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心の傷 3
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朝、起きてみたら。
前日の凄まじい豪雨は過ぎ去った様子で、今日の雨は霧の様に細かい。
「おはようございます」
「おはよう」
起きぬけの、少々重たい頭でぼーっとしていたら、ハインに寝台から追い出された。
準備の時間が押しているから、さっさと支度をしてほしいとのことだ。
「お客様方の所へ朝食を届けなければならないのですから、早くしてください」
「分かってる……分かってるけど……」
なんでそんな、雑に扱うんだ……。もうちょっと労りというものをだな……。いやまぁ、ハインは昨日の出来事を知らないのだし、仕方がない。これはもう、甘んじて受け入れるしかないか……。
夜着を剥ぎ取られ、半ば強制的に着替えさせられる。
長衣の釦をとめているうちに、上着と腰帯が寝台の上に用意された。追い立てられているようだ……。
「サヤはまだですか? 珍しいですね……」
いつもなら、ハインが来た足音で気付き、出てくるサヤが、まだ来ない。
急いでいるときに限ってどうしたのだろう? と、ハインが訝しげだ。
昨日のことがあるし、気まずいのかな?
「そろそろ疲れも溜まっているんじゃないかな……夜番が随分、長くなってる」
「そうですね。
これだけ人数がいて、この雨では兇手も動き辛いでしょうし……夜番は終了しても良いかもしれません」
じゃあそうしよう。是非そうしよう。
ハインもやっと警戒を緩める気になってくれた様で、良かった。
俺の身支度がほぼ終わるという頃になってもサヤがやって来ない。
これはもう完全に寝過ごしてるかな?と、思い始めた頃、やっとコンコンと、訪いの音が。
「申し訳ありません。お、おはようございます……」
「おはようサヤ。大丈夫だよ、まだ寝坊って程じゃないから」
小さく縮こまってしまっているサヤは、なにやら瞳が充血していて、眠れなかったのかもしれない。おどおどとした態度も、明らかに昨日のことを気にした様子であったから、俺は普段通り振舞うことに、全神経を尖らせた。
何も無かった。それが一番、平穏だ。
「サヤ、レイシール様の御髪の方をお願いします。
今朝はギルたちも帰還するとのことなので、色々立て込んでしまっています。
申し訳ありませんが、レイシール様の身支度が済み次第、配膳をお願いして良いですか」
早口でまくしたてるハインに、遅れてしまったことを機に病むサヤは、過剰に反応する。
「は、はいっ! 申し訳ありません、急ぎます!」
「いえ、万全を期したいだけで、まだ慌てるほどではありませんから」
俺にさっさと上着を羽織らせたハインは、俺にだけ「レイシール様は急いでください」と、言い置いて退室していった。サヤは絶対にシャキシャキ動く。が、俺はぼーっとしそうだ。ということなのだろう。
櫛を持ってきたサヤに促されて、いつも通り、長椅子に座る。
緊張しているのか、今日のサヤはちょっと、落ち着きがない。いつもはスイスイと髪を結っていくのだが、引っかかったり、歪んでしまったりしている様子で、わたわたとやり直す。ぶきっちょになってしまったサヤが、なんだか可愛い。
「そんなに気にしなくても大丈夫だよ。
ハインは気付いてないし、今までと何も変わらない。俺ももう、なんとも思ってないから」
振り返らず、落ち着いた声音を意識してそう伝えた。
なかったことにしてくれるなら、むしろ有難いくらいなのだ。気持ちを伝えれば、今までの関係はなくなってしまうと思っていたのだから。
それに一瞬だけ手を止めたサヤが、しばらく沈黙した後「……はい」と、小さな声で返事して、そこからは慎重に、普段よりゆっくり髪を結っていた。
声に何か、元気がない。まあ、それも仕方がないのかな。時間が解決する問題だと思って、暫く我慢するしかないのだろう。
◆
本日より、マルは部屋に篭ると宣言があった。というか、部屋の入り口に張り紙がしてあった。
暫く情報の分析に全神経を集中させるそうだ。
「よくあることなんですか?」
「ああ、学舎ではしょっちゅうしてた。
ハイン、経口補水液と、クッキー用意かな」
「畏まりました。水と塩よりは、生存の可能性が高まりましたね。サヤに感謝します。
放置期間は三日程ですか」
「そうだな。そこまでは我慢しようか」
篭ると決めるとマルは本気だ。
自らが食べる咀嚼音すら、思考の邪魔になるということで、水と塩だけで、過ごす。摂取しないで済むならそれすらしたくないらしいが、それだと三日で死にかけるらしい。
差し入れをしても食べるとは限らないが、糖分を摂取した方が頭が働くとサヤに教えてもらったし、効率を考えたら摂取する方を取るだろうと俺たちは結論付けた。
とはいえ、摂取しない可能性も捨てきれないので、とりあえず三日。それまでに出て来なければ、強制的に部屋に押し入ることにする。
朝食の時間は恙無く過ごした。
