社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa

文字の大きさ
131 / 201
第4章・ロリっ子な吸血鬼の女の子

127:新たな門出

しおりを挟む
 俺たちは1人も欠ける事なく、フロマージュ王国を出発して、さらに危険なノースカリクッパ王国を目指す。
 どうやら世界連盟の非加盟国で、何があっても自己責任らしいから少しの緊張感がある。まぁ俺からしたら、緊張感なんて人生を楽しむスパイスにはかわりない。


「あれ? そういえばイローナちゃん、フロマージュ王国城の地下にあった古代文字は、何て書かれてたの?」

「ボロボロで読めないところも多かったけど、それでも凄い情報が書いてあった」

「イローナちゃんがいう凄い情報って、どれだけ凄い情報なんだろう………」


 俺は馬車の中で時間を持て余している。気分が優れなくなる前に、イローナちゃんから古代文字は何を書かれていたのかと聞いたのである。
 するとイローナちゃんは悪そうなフッフッフッという笑いをしている。イローナちゃんが、そんな笑い方と凄い情報というのだから相当なモノなのだろうかと、俺は固唾を飲んでイローナちゃんの話を聞く。


「この世界には《古代兵器エインシェント・ウェポン》が3つあるらしい」

「古代兵器だって? その古代兵器ってのは、そんなに凄いモノなの? 昔の廃れた技術って奴じゃないの?」

「その逆だよ。昔の素晴らしい技術が、この現代に廃れてなくなった………つまりは、この世界を崩壊させるだけの力があるわけ」

「そんな凄い兵器が3つもあるのか!?」


 驚きだ。この世界を崩壊させるだけの兵器が、3つもあるなんて信じられない情報だ。それだから世界には、伏せられて古代文字のみになっているのだろう。


「その場所について書かれてる文章に関しては、壊れてて分からなかったけどね………」

「それだけの情報が書かれてるだけ凄いよ!! それを読めるイローナちゃんも凄いしね」


 俺はイローナちゃんの古代文字が読めるというのは、この世界にとって財産だなと感じた。
 そんな話を俺たちがしていると、シュナちゃんとカエデちゃんは互いにブラッシングしている。そしてエッタさんとルイちゃんで、このミナトファミリーでの資産運用に関して話し合っているのである。


「かなり稼いではいるから、お金が底をつく事は無いだろうけど………人数が増えてきているから、それなりに使い方を考えないと減っていくばっかりだね」

「そうでござるな。将来、何があるかは分からないから考えないとダメでござるな」

「王国の貴族くらいのお金は持ってるし、何処かに土地を買うってのも良いかもしれないよねぇ」

「ミナト様っ!! 確かにいずれは、土地を買うのも悪くありませんね」


 俺は横でエッタさんたちの話を聞いていたので、何処かの国で土地を買うのは良いんじゃないかと提案した。するとエッタさんは少し驚いてから、いずれは買っても良いかもしれないと言ってくれたのである。
 そんなこんなで出発してから、1日が経過して俺たちはフロマージュ王国とノースカリクッパ王国の国境に到着していた。いつも通りに俺は、馬車酔いをしてグッタリしてしまっている。


「ミナト様。ここからノースカリクッパ王国ですが、覚悟は大丈夫でしょうか?」

「あ? あぁ問題ない……」


 俺は気分が悪いままノースカリクッパ王国に入国する事になった。確かに内戦が続いているだけあって、フロマージュ王国から出た瞬間に分かるくらい土壌からして終わっているのである。


「そういえば、どうしてノースカリクッパ王国は非加盟国なんだ? 世界連盟に加盟すれば幸せって事は無いだろうけど、少しはマシになる気がするんだけど」

「ノースカリクッパ王国は、元々大大陸にある《フォルニア王国》の植民地でした。しかし隣国の同じく非加盟国である《トゥンシム王国》とフォルニア王国が戦争をしているうちに、独立したって感じですかね」

