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来世 8
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サヤが斜面と思っていた場所は、雪だったのだろう。
体勢を崩したついでに俺が引っ張られて、足をついた場所も、同じく地面ではなかった。
更に、傾いていた斜面の雪が、弛んでいたのだと思う。狂った気候からの影響と、今日の天気により、きっとかなり、溶けていた。
それで、小規模な雪崩みたいなものに巻き込まれる形で急な斜面を転げ落ち、更には頭をぶつけて……俺は幾らか意識を飛ばしたままであったらしい。
サヤが泣いている。
そう思って気合いで薄目を開けると、裏返った声で名を叫ばれた。
「大丈夫、聞こえてるよ」
霞む視界に、黒い影。もう一度目を瞑って、開くと、案の定、泣き顔のサヤが、俺を至近距離から覗き込んでいた。
良かった……頭は正常に働くようだ。
ちょっとクラクラするけれど、ぶつけたのだし、致し方ないことだろうと考え、身を起こそうとすると……。
「あっ、あかん。血が……」
「ん?……あぁ、切れちゃったか」
サヤが近かったのは、俺の額にある傷を手拭いで押さえていたからだった。……ん? 怪我⁉︎
「サヤは⁉︎ 怪我は……痛い所は⁉︎」
もう額の傷どころではない。
慌ててサヤの身体を確認しようと身を起こしたが、一瞬くらりと頭が揺れる。くそっ、今はそれどころじゃない!
顔を傷付けたりはしていないようだ……けど、身体は庇いきれなかったと思う。腕や、足を切ったり折ったりしてたらどうしよう⁉︎ そう思ったのだけど……。
「私は大丈夫。レイが庇ってくれたし……。擦り傷が一つ二つある程度やで。
けど……レイは……きっと色んなとこ、ぶつけとる……」
そう言われ、あらためて身体を動かそうとすると……うん、確かに節々が痛かった。打ち身はそれなりに作ったらしい。
けれど、骨を折ってしまった感じはしないし……まぁ崖を落ちてこれで済んだなら僥倖だろう。
「レイ、今はとにかく傷を押さえさせて。まだ血が止まらんの……」
「頭は仕方ないよ。たいした傷じゃなくても血が派手に出る場所なんだ」
「たいした傷や! 見えてへんから分からんかもしれへんけど、結構大きい…………かんにんな……私が、巻き込んでしもた……」
「サヤだけ落ちてたらもっと最悪な気分だったよ、俺的には。一緒で良かった」
これは本当、本心からそう思う。雪山で離れ離れとか絶対に駄目だ。正直そっちの方が気分的に死ねそうな気がする。
だけどそんな風に言う俺に、茶化してる場合じゃないと、サヤは真剣な顔で俺の頭を抱き寄せ、傷に手拭いを当てた。
「ほんま、大きな傷なんやから……」
「う……いや、大丈夫だよ? それにその……自分で押さえるから……」
そういう風にされると胸が……胸がやばい位置に来る……。
いくら男装しているサヤであるとはいえ、補整着がなければ結構なものがそこにある。
それを意識してしまうと、余計出血量が増加しそうな気がしたので、慌てて身体を引き剥がした。
「それはそうと……結構落ちたっぽいな……上が遠い」
「うん。ここを登るんは、無理やと思う……」
見上げてみると、かなり急勾配な坂だった。雪で泥濘んでいることを考えると、ここから戻るのは無理だろう。落ちたであろう場所まで結構遠い。
雪と一緒に雪崩れてきてなかったら、怪我ももっと酷かったかもしれないな……。けど、そのせいで濡れてもいるから、風邪を引きそうだ。
それになにより……。
「思ってた地形と違う……。
しばらく来ない間に、地滑りでもあったのかもしれない。
ごめん、サヤ。俺がもうちょっと、考えて準備してなきゃいけなかった」
「ううん。そもそも私が……私が言い出した我儘やし……」
しかも私が、踏み外した……と、気にするサヤの頭をよしよしと撫でる。
地滑りがあったのだとしたら、俺が目当てにしていたあの木も、もう無いということだろう……。変に拘らないで、普通に花を摘んでいれば、こうはならなかった。
「だから、悪いのは俺。……俺が変に拘ったから……」
「違うやろ? レイは、カルラにその花が良いって選んでくれたんやもん。
って……ごめん大会しててもしょうがない。気持ち切り替えよう?
今は、もう花はええ。とにかく、戻ろう。早く、怪我の手当てをせな」
「そうだなぁ。申し訳ないけど、ダニルのところにでも寄らせてもらうか」
どうやって上まで戻ろうか……もしくはこのまま迂回して、知った場所まで出れるものか……そんなことで頭を悩ませつつ、俺はサヤと一緒に立ち上がる。
少し貧血気味なのか、くらりとしたけれど、まぁ唐突に動くことをしなければ大丈夫だろう。
立ち上がってみると、自分が倒れていたであろう場所の雪が、結構血濡れていて、これはサヤも不安になるよなぁと思った。
「レイ、掴まって」
「いや、大丈夫だって。そこまでの怪我じゃないよ」
「あかん。こんなに血が出てる。身体だってあちこち痛いやろ? お願い……」
「雪のせいで広がってるから多く見えるだけで……」
「あかん!」
涙目でキッと睨まれ、これ以上の言い訳は受け付けてもらえないのだと悟った……。
結局、サヤの肩を借りて歩くことにする。とりあえず木々の間を、横に移動していってみようとなった。
が……。
歩いてみると案外節々痛むことが判明。
参ったな……これは、ちょっと困ったことになった。
「もっと体重かけても大丈夫」
「いや……」
「私が力持ちなん知ってるやろ? 本当は、レイを負ぶいたいくらいやのに……」
「それは、絶対、いやだ」
女性に……しかもこんなに細ってしまっているサヤに背負われるなんて、ただの精神的な拷問だ……。
それだけは断固拒否だと訴えて、サヤの肩にもう少しだけ、縋らせてもらうことでお互いに妥協した。
そうして、なんとか木々の間を、雪に足を取られながら、進むこととなった。
足元はサヤに注意して見てもらい、俺は周りの風景を……自分たちの居場所が分かるものがないかと、目を凝らす。
暫く進んでも、……白と、黒と、青の世界に、変化は無かったのだけど……。
「……レイ、気のせいやないみたい……水の音がする」
「水?」
音……と、言うからには流れているのだろう。
そちらに行ってみようかとなって、ここら辺の流れる水なんてあの川くらいしか思い至らないなぁと思う。
ならば、川に出れば自分たちのいる位置が分かるかもしれない。裏山が川に接している部分なんて、そう多くないのだから。
そんな風に考えながら、突き出した大きな岩を迂回した時……視界が、一変した。
「…………え?」
サヤの口から零れ落ちた音。
二人して呆然と立ち尽くすしかなかったのは、その圧巻の光景にだ。
まるで、緋地に金粉をまぶしてあるみたいな敷布が、敷かれていた。
その上に、青々と茂った緑の高木が、緋色の雫を沢山連ね、斜面際から、傾ぐようにして伸びている。
白と、黒と、青の世界が……緑と、赤と、黄色に染められたのだ。一瞬で。
…………っ、これ、これだ!
