[完結】うちの第二隊副隊長さまはモテ過ぎるのでとっとと結婚してほしい

いかくもハル

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【最終話】そして現在

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あれから四年、グラントは第二隊隊長になっており、いまだ私は事務官に復帰出来ていない。

ちょいちょいちょい、グラントさんよ、私はいつになったら復帰できるのかな?

いや、子供たちは可愛いよ。
長男、ヴァンサンはアッシュブロンドにブルーグレーとピーコックグリーンのオッドアイの瞳で顔は益々グラントそっくり。超可愛い。
スクスクと元気な良い子に育ってくれている。

しかし、恐るべし、ロックス家の子沢山事情。
何度か試してみてもやっぱり避妊魔法効かないんだよね。
え?何?魔法より強い子種って何?

どうしようかな?って思ってる間に二人目妊娠発覚。年子ですよ。
そりゃ子沢山になるよね。排卵日に当たれば高確率で子供出来るんだからさ。
だから排卵日は避けようとする時に限って、軍服来てマクシミリアン様に変身するんだよ。
あれ、絶対私が拒否できないってわかっててやってるよね。
拒めない私も悪いけどさぁ~。推し+軍服では無理よ。

それでも二人目まではね、早めに育てて復帰すれば良いか、って思ってたのよ。

ハニーブロンドにブルーグレーの瞳の私そっくりな娘のヴィアンカ。
グラントはもう可愛い連発して大変よ。

あの子も剛腕の能力持ってるからね。チビでも強いの。
力加減がまだ上手くできないから、掴んだものは握り潰しちゃうし、ブンって投げた物のは凶器と化す。
うちの破壊王となっていたんだけど、物を軟化と硬化する能力のあるグラントに、破壊できないくらい硬くしたらどうかと聞いてみたら、ヴィアンカの手が怪我するって過保護が発動し、とうとう握りつぶしてもフニャンとして元に戻るような硬さと柔らかさのバランスを生み出した。

父の愛は物の性質を変えたか!

今うちの中は普通に持った時は硬いけど、ある程度の力を加えるとフニャンとする物で溢れている。
これ、売り出したら売れるんじゃ?と、密かに思う。

ヴィアンカが1歳になって、ヴァンサンも一緒に保育園入れようと思った矢先にまたもや妊娠発覚。


ここで確信した。グラントは私を復帰させるつもりないな・・・
結婚したら、事務官と主婦と両立すれば良し!何て呑気に考えてた私を殴ってやりたい。

3人目妊娠中にはジュンジ・サカタ以降、50年ぶりの渡り人が来たとかで、巷ではちょっとした渡り人ブームが来ていた。
ユーリ・クジョーという女性らしい。
何と、うちのグラントが西の森で発見、保護したのだ。
どんな人?って聞いたら13、4歳の子供だという。
しばらくは第二隊で預かることになったと言っていた。
子供?子供が来て大丈夫なの?と思っていたら、後から23歳の大人だった事がわかった。
何それ、そんな人いるの?凄いな渡り人。

今度は何をしに来たのだろうと思っていたら、あの浄化師として活躍中のクリストファーさんを救ったらしい。
クリストファーさんが一目で気に入ってそのまま速攻で結婚までしたというからその渡り人は余程の人なのだろう。
グラントいわく、面白い人らしいけど、クリストファーさんの好みって面白い人だったの?
まあ、あの人も変わってるからな。

あ、でもユーリさんは安眠ポーション作った人だっけ?
あのビューティープラスは凄い効果があって、うちでも愛飲している。
さすがクリストファーさんの嫁。

その渡り人のお兄さんがこちらに移民して来てて、なんと副隊長だったアンナと電撃結婚した。
しかも既に妊娠中というから驚きだ。彼は外交官をしている。

凄い兄弟だなぁ。お兄さんはアンナに紹介してもらったけど、これまた凄いイケメンで、双子の弟さんがいるんだって。
ギリアムさんが双子のイケメン渡り人が騎士団にたまに体鍛えに来るって言ってたな。
大いに結構!
ベビーカー押して、散歩ついでに見学に行くか。
ローザも子供いるから誘って行こうっと。筋肉見学。
公園じゃ無いところがうちららしいよね。
それにしても双子設定良いな。


そして3人目も先日生まれた。
次男ヒューゴ。アッシュブロンドの髪にブルーグレーの瞳のこれまた超可愛い天使!

