796 / 1,121
オゼロ官邸 9
しおりを挟む
ジェイドをバート商会へ走らせた時、ついでに持って来てもらったものがある。
手荷物に紛れ込ませて来たものだ。
話の進み方次第では、切り札として使える。
そのつもりで懐の隠しに忍ばせていたそれを取り出し、絹布に包まれたまま、エルピディオ様の前の小机に置いた。
ほんの小さな切れ端ではあるけれど、本来出回っている形状ではないものだから、一目瞭然だろう。
机に置かれた絹布は、嵩もなく、薄い。
差し出されたそれを、エルピディオ様は不思議そうに眺めてから開き、そこで当然、表情が変わった。
俺の背後でも、オブシズが僅かに動く気配があった。お前何してるんだ⁉︎ といったところか。
「……こ、これは…………⁉︎」
俺が絹布に包み、持ってきたものは黒く炭化した、節のある、薄い板。
「竹炭。我々が秘匿権を取ったものです。とはいえ、燃料としてではなく、除湿材として申請しました。
ですから、オゼロの秘匿権には抵触しておりません。勿論、作り方も異なります。
これは今、研究を続けている品を、少しでも長く保つために必要なものなのですが、燃料としても使用可能。実際に燃えます」
敢えて竹炭を見せることを選んだ。
俺たちが、ここに到達しているのだということが、否が応でも理解できるだろうから。
「それ、家庭にあるような鉄鍋で、比較的簡単に作れてしまうんですよ」
そう伝えると、極限まで見開かれた瞳が、こちらを向いた。
悪魔を見るかのよう。
俺に向く、畏怖に染まった瞳……。
小刻みに揺れているのは、現実を受け入れきらず、迷いが渦巻いているからだろう。
俺はその瞳を敢えて無言で見返した。エルピディオ様のお気持ちが落ち着くのを、いつまででも、待ちますよ。それを態度で示す。
エルピディオ様は、浅く震えた呼吸を何度も繰り返し、けれど最後には、自分を律し、瞳に力を宿した。
きっと、可能性は考えていたのだと思う。
ダウィート殿との交渉の席で、それなりに匂わせていたしな。
そして、わざわざオゼロに、この新たな炭を見せた。その真意を確認せねばと、口を開いた。
「……何故、これを私に見せた」
「近いうちに、無償開示へと踏み切りたく考えております、とある保存食があります。これはそれに使うためのもの。
あの保存食が世に出たら、オゼロでも当然、この竹炭を目にすることになるでしょう。
ギリギリまで隠し、品を世に出し、結果を押し通したところで……そのうちどうせ、問題になります」
素材が竹とはいえ、形状が炭であることは一目瞭然なのだ。問題にならない方がおかしい。
サヤは俺が何か考えている。ということを察しているようだ。特に口を挟まず、やるに任せてくれている。
その信頼が嬉しい。期待に応えたい。思えば、結構な修羅場を皆で越えてきたよなと思う。今回も、きっと大丈夫だ。
「まず説明をしましょう。何故竹を炭にしたのか。
竹はものの腐食を遅らせる性質があるというのを、ご存知ですか?
