社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa

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第4章・ロリっ子な吸血鬼の女の子

149:エメラルドドラゴン

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 俺たちがやってきた都市に、聖剣を取引する際に手を貸してもらったフェレイラ財団の代表であるダヴィドさんが何故か居たいのである。大商人であるダヴィドさんが、どうしてノースカリクッパ王国にいるのかを聞く為に俺たちは席に着くのである。


「それでダヴィドさんは、どうしてノースカリクッパ王国なんかに居るんですか? ここって内乱もあって商人さんには、厳しいところだと思うんですけど」

「確かに危険であるのは間違いないでしょう。しかしノースカリクッパ王国なんかというのは、ちょっと勿体無いですよ!!」

「そ そうなんですか?」


 俺がノースカリクッパ王国に滞在している理由を聞いた時に、なんかと言ったところが引っかかったらしい。どれだけノースカリクッパ王国が、商人にとって素晴らしい国なのかを説明してくれる。


「この国は食糧という分野においては、他と比べ物にならないくらいの貧困です。しかし この国では砂金が多く取れるんだよ!!」

「この国で砂金が取れるんですか!? それは確かに驚きなところですね………しかしそれなら砂金は、どうしてノースカリクッパ王国で取られていないんですか?」

「そこが重要なポイントなんだよ。ここの国の人たちは砂金に全く気付いておらず、内乱ばかりをやっているだけだ………まぁトップについた人間が、元々は軍人だからしょうがないところもあるがね」


 この国の人間は砂金に興味がないらしく、そこに目をつけてダヴィドさんは仲間を引き連れてやってきたらしいのである。今も財団の職員たちが、外の安全地帯で砂金の採取を行なっているとの事だ。


「それで君たちは、どうしてノースカリクッパ王国に来たんだい? 冒険者とは言えども世界連盟に加盟している国を回るのが、冒険者の基本だと思うが?」

「俺はそういうのに縛られたくないので、どんなところでも行こうって思ってるんです。だから危険だと言われても、この国には来たかったんですよ」

「君は本当に面白い性格をしているねぇ。これからも取引をする際は、我々の財団が管理しているところで、是非とも頼みたいところだね」

「それは是非とも、我々と取引させて下さい!! ダヴィドさんならば信用できますから!!」


 確かに俺たちが普通の冒険者じゃないのは、自分でも分かっているからダヴィドさんの質問にも納得できる。その質問の答えが俺の人生の指標でもある。
 まぁそんな風にカッコをつけたとしても、単純に楽しく冒険がしたいというところが本音だけどね。とにかくこれからもダヴィドさんたちと取引をしていこう。
 そんな風な会話をしていると、外からドーンッと大きな音が聞こえてきた。音に驚いて俺たちは席を立ち上がって様子を見る為に、建物の外に出ると街の中が慌ただしく逃げ惑う人たちが多くいた。


「どうなっているんだ? もしかして国王軍が、ここへの不可侵条約を破って………」

「冒険者の皆さん!! 手を貸していただけないでしょうか!!」

「何があったんですか? もしや国王軍が、攻め込んできたんじゃないですよね!!」

「違います!! 街の外に巨大なモンスターが………ドラゴンが出たんです!!」


 この街の騒ぎは街の外に、ドラゴンが現れて襲撃を始めたからみたいだ。俺からしてもドラゴンが出てきた事に驚愕の顔をして、まさかドラゴンが出るとは思わず言葉を失っているのである。
 ドラゴンは弱いランクだとしても討伐難易度がSランクを超える種族なので、そう簡単に倒せるモンスターではなく、普通の一般人ならば絶望するものだ。そして気になるところがあるのだが、それはドラゴンに対してドラゴンニュートのルイちゃんの関係である。


「ドラゴンニュートと、ドラゴンって関係あったりしないんだよね? さすがに討伐するとしても、ルイちゃんと同じ種族だったら、討伐の仕方を考えないといけないところなんだよ」

「拙者とドラゴンでござるか? 何の関係もないでござるよ。というか、我々ドラゴンニュートは魔族ではなく亜人という括りなので!!」

「そういう事だったか。逆に気遣いが、失礼になるっていうもんな………それじゃあ、俺たちで街に出たドラゴンの討伐をやろう!!」


 この気遣いは要らないどころか、逆にドラゴンニュートを魔族扱いするという失礼な事だった。冷静に考えてみたら魔族が、ルイちゃんたちのように知性を持って喋ったりできるわけじゃないはずなのに。
 とりあえずはルイちゃんに頭を下げてから、街の人たちを助ける為に俺たちはドラゴンのいる場所に向かう。すると現れたドラゴンは、全身が緑色の鱗で覆われているような見た目のドラゴンである。


「み 緑色のドラゴン!? 普通のドラゴンって赤とか黒とかじゃないのか!!」

「アレは《エメラルドドラゴン》っていう種類。洞窟の中のエメラルドを食べて変化したドラゴンだよ………あの体は硬くて物理攻撃に耐性を持ってる」

「おいおい。ちょっと非常識なやつが来ちゃったんじゃないのか? もう来ちゃったんだったら仕方ないけど」


 このエメラルドドラゴンなるモンスターは、エメラルドを多く食べた事による変化個体らしい。
 見た目はエメラルドのドラゴン像だと言われても勘違いするくらいに綺麗な色をしている。どうやら倒した後は高く売れるらしいが、エメラルドドラゴンを討伐する為に多く死人が出たらしい。そのわけが物理攻撃に、完璧と言って良いほどの体制を持っているからだという。
 まぁ物理攻撃をしなければ通用するという事ならば、こっちにだって勝算はあると思っている。もちろん油断は禁物だという事も理解しているつもりだ。


「ルイちゃんは物理攻撃中心だろうから、街の人たちを極力守って!! それ以外の俺たちで、あのエメラルドドラゴンを倒して高値で売ってやる!!」

「了解でござる!!」

「分かった………」

「エメラルドドラゴンは久しぶりじゃ!!」


 俺たちは役割を振り分けてから、早速エメラルドドラゴンの討伐に動き出した。エメラルドドラゴンの討伐難易度はSSランクと、俺の冒険者ランクと同等のレベルである為に、そう簡単には討伐できないだろうと考えているのである。


「物理攻撃に耐性があるってんなら………それなりに強い魔法を打ってみるか!!」

・炎魔法Level1:ファイヤーボール
・風魔法Level2:ストーム
――炎龍の吐息ドラゴニック・ブレス――

「おぉ!! ドラゴンには、ドラゴンの炎でやるって良いセンスでござる!!」


 俺は小手調べにドラゴンの炎と同じくらいのレベルの魔法で攻撃してみた。けっこうな威力なので、それなりにダメージが入って欲しいところではある。


「がぅうううう!!!!!」


 ドラゴンの炎をエメラルドドラゴンは、叫び声だけで掻き消されてしまった。


「うぉ!? 叫び声だけで掻き消しやがった………」

「これらレベルが高いのぉ」

「今度は私が行く………」

――豪雷の鉄鎚クラックダウン・サンダー――


 そんな簡単に俺の攻撃を掻き消された事に驚きを隠せずにいる。ローズちゃんもエメラルドドラゴンが、レベル高いと認める程である。
 それを見てからイローナちゃんが、雷の魔法を放ったら今度はエメラルドドラゴンに直撃した。
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