「元々植民地だったのか。世界連盟に加盟していたフォルニア王国がいるから非加盟国になったって解釈で合ってるのかな?」


 どうやらノースカリクッパ王国ができたのには、元々が植民地にされていた国らしく、支配していたフォルニア王国と隣国のトゥンシム王国が戦争しているうちに独立したらしい。
 俺の解釈としては世界連盟に加盟しているフォルニア王国から独立したから、ノースカリクッパ王国的には世界連盟に加盟した際にギスギスするからではないかと勝手に想像している。


「それもありますが、最も大きな理由としては国王が独裁者だからというのが大きいと思います」

「独裁者かぁ……」


 やっぱり異世界でも独裁者っているんだなぁ。まぁ国がたくさんあるのなら1つくらいは独裁者がいるのは分かるけど、独裁者がいるから国内で内乱が続くんだな。


「世界連盟に加盟したら、通貨も統一して国民から取っていい税金も決められているんですよ。だからノースカリクッパ王国の国王は、税金を多く取りたいからと世界連盟に加盟していないんです」

「そんな理由だけで世界連盟に加盟しないなんて、さすがは独裁者って感じがするけど………国民からしたらたまったもんじゃないよなぁ」

「70年前にノースカリクッパ王国ができてから、約30年間も内乱が続いているんです」


 国が成立してから半分も内乱状態で、よくも国が続いているんだなと不思議になるくらいだ。前世では独裁者ってのは、いずれも破滅してるイメージがあるけど、この国は意外にも長らく続いているなぁ。
 そんな国に入っても良いのかと疑問に思い始めていると、ノースカリクッパ王国に入国してから初めての街が見えてきたが何やら町の建物が燃えているのが見えた。


「あれって火事になってないか!? しかも相当燃え広がってるぞ!!」

「そうですね!! 少し急いで行って助けた方が良いかもしれません!!」


 俺たちは街の火を消す為に、馬車のスピードを上げて街に向かうのである。街に近づくにつれて、街の人たちの叫び声が聞こえてきて悲惨さが伝わる。


「俺とエッタさんとシュナちゃんで火を消すから、カエデちゃんとイローナちゃんとルイちゃんは街の人たちの避難誘導を!!」

『了解!!』


 俺たちは急いで馬車から降りると、火事を消す班と人を避難させる班に分かれて行動を起こす。遠くから見ていたイメージとは、かなり違うくらい火事で悲惨な事になっていたのである。


「どうなってるんだ……ただの火事ってもんじゃないよな。人為的に火を放たれたって感じか」

「ミナト殿っ!! 避難民の話によると、国印が掘られた鎧を着た人間たちが立ち去っていくのを見たと言っていたでござる!!」

「なんだって!! という事は、国王軍が市民に対して火を放ったって事かよ………国民に対して、国王は何をしてんだ!!」


 ルイちゃんからの話では国王軍の騎士が、立ち去っていくのを確認したという情報を貰った。という事は国王が指示を出して、国民たちの住む街に火を放ったという結論が出るが、あまりにも酷い行為である。
 気になる事は多くあるが火を消すのを最優先だと考えて、俺たちは自分の持てる魔法などで火を消したり市民を避難させたりと必死になって行動をしていた。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~

夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。 雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。 女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。 異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。 調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。 そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。 ※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。 ※サブタイトル追加しました。

御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜

伽羅
ファンタジー
【幼少期】 双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。 ここはもしかして異世界か?  だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。 ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。 【学院期】 学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。 周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。  

1つだけ何でも望んで良いと言われたので、即答で答えました

竹桜
ファンタジー
 誰にでもある憧れを抱いていた男は最後にただ見捨てられないというだけで人助けをした。  その結果、男は神らしき存在に何でも1つだけ望んでから異世界に転生することになったのだ。  男は即答で答え、異世界で竜騎兵となる。   自らの憧れを叶える為に。

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

処理中です...