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第4章・ロリっ子な吸血鬼の女の子
154:強者の責任
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エッタさんたちは要塞の攻略に挑んでいた。
外での攻防をエッタさんとシュナちゃんが引き受けると、カエデちゃんは中に入って要塞の隊長であるソンと激しい戦闘を行なっていた。
「さすがは獣神化と言ったところか………だが、その姿は完成されてないんじゃないのか」
「減らず口を叩きやがって………私の爪で、アンタの喉元を掻き切ってやるよ!!」
「それだけ言えるのならば、もっと楽しませてくれるみたいだな………俺たちは、雑魚の市民軍を何年も相手にしてきてるんだ。良い加減、弱い連中の相手をするのは飽きてきてるんだよ!!」
ソン隊長は剣を振り上げると、カエデちゃんに向かって剣を振り下ろした。素早く洗練された剣を、カエデちゃんは爪を使って受け流して、地面に剣が衝突したところでソン隊長の脇腹を蹴り飛ばす。
「うっ!? こりゃあ強いって認識だけじゃあ、俺でもやられちまうな………格段に上級な敵を相手にしていると思わなきゃダメらしいな」
「お前に、万に1つも勝機なんてない………完膚なきまでに、私がぶっ飛ばしてやる!!」
ソン隊長は蹴り飛ばされると空中で直ぐに、体勢を整えてクルッとカエデちゃんの方を見る。そして剣を使って立ち上がると剣を構え直す。
カエデちゃんは獣神化した事で性格が明らかに変わっていて、ソン隊長を完膚なきまでに負かすという。獣神化した獣人とは言えども、自分の事を完全に舐めている事にソン隊長はやる気を上げている。
「そこまで言うのなら証拠ってのを見せてくれや!!」
「そっちもな!!」
互いに向かって走り出すと、ソン隊長はカエデちゃんの足元に滑り込んで背後に回る。それによってカエデちゃんの爪を掻い潜る事ができた。
背後に回られた事に気がついたカエデちゃんは、振り返って距離を詰めようと走り出したところに合わせて、ソン隊長は風魔法のウィンドボールを使った。
「なっ!?」
「こういう手も強くなる為には使わなきゃな………な なんでだ!?」
ウィンドボールでカエデちゃんの目潰しをして、ソン隊長から視線を逸らした瞬間に、カエデちゃんの胸を切り裂いた。ソン隊長は完全に貰ったと思って、剣を振り抜いた瞬間にニヤッと笑みを溢した。
しかし手応えはあったものの倒れる気配が無かったので、どうしたのかと思って顔を上げると、カエデちゃんの胸に斬られたはずの傷がなかった。どうなっているのかと驚きで追撃を入れられない。
「獣神化した、私の毛が簡単に剣を通すと思ってんじゃねぇよ!!」
「クソが!?」
獣神化した姿のカエデちゃんの毛は、そこら辺の剣を簡単に通る事はない。それをソン隊長に伝えると冷や汗が出るくらいゾッとしてしまった。そのまま動けないソン隊長を、カエデちゃんは腕を振り上げて逆に胸を爪で切り裂いたのである。
「追撃の手を打てないのはクソだが、風魔法の使い方だけは勉強させてもらったぞ………」
完全にカエデちゃんが勝利すると、そこから雑魚狩りがスタートするのである。ソン隊長がやられた事で、要塞の中はアタフタして簡単に雑魚狩りが進む。
「ふぁ~。人が気持ち良く寝てたってのに、これはなんの騒ぎだよ………ん? 何かと思ったら、要塞の中に攻め込まれてるじゃねぇか!!」
「お前は誰だ? ここの長ならば、今さっき私の手で殺してやったぞ」
「あららら。面倒な事をしてくれなもんだなぁ………」
カエデちゃんが雑魚狩りをしていると、要塞の中にある建物から欠伸をしている男が出てきた。明らかに見た目がノースカリクッパ王国の人間には見えないので、カエデちゃんは瞬時にギルド・ボガードだと分かった。
ギルド・ボガードであろう男は、周りをキョロキョロして状況を理解しようとするが、さっきまで眠っていた為に混乱している。そこにカエデちゃんが現れて、ソン隊長を殺した事を伝えると溜息を吐いて面倒な事をしてくれたと面倒臭がる。
「お前は、ここの人間じゃないな? となると、この国の協力者になるのはギルド・ボガードくらいだろ?」
「よく知ってるじゃないか。気持ち良く寝て起きてみたら、俺の仕事場を壊しやがってよぉ………こちとらアジトに帰ったら、ボコボコにされんだぞ!!」
「大丈夫だよ。アンタはアジトに帰れなんてしないんだから………ここで私が殺してやるよ」
やはり男はギルド・ボガードの人間だった。そうと分かれば殺すしかないとカエデちゃんは、ペロッと舌で唇を舐めてターゲットを決めた肉食獣のような目をする。