まぁ、相変わらずグラントとは仲良しというかラブラブさせてもらってる訳で、彼は四年経っても相変わらずの神々しい肉体の持ち主ではあるんだけどね。

28歳3人の子持ちとなればさすがにワーキャー言われることも無いと思いきや、ギリアムさんによると、父親になって表情も柔らかく、優しくなったのと色気が増したがとかで、それはそれでモテてるらしい。
単純にみんな子供に見えて父性爆発してるだけじゃ無い?
本人は全く無自覚らしいけど。
まあ、彼は一生気づくまい。

凄い子煩悩ぶりで、まだ乗れもしない馬を今から選定して、子馬から育てようとしてるくらいなのだ。早いって。

子供と馬と同時進行して育てようなんざ、どんだけ育てるのが好きなんだっての。
ヴァンサンは既に剣と体術の才能の片鱗をみせてて、祖父のロベルトとグラントが稽古つけてる。
本人も楽しそうに振り回してるし。やれやれ。
あの子もモテそうだな。暗殺並みのプレゼントには注意するが良い。


そして私の実家の方では、父ヴィクトルが真顔で変なクネクネダンスを踊るCMが受けに受け、何と今やおっさんながら遅咲きのブレイクを果たしているのだ。
今まで無駄と思われたプロ意識が花開き、彼はどんな役もこなせるマルチ俳優として引っ張りダコになった。
う~ん、世の中何があるかわからない。

弟は魔術専科2年になり、卒業後は魔術特化に進むらしい。
グラントの弟、アシュレイさんから特化に進むためのアドバイスを受けるなど、仲良くしている。
将来は王国調査局に入りたいんだと。

妹は魔術学校高等部三年になり、図書委員をやっている。
私の時と違い、高等部でも真面目にやっているようだ。
何と、今では人気の委員らしいから、世の中変われば変わるもんだなぁと思う。

「何言っての。お姉ちゃんがグラントさんと出会ったきっかけが図書委員って有名なんだよ。図書委員になるとイケメンと付き合えるって半ば伝説化してるんだから」
「え!そうなの?っていうかさ、グラントは高等部にまで人気なの?」
「当たり前だよ。いまだにグラントさんに会わせて欲しいって言われるんだから」

ひょえ~。まぁ確かにな、グラントは男前だもんな。
生グラントは独り占めさせめもらってるけれども、飽きることが無い。

マリモリ先生の新作は二人とも読んでるし。彼は爆笑してるけど。
たまに騎士服着てくれて、マクシミリアンごっこも堂に入ってるしね。主に夜。子供どこまで増やす気だ?

ま、そんなこんなで家族5人で仲良くやってます。
ヒューゴの後はさすがにちょっと休ませて欲しいんだけど。グラント、切に願います!!!

【完】


———————————————————————————
お付き合いいただきありがとうございます。
これを持ちまして、ミランダ、グラント編は完了いたします。
5話くらいでサクッと終わらせるつもりだったのですが、思いの外長くなってしまいました。
お楽しみいただけたら幸いです。

男前って何だろう?と自分に問いかけながら進んで来ました。
ちゃんと男前になってたかな?

あと、番外編あります。
マリモリ先生の話、語尾くせ男のギリアムさんの話。

息子達ももいい話が思いついたらまた新たに話しを書こうと思います。

ではまた、お会いできる日を!

いかくもハル











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