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【番外編】魔術書のおっさんとミランダ 5
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~アダモス~
あ~、ヒマだ。
契約したいと思える奴がいないまま、気がつけば200年も経ってたか。
どうやって来たのかも忘れたが、古本屋の片隅でウトウトしてたら、心地よい魔力の波動と共にやって来た娘っ子。
時代と共に古ぼけ、文字も掠れて力も弱まって来た。
このまま、忘れられた存在として朽ちてゆくのもまた良し、と思っていたのに、揺り起こされた。
またわしの活躍する時代が来たようじゃな!
さりげなく娘が買った古本に紛れることに成功した。
しかし、オマケで渡すとは・・・わしを誰だと・・・まぁ、良い。
わしの正体を知ったら、娘もビックリして崇め奉るじゃろうて・・・何て思ってた、わし。
いや、この娘について行ったのは我ながらファインプレーだった。
何しろ、まさか、時を遡ってわしを完全復活させるとは思わんかった。
お陰で薄ぼんやりしてた意識までハッキリ!!わっはっは!!
魔術研究所に置いていかれたので、娘の魔力を追って転移し、本棚に紛れてみたものの、契約しようと話しかけても、うんともすんとも反応なし。
まだ上手く魔力が届かんようじゃの。
何度か試していると、小さいボウズの方が気がついた。
左右で色の違う瞳を持つこの子は、ふむふむ、中々の魔力を持っとるの。
賢そうな子じゃ、どれどれと、話しかけてもジーっと見るだけで、その内どこかに行ってしまった。
うーむ、上手くいかんか。
しょうがない、気がつくまでもう一眠りするかの。
ウトウトとまどろんでいると、またもやあの娘の魔力の波動を感じ取った。
今度は近いぞ、と思ってると、急に本棚から抜き取らた。
パラパラとめくった今がチャンス!
思い切って話しかけると、何と娘はわしを落としおった。
あろうことが、「気持ち悪い」などと言い出した!
き、き、き、気持ち悪いとは何事じゃ!何たる屈辱!
奇妙な事に、この娘は魔力は完全に魔術師のそれなのに、騎士団事務官だと!?
それどころか、契約してやろうと話を持ちかけても、速攻で断りおった。
挙句に他の奴と契約しろなどと言い出した。
せっかくなら魔力の相性のよい娘っ子と契約したいのよ、わしは。
それを、思いっ切り迷惑そうにしおって。
寝室にいた事を咎められ、次に寝室にいたら燃やすなどと脅し出した。
何故だ?何故、わしの凄さがわからないのだ?
しかし、本気で燃やす勢いの娘には何となく逆らえない。
う~む、わしは契約相手を間違えたのだろうか?
せっかく復活したのに上手くいかん!何故なんだ!
やっと話のわかりそうな奴が来てくれた。
どうやら魔術師らしい。
は~、やれやれ。やっとわしの凄さを証明できる。
と、思ってたら、娘はわしをバシン!と小突いた。
あ痛っ!何をする。全く、乱暴な・・・
「ほら、アシュレイさんが話せって」
『全く、人使いの荒い女子じゃの。おぉ、お前がアシュレイか。わしはアダモス・ゴードンだ』
「どぅも、お目にかかれて光栄です」
そうじゃろ、それが本来のわしに対する正しい態度だと言える。
中々、話のわかる若造だの。
『お前さんから、わしと契約するよう何とかこの女子を説得してもらえんか?』
「だーかーらー、私は騎士団事務官なの!魔術師じゃ無いの!」
「そうは言っても義姉さん、今、事務官に空きが無いんだろ?」
「ぐっ、そうなんだけど・・・」
「事務官だとブランクも随分あるし、魔術師の方は子供たち小さいからその辺考慮して毎日来なくても良いって」
「え?そうなの?」
「義姉さんには古い魔術書とか、汚れて読めなくなった書類とか、改ざんされた書類とかを元の状態に戻す仕事をして欲しいんだって」
「あ、そういうので良いんだ」
よし、良いぞアシュレイ。そのまま、わしと契約するように説得してくれ。
「そうそう。詳しくはエコード所長から聞くと思うが、魔術書と契約すると魔力が上がるし、仕事はしやすくなると思う」
『そ、そうだ!そうだ!時を遡る魔力の手伝いならするぞ』
魔力の底上げは得意だ。
ほれほれ、契約、契約。
「基本個人で働くから干渉してくる人もいないし、事務官よりは集中して仕事出来る職場だと思うけどな」
「俺も騎士団の別の隊に行かれるくらいなら、魔術研究所の方が安心出来る」
お、娘っ子の旦那か?