男の立場が俺だとしてもカエデちゃんの目を見れば、体が硬直するくらいの凄みがあるのだが、男はカエデちゃんの目を見ながら睨み返している。
「お前が、ここで俺を殺すって? 獣人ふぜいが、人間様に大きな口を叩くじゃないか。馬鹿な市民軍の野郎と一緒に、あの世へ葬ってやるよ!!」
「獣神化した、私に勝てると思ってんのか? この姿なら神にすらも勝てるぞ!!」
「ほぉそれが獣神化の姿か。確かに雰囲気はあるみたいだが、雰囲気だけじゃあ勝てやしないぞ?」
男は目が覚めてきたのか、カエデちゃんに対して市民軍と同様にあの世に葬ってやるという。それに対してカエデちゃんは自分よりも遥かに、男の方が弱いと言って睨み合いからの言い合いが行なわれる。
言い合いが行なわれてから少しの沈黙が流れから、一瞬にして互いに拳をぶつけ合う。周りにいた人たちは、2人が高速で動いた事によって起きた風に、巻き込まれて吹き飛んでいくのである。
「その拳はなんだ!? どうして私の拳と張り合えるんだよ!!」
「ふっふっふっ。これが俺が、ギルド・ボガードで幹部まで成り上がったオリジナルスキル………」
オリジナルスキル『蠍変換』
この男はサソリに変化させるというオリジナルスキルで、ギルド・ボガードまで成り上がった。腕だけをサソリの皮膚のように硬質化させて、普通の人間ならば腕が吹っ飛ぶカエデちゃんの拳に張り合えたのである。
それでも獣神化した自分よりかは弱いだろうと、カエデちゃんから動き出して仕掛けていく。しかし首を動かすだけ、最低限の動きのみでカエデちゃんの攻撃を避けるのである。獣神化した事で感情の起伏が激しくなった事で、ムキにもなりやすくなっている。
「そんなもんで良いのか? ソン隊長には、大して恩も友情もあるわけじゃねぇが………こんなレベルの奴に殺されたって家族に説明できんのか?」
「何を言ってんだ!!」
「殺した人間にも家族がいるって話だ。憎い敵だろうが殺したってんなら、殺した人間の家族に納得させるだけの実力を見せろよ………ほら、本気になれよ」
獣神化と聞いて、どんなに凄いのかと男は少し期待をしていたのである。しかし自分が想定していたよりも遥かに弱く、こんなのにソン隊長がやられたのかと思ったら怒りが込み上げてくると言う。
それを言われてカエデちゃんは、グッと歯を食いしばって男に襲いかかっていく。だが男は、硬質化させた腕でカエデちゃんのパンチを最も簡単に受け止めると、カウンターの右パンチをカエデちゃんの腹に入れた。
外での攻防をエッタさんとシュナちゃんが引き受けると、カエデちゃんは中に入って要塞の隊長であるソンと激しい戦闘を行なっていた。
「さすがは獣神化と言ったところか………だが、その姿は完成されてないんじゃないのか」
「減らず口を叩きやがって………私の爪で、アンタの喉元を掻き切ってやるよ!!」
「それだけ言えるのならば、もっと楽しませてくれるみたいだな………俺たちは、雑魚の市民軍を何年も相手にしてきてるんだ。良い加減、弱い連中の相手をするのは飽きてきてるんだよ!!」
ソン隊長は剣を振り上げると、カエデちゃんに向かって剣を振り下ろした。素早く洗練された剣を、カエデちゃんは爪を使って受け流して、地面に剣が衝突したところでソン隊長の脇腹を蹴り飛ばす。
「うっ!? こりゃあ強いって認識だけじゃあ、俺でもやられちまうな………格段に上級な敵を相手にしていると思わなきゃダメらしいな」
「お前に、万に1つも勝機なんてない………完膚なきまでに、私がぶっ飛ばしてやる!!」
ソン隊長は蹴り飛ばされると空中で直ぐに、体勢を整えてクルッとカエデちゃんの方を見る。そして剣を使って立ち上がると剣を構え直す。
カエデちゃんは獣神化した事で性格が明らかに変わっていて、ソン隊長を完膚なきまでに負かすという。獣神化した獣人とは言えども、自分の事を完全に舐めている事にソン隊長はやる気を上げている。
「そこまで言うのなら証拠ってのを見せてくれや!!」
「そっちもな!!」
互いに向かって走り出すと、ソン隊長はカエデちゃんの足元に滑り込んで背後に回る。それによってカエデちゃんの爪を掻い潜る事ができた。
背後に回られた事に気がついたカエデちゃんは、振り返って距離を詰めようと走り出したところに合わせて、ソン隊長は風魔法のウィンドボールを使った。
「なっ!?」
「こういう手も強くなる為には使わなきゃな………な なんでだ!?」
ウィンドボールでカエデちゃんの目潰しをして、ソン隊長から視線を逸らした瞬間に、カエデちゃんの胸を切り裂いた。ソン隊長は完全に貰ったと思って、剣を振り抜いた瞬間にニヤッと笑みを溢した。
しかし手応えはあったものの倒れる気配が無かったので、どうしたのかと思って顔を上げると、カエデちゃんの胸に斬られたはずの傷がなかった。どうなっているのかと驚きで追撃を入れられない。
