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【番外編】魔術書のおっさんとミランダ 1
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~アシュレイ~
俺はアシュレイ・ロックス。27歳、独身。王国魔術研究所に勤める魔術師をしている。
同じ年の義姉のミランダが物質の時間を遡る魔術を登録してから2年が過ぎた。
甥のヒューゴが生まれてからは子供は生まれてないようだ。
結婚して次の年からアホみたいに立て続けに三人生まれた。
うちが子沢山なのは避妊魔法が効きにくい体質であるからなのは仕方ないとはいえ、生まれすぎじゃないか?
うちの兄弟は結婚が早い方で3歳上の兄貴グラントは24でミランダと結婚したし、一つ下の妹オリヴィアは22の時にバルパスのユージーン王太子と結婚した。
残りの弟と妹二人も結婚を控えている。
つまり、兄弟たちで結婚が決まってないのは俺だけだ。
それは良い、特に興味もないから。
「アシュ兄はさ、顔は良いのに愛想がないよね。近寄り難いんだよ」
「魔術師はおおむね変わり者が多いけど、アシュ兄はそこに偏屈も入るよね」
「「わかる~」」
おい、そこの弟妹たち、聞こえているぞ。
言われなくても俺が一番わかってるんだよ。
親戚の集まりは大体こんな感じでイジられる。
俺の右隣にいる5歳になるヴァンサンがじっと俺を見つめていた。
ブルーグレイとピーコックグリーンの左右で違う瞳は神秘的で、歳の割に落ち着いた雰囲気の甥っ子はニッコリした。
「ボクはアシュ兄好きだよ」
「ありがとな」
くっ!小さくても長男。
兄貴に似てるからか、なんかグッとくる。
思わず頭を撫でくり回してしまう。
「ワタシもアシュレイ好き!」
「お、おぅ。ありがと」
左隣の4歳のヴィアンカまで負けじと言い出した。
勝ち気で小生意気な雰囲気は義姉のミランダそっくりだ。
今度3歳になるヒューゴはあぐらをかいた俺の膝の上で大人しくジュースを飲んでいる。
何故か愛想も良くない、偏屈だと自覚している俺に甥っ子姪っ子たちは寄ってくる。
何だ?魔力か?魔術師だから魔力は兄弟達の中でも多いと思う。
いつの間にか、ヒューゴはコップをテーブルに置いて膝の上で寝ていた。
う~ん、可愛い。子供の高めの体温が膝と腕にダイレクトに来る。
おっと、和んでいる場合では無かった。
今日は使命があったのだった。
魔術研究所のエコード所長から、そろそろ義姉さんを魔術師に勧誘しろと言われてきたのだった。
俺は向かいに座った義姉に聞いた。
「義姉さん、仕事復帰の方はどうなった?」
「事務官の方は四年の間に大分変わってるからなぁー。戻れるかな?ギリアムさんはどう?グラント」
「ギリアムは今、奥さん妊娠中だから、調査員にはもどりたくないっていってたな」
「え~っ!じゃあ、私が戻るとしたら、他の隊になるってこと?」
「そもそも、事務官の空きがないかもしれないな」
「うっ!そうなるとまだ復帰は無理か・・・」
お!風向きが良い方向に来たぞ。
「それなら魔術師は?」
「魔術師ぃ~?なんで?」
あ、2年前のこと、すっかり忘れてんな。
「物質の時間を遡る魔術開発したの、忘れたの?」
「あ~、そんなことあったね。懐かしいな」
そんなことって!十分凄いんだよ。これだから魔術に興味が無いやつは・・・
そもそも、この義姉は自分では無自覚みたいだが、変わり者だ。
興味があることか、目的がないと集中しない。
中等部から、教室の隅で一心不乱に勉強ばかりしている、ガリ勉美少女として有名だった。
勉強中は話しかけてもほとんど相手にされない。
勉強していない時は普通に話すし、にこやかだし、試験時などはクラスのみんなに勉強を教えるほど面倒見も良い。
だからどちらかといえば、男女共に人気があったので、ミランダが勉強してる時は、周りは集中させてあげようと、あえて邪魔しないよう放っておいた。
高等部になっても相変わらずで、ミランダに話しかけたい男子は大勢いたが、相手にもされず、たまに勇気ある奴は告白していたが、軒並み振られていた。
ローザ・バトンとは幼馴染で特別仲が良く、よく二人で話していたみたいだが。
