社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa

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第3章・残念なドラゴンニュートの女の子

081:緊張するよな

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 俺たちが飛ばされてから何らかの手がかりを調べる為に、近くにあった神殿の様な人工物の中に入る。
 その中の壁画にイローナちゃん曰く、7種の神器が揃った時に災いが起きると書かれているらしい。


「ここって歴史家からしたら、相当なところなんじゃないか?」

「そうだね。ここには7種の神器だけじゃなくて、まだ読み取れないけど《ゴーストタイム》についても書かれてる………」

「とても重要な事が書かれてるんですね。ミナト様、もう少し奥に行ってみますか?」

「そうだな。もっと詳しい何かを掴めるかもしれないからね」


 俺たちからしたら凄いとしか思わないが、歴史家や考古学者からしたら相当なところなのだろう。
 そんな事を思いながら俺たちは足を進めて、ドンドンッと奥に進んでいくと俺の身長の3倍くらいの大きさがある扉があった。


「この扉は何だろうか? 先に石像とかもあるのかな?」

「可能性は全然ある。でも、この扉は開くのかな?」

「3人で押しましょうか!!」


 俺たちは息を合わせて扉を押すと、最初はピクリとも動かなかったが踏ん張って押し続けると動いた。
 そのまま押し続けるとジリリリッと扉は開いていき、バンッと完璧に開くと神殿が続いていた。


「やっぱり奥に繋がって………ん? あの光は何だ?」

「ミナト様。あの光から森の声が聞こえてきます………」

「まさか!? アレが本当の外か?」

「だからエッタさんが、森の声を聞こえなかったんだ」


 視線を奥に向けると炎が入らないくらいの光があり、何なのかと思ったらエッタさんは驚いた顔をしていた。
 何かと思ったらエッタさんの耳に、森の声たちが入り込んできて、飛ばされた時の謎が解けたのである。
 俺たちが飛ばされた場所は森の中ではなく、神殿の奥地にある森の様なところだった。


「まさか神殿の中に森がある………あれ? 今の今まで森林があったよね!?」

「確かにありました……」

「神殿だから不思議な事だってあるよ」


 不思議そうに振り返ると森林があった場所は、ただの何もない空間になっていたのである。
 その状況に俺とエッタさんが驚いていると、イローナちゃんは落ち着いた様子で、そんな事もあると貫禄を感じた。


「まぁ森の声が聞こえるのなら、ここからはエッタさんに任せても問題は無いよね?」

「はいっ!! このジェルエッタに任せて下さい!!」

「エッタさんの本領が見れるのね」


 エッタさんの活躍の時が来た。
 ムフンッと鼻息荒くなってはいるが、それはエッタさんのやる気があるという事で期待ができる。
 それにイローナちゃんもエッタさんが活躍するのかと、少しプレッシャーをかける言葉を放った。


「ふむふむ。ここを少し進むと、村があるみたいですね!!」

「じゃあ、そこで話を聞く事にしようか」

「そうですね!!」


 エッタさん調べでは、この先に森の村があるみたいだ。
 そこに行って詳しい話を聞けば良いだろうと思って、俺たちは森の村に向かったのである。
 歩いて30分くらい経ったところで、木を利用した住みやすそうな村が現れた。


「交戦的な人たちだったら………どうするか?」

「そうしたら、こっちからは手を出さない様にしましょう」

「本気出したら、私だけで村を消滅させられる」


 村の人間たちが交戦的な人たちだった時が、まさに最悪なパターンと言えるだろう。
 完全な悪な人間であれば問答無用でやれるが、善人で村から出て行かせる人たちならば手は出せない。
 そうなれば面倒な事になるのは目に見えているだろう。


「すみません。少しお聞きしたい事があるんですが、ちょっと宜しいでしょうか」


 キリッと顔を決めてから村の入り口で見張りをしている男たちの前に立つ。
 そして大きく深呼吸をすると、キリッとした顔から営業スマイルで見張りたちに声をかけたのである。


「ん? ここら辺で見ない顔だが、もしかして冒険者か?」

「はいっ!! 世界中を回らせてもらっている、冒険者なんですが道に迷ってしまって………」

「道に迷っただって? 何処の国から来たんだよ?」

「隣国のツァリーヌ王国ってところから来たんですけどぉ」


 完全な営業スマイルに見張りたちは警戒しながらも、話を聞いてやろうかと武器は向けられない。
 きっと ここはフロマージュ王国の中でも、人が来ないところだから不審がっているのだろう。


「ツァリーヌ王国だって!? どうして東から来た奴が、ここに居るんだ?」

 やはり俺でも理解していた事を見張りから聞かれた。
 ここは何を言い返せば敵対されないだろうか。
 嘘をつくのも面倒な事になりそうな為に、ここは嘘をつかずに本当の事を言った方が良いと考えた。


「実はフロマージュ王国に入った瞬間、トラップ魔法に引っかかって森の中に飛ばされたんですぅ」

「トラップ魔法だって?」


 やばいか。
 ここは嘘をついていくところだったか。


「そうか、それは不運だったな。ここ最近になって、国王軍と名乗る共和傭兵団が暴れ回っているからな………」


 何とか耐えたみたいだ。
 命拾いをした気持ちで、ここは共和傭兵団の人間たちに感謝してしまいそうな気分だった。
 何とか見張りの人間は、俺たちを危険視しているわけじゃ無さそうで村の中に入れてくれた。


「この先に村長の家があるからな。あの人ならば、君たちを助けてくれるだろう………そこを頼ると良い」

「ありがとうございますぅ」


 見張りの人間たちは忙しいのか、俺たちは村長に助けてもらう様に言われて場所を説明された。
 そこに行くしかないので村の中を歩くが、やはり外から来た人間は怪訝の目で見られて視線が刺さる。
 小さな子供すらも建物の影から俺たちを、警戒しているのが分かるくらいの視線を向けている。


「ここまで視線が刺さるのは、殴られるよりもダメージが大きい気がするなぁ………」

「そうですね。子供たちからも同じ視線ですからねぇ」

「ミナト。村人の肩を見て………きっとミナトが見た事あるのが見えるよ」

「俺が見た事あるのだって?」


 俺が自然のダメージを受けて丸まっている時に、イローナちゃんは小さな声で村人の肩を見る様に言った。
 何なのかと思ってみてみると、前に倒した十二聖王であるアランの記憶で見た事がある刺青が入っていた。


「た 確かに見た事がある………それにアランの記憶の中では、ここの人たちを《エデン人》って呼んでいた」

「という事は、ここの村は銀翼の夜明け団を作った人種の村という事ですか………」

「そういう事になるね」

「でも、エデン人の中でも銀翼の夜明け団を嫌っている人たちもいる………だから一概にも悪人とはいえない」

「それもそうだね………俺とした事が少し身構えてしまった」


 アランの記憶通りならば、この村は銀翼の夜明け団を作った人種である《エデン人》の村だ。
 しかしイローナちゃんがいう様に、人種の多くが犯罪者だろうが全員が悪というわけではない。
 そんな事を俺は知っているのにも関わらず、偏見の目で警戒してしまった事が、自分としても腹立たしいところだ。


「とりあえずは、この視線が痛いから村長のところに行こう」

「そ そうですね」


 俺たちは視線の気まずさは変わらないので、早歩きで村の奥に進んで行って村長の家に到着した。
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