「獣神化した、私の毛が簡単に剣を通すと思ってんじゃねぇよ!!」
「クソが!?」
獣神化した姿のカエデちゃんの毛は、そこら辺の剣を簡単に通る事はない。それをソン隊長に伝えると冷や汗が出るくらいゾッとしてしまった。そのまま動けないソン隊長を、カエデちゃんは腕を振り上げて逆に胸を爪で切り裂いたのである。
「追撃の手を打てないのはクソだが、風魔法の使い方だけは勉強させてもらったぞ………」
完全にカエデちゃんが勝利すると、そこから雑魚狩りがスタートするのである。ソン隊長がやられた事で、要塞の中はアタフタして簡単に雑魚狩りが進む。
「ふぁ~。人が気持ち良く寝てたってのに、これはなんの騒ぎだよ………ん? 何かと思ったら、要塞の中に攻め込まれてるじゃねぇか!!」
「お前は誰だ? ここの長ならば、今さっき私の手で殺してやったぞ」
「あららら。面倒な事をしてくれなもんだなぁ………」
カエデちゃんが雑魚狩りをしていると、要塞の中にある建物から欠伸をしている男が出てきた。明らかに見た目がノースカリクッパ王国の人間には見えないので、カエデちゃんは瞬時にギルド・ボガードだと分かった。
ギルド・ボガードであろう男は、周りをキョロキョロして状況を理解しようとするが、さっきまで眠っていた為に混乱している。そこにカエデちゃんが現れて、ソン隊長を殺した事を伝えると溜息を吐いて面倒な事をしてくれたと面倒臭がる。
「お前は、ここの人間じゃないな? となると、この国の協力者になるのはギルド・ボガードくらいだろ?」
「よく知ってるじゃないか。気持ち良く寝て起きてみたら、俺の仕事場を壊しやがってよぉ………こちとらアジトに帰ったら、ボコボコにされんだぞ!!」
「大丈夫だよ。アンタはアジトに帰れなんてしないんだから………ここで私が殺してやるよ」
やはり男はギルド・ボガードの人間だった。そうと分かれば殺すしかないとカエデちゃんは、ペロッと舌で唇を舐めてターゲットを決めた肉食獣のような目をする。
男の立場が俺だとしてもカエデちゃんの目を見れば、体が硬直するくらいの凄みがあるのだが、男はカエデちゃんの目を見ながら睨み返している。
「お前が、ここで俺を殺すって? 獣人ふぜいが、人間様に大きな口を叩くじゃないか。馬鹿な市民軍の野郎と一緒に、あの世へ葬ってやるよ!!」
「獣神化した、私に勝てると思ってんのか? この姿なら神にすらも勝てるぞ!!」
「ほぉそれが獣神化の姿か。確かに雰囲気はあるみたいだが、雰囲気だけじゃあ勝てやしないぞ?」
男は目が覚めてきたのか、カエデちゃんに対して市民軍と同様にあの世に葬ってやるという。それに対してカエデちゃんは自分よりも遥かに、男の方が弱いと言って睨み合いからの言い合いが行なわれる。
言い合いが行なわれてから少しの沈黙が流れから、一瞬にして互いに拳をぶつけ合う。周りにいた人たちは、2人が高速で動いた事によって起きた風に、巻き込まれて吹き飛んでいくのである。
「その拳はなんだ!? どうして私の拳と張り合えるんだよ!!」
「ふっふっふっ。これが俺が、ギルド・ボガードで幹部まで成り上がったオリジナルスキル………」
オリジナルスキル『蠍変換』
この男はサソリに変化させるというオリジナルスキルで、ギルド・ボガードまで成り上がった。腕だけをサソリの皮膚のように硬質化させて、普通の人間ならば腕が吹っ飛ぶカエデちゃんの拳に張り合えたのである。
それでも獣神化した自分よりかは弱いだろうと、カエデちゃんから動き出して仕掛けていく。しかし首を動かすだけ、最低限の動きのみでカエデちゃんの攻撃を避けるのである。獣神化した事で感情の起伏が激しくなった事で、ムキにもなりやすくなっている。
「そんなもんで良いのか? ソン隊長には、大して恩も友情もあるわけじゃねぇが………こんなレベルの奴に殺されたって家族に説明できんのか?」
「何を言ってんだ!!」
「殺した人間にも家族がいるって話だ。憎い敵だろうが殺したってんなら、殺した人間の家族に納得させるだけの実力を見せろよ………ほら、本気になれよ」
獣神化と聞いて、どんなに凄いのかと男は少し期待をしていたのである。しかし自分が想定していたよりも遥かに弱く、こんなのにソン隊長がやられたのかと思ったら怒りが込み上げてくると言う。
それを言われてカエデちゃんは、グッと歯を食いしばって男に襲いかかっていく。だが男は、硬質化させた腕でカエデちゃんのパンチを最も簡単に受け止めると、カウンターの右パンチをカエデちゃんの腹に入れた。
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