ある夏の思い出

shoichi

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第3章

そして

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桐崎くんたちと、教室へ戻ると、違う意味で、マジ、ヤベェ人。に僕は、変わっていた。

イジメていた奴らを見ると、目を逸らされ、学校へ来る前は、仕返しや復讐も考えていたけれど、慌ただしい一日で、それも面倒臭くなった。

「諸星。マジ、宜しくな!!」

紹介してくれ!!と、手を合わされ、お願いされても…。

瞬く間に、一年生のヤンキーからは目をつけられ、三年生からは変な目で見られ。

そ、そりゃそうだ。

金髪に、ピアスまで開けていては、中学生の清楚な格好ではない!!

もちろん、

「諸星!!」

放課後のホームルームが始まると同時に、僕は生徒指導室へ。

「なんだ、その髪は!!耳は!!」

いや、僕がしたんじゃありません。とは言えず、

「ちゃんと、直してきます。」

「橘がやったんだろ?」

反省文を書いている途中の言葉に、何も言い返せないで聞いていた。

「どんな関係か知らないが、もう付き合うのは止めなさい。」

「どうしてですか?」

借りた鉛筆で、ちゃんと反省文を書いていたが、



「犯罪者だからだ。」



その言葉に驚き、鉛筆の芯が音を立てて折れた。
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