おお、コイツは魔力が凄いな。時代と共に魔力も多様化されて来たようじゃな。
魔術が浸透してるのは嬉しい限り。
「そっかぁ、グラントがそう言うなら、考えても良いかな。一度所長の話しを聞いても良い?」
「もちろん!」
おっと、どうやら娘っ子は魔術師の仕事に興味を持ったようだの。
『でかした!小僧!ほれ、ミランダ。わしと契約せい』
「それは嫌!」
『な、何故?』
「だって、男は好かん、女が良い、なんて発言する人と契約するの嫌でしょ」
うっ!確かにそうだが、語弊があるぞ!
あくまでも魔力の相性がよくてだな・・・と、説明しようとした途端に、娘っ子の旦那から怒りの魔力が放たれて、わしの表紙を焼いたのだ。
『ギャァッ!!』
なんて奴だ!
問答無用で攻撃しおって。
しかも一瞬で放たれた魔力がエゲツないぞ!!バケモノか?
『わ、悪かった!わしが悪かった!もうそんな事言わんから。アシュレイ助けてくれっっ!』
「兄貴、こう言ってるから許してやって。一応この魔術書貴重品なんだ」
はぁ、良かった。
本気で燃やされるかと思った。
娘っ子といい、その旦那といい、気が短いのぅ。
怒らせると厄介じゃな。
「兄貴と義姉さんを怒らせんなよ。魔術師じゃ無いから当たり強いぞ」
『そのようじゃな、肝が冷えたのは何百年ぶりかの』
「契約はしないけど、仕事は手伝ってよ」
『何だと?』
「ずっとまともに働いてないんでしょ?ブランクでいったら私以上じゃない。契約するにしても、使えるかどうか見てからにする」
何て娘だ!しっかりしとるというか、何というか・・・
わしは始まりの魔術師だというのに・・・
「あっはっはっ!アダモス・ゴードン、あんたの負けだよ。義姉さんに契約してもらえるよう、頑張って成果出すんだな」
アシュレイにまでバシン!と小突かれてしまったではないか。
痛い。本当に、わし、やって行けるのかのぅ。
何だか時代について行けないんじゃないかと心配になって来たぞい・・・
まぁ、娘っ子の言う事を聞いておくか。
何しろ、わしのマスターなんじゃからな。
***
ミランダと共に魔術研究開発室に勤務して半年。
『のう、ミランダ、そろそろ契約・・・』
「何言ってるの!まだ実力出してないよ!もっと頑張らないとダメ」
『しかし、そろそろ半年は経ってないか?』
「まだ半年でしょう。そんなんじゃ魔力あげないよ」
『すんません、頑張ります・・・』
わしはすっかりミランダの尻に敷かれてこき使われる毎日を送るハメになった。とほほ。
【完】
————————————————————————-
みなさん、お付き合い下さりありがとうございます。
ミランダとグラントの話は一旦完結といたします。
思いのほか、番外編が続いてしまいました。
アシュレイのメインの話はこの後新連載といたします。
ミランダがパートタイマー魔術師しとして働いている、魔術研究開発室の面々が出て来る予定。
タイトルは「うちの魔術開発研究室室長さまがモテ過ぎています(主に男に) 」
本編のスピンオフという形です。
ご興味がありましたらぜひ、読んで下さい。
ではまた、お会いできる日を。
いかくもハル
あ~、ヒマだ。
契約したいと思える奴がいないまま、気がつけば200年も経ってたか。
どうやって来たのかも忘れたが、古本屋の片隅でウトウトしてたら、心地よい魔力の波動と共にやって来た娘っ子。
時代と共に古ぼけ、文字も掠れて力も弱まって来た。
このまま、忘れられた存在として朽ちてゆくのもまた良し、と思っていたのに、揺り起こされた。
またわしの活躍する時代が来たようじゃな!