興味のある無しがはっきりして、集中力もある。
興味のあることには全力で時間も惜しまず努力する。
凄い魔術師向きなんだよな。
だから、物質の時間を遡る魔術なんて、考えついたんだ。
まぁ、きっかけは古びた写真集だったけどな。
嘘だろ?って思った。わざわざそんな物のために、魔術編み出すか?普通。
思いつかないだろ。
お陰で、始まりの魔術師アダモス・ゴードンの魔術書が復活したけどな。
でも、どういうわけか、厳重に保管してたはずなのに、また消えた。
エコード所長によると、「もしかして魔術書の意志かもしれない。魔術書の力が回復して新たなマスターを探しに行ったかも」と、言っていた。
まさか、ミランダのとこに行ったとか、無いよな・・・
「あ~、義姉さん、最近変わったことは?買った覚えのない物があるとか・・・」
「そんな事あるかな?無いと思う」
「本棚に紛れてないかな?」
「本棚~?忙しくて本もちゃんと読んで無いからなぁ」
「そういえば、見慣れない本があったぞ」
さすが兄貴!変化に敏感だ。
「渋い茶の皮で金の文字の表紙じゃ無いか?」
「ああ、そんな感じだった」
やっぱり!アダモスの魔術書のマスターとして選ばれたんだ。
くっ!魔術師の憧れの魔術書に何で彼女が・・・
「何でそんな物がうちにあるのよ。持ってきた記憶ないよ」
「選ばれたんだよ、魔術書に。マスターとして」
「「マスター?」」
義姉と兄貴はお互いに顔を見合わせて、小首を傾げている。
「お母さんたちの部屋から時々おじさんの声がするよ」
ヴァンサンが不意にそう言った。
おじさんの声、それだ!
聞こえるのか。怯えもせず、凄いなヴァンサン。
「何て言ってた?」
「う~ん、よくわかんないけど、おーいとか、無視すんなとか、そんな感じ」
「ヤダ、気持ち悪い」
がっくし。魔術師だったら飛び付いてマスター契約するぞ。
どうなってる、この家は。
「ちょっと見せてもらっても良い?」
「そうだな、アシュレイに見てもらった方が良いと思う」
「ぜひお願い、アシュレイさん」
こうして、兄貴の家に行くことになった。
まぁ、貴重な魔術書のありかがわかっただけでも良しとするか。
この義姉にどうやってその気にさせるかは頭が痛いが・・・。
俺はアシュレイ・ロックス。27歳、独身。王国魔術研究所に勤める魔術師をしている。
同じ年の義姉のミランダが物質の時間を遡る魔術を登録してから2年が過ぎた。
甥のヒューゴが生まれてからは子供は生まれてないようだ。
結婚して次の年からアホみたいに立て続けに三人生まれた。
うちが子沢山なのは避妊魔法が効きにくい体質であるからなのは仕方ないとはいえ、生まれすぎじゃないか?
うちの兄弟は結婚が早い方で3歳上の兄貴グラントは24でミランダと結婚したし、一つ下の妹オリヴィアは22の時にバルパスのユージーン王太子と結婚した。
残りの弟と妹二人も結婚を控えている。
つまり、兄弟たちで結婚が決まってないのは俺だけだ。
それは良い、特に興味もないから。
「アシュ兄はさ、顔は良いのに愛想がないよね。近寄り難いんだよ」
「魔術師はおおむね変わり者が多いけど、アシュ兄はそこに偏屈も入るよね」
「「わかる~」」
おい、そこの弟妹たち、聞こえているぞ。
言われなくても俺が一番わかってるんだよ。
親戚の集まりは大体こんな感じでイジられる。
俺の右隣にいる5歳になるヴァンサンがじっと俺を見つめていた。
ブルーグレイとピーコックグリーンの左右で違う瞳は神秘的で、歳の割に落ち着いた雰囲気の甥っ子はニッコリした。
「ボクはアシュ兄好きだよ」
「ありがとな」
くっ!小さくても長男。
兄貴に似てるからか、なんかグッとくる。
思わず頭を撫でくり回してしまう。
「ワタシもアシュレイ好き!」
「お、おぅ。ありがと」
左隣の4歳のヴィアンカまで負けじと言い出した。
勝ち気で小生意気な雰囲気は義姉のミランダそっくりだ。
今度3歳になるヒューゴはあぐらをかいた俺の膝の上で大人しくジュースを飲んでいる。
何故か愛想も良くない、偏屈だと自覚している俺に甥っ子姪っ子たちは寄ってくる。
何だ?魔力か?魔術師だから魔力は兄弟達の中でも多いと思う。
