたりは、予想通り彼女たちだった。大人しそうなヒナキは怯えたように肩をすくめ、気の強いルミは三橋と戸塚を睨みつけている。
『なんですか? 勝手に映さないでください!』
『まあまあ、そう言わないで。俺ら、Japan突劇隊!って言うんですけど、今日ここに集まった人にインタビューしてるんです。
あなたは予言を信じますか?』
三橋は最後のひと言を、演技がかった口調で口にする。ヒナキが「行こう」とルミの手を引いたが、彼女は応じなかった。
『あれは予言じゃないわ。私たちDeeeeepファンへの試練なの!
ハヤトからファンへのメッセージなんだから、あんたみたいな野次馬が神聖なライブを汚さないで!』
『ちょっと待ってください。予言は信じてない。でも、解散予言はハヤトからのメッセージ? どういうことですか?』
三橋は半笑いで問い返す。
『解散を阻止するためにここにいるのよ! あなたたちみたいなバカがおかしなことしないように!』
『えーっと、それは、予言を信じてるってことじゃないんですか?』
コメント欄は『ヤバいやつ来た』『お花畑女子降臨!』と、お祭り騒ぎだ。ルミは可愛らしい顔立ちをしていて、パステルカラーのファンシーな格好も似合っている。それが余計に視聴者を盛り上げているのだが、もちろんコメント欄はルミには見えていない。
『あれは予言じゃないっていってるでしょ。ハヤトからファンへのSOSなの!』
居た堪れなくなって画面から目をそむけた時、『そこ、ちょっと』とスマホから男性の声がした。
『あ、警備員来た。戸塚ちゃん、ひとまず撤収。ふたりとも、インタビューありがとね!』
三橋と戸塚はダッシュで駆け出し、カメラには地面が映っている。20秒ほどそれが続き、少しずつ走る速度が遅くなって、画面が周囲を映した。
『戸塚ちゃん、ここらへんにも意外に人いるね。予言インタビューしがいありそうな雰囲気じゃね?』
『そんな感じっすけど、めっちゃ警戒されてますよ。みんな遠ざかっていってる』
『うわ、ほんとだ。俺、なんか異臭発してる?』
『汗臭いっすね~』
三橋もカメラも、取材相手を探すように左右に首を振る。
「あっ、止めて!」
私が声をあげると、蒼君は一瞬遅れて動画を止めた。
「何かありました?」
「ちょっと戻して。三橋が後ろを振り返る直前」
蒼君は10秒前から再生する。三橋の背後に映るのはスタジアムの日陰にたむろする予言信者たち。振り返る三橋。壁際の人の群れの中に、頭ひとつ大きな人影がスルッと紛れ込んだように見え、私は自分の指で動画を止めた。
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