さりげなく娘が買った古本に紛れることに成功した。
しかし、オマケで渡すとは・・・わしを誰だと・・・まぁ、良い。
わしの正体を知ったら、娘もビックリして崇め奉るじゃろうて・・・何て思ってた、わし。
いや、この娘について行ったのは我ながらファインプレーだった。
何しろ、まさか、時を遡ってわしを完全復活させるとは思わんかった。
お陰で薄ぼんやりしてた意識までハッキリ!!わっはっは!!
魔術研究所に置いていかれたので、娘の魔力を追って転移し、本棚に紛れてみたものの、契約しようと話しかけても、うんともすんとも反応なし。
まだ上手く魔力が届かんようじゃの。
何度か試していると、小さいボウズの方が気がついた。
左右で色の違う瞳を持つこの子は、ふむふむ、中々の魔力を持っとるの。
賢そうな子じゃ、どれどれと、話しかけてもジーっと見るだけで、その内どこかに行ってしまった。
うーむ、上手くいかんか。
しょうがない、気がつくまでもう一眠りするかの。
ウトウトとまどろんでいると、またもやあの娘の魔力の波動を感じ取った。
今度は近いぞ、と思ってると、急に本棚から抜き取らた。
パラパラとめくった今がチャンス!
思い切って話しかけると、何と娘はわしを落としおった。
あろうことが、「気持ち悪い」などと言い出した!
き、き、き、気持ち悪いとは何事じゃ!何たる屈辱!
奇妙な事に、この娘は魔力は完全に魔術師のそれなのに、騎士団事務官だと!?
それどころか、契約してやろうと話を持ちかけても、速攻で断りおった。
挙句に他の奴と契約しろなどと言い出した。
せっかくなら魔力の相性のよい娘っ子と契約したいのよ、わしは。
それを、思いっ切り迷惑そうにしおって。
寝室にいた事を咎められ、次に寝室にいたら燃やすなどと脅し出した。
何故だ?何故、わしの凄さがわからないのだ?
しかし、本気で燃やす勢いの娘には何となく逆らえない。
う~む、わしは契約相手を間違えたのだろうか?
せっかく復活したのに上手くいかん!何故なんだ!
やっと話のわかりそうな奴が来てくれた。
どうやら魔術師らしい。
は~、やれやれ。やっとわしの凄さを証明できる。
と、思ってたら、娘はわしをバシン!と小突いた。
あ痛っ!何をする。全く、乱暴な・・・
「ほら、アシュレイさんが話せって」
『全く、人使いの荒い女子じゃの。おぉ、お前がアシュレイか。わしはアダモス・ゴードンだ』
「どぅも、お目にかかれて光栄です」
そうじゃろ、それが本来のわしに対する正しい態度だと言える。
中々、話のわかる若造だの。
『お前さんから、わしと契約するよう何とかこの女子を説得してもらえんか?』
「だーかーらー、私は騎士団事務官なの!魔術師じゃ無いの!」
「そうは言っても義姉さん、今、事務官に空きが無いんだろ?」
「ぐっ、そうなんだけど・・・」
「事務官だとブランクも随分あるし、魔術師の方は子供たち小さいからその辺考慮して毎日来なくても良いって」
「え?そうなの?」
「義姉さんには古い魔術書とか、汚れて読めなくなった書類とか、改ざんされた書類とかを元の状態に戻す仕事をして欲しいんだって」
「あ、そういうので良いんだ」
よし、良いぞアシュレイ。そのまま、わしと契約するように説得してくれ。
「そうそう。詳しくはエコード所長から聞くと思うが、魔術書と契約すると魔力が上がるし、仕事はしやすくなると思う」
『そ、そうだ!そうだ!時を遡る魔力の手伝いならするぞ』
魔力の底上げは得意だ。
ほれほれ、契約、契約。
「基本個人で働くから干渉してくる人もいないし、事務官よりは集中して仕事出来る職場だと思うけどな」
「俺も騎士団の別の隊に行かれるくらいなら、魔術研究所の方が安心出来る」
お、娘っ子の旦那か?
おお、コイツは魔力が凄いな。時代と共に魔力も多様化されて来たようじゃな。
魔術が浸透してるのは嬉しい限り。
「そっかぁ、グラントがそう言うなら、考えても良いかな。一度所長の話しを聞いても良い?」
「もちろん!」
おっと、どうやら娘っ子は魔術師の仕事に興味を持ったようだの。
『でかした!小僧!ほれ、ミランダ。わしと契約せい』
「それは嫌!」
『な、何故?』
「だって、男は好かん、女が良い、なんて発言する人と契約するの嫌でしょ」
うっ!確かにそうだが、語弊があるぞ!
あくまでも魔力の相性がよくてだな・・・と、説明しようとした途端に、娘っ子の旦那から怒りの魔力が放たれて、わしの表紙を焼いたのだ。
『ギャァッ!!』
なんて奴だ!
問答無用で攻撃しおって。
しかも一瞬で放たれた魔力がエゲツないぞ!!バケモノか?
『わ、悪かった!わしが悪かった!もうそんな事言わんから。アシュレイ助けてくれっっ!』
「兄貴、こう言ってるから許してやって。一応この魔術書貴重品なんだ」
はぁ、良かった。
本気で燃やされるかと思った。
娘っ子といい、その旦那といい、気が短いのぅ。
怒らせると厄介じゃな。
「兄貴と義姉さんを怒らせんなよ。魔術師じゃ無いから当たり強いぞ」
『そのようじゃな、肝が冷えたのは何百年ぶりかの』
「契約はしないけど、仕事は手伝ってよ」
『何だと?』
「ずっとまともに働いてないんでしょ?ブランクでいったら私以上じゃない。契約するにしても、使えるかどうか見てからにする」
何て娘だ!しっかりしとるというか、何というか・・・
わしは始まりの魔術師だというのに・・・
「あっはっはっ!アダモス・ゴードン、あんたの負けだよ。義姉さんに契約してもらえるよう、頑張って成果出すんだな」
アシュレイにまでバシン!と小突かれてしまったではないか。
痛い。本当に、わし、やって行けるのかのぅ。
何だか時代について行けないんじゃないかと心配になって来たぞい・・・
まぁ、娘っ子の言う事を聞いておくか。
何しろ、わしのマスターなんじゃからな。
***
ミランダと共に魔術研究開発室に勤務して半年。
『のう、ミランダ、そろそろ契約・・・』
「何言ってるの!まだ実力出してないよ!もっと頑張らないとダメ」
『しかし、そろそろ半年は経ってないか?』
「まだ半年でしょう。そんなんじゃ魔力あげないよ」
『すんません、頑張ります・・・』
わしはすっかりミランダの尻に敷かれてこき使われる毎日を送るハメになった。とほほ。
【完】
————————————————————————-
みなさん、お付き合い下さりありがとうございます。
ミランダとグラントの話は一旦完結といたします。
思いのほか、番外編が続いてしまいました。
アシュレイのメインの話はこの後新連載といたします。
ミランダがパートタイマー魔術師しとして働いている、魔術研究開発室の面々が出て来る予定。
タイトルは「うちの魔術開発研究室室長さまがモテ過ぎています(主に男に) 」
本編のスピンオフという形です。
ご興味がありましたらぜひ、読んで下さい。
ではまた、お会いできる日を。
いかくもハル
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まだ途中迄しか拝読できてませんが…すでに私の中の『キュンキュン』ゲージがヤバいです«٩(*´ ꒳ `*)۶»ワクワク
素敵なお話を有難うございます!
失礼致しました₍ᐡ ̳ᴗ ᴗᐡ₎
ご感想ありがとうございます。
読んでいただけで感謝感謝でございます。
励みになります。本当に嬉しいです。
より一層楽しんでいただけるよう頑張ります。
拙い文章でわかりづらいところもあるかと思いますが、引き続き最後まで楽しんでいただけましたら幸いです。
よろしかったらスピンオフで連載中の「うちの魔術開発研究室室長さまがモテ過ぎています(主に男に)」も見てみて下さいね。
いかくもハル