もう一つ、普段通りでなかったのは、朝から護衛の任務に就くディート殿まで遅れていたことだ。ここのところは毎日一緒だったから、なんだか食堂が静かだった。
普段は会話に花が咲くのだが、今日は、そんな雰囲気もない。サヤの口数も少なく、たまに手を止めて考え込む。
目敏いギルが、サヤの様子に気が付き、「どうした、なんかあったか?」と、俺に視線で問うて来たが、なんでもないよとかぶりを振ってやりすごす。
俺から口にすることではないと思ったためだ。
午前中はいつも通り日常業務に割り当て、午後からリカルド様方を土嚢壁へと案内する予定だ。
業務にかかろうという時間帯になり、やっとディート殿がやって来た。
いつもは朝食を共にするし、そもそも物凄く楽しみにしている様子なので、理由無しに遅れてくるとは思えない。
結構な問題が起こったのかと、少し心配していたので、いつもの調子のディート殿に、少なからずホッとする。
「いやすまん。少々遅れた。
昨日の雨も相当だったが、今日もこれはこれで鬱陶しいな。外套が役に立たん」
雨の量自体はたいしたことないのに、霧のような雨が纏わりついてくるらしい。
俺の手渡した手拭いで顔を拭きつつ、ディート殿は懐から油紙に包んだ紙束を取り出した。
濡らさない様に、服の中に収めていた様子だ。
「昨日の記録だ。
喜べ。あの豪雨でも問題無しだ」
昨日分の観察記録。礼を言ってそれを受け取る。数値を見ると、雨量は通常時の二倍近いものだった様子だ。その中でも土嚢壁は問題なく、役割を果たしてくれたらしい。
「あの雨が大丈夫なら、もう大体平気な気がするな。たいしたものだ」
「本当に……。皆に感謝してもしきれないな。良い仕事をしてくれた」
これはもう、今季は大丈夫だと思って問題無いかもしれない。
昨日の様な雨が降り続くのなら考えなければならないが、今日はもう霧雨となっている。この程度なら、地盤が緩み続ける心配は薄い。
「本当に……あの川が、なんとかなるのですね……」
「ああ、なんてことだろうな……嬉しいのに、なんか喜んでしまうと、いけない様な気がしてしまう……夢でした。とかないよな……」
ハインと二人で、喜びを噛みしめた。
俺が生まれるよりもずっと前から、延々と苦しめられて来た災害を、本当に克服出来るだなんて……! 昨日サヤが言っていた通り、まだ気を緩めてはいけないのだと分かってはいるものの、なんだかソワソワとしてしまう。
俺たちの様子にディート殿も嬉しそうに顔を綻ばせている。
と、そこへサヤが戻って来た。
「ディート様、朝食の準備が整いました」
「おう、すまんな。……どうしたサヤ、覇気が無いぞ?」
どことなく元気のないサヤに、ディート殿も気付いた様子だ。そう問われたサヤは、慌ててかぶりを振って、大丈夫です、元気ですと拳を握った。
「まあ、大丈夫と言うならば良いが……。ふむ、……すまないついでに、朝食はここで頂いても問題無いか? 昨日の続きが気になって仕方がない。こちらからも報告することがあるしな」
やはり、何かあるのか。
絡みついてくる霧雨から観察記録を守る為に遅れたわけではなかったわけだ。
「ああ、構いませんが……今からギルたちを見送ってきますから、食べていて下さい」
「送る?」
「ええ、ギルとルーシーを、一旦メバックに帰そうかと。
あの二人は貴族ではないので、王家だの公爵家だのが絡む問題には、極力、関わらせるべきではないでしょう?」
俺の言葉に、ディート殿もそうだなと頷く。
特にルーシーは、バート商会の大切な後継なのだ。貴族相手の商いをする彼らには、破格の機会かもしれないが、良薬だって量を間違えば猛毒だ。いくらなんでもおおごとすぎるから、関わらせない方が良いだろう。
「なんだ、そういうことか。
サヤは残念だったな。だが愛しい相手ならば尚更、守ってやらねばはらん。
暫くは我慢だ」
勘違いしたままのディート殿は、サヤに元気がないことを、勝手に良い様に解釈してくれた。サヤも否定はせず、眉の下がり気味な笑顔を見せ、はい。と、短く返事をした。
前日の凄まじい豪雨は過ぎ去った様子で、今日の雨は霧の様に細かい。
「おはようございます」
「おはよう」
起きぬけの、少々重たい頭でぼーっとしていたら、ハインに寝台から追い出された。
準備の時間が押しているから、さっさと支度をしてほしいとのことだ。
「お客様方の所へ朝食を届けなければならないのですから、早くしてください」
「分かってる……分かってるけど……」
なんでそんな、雑に扱うんだ……。もうちょっと労りというものをだな……。いやまぁ、ハインは昨日の出来事を知らないのだし、仕方がない。これはもう、甘んじて受け入れるしかないか……。
夜着を剥ぎ取られ、半ば強制的に着替えさせられる。
長衣の釦をとめているうちに、上着と腰帯が寝台の上に用意された。追い立てられているようだ……。
「サヤはまだですか? 珍しいですね……」
いつもなら、ハインが来た足音で気付き、出てくるサヤが、まだ来ない。
急いでいるときに限ってどうしたのだろう? と、ハインが訝しげだ。
昨日のことがあるし、気まずいのかな?
