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第3章・残念なドラゴンニュートの女の子
115:最終ラウンド
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オリヴァーは俺との第2ラウンドを終わらせると、城の地下にある神殿のようなところでお祈りをしている。さっきまでのオリヴァーとは別人なのでは無いかというくらいに、信心深く木彫りの女神像にお祈りをしているのである。
「何だ、自分以外は信じないんじゃないのか? 俺に言ってた事は何なんだ?」
さっきまで外で倒れて動けていないはずの俺が、突然に城の中のしかも地下の神殿に現れる。それに対してオリヴァーは、内心驚いたが振り返る事なく祈りを続ける。
ここに俺が現れはしたが全身傷だらけなのは変わらず、痛みが引いていないのも事実である。しかしある理由で、立ち上がってオリヴァーのところまではやって来れた。
「ちょっと待っていろ。神への祈りが終わったら、お前の相手をしてやるから………」
「そうかい、そうかい。俺だって野暮じゃない、神に祈るくらいの事はさせてやる………こっちだって痛みが引いたわけじゃないからな。少しくらい休まないとやってられんわ」
オリヴァーは祈りが終わるまでは、俺の相手ができないと言ってきた。他の人間ならば知らないと言って襲うかもしれないが、ここにきて神に願う自由を奪うのは俺の本意ではない。それならば祈りくらいはさせてやっても良いだろうと考えている。
俺だって立ち上がって城の中までやってきたが、痛みで気を失ったっておかしくはない状態だ。そんな状態で、今すぐに第3ラウンドをスタートさせても不利だろう。ならば少しでも俺が、体を休ませて戦った方が五分五分に持ち込めるのではないか。
「よし……」
「祈りは終わったか?」
「あぁ。そんな事よりも数十分前は、起き上がる事すらもできなかった、お前が どうして俺の目の前にいる?」
「それに答えたら、俺も質問をして良いか? この条件が飲めるのなら、何故に来れたのかを説明してやっても良いぞ」
「仕方ない。その条件を飲んでやる」
祈りを終えたオリヴァーは立ち上がると、膝についた汚れを払うと俺に視線を持っていく。そして何故、さっきまで立ち上がる事もできない人間が、自分の目の前にいるのかと疑問を持つ。
俺は自分が答えるだけでは不平等だと言って、オリヴァーに答える代わりに自分も質問をさせろと交換条件を出した。オリヴァーとしては不本意ながら、立ち上がれなかった人間が立ち上がる理由を知りたいからと条件を飲んだ。それなら良いと言って、俺はオリヴァーにあった事を説明するのである。
「おら、飲んだんだから生きてるカラクリを教えろよ」
「良いだろう。俺が生きて、ここに居るのは………この王国の元姫様が助けてくれたからだよ」
「この国の元姫だと? この国にいた王族は、1人残らず処刑したはずだ。そんな元姫なんかいるわけが無い」
「さすがのアンタも知らなかったか。その姫様ってのは、ある仕事があって隣国に行ってたんだよ」
俺はフロマージュ王国の元姫様に命を助けてもらった。この話は俺が城の中に来る数十分前に遡る。
さすがに俺もオリヴァーに2度も負けて、虫の息という時に終わりなのかもしれないと思い始めていた。誰の助けも来ず、第2の人生も終わりを迎えるのだと腹を括った。
そんな時に1人の女性が現れて、俺の口の中に苦味がある液体を流し込んできたのである。何なのかと思って閉じていた目を開けると、泣きそうな顔をしている美人が居た。
「アンタは誰だ? ここに居たら、共和傭兵団の奴らに殺されちゃうぞ………」
「良いんです。もう私の目の前で、人が死ぬなんて耐えられないんです!!」
「だから誰なんだって………」
「私の父は、この国で王をしていた人です!!」
俺は危険だからと立ち去るようにいうが、この女性は自分の目の前で死者は絶対に出したく無いらしい。
そして俺が誰なのかと聞いたところ、彼女の父親は国王をしていたらしい。それを聞いた瞬間に、俺はオリヴァーが来る前までの国王の娘かと、すなわち王女様かと理解した。
尚更に王女様が、こんなところにいたら確実に殺されてしまうというのである。しかし彼女は立ち去ろうとしない。
「完璧に傷は治らないにしても、このポーションで立ち上がる事はできると思います………」
「この苦いのポーションだったのか。何を飲まされたのかと思ったわ………あっ本当だ。体に少し力が入るな」
王女様が俺の口に入れてくれたのは、かなり上質なポーションだったのである。その効果によって傷は完璧に治らずにしても、立ち上がるだけの力は回復していた。
「感謝するよ。また立ち上がって、あのクソ野望と戦える」
「いえいえ、元気? になられて良かったです。自己紹介が、まだでしたね………私は《アーラ=エニア=バネンコワ》です」
「アーラさんだね? この感謝は、絶対にオリヴァーを倒したら支払わせてもらうから!!」
助けてくれた王女様は《アーラ=エニア=バネンコワ》というらしく、この恩は忘れるまで覚えていよう。そして俺は動ける範囲の小走りで、王城に向かおうとすると呼び止められた、
「あの!! どうか、この国をお救い下さい………」
「言われなくてもやってやりますよ」
こんな美人さんに涙目で頭を下げられたら、是が非でもオリヴァーに勝利したくなっちゃうじゃないか。そんな気持ちになりながら俺は、フロマージュ王国の王城に向かったのである。
これらがオリヴァーの前に戻って来れた理由で、俺が復活した理由でもある。それを聞いて、ある程度の一部始終を理解してオリヴァーは納得した。
「お前が復活した理由は分かった。それで、これからは どうしたいんだ?」
「アンタと本当の決着をつけたいところだな。今度こそがラストラウンドってところか」
「あれだけやったのに、まだ俺とやりたいってのか? 本当にやられるのが好きなんだな」
オリヴァーは俺に何を求めているのかと聞いてきた。そこで素直に決着をつけたいと申し込んだ。ここまで圧勝をしている、オリヴァーからしたらやる意味も無い気もする。
しかし俺は立ち上がってオリヴァーの前に立っているのだから、オリヴァーとしては断るわけにもいかない。文句は少し言いたそうだが、俺との決着をつけるという流れに納得した。
「ここじゃあ、さすがに狭いだろ………ちょっと上まで着いて来い」
「それじゃあ案内してもらおうか」
オリヴァーは戦うにしては地下では狭すぎると言って、別の場所まで案内してやるというのである。そういうのならば本気でやれる場所に行って、最終ラウンドをやってやると思っている。
そしてオリヴァーに案内された場所は、フロマージュ王城の王の間だった。俺は豪華絢爛な内装に目を取られていると、オリヴァーは ここならば問題なくやれるだろうという。
「ここなら満足にやれるだけの広さはあるだろう」
「あぁここなら問題なくやれそうだ。ここで俺たちの勝負に決着をつけようじゃ無いか」
「もう既についていると思うが………まぁ殺すまでが、戦いだっていうからなぁ」
今すぐにでも俺とオリヴァーの最終ラウンドのゴングが鳴るのである。
「何だ、自分以外は信じないんじゃないのか? 俺に言ってた事は何なんだ?」
さっきまで外で倒れて動けていないはずの俺が、突然に城の中のしかも地下の神殿に現れる。それに対してオリヴァーは、内心驚いたが振り返る事なく祈りを続ける。
ここに俺が現れはしたが全身傷だらけなのは変わらず、痛みが引いていないのも事実である。しかしある理由で、立ち上がってオリヴァーのところまではやって来れた。
「ちょっと待っていろ。神への祈りが終わったら、お前の相手をしてやるから………」
「そうかい、そうかい。俺だって野暮じゃない、神に祈るくらいの事はさせてやる………こっちだって痛みが引いたわけじゃないからな。少しくらい休まないとやってられんわ」
オリヴァーは祈りが終わるまでは、俺の相手ができないと言ってきた。他の人間ならば知らないと言って襲うかもしれないが、ここにきて神に願う自由を奪うのは俺の本意ではない。それならば祈りくらいはさせてやっても良いだろうと考えている。
俺だって立ち上がって城の中までやってきたが、痛みで気を失ったっておかしくはない状態だ。そんな状態で、今すぐに第3ラウンドをスタートさせても不利だろう。ならば少しでも俺が、体を休ませて戦った方が五分五分に持ち込めるのではないか。
「よし……」
「祈りは終わったか?」
「あぁ。そんな事よりも数十分前は、起き上がる事すらもできなかった、お前が どうして俺の目の前にいる?」
「それに答えたら、俺も質問をして良いか? この条件が飲めるのなら、何故に来れたのかを説明してやっても良いぞ」
「仕方ない。その条件を飲んでやる」
祈りを終えたオリヴァーは立ち上がると、膝についた汚れを払うと俺に視線を持っていく。そして何故、さっきまで立ち上がる事もできない人間が、自分の目の前にいるのかと疑問を持つ。
