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第1章・綺麗なエルフ族の女の子
019:VS魔人・前編
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俺の腹をアランの砂の槍が突き刺さり地面に、ポタポタッと赤い血が垂れて観客は興奮の歓声を上げる。
ここにきて血をみて興奮するなんて、やっぱりコロッセオに来る人間っていうのはイかれた野郎が来るところだな。
「どうした? さっきまでの威勢は、どこに行ったんだ?」
「たった1つの攻撃を入れたくらいで、さっきまでとは明らかに違って饒舌になるじゃねぇか………こんなのはダメージのうちに入らないんだよ!!」
・炎魔法Level1《ファイヤーボール》
「なっ!? 自分の傷口に炎の玉を打ち込んで、焼いて止血をしやがった………駆け出しの冒険者がやる事かよ」
そりゃあ痛いに決まってるじゃんかよ。
そもそも傷を負った時点で普通に痛いのに、そこへ炎の玉を使って止血するんだぞ?
自分でも分かるくらいに頭がおかしいのでは無いかと思うが、現段階で血を止める方法は、これしか考えられなかった。
「これで出血死の心配は要らないな。俺も痛みのせいか、けっこうハイになって来たわ!!」
・炎魔法Level1《ファイヤーボール》
・光魔法Level1《ライトボール》
――――餓狼の咆哮――――
「防ぎ切れない!?」
俺が餓狼の咆哮を使うと、ハイになっている分で力加減も馬鹿になってしまっていた。
アランは砂の壁を作って防ごうとするが、簡単に壁は吹き飛んでいって体の前に手を出すと、その手まで吹き飛んでしまった。
『うぉおおおおお!!!!!!』
「しまった!? ヤバい威力を出してしまった………殺すつもりは無かったんだ」
俺が我を忘れて放った攻撃を出してしまった事に気がついたのは、観客が歓声を上げた瞬間で、とてつもない焦りを感じた。
今の一撃に俺は動揺して、観客は興奮し、観客席で観戦していた十二聖王のケヴィンも唖然としている。
「おいおい。どんな威力してんだよ………あんなの俺が受けても死ぬんじゃねぇのか?」
ケヴィンは自分が俺と対戦していたとしても、今の一撃を耐えきる自信は無いと心底恐怖している。
アランは跡形もなく消えてしまったのかと思っていると、砂埃の中から人影が見えるのである。
あれ? 思ったよりも頑丈なんだな。
さすがは英雄さまって言ったところか。
「どうして………お前の様なカスが、この英雄である俺の前に立ち塞がる………ふざけるな!!」
なんだ、なんなんだ?
さっきまでのアランじゃない………というよりも人間が出して良いオーラじゃないだろ。
両手は無くなっていてダメージは確実に入っている、しかし全身が褐色? で目がさっきよりも赤くなっている。
この状態を何かの本で読んだ事がある様な………分かった。
「魔人化………おいおい。嘘だと言ってくれよ」
「はっはっはっ!! こんなに清々しいのは久しぶりだ………今ならなんでも出来る様な感じがするなぁ!!」
嘘だろ。
英雄クラスの人間が魔人化するなんて聞いた事がないし、ここにいる観客たちが危ないんじゃ無いか。
「ここから逃げろ!! アランは、魔人化したぞ!!」
俺は観客たちに向かってアランが魔人化した事を伝えて、今すぐにコロッセオから避難する様に指示を出した。
それを聞いた観客たちはパニックになって、一斉に走り出して転んで怪我するものや子供の鳴き声がコロッセオ中に広がる。
「気持ちぃいいいい。人間の悲鳴ってのは、こんなにも身に染みて気持ち良いもんだなぁ………もっと聞かせろよ!!」
「魔人化する人間ってのは魔力コントロールができない人間か、魔力量が少ない人間じゃないのかよ………」
「よっと。どうなってるんだい? 魔人化って言ってたけど、それって本当なのか?」
「あん? アンタ誰だよ………まぁ良いか。褐色の肌に、真っ赤な目に加えて………あの腕を見てくれ、さっきは消し飛んでいたのに復活している」
魔人化の特徴が揃いに揃ったアランは、誰が見ても魔人化したのは一目瞭然だ。
しかし何故に魔力量も魔力コントロールも十分に扱えるアランが、魔人化なんてしたのかが理解できない状況である。
「魔人化したって事は、アレを持っている可能性が高いって事だろうよ………それに加えて、お前さんに負けそうになってメンタル的にも魔力コントロールを失ったってところだな」
「十二聖王が、あの違法魔石である《スペリアル魔石》を所持してるだと………アイツは、何でもありかのかよ」
「とにかく俺たちで止めなければ、アイツを止めるまでに国の半分以上は死ぬぞ」
それはそうだ。
魔人化した人間の魔力量は桁違いに増えてしまう。