「サヤ、俺が言ってた……」
「椿………………」
言葉を続ける前に、サヤの呆然とした、呟き。
ハッとして、もう一度敷布に視線を戻す。
いつぞやサヤに送った、香水瓶……それに模してあった花……。確かに……あれに、近い気がした。
もっと、赤いものを想像していた、サヤの言うツバキ。そうか、こんな緋だったのか……こんな…………。
ゾワリと、鳥肌が立った。
だって、上をどれだけ探したところで、きっと気付けなかった。
ここにしか見なかったこの木。いつ起こったのか分からない地滑りで上が崩れた時に巻き込まれたのなら……根が土を離れ、枯れていたっておかしくなかった。
さっき迂回した岩に、潰されていた可能性だって、決して低くなかったはず……。
俺たちだってそう……。
ここに落ちてこなければ、絶対に見つけられなかった……。
そもそもカルラのことがなければ、この花を思い出しもしなかったろう……。
まるで……ここに導かれたみたいに、感じた。
たくさんの手に、背中を押されていたのかもしれない。
ここにおいでと、呼ばれていたのかもしれない。
体勢を崩したついでに俺が引っ張られて、足をついた場所も、同じく地面ではなかった。
更に、傾いていた斜面の雪が、弛んでいたのだと思う。狂った気候からの影響と、今日の天気により、きっとかなり、溶けていた。
それで、小規模な雪崩みたいなものに巻き込まれる形で急な斜面を転げ落ち、更には頭をぶつけて……俺は幾らか意識を飛ばしたままであったらしい。
サヤが泣いている。
そう思って気合いで薄目を開けると、裏返った声で名を叫ばれた。
「大丈夫、聞こえてるよ」
霞む視界に、黒い影。もう一度目を瞑って、開くと、案の定、泣き顔のサヤが、俺を至近距離から覗き込んでいた。
良かった……頭は正常に働くようだ。
ちょっとクラクラするけれど、ぶつけたのだし、致し方ないことだろうと考え、身を起こそうとすると……。
「あっ、あかん。血が……」
「ん?……あぁ、切れちゃったか」
サヤが近かったのは、俺の額にある傷を手拭いで押さえていたからだった。……ん? 怪我⁉︎
「サヤは⁉︎ 怪我は……痛い所は⁉︎」
もう額の傷どころではない。
慌ててサヤの身体を確認しようと身を起こしたが、一瞬くらりと頭が揺れる。くそっ、今はそれどころじゃない!
顔を傷付けたりはしていないようだ……けど、身体は庇いきれなかったと思う。腕や、足を切ったり折ったりしてたらどうしよう⁉︎ そう思ったのだけど……。
「私は大丈夫。レイが庇ってくれたし……。擦り傷が一つ二つある程度やで。
けど……レイは……きっと色んなとこ、ぶつけとる……」
そう言われ、あらためて身体を動かそうとすると……うん、確かに節々が痛かった。打ち身はそれなりに作ったらしい。
けれど、骨を折ってしまった感じはしないし……まぁ崖を落ちてこれで済んだなら僥倖だろう。
「レイ、今はとにかく傷を押さえさせて。まだ血が止まらんの……」
「頭は仕方ないよ。たいした傷じゃなくても血が派手に出る場所なんだ」
「たいした傷や! 見えてへんから分からんかもしれへんけど、結構大きい…………かんにんな……私が、巻き込んでしもた……」
「サヤだけ落ちてたらもっと最悪な気分だったよ、俺的には。一緒で良かった」
これは本当、本心からそう思う。雪山で離れ離れとか絶対に駄目だ。正直そっちの方が気分的に死ねそうな気がする。
だけどそんな風に言う俺に、茶化してる場合じゃないと、サヤは真剣な顔で俺の頭を抱き寄せ、傷に手拭いを当てた。
「ほんま、大きな傷なんやから……」
「う……いや、大丈夫だよ? それにその……自分で押さえるから……」
そういう風にされると胸が……胸がやばい位置に来る……。
いくら男装しているサヤであるとはいえ、補整着がなければ結構なものがそこにある。
それを意識してしまうと、余計出血量が増加しそうな気がしたので、慌てて身体を引き剥がした。
「それはそうと……結構落ちたっぽいな……上が遠い」
「うん。ここを登るんは、無理やと思う……」
見上げてみると、かなり急勾配な坂だった。雪で泥濘んでいることを考えると、ここから戻るのは無理だろう。落ちたであろう場所まで結構遠い。
雪と一緒に雪崩れてきてなかったら、怪我ももっと酷かったかもしれないな……。けど、そのせいで濡れてもいるから、風邪を引きそうだ。
それになにより……。
「思ってた地形と違う……。
しばらく来ない間に、地滑りでもあったのかもしれない。
ごめん、サヤ。俺がもうちょっと、考えて準備してなきゃいけなかった」
「ううん。そもそも私が……私が言い出した我儘やし……」
しかも私が、踏み外した……と、気にするサヤの頭をよしよしと撫でる。
地滑りがあったのだとしたら、俺が目当てにしていたあの木も、もう無いということだろう……。変に拘らないで、普通に花を摘んでいれば、こうはならなかった。
「だから、悪いのは俺。……俺が変に拘ったから……」
「違うやろ? レイは、カルラにその花が良いって選んでくれたんやもん。
って……ごめん大会しててもしょうがない。気持ち切り替えよう?
