社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa

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第4章・ロリっ子な吸血鬼の女の子

146:ヴァンパイアについて

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 俺たちはエッタさんたちの死体が無かった事から、生きている可能性が高いと思っている。ここで待つのも良いが、ここには既に何も無い為、置き手紙を残して先に進む選択を取る事にした。


「もしかしたら何かあって、先の街に進んでるかもしれないよな。それなら置き手紙を残して、俺たちは王都の方を目指す事にしよう」

「そうでござるな。ここで待ちぼうけしていても、状況は変わらなそうでござるからな」

「ここで待ってるなんて嫌じゃ!! 先に進んだ方が良いに決まっておる!!」

「私も先に進んだ方が良いと思う………」


 俺の考えに3人とも納得してくれて、それじゃあと瓦礫を積んで壁にメッセージを残した。申し訳ないが、ここの人たちを埋葬する事はできない。それは宗教的な問題があると思ったからだ。
 そんな風にして俺たちは出発の準備を整えると、今日は夜になるので野宿をして、朝になってから王都に向かって街を出発するのである。


「それにしてもギルド・ボガードが、この国と繋がって居たってのが事実だったとはねぇ」

「ローズ殿の稀血の効果と、魔神の出現が無ければ間違いなく、拙者は敗北して居たでござる………」

「確かに俺の方も、手を抜かれている感じは無かったけど………まだまだ底は見えない感じがしたな」

「ギルド・ボガードの人間たちは、ブギーマンを中心に武闘派と戦略派に分かれてるみたい………」


 朝になって出発すると街が小さくなってきて、まさかギルド・ボガードが関わっていたとは、耳では聞いていたが実際になるのとは話が別だった。
 俺の方は時間が伸びていたとしたら、あの男に敗北していたのかも知れない。俺と同じように、イローナちゃんたちもローズちゃんや魔人という、何とも言えない出来事が起きなければ負けていた可能性がある。


「今は首都を目指して、ローズちゃんの心臓を取り戻す方法を考えようか」

「そうしてくれなのじゃ。妾の心臓が胸に無ければ、どうにか落ち着かんのじゃ」


 俺たちはローズちゃんの心臓を取り戻す為に、エッタさんたちは無事だと信じて首都を目指す。まぁ首都を目指すと言っても1週間はかかるだろうから、それなりの覚悟をしながら進むのである。
 毎回のように街で休みたいところだが、その都度で疑われたりするのは面倒だと思っている。寝るところは馬車の中で問題はないが、食料とかは街の中に行って買うしか方法は無い為、疑われるのは嫌だが我慢しよう。


「ミナト殿。この先に、どうやら人の集落があるみたいですが、そこを通過するでござるか?」

「えっ? ドラゴンニュートって、そんなところまで分かっちゃうの………この先に人の集落があるのか。でも国王軍なのか、市民軍なのかは分からないからなぁ」

「それなら拙者が、先に飛んでいって偵察してきましょうか?」


 ドラゴンニュートの生まれ持った能力で、この先に人の集落があると察知した。それが国王軍なのか、それとも市民軍なのか分からないので、簡単に近寄る事はできないと俺は考えている。
 すると俺が悩んでいるのを見た、ルイちゃんは飛んでいって偵察をしてこようかと聞いてくれた。危険だとは分かっているが、もしもの時でもルイちゃんの強さを信じて偵察してもらう事にした。


「それじゃあ頼む事にしようかな。くれぐれも危険だと思ったら、直ぐに撤退するようにしてね!!」

「了解したでござる!! それでは偵察してくるのでござる!!」

「ドラゴンニュートは身軽なんじゃな。妾は無駄に空は飛びたくないんじゃ」

「そういうもんなのかね?」


 ルイちゃんは俺が笑顔で頼むと、パァーッと明るい笑みを溢してから飛び立っていったのである。正直、ルイちゃんを単体で向かわせるのには心配が多い。それでも現段階で、この問題を解決できるのはドラゴンニュートのルイちゃんが最適者だ。
 今はとにかくルイちゃんを信じて、この先にある集落が安全なものだったら良いなと思っている。まぁそんな風に思っている時って、悪い方に向く事が多いんだけどフラグにならないだろうか。


「それにしても本当に心臓が無くても、体には何の影響も無いんだねぇ」

「そうじゃよ? ヴァンパイアというのは、人間族との魂のあり方が違うんじゃよ」

「そのあり方が違う理由って、ヴァンパイアの人たちは自分たちで理解してるの?」


 ルイちゃんが行っている間に、俺はヴァンパイア族の謎を解明しようとローズちゃんに質問する。今だに心臓が自分の体になくても生きていける理由に関して、俺はまだ納得ができていない。
 もちろんファンタジーな世界なのだから、そこに理屈を求めてしまってもダメなのかもとは思っている。しかし気になってしまったのなら、本人がいる時こそ聞いた方が良いと思ったのである。
 ローズちゃんは俺の質問に対して、うーんと目を瞑って顎に手を置き考える仕草をする。どうやらポンッと説明できるような事では無いみたいだ。


「うーん。それならヴァンパイア族の歴史から話した方が良さそうじゃな」

「ヴァンパイアの歴史を話してくれるの!? それって極秘な事なんじゃ無いのか?」

「確かにホイホイと他人には教えぬが、お主だったら良いじゃろうな」


 説明するのに困ったローズちゃんは、とにかくヴァンパイアの歴史について話と言い出したのである。そんな大切な情報は、世界にとっては極秘の情報では無いのかと聞くと、別に俺になら教えて良いという。
 俺個人として気になるところではあるので、ローズちゃんにヴァンパイア族の歴史について聞く事にした。
 ローズちゃんの話の始まりは、数千年も前に遡ってスタートするのである。ヴァンパイア族の歴史を語るのだから、そこまで遡るのは当たり前だと思っていても昔の話なんだと思ってしまう。
 ヴァンパイア族の先祖は、今や何処にあるのか分かっていない魔大陸からやって来たと言われている。そしてヴァンパイア族は大きく3つの国に住み着いたらしい。


「その国というのは?」

「妾が生まれた国である《サルマーレ公国》と《ラムレット諸国連合》《マラサダ帝国》の3つじゃな」


 その国たちに渡ったところでは、まだ人間よりも少し身体能力が高いだけの魔族という部類だったらしい。


「えっ!? ヴァンパイア族って最初から、今みたいな能力があったんじゃないの!?」

「そんな訳なかろう。最初は少し強い人間というのと違いはなかったんじゃよ」


 そんな事実があったとは驚愕である。
 この情報は世界に知られていない情報だろうな。だって隣のイローナちゃんが嬉しそうにメモを取っているからだ。それにしたって何があっても、今のヴァンパイアになったのか気になるところである。
 その次に話してくれた事は、マラサダ帝国にやってきた貴族階級の《ラクス公爵》が、悪神《プティレン》と勝手に契約を結んで、ヴァンパイア全体が今のような能力を手にしたというのである。何ともスミス公爵のせいで、何人かのヴァンパイアは不幸になったのでは無いのかと思ってしまうのだが、ローズちゃんは今の能力が手に入って良いと笑っているから何とも言えない。
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