「そろそろ疲れも溜まっているんじゃないかな……夜番が随分、長くなってる」
「そうですね。
これだけ人数がいて、この雨では兇手も動き辛いでしょうし……夜番は終了しても良いかもしれません」
じゃあそうしよう。是非そうしよう。
ハインもやっと警戒を緩める気になってくれた様で、良かった。
俺の身支度がほぼ終わるという頃になってもサヤがやって来ない。
これはもう完全に寝過ごしてるかな?と、思い始めた頃、やっとコンコンと、訪いの音が。
「申し訳ありません。お、おはようございます……」
「おはようサヤ。大丈夫だよ、まだ寝坊って程じゃないから」
小さく縮こまってしまっているサヤは、なにやら瞳が充血していて、眠れなかったのかもしれない。おどおどとした態度も、明らかに昨日のことを気にした様子であったから、俺は普段通り振舞うことに、全神経を尖らせた。
何も無かった。それが一番、平穏だ。
「サヤ、レイシール様の御髪の方をお願いします。
今朝はギルたちも帰還するとのことなので、色々立て込んでしまっています。
申し訳ありませんが、レイシール様の身支度が済み次第、配膳をお願いして良いですか」
早口でまくしたてるハインに、遅れてしまったことを機に病むサヤは、過剰に反応する。
「は、はいっ! 申し訳ありません、急ぎます!」
「いえ、万全を期したいだけで、まだ慌てるほどではありませんから」
俺にさっさと上着を羽織らせたハインは、俺にだけ「レイシール様は急いでください」と、言い置いて退室していった。サヤは絶対にシャキシャキ動く。が、俺はぼーっとしそうだ。ということなのだろう。
櫛を持ってきたサヤに促されて、いつも通り、長椅子に座る。
緊張しているのか、今日のサヤはちょっと、落ち着きがない。いつもはスイスイと髪を結っていくのだが、引っかかったり、歪んでしまったりしている様子で、わたわたとやり直す。ぶきっちょになってしまったサヤが、なんだか可愛い。
「そんなに気にしなくても大丈夫だよ。
ハインは気付いてないし、今までと何も変わらない。俺ももう、なんとも思ってないから」
振り返らず、落ち着いた声音を意識してそう伝えた。
なかったことにしてくれるなら、むしろ有難いくらいなのだ。気持ちを伝えれば、今までの関係はなくなってしまうと思っていたのだから。
それに一瞬だけ手を止めたサヤが、しばらく沈黙した後「……はい」と、小さな声で返事して、そこからは慎重に、普段よりゆっくり髪を結っていた。
声に何か、元気がない。まあ、それも仕方がないのかな。時間が解決する問題だと思って、暫く我慢するしかないのだろう。
◆
本日より、マルは部屋に篭ると宣言があった。というか、部屋の入り口に張り紙がしてあった。
暫く情報の分析に全神経を集中させるそうだ。
「よくあることなんですか?」
「ああ、学舎ではしょっちゅうしてた。
ハイン、経口補水液と、クッキー用意かな」
「畏まりました。水と塩よりは、生存の可能性が高まりましたね。サヤに感謝します。
放置期間は三日程ですか」
「そうだな。そこまでは我慢しようか」
篭ると決めるとマルは本気だ。
自らが食べる咀嚼音すら、思考の邪魔になるということで、水と塩だけで、過ごす。摂取しないで済むならそれすらしたくないらしいが、それだと三日で死にかけるらしい。
差し入れをしても食べるとは限らないが、糖分を摂取した方が頭が働くとサヤに教えてもらったし、効率を考えたら摂取する方を取るだろうと俺たちは結論付けた。
とはいえ、摂取しない可能性も捨てきれないので、とりあえず三日。それまでに出て来なければ、強制的に部屋に押し入ることにする。
朝食の時間は恙無く過ごした。
もう一つ、普段通りでなかったのは、朝から護衛の任務に就くディート殿まで遅れていたことだ。ここのところは毎日一緒だったから、なんだか食堂が静かだった。
普段は会話に花が咲くのだが、今日は、そんな雰囲気もない。サヤの口数も少なく、たまに手を止めて考え込む。
