社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa

文字の大きさ
51 / 201
第2章・モフモフで可愛いケモノっ子

050:金を語る者

しおりを挟む
 俺とエッタさんは、バラドンカンパニーのフラワー課長と戦闘を行っているが、課長は土魔法の派生系を使ってくる。


「これは土魔法の派生系なのか?」

「これは花魔法っていうんだよ!! この魔法を使えば、自由に花を咲かせられるんだよ!!」

・花魔法Level3《蔦操作アイビー・コントロール

「うわっ!? 蔦を操るのかよ!! これは素手よりも剣の方が良さそうだな……剣での口火を切らせてもらう!!」

・スキル:高速移動魔法Level2
・スキル:斬撃魔法Level2

――――残像の太刀アフタリミッジ・スラッシュ――――


 フラワーは蔦を操って俺に攻撃してくるんだが、この蔦は普通の蔦ではなく剣のような切れ味を持っている。
 その為に完璧に触れられてしまったら、腕や体が簡単に真っ二つにされてしまう。
 そこで速さで押し切ってやろうと、残像が残るくらいの速さで斬りかかろうとするが顔のギリギリで剣を止められる。


「そう来ると思っていたさ!! さぁカウンターだぞ!!」

「危ねぇ!! そんな危険なもんを街中で出すなよ!!」

「こっちは社員なんだよ。社長の命令は絶対だ!!」


 その気持ちは凄く理解できてしまう。
 そんな自分が嫌だ……なんて言ってられない。
 この近距離では蔦を回り込まれたら厄介な為に、俺はジャンプをして距離を取ろうとしたが、足元に蔦を用意していた。


「油断も隙もあったもんじゃねぇ!!」

「抵抗なんてしなきゃ、痛みを感じずに死ねるのによぉ」

「俺は死ぬ程、死にたくないんだよ!! 生きられるってんなら死んでも良いぜ!!」

「何を言ってんだか………こっちも仕事で時間がねぇんだ。難易度を、さらに上げさせてもらうぞ!!」

・花魔法Level3《蔦の手アイビー・ハンド


 フラワーは長期戦になると踏んで早く終わらせたい為に、蔦で腕を作って戦闘の幅を広げた。
 向かってくる蔦の腕を俺は、剣であしらったりとギリギリで捌きながら剣のように斬れる蔦も避けなければいけない。


「花魔法なんて大した事ないと思ったが、意外にも厄介な魔法なのかよ………」

「当たり前だ。俺の師匠が苦労して編み出した魔法なんだから、そう簡単には攻略できねぇぞ!!」

「そうかそうか。凄いのは、お前の師匠なだけで お前は大した事無いって事だな!!」


 このフラワーの師匠が花魔法を開発したみたいだが、このフラワーが開発したわけじゃ無いなら大した事ないと煽る。
 そうしたら案の定、こういうタイプのイケメンというのは下と見下している人間に煽られたら乗ってしまう。


「俺の事を馬鹿にしたな………ここでテメェを惨殺してやるよ!!」

「やれるもんならやってみろよ!! お前なんかにやられる奴なんてノロマな男だけだ」

「調子に乗るな!!」


 人間というのは怒れば怒るほど、単調な行動を取りやすいものだ。
 戦闘においても応用する事ができて、俺の狙い通りにフラワーは俺を殺す事だけの単調な攻撃を仕掛けて来た。
 そして俺が誘い出したかった、フラワーの周りに置いてある蔦も俺の方に誘き出す事に成功する。


「お前の身を守る蔦すらも、攻撃に使うなんて馬鹿か!!」

・スキル:高速移動魔法Level2
・スキル:斬撃魔法Level2

――――残像の太刀アフタリミッジ・スラッシュ――――

「な なんだと!? この僕が、こんなガキに………」


 そのまま高速で動き蔦の腕と剣のような蔦を掻い潜って、フラワーの胸をズバッと切り伏せた。
 フラワーは俺にやられた事が悔しいのか、無念な顔をしながら地面にバタッと倒れる。


「なんとか倒したが、コイツから話を聞こうと思ってたんだけどなぁ………どうしよっか」

「そうですねぇ。こんな風に街を歩いていれば、他の社員にも会えるんじゃないですか?」

「それも そうだね。こんな風に馬鹿みたいに出て来てくれるんだからね」

「誰が馬鹿のトップだって?」


 俺とエッタさんがバラドンカンパニーの人間は、馬鹿ばかりだと話していると近くの建物の屋根から声が聞こえてくる。
 そこには1人の男がヤンキー座りして、俺たちの事を見下しているのであるが、それは俺たちが探していたエルマーだった。


「お前は誰だ? お前もバラドンカンパニーの社員か?」

「社員といえば、確かに社員かも知れねぇな………まぁ肩書きが社長ってだけだがな」

「社長だと!? という事は、お前がエルマーか!?」

「子の人がですか!?」


 目の前の男がエルマーだと分かると、俺とエッタさんはファイティングポーズを取って警戒を露わにする。
 そんな俺たちをエルマーはだいぶ見下した感じで、ニヤニヤしながら見ているのである。


「テメェらのような三下には興味は無いが、うちの社員が何人もやられたってなると話は別だ………俺たちに何の用があって、喧嘩を吹っかけてんだ?」

「お前たちに攫われた獣人の人たちを助けに来たんだよ!! さっさと渡さねぇと、俺がブッ飛ばすぞ!!」

「そうか、お前たちは獣人を助けに来たのか。それなら返してやっても良いぞ………1人、大金貨1000枚でな。がっはっはっはっ!!」


 俺たちが獣人を助けに来た事を知ったエルマーは、大金貨の支払えない額を吹っかけて大笑いしているのである。
 そんな悪ふざけを聞かされて俺は拳を強く握って、エルマーに向かって殴りかかった。


「俺をブッ飛ばすって言ったか? お前みたいなのに、俺は殴れねぇよ!!」

・オリジナルスキル『爆発人間ボマー

「なにっ!? ゔわぁあああ!!!!」


 俺が殴りかかろうと距離を潰した瞬間に、俺とエルマーの中間地点が爆発したのである。
 そして煙の中からエルマーが出てきて、さらに殴られるとエルマーの手も爆発して、俺は地面に墜落した。


「ミナト様、大丈夫ですか!?」

「ど どうなってんだ? アイツの周りが、いきなり爆発して俺が吹き飛んで………」

「俺のオリジナルスキルだっ!! 俺が触れたものは爆弾に変えられる。つまりは空気も爆弾に変えられるんだよ!!」


 俺を吹き飛ばした理由はエルマーのオリジナルスキルが、触れたものを爆弾に変えるというスキルだったからだ。


「お前は俺に勝てねぇ。それなら金を払って、俺から獣人たちを買い取るんだな!!」

「この国では獣人との共存。つまりは、獣人の奴隷化は禁止されているはず!! それに、ここは世界連盟の加盟国、貴方の様な犯罪者が仕事ができるはずありません!!」

「それができるんだよ。この国は変わる、獣人との共存は終わりだ………それに、この世は金さえあれば良いんだよ!! 金が正義、金が神に変わるんだ!!」


 エッタさんは金で獣人を買えというエルマーに、反論の言葉を返すが金が正義だとエルマーは笑い続ける。


「金なんて、どうだって良い………お前をぶっ飛ばせば、カエデちゃんたちの両親を助けられる!!」

「それが出来ないから、テメェは地面に倒れてんだろ!! 現実ってのを見ろ!!」

「現実だの、金だの………お前のいうところの現実ってのは、つまらない世界だな!!」

「何を言ってるんだ? この世界で、金もなく現実も見ない………そんな人間が生きていけるか!!」


 エルマーは金だの現実だのと、犯罪者にしては現実主義者で夢を見る事を嫌っているみたいだ。
 それでも俺は夢を語り、この世界は金だけでは無いと証明してやりたいと、俺の気持ちはハッキリとした。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~

夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。 雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。 女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。 異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。 調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。 そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。 ※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。 ※サブタイトル追加しました。

御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜

伽羅
ファンタジー
【幼少期】 双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。 ここはもしかして異世界か?  だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。 ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。 【学院期】 学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。 周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。  

1つだけ何でも望んで良いと言われたので、即答で答えました

竹桜
ファンタジー
 誰にでもある憧れを抱いていた男は最後にただ見捨てられないというだけで人助けをした。  その結果、男は神らしき存在に何でも1つだけ望んでから異世界に転生することになったのだ。  男は即答で答え、異世界で竜騎兵となる。   自らの憧れを叶える為に。

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

処理中です...