調べてみますとね、隣国のジェンティーローニでは、竹の若木……その皮を食物の包みに利用したり、竹を加工した製品を開発することに力を入れつつあるようです。
特に調理関係品。食品等の鮮度の保ちが良いのだとか。
その性質は、炭になっても残るものであるようです。我々はそれに着目しました。
この竹の性質を利用すれば、越冬の期間中保つ品を、作れるのではないかと」
サヤは抗菌作用と言っていたけれど、それの仕組みは俺にもいまいち分かっていない。
目に見えない菌というものは、見えないだけに、理解が及ばないのだよな……。
けれど実際、ジェンティローニで竹細工が多く作られるようになっているのは確かで、サヤもその効能については有用だと述べていた。
「また、竹は木よりも着火し易く、燃え尽きるのも早いのだとか。木材よりも、中に油が多いのだそうです」
「……竹に油だと?」
「燃えやすいものというのは、動物にしろ植物にしろそうであるそうですよ。
ところで、石にも燃えるものがあるのはご存知ですよね。それも炭にできるのだと言ったら……エルピディオ様は世迷言だと、笑いますか?」
そう言って笑い掛けると、エルピディオ様は、今度こそ瞠目し、言葉を失った。
竹炭を見せられた後だ。炭にできると言われてしまえば、できると信じるしかない。
エルピディオ様の瞳を覗き込むと、俺をどうすべきかという葛藤が渦巻いていた。
こいつは危険だ。
やはり、私の懸念は正しかった。
秩序を掻き乱す。国がまた荒れてしまう。今あるものが、また幾つも失われる。
これは悪魔の所業だ。
消すべきか。
……消えるのか?
もう秘匿権の無償開示は始まり、この男は動いている。
こうして口にするからには、口にできる段階まで、進んでいるのでは……?
もう……取り返しがつかないのでは?
「竹炭は、鉄鍋で作れると言いましたね。燃えやすい性質であるから、簡単な設備で作れたのだと、我々は考えています。
そして木炭は、それに続く。これも本来は、然程の手間をかけず作れるものであるようです。
実際セイバーンで何度か試してみたのですが、まぁ、五回に二回は成功していますかね。まだ失敗も多いのですけれど。なにせ手探りで進めていますからね」
言って笑いかけてみたけれど、エルピディオ様には笑えないことであったようだ。ただただ俺に瞠目している。
思い切り秘匿権を侵していると発言したのだが、そのことを追求する精神的なゆとりも無い様子。
エルピディオ様だけでなく、ダウィート殿も、他の方々も、気絶しやしないか心配なほどに血の気の引いてしまった、青い顔をしている。
そりゃね。五度に二度は木炭が作れているだなんて言われれば……ね。
だけど……逆に考えられるということも、忘れてはならないのだ。
「我々がオゼロの木炭に匹敵するものを作り出そうとしても、一年や二年では無理でしょう。
最低五年……もっと長く掛かるかもしれない。木炭の形状をしたものは作れていますが……木炭としての質では、まだまだオゼロのものに劣るでしょう。
長年、オゼロは木炭を造り続けてきたのです。その経験値の蓄積は、やはり大きいですよ。
作り方が分かったからといって、簡単に真似できるものではありません」
俺の言葉に返るものは無い。
まだ衝撃から抜けられないようだ。
きっと立ち直っても、すぐに今以上の衝撃を、また与えてしまうことになるだろうしな……。
そう思ったから、もう待たずに、要求を伝えることにした。
どうせだから一回の衝撃で済ませてしまおう。
「そこでエルピディオ様……ご相談させていただきたいという件なのですが。
木炭……これを有償開示品に加えませんか?」
エルピディオ様、周りの配下の方々、とくにダウィート殿が、これには流石に、非常に強い警戒を示した。
無論この反応は分かっていたから、俺は隙を作らぬよう、即座に言葉を続けた。
「オゼロが長く独占してきた、収益の多くを占めているこれを、有償であれども開示するということは、国民から高く評価を得られることだと考えます。
金の卵を提供する決断をしたオゼロを、皆が称賛し、注目しますよ。
木炭に対し、石鹸はというと、売り上げとしては木炭に遠く及びませんし、木炭を開示するという話題性の方が大きく取られる。
きっとこれを開示しないことを、とやかくいう声は上がりません。
心配であるならば、そういった非難の声が上がりにくいよう、我々も話題を提供することに協力致します。
とまぁ、これだけではオゼロは損ばかりに聞こえるでしょうから、将来的に木炭に匹敵することになるであろう、別の秘匿権を提供しようと思うのですが」