俺は自分が答えるだけでは不平等だと言って、オリヴァーに答える代わりに自分も質問をさせろと交換条件を出した。オリヴァーとしては不本意ながら、立ち上がれなかった人間が立ち上がる理由を知りたいからと条件を飲んだ。それなら良いと言って、俺はオリヴァーにあった事を説明するのである。
「おら、飲んだんだから生きてるカラクリを教えろよ」
「良いだろう。俺が生きて、ここに居るのは………この王国の元姫様が助けてくれたからだよ」
「この国の元姫だと? この国にいた王族は、1人残らず処刑したはずだ。そんな元姫なんかいるわけが無い」
「さすがのアンタも知らなかったか。その姫様ってのは、ある仕事があって隣国に行ってたんだよ」
俺はフロマージュ王国の元姫様に命を助けてもらった。この話は俺が城の中に来る数十分前に遡る。
さすがに俺もオリヴァーに2度も負けて、虫の息という時に終わりなのかもしれないと思い始めていた。誰の助けも来ず、第2の人生も終わりを迎えるのだと腹を括った。
そんな時に1人の女性が現れて、俺の口の中に苦味がある液体を流し込んできたのである。何なのかと思って閉じていた目を開けると、泣きそうな顔をしている美人が居た。
「アンタは誰だ? ここに居たら、共和傭兵団の奴らに殺されちゃうぞ………」
「良いんです。もう私の目の前で、人が死ぬなんて耐えられないんです!!」
「だから誰なんだって………」
「私の父は、この国で王をしていた人です!!」
俺は危険だからと立ち去るようにいうが、この女性は自分の目の前で死者は絶対に出したく無いらしい。
そして俺が誰なのかと聞いたところ、彼女の父親は国王をしていたらしい。それを聞いた瞬間に、俺はオリヴァーが来る前までの国王の娘かと、すなわち王女様かと理解した。
尚更に王女様が、こんなところにいたら確実に殺されてしまうというのである。しかし彼女は立ち去ろうとしない。
「完璧に傷は治らないにしても、このポーションで立ち上がる事はできると思います………」
「この苦いのポーションだったのか。何を飲まされたのかと思ったわ………あっ本当だ。体に少し力が入るな」
王女様が俺の口に入れてくれたのは、かなり上質なポーションだったのである。その効果によって傷は完璧に治らずにしても、立ち上がるだけの力は回復していた。
「感謝するよ。また立ち上がって、あのクソ野望と戦える」
「いえいえ、元気? になられて良かったです。自己紹介が、まだでしたね………私は《アーラ=エニア=バネンコワ》です」
「アーラさんだね? この感謝は、絶対にオリヴァーを倒したら支払わせてもらうから!!」
助けてくれた王女様は《アーラ=エニア=バネンコワ》というらしく、この恩は忘れるまで覚えていよう。そして俺は動ける範囲の小走りで、王城に向かおうとすると呼び止められた、
「あの!! どうか、この国をお救い下さい………」
「言われなくてもやってやりますよ」
こんな美人さんに涙目で頭を下げられたら、是が非でもオリヴァーに勝利したくなっちゃうじゃないか。そんな気持ちになりながら俺は、フロマージュ王国の王城に向かったのである。
これらがオリヴァーの前に戻って来れた理由で、俺が復活した理由でもある。それを聞いて、ある程度の一部始終を理解してオリヴァーは納得した。
「お前が復活した理由は分かった。それで、これからは どうしたいんだ?」
「アンタと本当の決着をつけたいところだな。今度こそがラストラウンドってところか」
「あれだけやったのに、まだ俺とやりたいってのか? 本当にやられるのが好きなんだな」
オリヴァーは俺に何を求めているのかと聞いてきた。そこで素直に決着をつけたいと申し込んだ。ここまで圧勝をしている、オリヴァーからしたらやる意味も無い気もする。
しかし俺は立ち上がってオリヴァーの前に立っているのだから、オリヴァーとしては断るわけにもいかない。文句は少し言いたそうだが、俺との決着をつけるという流れに納得した。
「ここじゃあ、さすがに狭いだろ………ちょっと上まで着いて来い」
「それじゃあ案内してもらおうか」
オリヴァーは戦うにしては地下では狭すぎると言って、別の場所まで案内してやるというのである。そういうのならば本気でやれる場所に行って、最終ラウンドをやってやると思っている。
そしてオリヴァーに案内された場所は、フロマージュ王城の王の間だった。俺は豪華絢爛な内装に目を取られていると、オリヴァーは ここならば問題なくやれるだろうという。
「ここなら満足にやれるだけの広さはあるだろう」
「あぁここなら問題なくやれそうだ。ここで俺たちの勝負に決着をつけようじゃ無いか」
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