[完結】うちの第二隊副隊長さまはモテ過ぎるのでとっとと結婚してほしい

いかくもハル

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子沢山一家の事情

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『何でもする』は禁句だ。よく理解した。
動けない。グラントさんよ、こっちは初心者なんだから、手加減して欲しい・・・
たしかに、レオナルドさんの言った通り、大男ぶっ飛ばす体力ないとダメだわ。

「ミランダ、朝食持って来たよ」

ご機嫌な様子でグラントが入って来た。
結婚式から10日間、お互い休暇を取っている。

手にはトレーを持っていて、マグカップと朝食が乗っていた。
ベッドサイドのテーブルにトレーを置くと、ベッドに腰掛け、私を自分にもたれかけさせるようにして座らせる。

「はい、あーん」

あーん、殺し文句をっっ。
悶えていると、ほれほれと催促してくる。くっ楽しそうだな。
あーんと口を開けると、ポタージュスープを食べさせれくれた。
むぐむぐ、美味しい!

疲れも吹っ飛びそうな程の美味しさだ。

「美味しい!料理上手なんだね。グラント」
「野営とかしてるし、結構料理作るの好きだよ。はい、もう一口」

素直に口を開けて食べさせてもらう。

「ちょっと無理させちゃったけど、今日からは大丈夫だよ。魔力混ぜたからね」
「なんかしてると思ったら、それかぁ」

そう、お互いの魔力を混ぜる事によってより相手を感じやすく、お互いの弱点もフォロー出来るようになる。
私の場合はグラントの化け物並みの体力を補ってもらえるのだ。

ん?ちょっと待てよ。体力補ったら夜は底なしにならないか?
それはちょっと困る。仕事だってあるのだ。

「あのさ、その・・・夜はちゃんと寝ないと仕事に支障が出るから控えめにしない?」
「それなら問題ない。俺は回復魔法は得意だ」

ニッコリと笑顔でのたまった。
いやいやそうじゃ無いでしょ。毎晩あの調子では・・・
不意に昨日見たグラントの肉体を思い出す。
神に祝福されたかのような完璧な肉体を。
しかもだからバッチリ見えた。
クラリと眩暈がする。
ダメだ、あれが見られないのはダメだ。既に生きる活力だ。
あの割れた腹筋は癒しだ。

「じゃあさ、避妊魔法かけとかないと、すぐ子供できて仕事に支障きたしちゃうよ」

すると、今度は困ったような顔になった。

「うちは避妊魔法が効きにくい体質なんだ。だから今までしないでいたんだけど」
「え!そんな事あるの?」
「うちが子沢山一家と言われるのはその辺の事情もあるんだよ」

何ですと!避妊魔法が効かないとなると、今のペースでは子供出来放題!?
でも、生グラント見れないのも辛い。
ぐぬぬ。性知識が乏しいと回避方法がわからない。

「結婚してるんだし、子供できたとしても何の問題もないよ」
「それはそうなんだけど・・・」

せっかく受かった仕事を辞めるのは惜しいしな。
周りに迷惑をかけてしまうし。
仕方ない。

「じゃあ、間をとって、休みの前の日だけって事にしては?」
「じゃあ、今は休み中だから、問題はないな」

あ、そうだった。
結局、毎晩生グラントを拝む事になったのだ。
しかも、体力が補強されてので、それ程辛くない。
むしろ、魔力が混ざった分、心地よさも倍増。
ヤバイ!これはまずいぞ。速攻が子供出来てしまう。
仕事、仕事と家庭の両立。それが目標なんだ。



***

結局、子供はバッチリ出来た。
恐ろしい、ロックス遺伝子。
グラントは嬉しそうに、少し体調の悪い私の世話をしてくれる。
やけに世話がうまいとか思ったら、騎士生活もだが、兄弟の面倒も見てたからなんだな。

まあ、この分なら子供育てるのもお手のものだろう。
あたらめて、いい人と結婚したと思う。料理も上手いし。
きっと私より手際が良い筈だ。

つわりも軽かったので、出産ギリギリまで働き、別の部署から産休代理の事務官さんが来てくれた。
ギリアム・マコーレンさん 23歳。男性だ。
葡萄色の髪に深い緑の瞳、スラリとした白皙の美麗なイケメンで、なんと、母が部下の若者を騎士団に回してくれたのだ。
本人も騎士に憧れがあり、志願してくれたのだという。
何て良い人なのだ。

「よろしくお願いします、ギリアムさん」
「こちらこそよろしくぅ。噂の姉御さんの代理なんて光栄ですぅぅ」

くねりながら握手を求められた。
な、なんかクセの強いタイプだが、人は良さそうだ。
母の話では見かけによらず出来るとの事。

確かに彼は物覚えもよく、引き継ぎも楽だった。
ギリアムさんは語尾にクセはあるが中々楽しい人ですぐに仲良くなった。


予定通りに初夏、無事に私は産休に入る事になった。


***

夏になり、男の子が生まれた。
アッシュブロンドに右がブルーグレー、左がピーコックグリーンの瞳のグラントそっくりな男の子だった。
おおっ!我が子ながら、将来、物語の主人公になりそうなポテンシャルがあるぞ。

名前はヴァンサンとつけた。

幸い産後の肥立ちもよく、私は元気いっぱいだった。

グラントは一層私と子供を大事にしてくれる。
たまには息抜きに、と結婚したローザとお茶したりしてる間も、全然余裕で子供の面倒を見てくれているのだ。
なんて良い夫。

ギリアムさんも職場に慣れてみんなと仲良くやってるようだ。
さて、ヴァンサンが1歳になったら、保育園入れて私も復帰するよう準備しないとな。
 


***

な~んて、思っていたのだよ。
そ・れ・が!!!
冬になってまたもや妊娠発覚。
くっ!致し方あるまい。
ヴァンサンもまだ1歳だし。まだしばらくは育児に専念するか・・・

次は女の子が良いなぁ。なんて呑気に思いながら。

























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