社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa

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第4章・ロリっ子な吸血鬼の女の子

196:襲撃跡

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 少女の村を襲った狼人族を全員成敗する事ができた。
 全てが終わったところで少女を連れて、少女の村に戻らなければいけない。トラウマを持ってしまっているので連れて行きたくは無いが、これからの為にも少女の村に行くしか無いのである。


「このまま村まで案内してもらえるかな?」

「は はい……大丈夫です」

「辛くなったら言って良いからね? そしたら直ぐに休むから」

「ありがとうございます………」


 やはり昨日の今日で心に負っている傷は大きい。
 できる限りの配慮をしたいと思っているが、少女は性格的に遠慮してしまうタイプの子供なのだろう。遠慮なんてしなくては良いが、もしかしたら遠慮しているわけではなく現状が理解できずに放心状態かもしれない。
 とにかく少女の案内で村に向かう。
 20分くらいで少女の村に到着すると、そこは死体の匂いと火事で燃えた家の匂いで溢れていた。
 そんな匂いを嗅いで少女は思わず、馬車の外に出ると林に行って嘔吐してしまった。まぁ変わり果てた村と、自分に何があったのかを理解してしまったら無理ない。


「イローナちゃん。この子を連れて村の外で待っててくれないかな?」

「分かった」

「それじゃあ俺たちは、村の中の様子を見に行こうか。それなりに酷いと思うから覚悟はしておいて………」


 イローナちゃんに少女を任せて、俺たちは村の中に生存者は居ないかと捜索する事にした。
 やはり村の外からでも焼ける匂いと、死体の匂いがしていたが中に入ると、さらに匂いがキツくなって前世の俺なら我慢できなかっただろう。
 何よりも前世での同僚の女性を思い出してしまって、少し気分が下向きになってしまう。


「ミナト殿? 大丈夫でござるか?」

「え? ど どうして?」

「お主の顔色が悪いからのぉ」

「そ そうかな!? 別に何かあるってわけじゃ無いんだけどさ………まぁあの子の気持ちになったら、なんとも居た堪れない気持ちになっちゃってね」


 ルイちゃんとローズちゃんは、俺の顔色が悪い事に気がついて大丈夫かと心配の声をかけてくれた。俺としては、そんなに意識しているつもりは無かったが、無意識に考えてしまっていたのだろう。
 俺としては前世で心配してくれる事は無かったので、この世界になって2人以外にも、エッタさんやカエデちゃんたちが心配してくれる事に、少しジーンッと心に来てしまっているのである。


「あの狼人族が言っていた事に賛同するのは、なんとも嫌な気分ではあるが、この世界が弱肉強食である事には同意見じゃと思うぞ?」

「確かにモンスターだって、俺たちに負けない様に進化していて、俺たちもモンスターに負けない為に進化している………そこに弱肉強食の関係があるのも理解できるんだけど、今回の件は愉快犯な感じがするんだよ」

「確かに狼人族の住処を奪い始めていたのは事実ではあるが、ここの村の関係ない人を殺すというのは虐殺だと拙者は考えているでござる!! 拙者なら仕方ないと、住処を開拓しようとしている人間と戦うでござる!!」


 ローズちゃんの言うように、この世界が弱肉強食である事は誰の目から見ても確かではある。
 しかしそれでも生きる為に、モンスターを狩るでも人間を襲うでもなく、今回の件に関しては村の関係ない人たちを愉快犯的に殺す行為だったと思っている。
 ローズちゃんも言い返す事はなく、それは確かにそうだなと珍しく俺の意見に賛同してくれた。そしてルイちゃんも自分ならば、こうやって行動するから今回の狼人族の行動は、絶対に許されない事だと糾弾する。
 そんな風に互いの意見を交換し合いながら、この村の中で生き残っている人は居ないかと捜索する。


「やっぱりこの惨劇の中で、生き残っているのは居ないのか………全滅か」

「ミナトっ!! こっちから正気のオーラを感じるぞ。ここら辺に生きてる人間がいる!!」

「それは本当っ!? 直ぐに調べよう!!」


 俺も半ば諦めそうになったところで、ローズちゃんがヴァンパイアとしての特性を使って、生きている人間のオーラを感じたと俺に伝えてくれた。
 直ぐに走って向かうと、俺も必死に息をしている人間を探すと、家の瓦礫に下敷きにされている男性を発見したのである。早く助けなければと、俺はルイちゃんも呼んで、3人で瓦礫を退かして男性を救い出す。


「なんとか息があるみたいだ。ルイちゃん、この人を馬車のところまで運んでくれるか?」

「承知したでござる!! 揺らさず速やかに、馬車のところまで運んでみせるでござる!!」


 俺はルイちゃんに、この男性を馬車まで運ぶのを頼んで捜索を続けるのである。
 しかしあの男性以外に、この村には生存者いないみたいだ。なんとも生存者が、少女も合わせて2人しかいないなんて本当に惨劇だったのが分かる。


「残念ながら生存者は、もう居ないみたいじゃな。ここは引き上げよう………どうかしたのか?」

「いや、ちょっと気になる事があって………」

「気になる事? どんな事が気になるんじゃ?」

「ここを見て欲しいんだけど………この足跡って明らかに村人のモノでも、狼人族のモノでも無いよね?」


 ローズちゃんは引き上げようと俺に言った時に、俺は別のモノに興味を惹かれていた。
 そんなに真剣になって何を見ているのかと、ローズちゃんは近寄ってみる。すると地面に動物かモンスターの足跡が多くついていたのである。
 ローズちゃん的にはモンスターとか、動物の足跡なんか気になるのかと言う風に思っている。それでも俺は、この足跡には違和感を感じてしかたない。


「まぁ別にモンスターとか、動物が来るのは不自然じゃないんだけどさ………」

「だけど? それの何がおかしいんじゃ?」

「他の村人の足跡の上に付いているんだよ。それなのに他のところに痕跡は無い………という事から考えられるに、もしかしたら狼人族と一緒にテイマーがいた可能性が高いんじゃないのかなって思ってさ」

「それは確かに可能性としてはあるのぉ。もしかしたらテイマーが、今回の村襲撃の主犯の可能性があるんじゃ無いかって思ったんだよ。でも、証拠探しが思ったよりも大変なんだよ………」

「それじゃあ狼人族は、ただのハメられた可哀想な奴って事かのぉ? それが本当なら裏にいる奴は、相当なねちっこい奴でおるのぉ」


 俺の意見としては狼人族と共に、この村を襲った張本人が居るのでは無いのかという可能性がある。
 そして裏についているは人間は、まぁ人間なのかすらも分からないレベルではあるが、もしかしたらテイマーでは無いかと考えている。
 しかしどうしてテイマーと、狼人族が一緒になって村を襲ったのかは分からないが、大体のイメージはつくのであるが、狼人族はテイマーによって丸め込まれて、上手く操られてやる羽目になったのだろう。


「もしかしたら、この足跡の持ち主が今回の村を襲撃した狼人族を操っていた人間なんじゃないだろうか」

「それにしても、どうしてテイマーは狼人族を使って村を攻撃したんじゃろうな?」

「それは確かに、自分の手を汚すのが嫌だった?」


 本当に裏には、誰かがいて何らかの理由で襲撃して来たのだろうと考えている。
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