目敏いギルが、サヤの様子に気が付き、「どうした、なんかあったか?」と、俺に視線で問うて来たが、なんでもないよとかぶりを振ってやりすごす。
俺から口にすることではないと思ったためだ。
午前中はいつも通り日常業務に割り当て、午後からリカルド様方を土嚢壁へと案内する予定だ。
業務にかかろうという時間帯になり、やっとディート殿がやって来た。
いつもは朝食を共にするし、そもそも物凄く楽しみにしている様子なので、理由無しに遅れてくるとは思えない。
結構な問題が起こったのかと、少し心配していたので、いつもの調子のディート殿に、少なからずホッとする。
「いやすまん。少々遅れた。
昨日の雨も相当だったが、今日もこれはこれで鬱陶しいな。外套が役に立たん」
雨の量自体はたいしたことないのに、霧のような雨が纏わりついてくるらしい。
俺の手渡した手拭いで顔を拭きつつ、ディート殿は懐から油紙に包んだ紙束を取り出した。
濡らさない様に、服の中に収めていた様子だ。
「昨日の記録だ。
喜べ。あの豪雨でも問題無しだ」
昨日分の観察記録。礼を言ってそれを受け取る。数値を見ると、雨量は通常時の二倍近いものだった様子だ。その中でも土嚢壁は問題なく、役割を果たしてくれたらしい。
「あの雨が大丈夫なら、もう大体平気な気がするな。たいしたものだ」
「本当に……。皆に感謝してもしきれないな。良い仕事をしてくれた」
これはもう、今季は大丈夫だと思って問題無いかもしれない。
昨日の様な雨が降り続くのなら考えなければならないが、今日はもう霧雨となっている。この程度なら、地盤が緩み続ける心配は薄い。
「本当に……あの川が、なんとかなるのですね……」
「ああ、なんてことだろうな……嬉しいのに、なんか喜んでしまうと、いけない様な気がしてしまう……夢でした。とかないよな……」
ハインと二人で、喜びを噛みしめた。
俺が生まれるよりもずっと前から、延々と苦しめられて来た災害を、本当に克服出来るだなんて……! 昨日サヤが言っていた通り、まだ気を緩めてはいけないのだと分かってはいるものの、なんだかソワソワとしてしまう。
俺たちの様子にディート殿も嬉しそうに顔を綻ばせている。
と、そこへサヤが戻って来た。
「ディート様、朝食の準備が整いました」
「おう、すまんな。……どうしたサヤ、覇気が無いぞ?」
どことなく元気のないサヤに、ディート殿も気付いた様子だ。そう問われたサヤは、慌ててかぶりを振って、大丈夫です、元気ですと拳を握った。
「まあ、大丈夫と言うならば良いが……。ふむ、……すまないついでに、朝食はここで頂いても問題無いか? 昨日の続きが気になって仕方がない。こちらからも報告することがあるしな」
やはり、何かあるのか。
絡みついてくる霧雨から観察記録を守る為に遅れたわけではなかったわけだ。
「ああ、構いませんが……今からギルたちを見送ってきますから、食べていて下さい」
「送る?」
「ええ、ギルとルーシーを、一旦メバックに帰そうかと。
あの二人は貴族ではないので、王家だの公爵家だのが絡む問題には、極力、関わらせるべきではないでしょう?」
俺の言葉に、ディート殿もそうだなと頷く。
特にルーシーは、バート商会の大切な後継なのだ。貴族相手の商いをする彼らには、破格の機会かもしれないが、良薬だって量を間違えば猛毒だ。いくらなんでもおおごとすぎるから、関わらせない方が良いだろう。
「なんだ、そういうことか。
サヤは残念だったな。だが愛しい相手ならば尚更、守ってやらねばはらん。
暫くは我慢だ」
勘違いしたままのディート殿は、サヤに元気がないことを、勝手に良い様に解釈してくれた。サヤも否定はせず、眉の下がり気味な笑顔を見せ、はい。と、短く返事をした。
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