それが十二聖王のアランともなれば、比較にならないレベルで増えているから市民が多く殺される事になる。
ならば隣に立っている謎の男と手を組んで、このアランを止める他ないって事だな。
「やってやるよ!!」
「オッケー。俺は弓矢使いだ、この七種の神器が1つ《帝射の弓》で援護させてもらう!!」
「七種の神器だって!? ちっ。今はツッコんでる時間がねぇ」
共闘する男から神器だと聞こえたが、詳しく追及している時間はない為に、今は無視して戦いを始めるしかない。
「おらっ!! さっさと目を覚ませや!!」
・高速移動魔法Level2
「遅いんだよ!!」
・砂魔法Level5《サンド・スネーク》
俺がアランに向かって突っ込むと、ニヤッと不敵な笑みを浮かべて砂で作った蛇を4匹を向かわせて来た。
砂で作った蛇な為に喰らっても問題ないかと思ったが、口を開いた途端に嫌な予感がして木刀で切って距離を取った。
「なんだ? なんで、あんなに嫌な感じがするんだ………」
「あの蛇からは相当な魔力を感じる………つまりは、噛まれたら大量の魔力が体内に逆流して入り耐え切れなくなって死ぬってところか………気をつけなよ!!」
「他人事な人は良いっすね!!」
「それもそうか。こっちも射抜かせてもらうわ!!」
・オリジナルスキル『射抜く男』
・射撃魔法Level3
――――完全な射抜き――――
この男は遠くから射抜くだけで簡単に死ぬなと言ってくる。
少し俺がイラッとしたのを感じ取ったのか。
男は弓を引いてオリジナルスキルと、射撃魔法を組み合わせてアランに向かって弓矢を射た。
「おい、ケヴィン。そんな飛び道具が、俺に通じると思ってんのかよ!!」
「思ってるよ? そんな慢心してる、お前なら確実に当たるってもんだよ………なっ? 当たったろ?」
ケヴィンの矢に向かってアランは、砂で作った壁で防ごうとするが矢は勝手に壁を避けてアランの腹にクリーンヒットした。
矢が刺さった事で口から血を吐いたが、アランは腹から矢を抜くと痛みはあるみたいだが、傷口は直ぐに治されてしまう。
魔人っていうのは、こんなにもチート的な生物なんだな。
それにしたって、神器の弓っていうのは勝手に障害物を避けて相手にクリーンヒットさせられるのか?
「今は考えてる時間がもったいないか!! オラオラ。痛みを感じるなら気を失うまで、痛みを与えてやるよ!!」
・筋力増強魔法Level2
「やってみろ!! 今の俺は世界最強の生物………つまりは、この世界の神になったんだ!!」
俺の拳とアランの拳が衝突して、少しの間は均衡を保てていたがアランのパワーに俺は弾き飛ばされてしまった。
ここにきて血をみて興奮するなんて、やっぱりコロッセオに来る人間っていうのはイかれた野郎が来るところだな。
「どうした? さっきまでの威勢は、どこに行ったんだ?」
「たった1つの攻撃を入れたくらいで、さっきまでとは明らかに違って饒舌になるじゃねぇか………こんなのはダメージのうちに入らないんだよ!!」
・炎魔法Level1《ファイヤーボール》
「なっ!? 自分の傷口に炎の玉を打ち込んで、焼いて止血をしやがった………駆け出しの冒険者がやる事かよ」
そりゃあ痛いに決まってるじゃんかよ。
そもそも傷を負った時点で普通に痛いのに、そこへ炎の玉を使って止血するんだぞ?
自分でも分かるくらいに頭がおかしいのでは無いかと思うが、現段階で血を止める方法は、これしか考えられなかった。
「これで出血死の心配は要らないな。俺も痛みのせいか、けっこうハイになって来たわ!!」
・炎魔法Level1《ファイヤーボール》
・光魔法Level1《ライトボール》
――――餓狼の咆哮――――
「防ぎ切れない!?」
俺が餓狼の咆哮を使うと、ハイになっている分で力加減も馬鹿になってしまっていた。
アランは砂の壁を作って防ごうとするが、簡単に壁は吹き飛んでいって体の前に手を出すと、その手まで吹き飛んでしまった。
『うぉおおおおお!!!!!!』
「しまった!? ヤバい威力を出してしまった………殺すつもりは無かったんだ」
俺が我を忘れて放った攻撃を出してしまった事に気がついたのは、観客が歓声を上げた瞬間で、とてつもない焦りを感じた。
今の一撃に俺は動揺して、観客は興奮し、観客席で観戦していた十二聖王のケヴィンも唖然としている。
「おいおい。どんな威力してんだよ………あんなの俺が受けても死ぬんじゃねぇのか?」
ケヴィンは自分が俺と対戦していたとしても、今の一撃を耐えきる自信は無いと心底恐怖している。
アランは跡形もなく消えてしまったのかと思っていると、砂埃の中から人影が見えるのである。
あれ? 思ったよりも頑丈なんだな。
さすがは英雄さまって言ったところか。
「どうして………お前の様なカスが、この英雄である俺の前に立ち塞がる………ふざけるな!!」
なんだ、なんなんだ?
さっきまでのアランじゃない………というよりも人間が出して良いオーラじゃないだろ。
両手は無くなっていてダメージは確実に入っている、しかし全身が褐色? で目がさっきよりも赤くなっている。
この状態を何かの本で読んだ事がある様な………分かった。
「魔人化………おいおい。嘘だと言ってくれよ」
「はっはっはっ!! こんなに清々しいのは久しぶりだ………今ならなんでも出来る様な感じがするなぁ!!」
嘘だろ。
英雄クラスの人間が魔人化するなんて聞いた事がないし、ここにいる観客たちが危ないんじゃ無いか。
「ここから逃げろ!! アランは、魔人化したぞ!!」
俺は観客たちに向かってアランが魔人化した事を伝えて、今すぐにコロッセオから避難する様に指示を出した。
それを聞いた観客たちはパニックになって、一斉に走り出して転んで怪我するものや子供の鳴き声がコロッセオ中に広がる。
「気持ちぃいいいい。人間の悲鳴ってのは、こんなにも身に染みて気持ち良いもんだなぁ………もっと聞かせろよ!!」
「魔人化する人間ってのは魔力コントロールができない人間か、魔力量が少ない人間じゃないのかよ………」
「よっと。どうなってるんだい? 魔人化って言ってたけど、それって本当なのか?」
「あん? アンタ誰だよ………まぁ良いか。褐色の肌に、真っ赤な目に加えて………あの腕を見てくれ、さっきは消し飛んでいたのに復活している」
魔人化の特徴が揃いに揃ったアランは、誰が見ても魔人化したのは一目瞭然だ。
しかし何故に魔力量も魔力コントロールも十分に扱えるアランが、魔人化なんてしたのかが理解できない状況である。
「魔人化したって事は、アレを持っている可能性が高いって事だろうよ………それに加えて、お前さんに負けそうになってメンタル的にも魔力コントロールを失ったってところだな」
「十二聖王が、あの違法魔石である《スペリアル魔石》を所持してるだと………アイツは、何でもありかのかよ」
「とにかく俺たちで止めなければ、アイツを止めるまでに国の半分以上は死ぬぞ」
それはそうだ。
魔人化した人間の魔力量は桁違いに増えてしまう。
それが十二聖王のアランともなれば、比較にならないレベルで増えているから市民が多く殺される事になる。
ならば隣に立っている謎の男と手を組んで、このアランを止める他ないって事だな。
「やってやるよ!!」
「オッケー。俺は弓矢使いだ、この七種の神器が1つ《帝射の弓》で援護させてもらう!!」
「七種の神器だって!? ちっ。今はツッコんでる時間がねぇ」
共闘する男から神器だと聞こえたが、詳しく追及している時間はない為に、今は無視して戦いを始めるしかない。
「おらっ!! さっさと目を覚ませや!!」
・高速移動魔法Level2
「遅いんだよ!!」
・砂魔法Level5《サンド・スネーク》
俺がアランに向かって突っ込むと、ニヤッと不敵な笑みを浮かべて砂で作った蛇を4匹を向かわせて来た。
砂で作った蛇な為に喰らっても問題ないかと思ったが、口を開いた途端に嫌な予感がして木刀で切って距離を取った。
「なんだ? なんで、あんなに嫌な感じがするんだ………」
「あの蛇からは相当な魔力を感じる………つまりは、噛まれたら大量の魔力が体内に逆流して入り耐え切れなくなって死ぬってところか………気をつけなよ!!」
「他人事な人は良いっすね!!」
「それもそうか。こっちも射抜かせてもらうわ!!」
・オリジナルスキル『射抜く男』
・射撃魔法Level3
――――完全な射抜き――――
この男は遠くから射抜くだけで簡単に死ぬなと言ってくる。
少し俺がイラッとしたのを感じ取ったのか。
男は弓を引いてオリジナルスキルと、射撃魔法を組み合わせてアランに向かって弓矢を射た。
「おい、ケヴィン。そんな飛び道具が、俺に通じると思ってんのかよ!!」
「思ってるよ? そんな慢心してる、お前なら確実に当たるってもんだよ………なっ? 当たったろ?」
ケヴィンの矢に向かってアランは、砂で作った壁で防ごうとするが矢は勝手に壁を避けてアランの腹にクリーンヒットした。
矢が刺さった事で口から血を吐いたが、アランは腹から矢を抜くと痛みはあるみたいだが、傷口は直ぐに治されてしまう。
魔人っていうのは、こんなにもチート的な生物なんだな。
それにしたって、神器の弓っていうのは勝手に障害物を避けて相手にクリーンヒットさせられるのか?
「今は考えてる時間がもったいないか!! オラオラ。痛みを感じるなら気を失うまで、痛みを与えてやるよ!!」
・筋力増強魔法Level2
「やってみろ!! 今の俺は世界最強の生物………つまりは、この世界の神になったんだ!!」
俺の拳とアランの拳が衝突して、少しの間は均衡を保てていたがアランのパワーに俺は弾き飛ばされてしまった。
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