今は、もう花はええ。とにかく、戻ろう。早く、怪我の手当てをせな」
「そうだなぁ。申し訳ないけど、ダニルのところにでも寄らせてもらうか」
どうやって上まで戻ろうか……もしくはこのまま迂回して、知った場所まで出れるものか……そんなことで頭を悩ませつつ、俺はサヤと一緒に立ち上がる。
少し貧血気味なのか、くらりとしたけれど、まぁ唐突に動くことをしなければ大丈夫だろう。
立ち上がってみると、自分が倒れていたであろう場所の雪が、結構血濡れていて、これはサヤも不安になるよなぁと思った。
「レイ、掴まって」
「いや、大丈夫だって。そこまでの怪我じゃないよ」
「あかん。こんなに血が出てる。身体だってあちこち痛いやろ? お願い……」
「雪のせいで広がってるから多く見えるだけで……」
「あかん!」
涙目でキッと睨まれ、これ以上の言い訳は受け付けてもらえないのだと悟った……。
結局、サヤの肩を借りて歩くことにする。とりあえず木々の間を、横に移動していってみようとなった。
が……。
歩いてみると案外節々痛むことが判明。
参ったな……これは、ちょっと困ったことになった。
「もっと体重かけても大丈夫」
「いや……」
「私が力持ちなん知ってるやろ? 本当は、レイを負ぶいたいくらいやのに……」
「それは、絶対、いやだ」
女性に……しかもこんなに細ってしまっているサヤに背負われるなんて、ただの精神的な拷問だ……。
それだけは断固拒否だと訴えて、サヤの肩にもう少しだけ、縋らせてもらうことでお互いに妥協した。
そうして、なんとか木々の間を、雪に足を取られながら、進むこととなった。
足元はサヤに注意して見てもらい、俺は周りの風景を……自分たちの居場所が分かるものがないかと、目を凝らす。
暫く進んでも、……白と、黒と、青の世界に、変化は無かったのだけど……。
「……レイ、気のせいやないみたい……水の音がする」
「水?」
音……と、言うからには流れているのだろう。
そちらに行ってみようかとなって、ここら辺の流れる水なんてあの川くらいしか思い至らないなぁと思う。
ならば、川に出れば自分たちのいる位置が分かるかもしれない。裏山が川に接している部分なんて、そう多くないのだから。
そんな風に考えながら、突き出した大きな岩を迂回した時……視界が、一変した。
「…………え?」
サヤの口から零れ落ちた音。
二人して呆然と立ち尽くすしかなかったのは、その圧巻の光景にだ。
まるで、緋地に金粉をまぶしてあるみたいな敷布が、敷かれていた。
その上に、青々と茂った緑の高木が、緋色の雫を沢山連ね、斜面際から、傾ぐようにして伸びている。
白と、黒と、青の世界が……緑と、赤と、黄色に染められたのだ。一瞬で。
…………っ、これ、これだ!
「サヤ、俺が言ってた……」
「椿………………」
言葉を続ける前に、サヤの呆然とした、呟き。
ハッとして、もう一度敷布に視線を戻す。
いつぞやサヤに送った、香水瓶……それに模してあった花……。確かに……あれに、近い気がした。
もっと、赤いものを想像していた、サヤの言うツバキ。そうか、こんな緋だったのか……こんな…………。
ゾワリと、鳥肌が立った。
だって、上をどれだけ探したところで、きっと気付けなかった。
ここにしか見なかったこの木。いつ起こったのか分からない地滑りで上が崩れた時に巻き込まれたのなら……根が土を離れ、枯れていたっておかしくなかった。
さっき迂回した岩に、潰されていた可能性だって、決して低くなかったはず……。
俺たちだってそう……。
ここに落ちてこなければ、絶対に見つけられなかった……。
そもそもカルラのことがなければ、この花を思い出しもしなかったろう……。
まるで……ここに導かれたみたいに、感じた。
たくさんの手に、背中を押されていたのかもしれない。
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