社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa

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第3章・残念なドラゴンニュートの女の子

116:開始のゴング

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 俺とオリヴァーの最終ラウンドのゴングが鳴る。俺は痛い体を無理矢理に動かして走り出すのである。
 それに対してオリヴァーはダメージが入っていない為に、余裕そうな顔で花びらの分身を作り出した。そのまま向かってくる俺に、その分身5体を対峙させてきた。


「またバカみたいに突っ込んでくるだけの戦闘方法………全くもって、さっきの敗北を学んで無いな」

「そうか? こちとら殴られまくってて、イライラが溜まりに溜まってるんだよ!!」


 俺が突っ込んでくる事に対して、オリヴァーはバカみたいに突っ込んできてと学んでいない事に呆れる。だが、俺もバカじゃ無いんだから、無策で突っ込んだら負ける事くらい分かる。
 ある程度の秘策として俺は、ポケットの中にある物を忍ばせているのである。それを取る為に、俺がポケットに手を突っ込むのを見て、何をしているのかとオリヴァーは注視する。


「ん? それは……砂か?」

「その通りだ。この砂の一粒一粒が凶器に変わる!!」

・オリジナルスキル『爆破人間ボマー
――砂粒爆弾サンド・ボム――


 俺がポケットから出したのは、街から持ってきていた砂だったのである。砂を出して何をするのかと、オリヴァーが思っているところに、俺は砂粒の一粒一粒を爆弾に変化させた。
 それによって向かってくる分身体に、大量の爆弾が降り注がれて一瞬にして消えた。そのまま俺は足の裏を爆発させ、スピードを加速させると初めてオリヴァーの顔面を殴った。


「考えたみたいだな。意外と良いパンチを持ってるみたいで、少しは楽しめそうだ………」

「良いねぇ。やっとスイッチが入って来た!! ここからギアが上がっていくぞ!!」

「簡単に負ける事だけはしないでくれよ。こっちは、せっかくやる気になって来たんだからな」


 俺に殴られたオリヴァーは、口の端から血がダラーッと垂れて手で血を目視する。さっきまでとは、全く異なっている事にオリヴァーは楽しさを感じているみたいだ。コイツも戦闘狂の1人だった事が分かり、俺としても気を引き締めなければならない。
 俺もオリヴァーを殴った事で、勝てない相手じゃないと悟ってスイッチが入ってくる。そんなスイッチが入った俺に、オリヴァーはやるからには少しくらいは楽しませろと、まさしく戦闘狂特有な不気味な笑みを俺に向けてくる。


「分身体で虐めるのは飽きた。俺が直接、お前を殺してやるよ」

「そうかよ。やれるもんならやってみな………こっちもバリバリにハイになってんだからな!!」


 オリヴァーは分身を使っての戦闘には飽きたと言っているが、戦闘者として気持ちが昂っているのは丸分かりだ。そっちがノリノリなら俺だってハイになってんだよ。
 互いの気持ちが嫌だが重なった。
 俺は後手に回りたくは無いので、地面を強く蹴り出してオリヴァーに向かっていく。


「そうだっ!! 殺気を纏ってかかって来い!!」

――桜王の剣キング・オブ・ソード――

「さすがに剣はまずい!!」


 俺が突進していく時に、オリヴァーは花びらで剣を作って間合いに入ろうとした瞬間に剣を振り下ろそうとする。さすがに生身で剣を振り下ろされた日には、たまったもんじゃ無いので爆発のスキルを使ってオリヴァーの攻撃を避ける。
 前を爆発させて後ろに着地しようとした瞬間に、オリヴァーが目にも止まらぬ速さで俺の真横に移動した。ハッと俺は横目でオリヴァーの存在に気づくが、この瞬間にやれる事なんてのは限られているのが事実だろう。


「真っ二つになりなっ!!」

「そう簡単に真っ二つになってたまるかよ!!」

・砂魔法Level5《砂の針山サンド・オブ・ニードル


 俺は砂魔法を使って地面から針山のようにした砂を出す。それによってオリヴァーの剣は俺に届く事は無かった。そのまま体勢を整えて地面に着地した。
 俺に砂魔法で防がれたオリヴァーは、地面に着地するのと同時に再度、俺に向かって斬りかかってきた。そんなにもやる気を出されても、逆に引いてしまうじゃ無いか。


「そんなにやる気を出すとか、俺の事が好きなのかよ!!」

「あぁある意味、好きかもしれねぇな!!」

「気持ち悪い事、言ってんじゃねぇよ!!」

・オリジナルスキル『爆破人間ボマー


 俺は地面を触って地面を爆弾に変化させる。そのままオリヴァーが間合いに入ったのを確認してから、俺は爆弾に変えた地面を爆発させるのである。まんまとオリヴァーは、俺の仕掛けた爆弾の餌食となった。
 しかしオリヴァーは煙を剣で斬って、ヌッと不気味な笑みを浮かべているオリヴァーの顔が現れる。


「もうホラーだわ!! クソッ……距離を詰められたく無いな」

「どうした? さっきまでのやる気になっていたのは何だったんだ? もう負けを認めるか」

「ふざけな事を言ってんじゃねぇよ。寝言は寝て言えや………まだまだ終わっちゃいないわ」


 俺はギリギリの反射神経で、オリヴァーの剣を避けて後ろに下がると、一旦休憩かという時間が流れる。オリヴァーは俺に対して避けるだけかと言ってきた。そう言われても仕方ないが、こうも相手の間合いに持っていかれると戦いづらい。
 どうにか自分の間合いに持っていかなければ、このままではオリヴァーに3度目の敗戦を喫してしまう。それだけは俺の人生を賭けて、あってはいけない事である。


「そっちのターンが終わったんなら、こっちからいかせてもらうぞ!!」

・高速移動魔法Level2
・光魔法Level5《ミラー
――無差別反射リフレクション――

「なに!?」


 俺は光魔法を使ってオリヴァーに向かって走る。そしてオリヴァーは俺の事を斬ろうとした瞬間に体をすり抜けた。
 オリヴァーは、どうなっているのかと困惑している。するとオリヴァーは背後から気配を感じて、振り向きざまに剣を振って斬ろうとしたが、またと俺の体を剣がすり抜ける。
 オリヴァーは周りをキョロキョロして、どれが本物なのかと思っている時に、本当の俺がオリヴァーの顔面を殴る。困惑したままオリヴァーの口から鮮血が噴き出るのである。


「どうなってるんだ!!」

「少し焦ったんじゃ無いか? これは少しトリッキーなやり方で魔力の使い方がムズイけど………ちょっと面白くない?」

「舐めんじゃねぇよ。どうなってんのかは知らないが、さっきまでの避けるだけよりは面白いじゃないか」


 何が起きたのかというと光魔法を使って、目に見えている光を操って俺が分身しているように見せる。オリヴァーが斬っていたのは、いわば影と同じなので無傷なのにも説明がつく。
 オリヴァーが分身を使うのならば、俺も光魔法を使って分身と俺を紛らわしくしてやるんだ。しかし光の当たり方などを魔法を操作するので、少しの気の緩みとか油断で偽物だって一目で分かってしまうから大変である。
 しかし疲れはするが、これでオリヴァーと俺の戦況は、やっと五分五分にまで持って行けているのでは無いだろうか。
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