いつの間にか、ヒューゴはコップをテーブルに置いて膝の上で寝ていた。
う~ん、可愛い。子供の高めの体温が膝と腕にダイレクトに来る。
おっと、和んでいる場合では無かった。
今日は使命があったのだった。
魔術研究所のエコード所長から、そろそろ義姉さんを魔術師に勧誘しろと言われてきたのだった。
俺は向かいに座った義姉に聞いた。
「義姉さん、仕事復帰の方はどうなった?」
「事務官の方は四年の間に大分変わってるからなぁー。戻れるかな?ギリアムさんはどう?グラント」
「ギリアムは今、奥さん妊娠中だから、調査員にはもどりたくないっていってたな」
「え~っ!じゃあ、私が戻るとしたら、他の隊になるってこと?」
「そもそも、事務官の空きがないかもしれないな」
「うっ!そうなるとまだ復帰は無理か・・・」
お!風向きが良い方向に来たぞ。
「それなら魔術師は?」
「魔術師ぃ~?なんで?」
あ、2年前のこと、すっかり忘れてんな。
「物質の時間を遡る魔術開発したの、忘れたの?」
「あ~、そんなことあったね。懐かしいな」
そんなことって!十分凄いんだよ。これだから魔術に興味が無いやつは・・・
そもそも、この義姉は自分では無自覚みたいだが、変わり者だ。
興味があることか、目的がないと集中しない。
中等部から、教室の隅で一心不乱に勉強ばかりしている、ガリ勉美少女として有名だった。
勉強中は話しかけてもほとんど相手にされない。
勉強していない時は普通に話すし、にこやかだし、試験時などはクラスのみんなに勉強を教えるほど面倒見も良い。
だからどちらかといえば、男女共に人気があったので、ミランダが勉強してる時は、周りは集中させてあげようと、あえて邪魔しないよう放っておいた。
高等部になっても相変わらずで、ミランダに話しかけたい男子は大勢いたが、相手にもされず、たまに勇気ある奴は告白していたが、軒並み振られていた。
ローザ・バトンとは幼馴染で特別仲が良く、よく二人で話していたみたいだが。
興味のある無しがはっきりして、集中力もある。
興味のあることには全力で時間も惜しまず努力する。
凄い魔術師向きなんだよな。
だから、物質の時間を遡る魔術なんて、考えついたんだ。
まぁ、きっかけは古びた写真集だったけどな。
嘘だろ?って思った。わざわざそんな物のために、魔術編み出すか?普通。
思いつかないだろ。
お陰で、始まりの魔術師アダモス・ゴードンの魔術書が復活したけどな。
でも、どういうわけか、厳重に保管してたはずなのに、また消えた。
エコード所長によると、「もしかして魔術書の意志かもしれない。魔術書の力が回復して新たなマスターを探しに行ったかも」と、言っていた。
まさか、ミランダのとこに行ったとか、無いよな・・・
「あ~、義姉さん、最近変わったことは?買った覚えのない物があるとか・・・」
「そんな事あるかな?無いと思う」
「本棚に紛れてないかな?」
「本棚~?忙しくて本もちゃんと読んで無いからなぁ」
「そういえば、見慣れない本があったぞ」
さすが兄貴!変化に敏感だ。
「渋い茶の皮で金の文字の表紙じゃ無いか?」
「ああ、そんな感じだった」
やっぱり!アダモスの魔術書のマスターとして選ばれたんだ。
くっ!魔術師の憧れの魔術書に何で彼女が・・・
「何でそんな物がうちにあるのよ。持ってきた記憶ないよ」
「選ばれたんだよ、魔術書に。マスターとして」
「「マスター?」」
義姉と兄貴はお互いに顔を見合わせて、小首を傾げている。
「お母さんたちの部屋から時々おじさんの声がするよ」
ヴァンサンが不意にそう言った。
おじさんの声、それだ!
聞こえるのか。怯えもせず、凄いなヴァンサン。
「何て言ってた?」
「う~ん、よくわかんないけど、おーいとか、無視すんなとか、そんな感じ」
「ヤダ、気持ち悪い」
がっくし。魔術師だったら飛び付いてマスター契約するぞ。
どうなってる、この家は。
「ちょっと見せてもらっても良い?」
「そうだな、アシュレイに見てもらった方が良いと思う」
「ぜひお願い、アシュレイさん」
こうして、兄貴の家に行くことになった。
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