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重症(トラウママシマシ)でも頑張る。(さすがにちょっと気まずい)

引き籠れども~今度は普通(希望)に派遣組?10

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 どうなんだろうか、これは・・・。小さな子供がえぐえぐ泣きながら大人の女性に泣きついて、その大人の女性が俺を親の仇みたいに睨んでいる。訳だが、

「どうしてこうなった・・・。」

 ホントに意識飛ばして(回想)いたから現状に至るまでが分からないし、これ傍から見てると、子供泣かせて親ににらまれた男だからすごく居心地悪いんだけど。

「すみません。ほんのちょっと、ほんのちょっとだけ取り乱しました。」

 神様スケール?そう言いって、咳払いしながら話し始めた。

「色々とお答えする前にお話させて頂きたいことがあります。」

「はい。」

「まず、私とこの子の関係です。親子です。しかし、この子は、言うなら、あの世界の神ではありません。」

 その言葉に驚く。

「え?あなたが、以前の緑の世界の神だというなら、その子供であるのであれば、神であれば緑の世界の神なのでは?あ、すいません。途中に口をはさんでしまい。」

 すると、構いませんと言いながら説明を続けた。

「いえ、そこも説明しましょう。確かに私は以前あの世界の神でした。しかしそれは自分から望んだ事では無く、緑の世界では無い世界で生まれたばかりの神を贄と捧げて、ここではないどこかを望ませた子供を神として、世界を作ろうとした者達に、ここではないどこかを望まさせられた子供です。私はそんな不完全な神でしたので、あの世界も実り少ない世界となってしまいました。そして、そんな世界なので、大きな力持つ存在を作り上げる事が出来ませんでした。その為、苦肉の策として用意したのが私の境遇から生まれた『神器』その影響を受けた草です。」

「治癒草?」(ボソッ)


「はい、そうです。精霊は世界の維持と循環を行います。しかし、それだけでは、荒廃した世界として生まれ落ちたあの世界は変えられません。ですから、より良くを辛抱強く待ち生きる植物、とは言え、半生物、半精霊、いえ、何と申しましょうか?まあ、そういった、進化した段階に至りかけていた植物を引き上げる事としたのです。実際、引き上げられた者達は、精霊と違い、力が薄い所でも生活でき、そういった所でしか生えない治癒草の恩恵にあずかる為に、そういった力の薄い土地を少しずつ強くしていき、世界を強くしていってくれました。この星と太陽以外の星は、そういった献身によって生まれましたから。特に頑張って作ったのは夜照やしょうです。あ、すいません脱線しましたね。ただ、そんな彼らを選んだのは、既に広がっている生物を見ていると、嫌な記憶がよぎってしまい、引き上げようと思えなかったのも事実です。そんな感情的になってしまう駄目な神なんです。期待に応えてくれた彼らを置いて逃げるような。」

「逃げ」

「母上は逃げてなどいません!私を守って下さったのです!悪いというなら私が!」

「違います!あなたは悪くない!」

「すいませんん!ん!何があったか、取りあえず言ってくれませんか?正直話が分からなくて、偉い事は言えないですけど勝手な一個人の感想くらいは言えるかもしれませんし?」

「そうですね。では少しまとめると、一番の原因は、世界の接続です。此方の世界の活性のみでやりきれないときに、命にかかわるスキル持ちが多い世界の話を聞いて、その器に力を詰めてこちらに頂けないかお願いしたのです。そうしたら、私が、神になる際に贄とされた、神の願いを聞いてほしいと。その親の神に頼まれていたそうなんです。話の詳細は伺えませんでした。しかし、これも縁だとお願いを聞いてもらえたのです。そうして来て頂いた方との間には、様々な事もありましたし、何よりご迷惑をおかけしました。でも、その方も亡くなってしまい、その方の最後の願いがあったので、元の世界のお墓に遺骨を送ったのですが・・・。その際に繋がってしまって・・・。その時、これまでにない程の大きな力が私に流れ込んできたのです。そして、その時に様々な条件が重なって、っこ、この子を身籠ったのです・・・。しかし、その時に察しました。この子が生まれればこの子が世界に奪われると。そうです。私は、これまでの力が少ない世界が精いっぱいで、あの莫大な力を受け止める事となった世界を御しきる事なんてできませんでした。そうして、私はこの子を守るためにと勝手に考えてこれまでの努力も、協力も、願いも、託されたモノも何もかもを放り捨てて、ここに逃げ込んだのです。そうしてこの子が生まれてからも、わたしの我儘で時間を引き伸ばして既に何百年も過ごしています。」

 ・・・。

「えーと、神様が等しく云々言う人ならば、間違っているって言うと思います。でも俺はそうは思いません。確かにあのぅ、言い辛いんですが、同情してるのは多分にあります。ですが、神様がそもそも人間だったなら、それが抜けない事もあるでしょうし、それを言い訳に遊び惚けていたのならともかく、出来る限りはやっていたんですよね?でも、人が、人であった事が無くならなかったから、多分ですけど、その孤独を埋めてくれた存在が、大切になって、そして、その存在との子供だから大切だったんじゃないですか?なら、「仕方は無かった。」そう言ってしまう口はあると思います。でも、そういった行動を取る上で、後の事を考えたり、繋がりがある所を頼って任せなかったりしていたのなら、取り返せないかもしれない状況を生んでしまった事も確かですから。だから、「仕方が無い所もある」です。とっていたとしても、「何とも言えない」が口に出せる限界です。正直言葉に出来ない何とも言えない感情がもやもやとしていますから。」

 大切な誰かの為にその他にも必要なものなら、構わず投げ捨てるのは人には言えないし、その判断によって、良い事が、結果が後に残るわけではないのはずっと前から知ってはいた。でも、それでも、やってしまう人に本当に、偉い事なんか言えない。

「ただ、そうしなかった場合よりも良い明日を用意できますか?もしも出来るなら、判断はこれからです。まだ終わっていないのだから、勝手にその手を離したと悔やんでいるのなら、勝手にバツを付けないで、やるだけやって堂々と貰いましょうよ。えーと、努力賞!」

 その言葉に神は驚き、困ったように笑いだした。


「そこは嘘でも満点ではないのですか?」

「すみません。」

「「すみません。」ではない!母上もです!絆されてどうするのです!こ奴はきっと母上を利用しに来たのです!?」

「そんなの分かっています。どんな言い方をしようと、目的を考えれば分かり切っています。やる事を考えれば最期かもしれませんから。」

「いやです母上!そんなのはこ奴にやらせれば!」

「だまりなさい!」

 その時、小さな体躯に収まらぬ何かが吹き荒れる。

「そうしようとして出来る。その状態に至る意味をすでに伝えました。そうさせられる。それは、私が望まなかったモノです!」

 そう言われると、縮こまり、それでも、と、急に言い出した。

「なら、っ、わたしが、わた、しが、行ぐ!行ぎまず!母上の、がわりに!」







※勘弁して下さい。
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