手荷物に紛れ込ませて来たものだ。
話の進み方次第では、切り札として使える。
そのつもりで懐の隠しに忍ばせていたそれを取り出し、絹布に包まれたまま、エルピディオ様の前の小机に置いた。
ほんの小さな切れ端ではあるけれど、本来出回っている形状ではないものだから、一目瞭然だろう。
机に置かれた絹布は、嵩もなく、薄い。
差し出されたそれを、エルピディオ様は不思議そうに眺めてから開き、そこで当然、表情が変わった。
俺の背後でも、オブシズが僅かに動く気配があった。お前何してるんだ⁉︎ といったところか。
「……こ、これは…………⁉︎」
俺が絹布に包み、持ってきたものは黒く炭化した、節のある、薄い板。
「竹炭。我々が秘匿権を取ったものです。とはいえ、燃料としてではなく、除湿材として申請しました。
ですから、オゼロの秘匿権には抵触しておりません。勿論、作り方も異なります。
これは今、研究を続けている品を、少しでも長く保つために必要なものなのですが、燃料としても使用可能。実際に燃えます」
敢えて竹炭を見せることを選んだ。
俺たちが、ここに到達しているのだということが、否が応でも理解できるだろうから。
「それ、家庭にあるような鉄鍋で、比較的簡単に作れてしまうんですよ」
そう伝えると、極限まで見開かれた瞳が、こちらを向いた。
悪魔を見るかのよう。
俺に向く、畏怖に染まった瞳……。
小刻みに揺れているのは、現実を受け入れきらず、迷いが渦巻いているからだろう。
俺はその瞳を敢えて無言で見返した。エルピディオ様のお気持ちが落ち着くのを、いつまででも、待ちますよ。それを態度で示す。
エルピディオ様は、浅く震えた呼吸を何度も繰り返し、けれど最後には、自分を律し、瞳に力を宿した。
きっと、可能性は考えていたのだと思う。
ダウィート殿との交渉の席で、それなりに匂わせていたしな。
そして、わざわざオゼロに、この新たな炭を見せた。その真意を確認せねばと、口を開いた。
「……何故、これを私に見せた」
「近いうちに、無償開示へと踏み切りたく考えております、とある保存食があります。これはそれに使うためのもの。
あの保存食が世に出たら、オゼロでも当然、この竹炭を目にすることになるでしょう。
ギリギリまで隠し、品を世に出し、結果を押し通したところで……そのうちどうせ、問題になります」
素材が竹とはいえ、形状が炭であることは一目瞭然なのだ。問題にならない方がおかしい。
サヤは俺が何か考えている。ということを察しているようだ。特に口を挟まず、やるに任せてくれている。
その信頼が嬉しい。期待に応えたい。思えば、結構な修羅場を皆で越えてきたよなと思う。今回も、きっと大丈夫だ。
「まず説明をしましょう。何故竹を炭にしたのか。
竹はものの腐食を遅らせる性質があるというのを、ご存知ですか?
調べてみますとね、隣国のジェンティーローニでは、竹の若木……その皮を食物の包みに利用したり、竹を加工した製品を開発することに力を入れつつあるようです。
特に調理関係品。食品等の鮮度の保ちが良いのだとか。
その性質は、炭になっても残るものであるようです。我々はそれに着目しました。
この竹の性質を利用すれば、越冬の期間中保つ品を、作れるのではないかと」
サヤは抗菌作用と言っていたけれど、それの仕組みは俺にもいまいち分かっていない。
目に見えない菌というものは、見えないだけに、理解が及ばないのだよな……。
けれど実際、ジェンティローニで竹細工が多く作られるようになっているのは確かで、サヤもその効能については有用だと述べていた。
「また、竹は木よりも着火し易く、燃え尽きるのも早いのだとか。木材よりも、中に油が多いのだそうです」
「……竹に油だと?」
「燃えやすいものというのは、動物にしろ植物にしろそうであるそうですよ。
ところで、石にも燃えるものがあるのはご存知ですよね。それも炭にできるのだと言ったら……エルピディオ様は世迷言だと、笑いますか?」
そう言って笑い掛けると、エルピディオ様は、今度こそ瞠目し、言葉を失った。
竹炭を見せられた後だ。炭にできると言われてしまえば、できると信じるしかない。
エルピディオ様の瞳を覗き込むと、俺をどうすべきかという葛藤が渦巻いていた。
こいつは危険だ。
やはり、私の懸念は正しかった。
秩序を掻き乱す。国がまた荒れてしまう。今あるものが、また幾つも失われる。
これは悪魔の所業だ。
消すべきか。
……消えるのか?
もう秘匿権の無償開示は始まり、この男は動いている。
こうして口にするからには、口にできる段階まで、進んでいるのでは……?
もう……取り返しがつかないのでは?
「竹炭は、鉄鍋で作れると言いましたね。燃えやすい性質であるから、簡単な設備で作れたのだと、我々は考えています。
そして木炭は、それに続く。これも本来は、然程の手間をかけず作れるものであるようです。
実際セイバーンで何度か試してみたのですが、まぁ、五回に二回は成功していますかね。まだ失敗も多いのですけれど。なにせ手探りで進めていますからね」
言って笑いかけてみたけれど、エルピディオ様には笑えないことであったようだ。ただただ俺に瞠目している。
思い切り秘匿権を侵していると発言したのだが、そのことを追求する精神的なゆとりも無い様子。
エルピディオ様だけでなく、ダウィート殿も、他の方々も、気絶しやしないか心配なほどに血の気の引いてしまった、青い顔をしている。
そりゃね。五度に二度は木炭が作れているだなんて言われれば……ね。
だけど……逆に考えられるということも、忘れてはならないのだ。
「我々がオゼロの木炭に匹敵するものを作り出そうとしても、一年や二年では無理でしょう。
最低五年……もっと長く掛かるかもしれない。木炭の形状をしたものは作れていますが……木炭としての質では、まだまだオゼロのものに劣るでしょう。
長年、オゼロは木炭を造り続けてきたのです。その経験値の蓄積は、やはり大きいですよ。
作り方が分かったからといって、簡単に真似できるものではありません」
俺の言葉に返るものは無い。
まだ衝撃から抜けられないようだ。
きっと立ち直っても、すぐに今以上の衝撃を、また与えてしまうことになるだろうしな……。
そう思ったから、もう待たずに、要求を伝えることにした。
どうせだから一回の衝撃で済ませてしまおう。
「そこでエルピディオ様……ご相談させていただきたいという件なのですが。
木炭……これを有償開示品に加えませんか?」
エルピディオ様、周りの配下の方々、とくにダウィート殿が、これには流石に、非常に強い警戒を示した。
無論この反応は分かっていたから、俺は隙を作らぬよう、即座に言葉を続けた。
「オゼロが長く独占してきた、収益の多くを占めているこれを、有償であれども開示するということは、国民から高く評価を得られることだと考えます。
金の卵を提供する決断をしたオゼロを、皆が称賛し、注目しますよ。
木炭に対し、石鹸はというと、売り上げとしては木炭に遠く及びませんし、木炭を開示するという話題性の方が大きく取られる。
きっとこれを開示しないことを、とやかくいう声は上がりません。
心配であるならば、そういった非難の声が上がりにくいよう、我々も話題を提供することに協力致します。
とまぁ、これだけではオゼロは損ばかりに聞こえるでしょうから、将来的に木炭に匹敵することになるであろう、別の秘匿権を提供しようと思うのですが」
0
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――
フッてくれてありがとう
nanahi
恋愛
「子どもができたんだ」
ある冬の25日、突然、彼が私に告げた。
「誰の」
私の短い問いにあなたは、しばらく無言だった。
でも私は知っている。
大学生時代の元カノだ。
「じゃあ。元気で」
彼からは謝罪の一言さえなかった。
下を向き、私はひたすら涙を流した。
それから二年後、私は偶然、元彼と再会する。
過去とは全く変わった私と出会って、元彼はふたたび──
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる