3 / 48
魔術師恋愛事情
しおりを挟む
ギリアムさんに連絡を取り、早速、週末カフェでランチをした。
「久しぶりぃ~。元気だった?ミランダ」
「久しぶり、ギリアムさん。奥さん元気?お子さん大きくなったでしょ」
「カレンなら元気よぅ。うちのチビもようやく歩ける様になったのぉ」
「へぇ~、もうそんなに?可愛いよねぇ。
ところで、今日はわざわざありがとう。ちょっと聞きたいことがあって」
「なになに?魔術研究所のこと?」
さすが鋭い!第二隊隊長事務官兼、王国調査員だけある。
とりあえず、先に注文を済ますことにした。
私は本日のおススメのパスタとコーヒー、ギリアムさんはビーフシチューとコーヒーだ。
「で、何が聞きたいのお」
「まぁ、魔術師の恋愛事情をちょっと・・・」
「恋愛事情ぉ?何で今更気になるのぉ。あんたにはグラント隊長って最高の男がいるでしょぉ」
「いや、そうなんだけどね、私じゃなくて、義弟の事で」
「アシュレイさんの事?」
ギリアムさんは驚いた後、ふむと少し考え込んだ。
「まぁ、そうだなぁ、魔術師は一般的に女性にモテない」
「そうなの!?」
「だって、基本的に研究ばっかでしょー、世の女子には理解し難い部分もあって、敬遠されがちなんだよねぇ」
「なんとなくわかるなぁ」
うんうん、良い人たちなんだけどね。
付き合うとなると確かに難しいかもしれない。
休みとかでも研究に打ち込んでる人もいるって言ってたな。
「でも、例外はいるのよ、やっぱり」
「へぇ~、そうなんだ」
「有名どころは浄化師であり、魔道具師でもあるクリストファー・フェブルさん」
あの人は確かに見た目人外級だよね。
「結婚したのに?」
「あの人は奥さん溺愛してるけど、見た目で憧れてる人は多いかなぁ」
「なるほどね」
「今だとアシュレイさんよね。ロックス家最後の独身。最近は交際を申し込んでも断ってるって聞いてるけどぉ」
え?そうなの?まあ、アシュレイさんがモテるのは何となくわかるけど、告白断ってるの?
まさか・・・いよいよ男性に目覚めたのか?
それはそれで良い!
丁度ランチが到着したので、ギリアムさんと食べ始めた。
うん、いつものように美味しい。
「そういえば、うちに来て飲んだ時にアシュレイさんが、告白されて付き合っても三ヶ月くらいすると振られるって言ってたな」
「グラントさんとアシュレイさんに挟まれて飲めるなんて、何て贅沢なのミランダ!」
「だって、旦那さんと義弟だよ。アシュレイさんお兄さん大好きみたいだし、子供たちも凄く懐いててよく来るんだよ」
「世の女性から羨ましがられる光景よねぇ。う~ん、3ヶ月。聞いたことあるかもぉ。アシュレイさんの3ヶ月の壁。自分こそ超えてみせるっていう女が後を立たないって聞いたことがあるぅ」
やっぱりそうなのか。
何考えてるかわからない、って言われるのは案外辛いよね。
うちに来て、ちょっとションボリしたアシュレイさんを思い出す。
うちにいる時は無愛想とか、表情筋死んでるとか、あんまり思わないんだけどねぇ~。
子供たちとも普通に笑って遊んでるし。
あ、聞きたいのは、そこではなかった。
「例えば、何だけど、魔術師って同性婚というか、同性同士の恋愛が多いとか聞く?」
ギリアムさんはまた少し考え、コーヒーを飲んだ。
「聞くわね。普通の職場とかに比べたら多いってところかなぁ」
あ、やっぱり。しかし、聞いといて何だけど、なんでそんな事知ってるんだ?ギリアムさん。
「何?思い当たるの~」
「といか、仲良いなぁって思う事があって。距離が近いというか、接触が多いというか、その程度なんだけどね」
「そこ、詳しく」
お、食いついてきた。
ギリアムさんに普段見ている様子を話す。
「あんたもよく見てるねぇ。もしかしてBL好きなの?」
ギクッとな。この人鋭いんだよなぁ。
まぁいっか、話聞いてもらってるし。
「そうなんですよ。マリモリ先生って知ってます?デビュー当時から結構好きなんですよ」
「ヤダ!マリモリ先生っっ!あんたも知ってたのぉ。私も好きぃ」
「そうなんですか!凄い嬉しい!」
意外に近いところに同志がいて嬉しい。
二人で盛り上がる。
実はグラントも読んでで、たまにマクシミリアンのセリフを言ってくれると言うと、「何であんたばっかり良い思いして、ズルいぃぃ」と言われてしまった。
だって旦那さんだもん。役得でしょ。
「グラント隊長も読んでるのは意外だったわ。マリモリ先生のことは何と?」
「自分たちがモデルになってるからか、あり得なさすぎて笑えるって。マリモリ先生は同級生か後輩かな?って言ってた」
ギリアムさんは何ともいえない顔して黙ってたが、「まぁ、楽しんでるならよかったぁ」と言っていた。
ランチも終わって、ギリアムさんはうちの子が気になる、と言って帰って行った。
あそこもギリアムさんメインで子育てしてるらしい。
「カレンは危なっかしいんだよねぇ」って言ってたから、まぁ、うちと似たような感じなんだろう。
しっかりした旦那で何よりだ。
ギリアムさんから聞いた通り、やはり魔術師は同性の恋愛が多いらしい。
だから何だとは言わないが、益々仕事に行くのが楽しくなりそうだ。
騎士団とは別の妄想が膨らむな~と、私は呑気に思っていた。
「久しぶりぃ~。元気だった?ミランダ」
「久しぶり、ギリアムさん。奥さん元気?お子さん大きくなったでしょ」
「カレンなら元気よぅ。うちのチビもようやく歩ける様になったのぉ」
「へぇ~、もうそんなに?可愛いよねぇ。
ところで、今日はわざわざありがとう。ちょっと聞きたいことがあって」
「なになに?魔術研究所のこと?」
さすが鋭い!第二隊隊長事務官兼、王国調査員だけある。
とりあえず、先に注文を済ますことにした。
私は本日のおススメのパスタとコーヒー、ギリアムさんはビーフシチューとコーヒーだ。
「で、何が聞きたいのお」
「まぁ、魔術師の恋愛事情をちょっと・・・」
「恋愛事情ぉ?何で今更気になるのぉ。あんたにはグラント隊長って最高の男がいるでしょぉ」
「いや、そうなんだけどね、私じゃなくて、義弟の事で」
「アシュレイさんの事?」
ギリアムさんは驚いた後、ふむと少し考え込んだ。
「まぁ、そうだなぁ、魔術師は一般的に女性にモテない」
「そうなの!?」
「だって、基本的に研究ばっかでしょー、世の女子には理解し難い部分もあって、敬遠されがちなんだよねぇ」
「なんとなくわかるなぁ」
うんうん、良い人たちなんだけどね。
付き合うとなると確かに難しいかもしれない。
休みとかでも研究に打ち込んでる人もいるって言ってたな。
「でも、例外はいるのよ、やっぱり」
「へぇ~、そうなんだ」
「有名どころは浄化師であり、魔道具師でもあるクリストファー・フェブルさん」
あの人は確かに見た目人外級だよね。
「結婚したのに?」
「あの人は奥さん溺愛してるけど、見た目で憧れてる人は多いかなぁ」
「なるほどね」
「今だとアシュレイさんよね。ロックス家最後の独身。最近は交際を申し込んでも断ってるって聞いてるけどぉ」
え?そうなの?まあ、アシュレイさんがモテるのは何となくわかるけど、告白断ってるの?
まさか・・・いよいよ男性に目覚めたのか?
それはそれで良い!
丁度ランチが到着したので、ギリアムさんと食べ始めた。
うん、いつものように美味しい。
「そういえば、うちに来て飲んだ時にアシュレイさんが、告白されて付き合っても三ヶ月くらいすると振られるって言ってたな」
「グラントさんとアシュレイさんに挟まれて飲めるなんて、何て贅沢なのミランダ!」
「だって、旦那さんと義弟だよ。アシュレイさんお兄さん大好きみたいだし、子供たちも凄く懐いててよく来るんだよ」
「世の女性から羨ましがられる光景よねぇ。う~ん、3ヶ月。聞いたことあるかもぉ。アシュレイさんの3ヶ月の壁。自分こそ超えてみせるっていう女が後を立たないって聞いたことがあるぅ」
やっぱりそうなのか。
何考えてるかわからない、って言われるのは案外辛いよね。
うちに来て、ちょっとションボリしたアシュレイさんを思い出す。
うちにいる時は無愛想とか、表情筋死んでるとか、あんまり思わないんだけどねぇ~。
子供たちとも普通に笑って遊んでるし。
あ、聞きたいのは、そこではなかった。
「例えば、何だけど、魔術師って同性婚というか、同性同士の恋愛が多いとか聞く?」
ギリアムさんはまた少し考え、コーヒーを飲んだ。
「聞くわね。普通の職場とかに比べたら多いってところかなぁ」
あ、やっぱり。しかし、聞いといて何だけど、なんでそんな事知ってるんだ?ギリアムさん。
「何?思い当たるの~」
「といか、仲良いなぁって思う事があって。距離が近いというか、接触が多いというか、その程度なんだけどね」
「そこ、詳しく」
お、食いついてきた。
ギリアムさんに普段見ている様子を話す。
「あんたもよく見てるねぇ。もしかしてBL好きなの?」
ギクッとな。この人鋭いんだよなぁ。
まぁいっか、話聞いてもらってるし。
「そうなんですよ。マリモリ先生って知ってます?デビュー当時から結構好きなんですよ」
「ヤダ!マリモリ先生っっ!あんたも知ってたのぉ。私も好きぃ」
「そうなんですか!凄い嬉しい!」
意外に近いところに同志がいて嬉しい。
二人で盛り上がる。
実はグラントも読んでで、たまにマクシミリアンのセリフを言ってくれると言うと、「何であんたばっかり良い思いして、ズルいぃぃ」と言われてしまった。
だって旦那さんだもん。役得でしょ。
「グラント隊長も読んでるのは意外だったわ。マリモリ先生のことは何と?」
「自分たちがモデルになってるからか、あり得なさすぎて笑えるって。マリモリ先生は同級生か後輩かな?って言ってた」
ギリアムさんは何ともいえない顔して黙ってたが、「まぁ、楽しんでるならよかったぁ」と言っていた。
ランチも終わって、ギリアムさんはうちの子が気になる、と言って帰って行った。
あそこもギリアムさんメインで子育てしてるらしい。
「カレンは危なっかしいんだよねぇ」って言ってたから、まぁ、うちと似たような感じなんだろう。
しっかりした旦那で何よりだ。
ギリアムさんから聞いた通り、やはり魔術師は同性の恋愛が多いらしい。
だから何だとは言わないが、益々仕事に行くのが楽しくなりそうだ。
騎士団とは別の妄想が膨らむな~と、私は呑気に思っていた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
94
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる