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アギー再び 3
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毎年、プローホル周辺の下町を通り、プローホルに入るのだが……。
ここの下町は、一向に衰えることを知らない様子だった……。
「ここは相変わらずねぇ……」
「セイバーンでの流民受け入れも、焼け石に水のようですね……。
結局、流民が出続けることが問題なのでしょう」
今年も大火災は免れたようだが……問題はあれがまた発生した場合だよな。
アギーの下町が火に包まれると、セイバーンの水害が起きている……と、随分前にマルが言っていた。
土嚢壁を作ってからは、まだ大火災は起こっていない。もし大火災が起き、水量が極端に上がるとしたら……それは、考えるだに恐ろしいことだ。
そんな思案に気を取られていたら、クララから非難の声。
「……ちょっと、なんで急に口調が改まってるのよ……」
もうすぐプローホルに入るのだ。ここのお嬢様であるクオン様は、俺なんかよりずっと格上の公爵家令嬢。実家に戻ってきたからには、生まれの立場を優先すべきと思ったのだが……。
「私は今、クオンじゃなく、クララ、よ!
他人の目がある時はしょうがないけど、五年間はずっとクララ!」
そんな風に宣言されてしまった。
それって実家に戻ってもうちに居続ける宣言じゃないかああぁぁぁぁぁ!
「帰った時くらいは、家族と親睦を深めましょうよ!」
「五年の時間は一秒たりとも無駄にしないわ。人生六十年と仮定して、そのうちの十二分の一しかない時間なのよ⁉︎」
家族とはもうその三倍得ているから今は要らないわ! と、剣もほろろに突き返されてしまい、結局クララはクララのままを押し通された……。
プローホルに立ち入っても、門で身分証明を行う際も、それは徹底され……紋章印を見せた俺を確認した騎士が、チラリとクララに視線をやっても無視。
まぁ、良いけどさ……。
その後、即座に報せが走ったようで、最短経路でアギー邸宅へ通された。まぁ三年目ともなれば、いちいち慌てたりもしないんだけどね。
けれど、邸宅で俺たちを迎えてくれた人物には、正直焦ってしまった……。
「やぁ、クオン。久しいね」
「……グラヴィスハイド様、お久しゅうございます。私今、クララだから構わないでくださる?」
「つれないこと言わないでおくれよ我が妹。兄はこの日をとても楽しみにしていたんだよ!」
グラヴィスハイド様が、まさかのお出迎え。
いや、もう遊学には戻られていないと伺っていたし、いらっしゃるのは分かっていたのだけど……夜会などの席以外でお会いするとは思っていなかったのだ。
俺にとって師でもある方だけど、底知れない感じがどうにも……未だに苦手である。
そんな様子の俺に、この方は即座に気付いてしまうから、本当にたちが悪い。
「レイシール、何をそんなに警戒しているのかな?
私はそんなに、避けたい相手なの?」
ほら、何も言ってないのに早速そんなことを言ってくるううぅぅ。
「そ、そういうわけでは……」
「まったく、そうやってすぐ意地悪する。
この人にはもう、お兄様より優先することがあるってだけ。分かってるくせに」
「兄って言ってくれたね我が妹!」
「鬱陶しいわね、今はクララだって言ってるでしょ!」
クララは遠慮する様子が無い……。
グラヴィスハイド様が心を覗き見るが如く人の機微を察する人であることを、警戒する気配も無い。
ご兄妹だから慣れているのかなぁと思っていたのだけど。
「今年もお招きいただき、ありがとう存じます。
また、今回の夜会の提案、受け入れていただけましたこと、我が主も誠に有難く思っております」
頼りにならない俺に代わって、挨拶に進み出たサヤ。
俺が領主となり、父上が出席しないとなると、立場的に次に来るのは婚約者のサヤになるから、行動としては順当。
グラヴィスハイド様には関わらないように言い含めたのは二年も前のことだから、忘れてしまっていたのかもしれない。
好ましくない展開だったけれど、俺が無作法をしたと感じて進み出てくれたのだろう。
しかし、こうなってしまった以上途中で遮るわけにもいかないから、とりあえず、やりとりがひと段落するのをジリジリ待つこととなった。
駄目だな俺、もっとしっかりしなければ……。
「それともうひとつ……グラヴィスハイド様は私どもの婚姻の儀に立ち会ってくださると、そう、ご連絡頂きましたことも。
傘下とはいえ、縁の浅い男爵家の婚姻。にも関わらず、過分なご配慮、謹んでお礼申し上げます」
そうなのだ……。
もう、懇意にしている方々への招待状は送り終えているのだけど、早々に返事が来たアギーからは、グラヴィスハイド様がお越しくださると報せがあった。
これは正直、想定していなかった事態。俺はてっきり、滞在しているクララや派遣官を代理に立てるだろうと思っていたし、マルやクララもそう推測していたというのに、とんだ大誤算だ。
絶対に遠慮したい相手だったが、そう口にしてしまうわけにもいかず……これにより、婚姻の儀の予定は大幅に狂ってしまった……。
アギー公爵様による、政治的な駆け引きとは思えない。俺と彼の方は、表向きは縁など持ったことがないとされているのに。
だから、多分、これはグラヴィスハイド様の独断だと思う……。
この方を拠点村には入れたくなかった……。何を見られてしまうか、気付かれてしまうか、予測すらままならないから。
とはいえ……返事は来てしまった。今更遠慮しますなんて言えないわけで……。
思った以上に上位の方々が関わってくるようだし、この時ばかりは獣人の面々を村から遠去けるしかない……という結論になった。
そういったことの調整も兼ねて、今回ジェイドには拠点村に残ってもらったのだ……。
その辺のこともあって、グラヴィスハイド様には必要以上に関わりたくない。
なのに、サヤは前に出てしまった。
サヤを探られるのではと慄く俺とは違い、彼女はグラヴィスハイド様を警戒する様子を見せない……。
この方の怖さは伝えていたけれど、まだ実感を伴っていないのだろうか?
背筋を伸ばし、綺麗な姿勢で礼を取るサヤ。
グラヴィスハイド様も、そんなサヤを面白そうに眺めている。
「やぁ、久しいね。未来のレイシールの奥方殿。貴女は私のこと、レイシールから聞いているのだよね?」
「はい。伺っております」
「……そう。聞いているのに……面白い人だ。
サヤ……そう呼んでも構わないよね?」
そうして、ちらりと俺に視線をやり、目を眇めた。
やばい。駄目だサヤ、この人の悪い癖が始まった!
「貴女は私と、懇意にしてくれるのかい?」
猫撫で声で、そう問い掛けたグラヴィスハイド様。
「お許しいただけるならば……。
それと、レイシール様も、グラヴィスハイド様を避けているわけではないのです」
「うん。それは分かっているけれどね。他とは簡単に距離を詰める彼が、私とだけ……いっこうに警戒の壁を取り払ってくれない。
そのことが、どうにも気に食わないんだ。
レイシールが私に晒せないものは、お前? それとも……」
「……何かは分かりかねますが、レイシール様がそうする時には、きちんと理由がございます」
まるで警戒無しにグラヴィスハイド様と言葉を交わすサヤ。
俺は気が気じゃなく、途切れない会話に介入できずにオロオロするばかりとなっている。
そんな俺の様子に、クスクスと笑ったグラヴィスハイド様は、興に乗ってきたらしい。更なる茶目っ気を発揮してきた。
「懇意にしてくれるというならば……。
サヤ……私の挨拶は、受けてくれるのかい?」
サヤの表情が強張った。
一瞬視線を彷徨わせ、すぐに答えを導き出した様子で、返事を返す。
「…………それは、公爵家のご子息様からしていただくことではございません……。
身分的に、私たちからが……」
「そうだね。私としてはどちらでも良いから、受けるよ」
ニコニコと笑顔でグラヴィスハイド様。そう言い、すっと左手を差し出した。
それは、サヤに対し、小指への口づけを許すという仕草。
その表情と、みなまで言わせなかったことを考えれば、そこに作為があったことは容易に理解できた。
サヤに言わせたのだ……。
自ら挨拶をするよう、言質を取るために。サヤが引けないようにした。
それが分かったから、もう隙を窺っている場合じゃないと、急いでサヤの前に身を割り込ませる。
「グラヴィスハイド様!」
「なんだいレイシール」
「……お戯れは、もうその辺でお辞め下さい。サヤはまだ平民です。公爵家ご子息様に礼を取るほどの身分ではございません」
サヤの挨拶をなんとしても拒否しようとする俺に、グラヴィスハイド様は更に笑みを深める。
「おかしなことを言うね。彼女、男爵家領主の妻となる立場を、自ら示してきたんだよ。
だから私も、それに応えたんじゃないか」
「っ……。まだ半年も先のこと……、身分不相応な行い、大変失礼致しました。彼女にはきつく言って聞かせますのでどうか……」
「別に構わない。私は彼女に好感を持ったし、懇意にしたいと思った。だから私に触れることを許した。私が良いならそれが答えだ。
どうせ半年程度の時間だし、私はそこに、さしたる拘りは無いからね。
それよりもレイシール……今、私はサヤと話している。そこを退けてくれないかな」
有無を言わさぬ口調。
全く譲る気がないことは明白で、だけどサヤから、口づけを行うということは、彼女にとって難題すぎる……っ。
「サヤは私の機嫌を取るべきだよ。だってこれは、お前の尻拭いだからね」
「それはっ……し、失礼致しました。でもそれならば、私が咎を受けますから……」
「だーめ。私はサヤの挨拶でそれをチャラにすると決めたから。もうお前の出番は終わっている」
「……グラヴィスハイド様……っ」
肩を押し、退けられた。
そして表情を固めたサヤを舐めるように眺めて…………。
ここの下町は、一向に衰えることを知らない様子だった……。
「ここは相変わらずねぇ……」
「セイバーンでの流民受け入れも、焼け石に水のようですね……。
結局、流民が出続けることが問題なのでしょう」
今年も大火災は免れたようだが……問題はあれがまた発生した場合だよな。
アギーの下町が火に包まれると、セイバーンの水害が起きている……と、随分前にマルが言っていた。
土嚢壁を作ってからは、まだ大火災は起こっていない。もし大火災が起き、水量が極端に上がるとしたら……それは、考えるだに恐ろしいことだ。
そんな思案に気を取られていたら、クララから非難の声。
「……ちょっと、なんで急に口調が改まってるのよ……」
もうすぐプローホルに入るのだ。ここのお嬢様であるクオン様は、俺なんかよりずっと格上の公爵家令嬢。実家に戻ってきたからには、生まれの立場を優先すべきと思ったのだが……。
「私は今、クオンじゃなく、クララ、よ!
他人の目がある時はしょうがないけど、五年間はずっとクララ!」
そんな風に宣言されてしまった。
それって実家に戻ってもうちに居続ける宣言じゃないかああぁぁぁぁぁ!
「帰った時くらいは、家族と親睦を深めましょうよ!」
「五年の時間は一秒たりとも無駄にしないわ。人生六十年と仮定して、そのうちの十二分の一しかない時間なのよ⁉︎」
家族とはもうその三倍得ているから今は要らないわ! と、剣もほろろに突き返されてしまい、結局クララはクララのままを押し通された……。
プローホルに立ち入っても、門で身分証明を行う際も、それは徹底され……紋章印を見せた俺を確認した騎士が、チラリとクララに視線をやっても無視。
まぁ、良いけどさ……。
その後、即座に報せが走ったようで、最短経路でアギー邸宅へ通された。まぁ三年目ともなれば、いちいち慌てたりもしないんだけどね。
けれど、邸宅で俺たちを迎えてくれた人物には、正直焦ってしまった……。
「やぁ、クオン。久しいね」
「……グラヴィスハイド様、お久しゅうございます。私今、クララだから構わないでくださる?」
「つれないこと言わないでおくれよ我が妹。兄はこの日をとても楽しみにしていたんだよ!」
グラヴィスハイド様が、まさかのお出迎え。
いや、もう遊学には戻られていないと伺っていたし、いらっしゃるのは分かっていたのだけど……夜会などの席以外でお会いするとは思っていなかったのだ。
俺にとって師でもある方だけど、底知れない感じがどうにも……未だに苦手である。
そんな様子の俺に、この方は即座に気付いてしまうから、本当にたちが悪い。
「レイシール、何をそんなに警戒しているのかな?
私はそんなに、避けたい相手なの?」
ほら、何も言ってないのに早速そんなことを言ってくるううぅぅ。
「そ、そういうわけでは……」
「まったく、そうやってすぐ意地悪する。
この人にはもう、お兄様より優先することがあるってだけ。分かってるくせに」
「兄って言ってくれたね我が妹!」
「鬱陶しいわね、今はクララだって言ってるでしょ!」
クララは遠慮する様子が無い……。
グラヴィスハイド様が心を覗き見るが如く人の機微を察する人であることを、警戒する気配も無い。
ご兄妹だから慣れているのかなぁと思っていたのだけど。
「今年もお招きいただき、ありがとう存じます。
また、今回の夜会の提案、受け入れていただけましたこと、我が主も誠に有難く思っております」
頼りにならない俺に代わって、挨拶に進み出たサヤ。
俺が領主となり、父上が出席しないとなると、立場的に次に来るのは婚約者のサヤになるから、行動としては順当。
グラヴィスハイド様には関わらないように言い含めたのは二年も前のことだから、忘れてしまっていたのかもしれない。
好ましくない展開だったけれど、俺が無作法をしたと感じて進み出てくれたのだろう。
しかし、こうなってしまった以上途中で遮るわけにもいかないから、とりあえず、やりとりがひと段落するのをジリジリ待つこととなった。
駄目だな俺、もっとしっかりしなければ……。
「それともうひとつ……グラヴィスハイド様は私どもの婚姻の儀に立ち会ってくださると、そう、ご連絡頂きましたことも。
傘下とはいえ、縁の浅い男爵家の婚姻。にも関わらず、過分なご配慮、謹んでお礼申し上げます」
そうなのだ……。
もう、懇意にしている方々への招待状は送り終えているのだけど、早々に返事が来たアギーからは、グラヴィスハイド様がお越しくださると報せがあった。
これは正直、想定していなかった事態。俺はてっきり、滞在しているクララや派遣官を代理に立てるだろうと思っていたし、マルやクララもそう推測していたというのに、とんだ大誤算だ。
絶対に遠慮したい相手だったが、そう口にしてしまうわけにもいかず……これにより、婚姻の儀の予定は大幅に狂ってしまった……。
アギー公爵様による、政治的な駆け引きとは思えない。俺と彼の方は、表向きは縁など持ったことがないとされているのに。
だから、多分、これはグラヴィスハイド様の独断だと思う……。
この方を拠点村には入れたくなかった……。何を見られてしまうか、気付かれてしまうか、予測すらままならないから。
とはいえ……返事は来てしまった。今更遠慮しますなんて言えないわけで……。
思った以上に上位の方々が関わってくるようだし、この時ばかりは獣人の面々を村から遠去けるしかない……という結論になった。
そういったことの調整も兼ねて、今回ジェイドには拠点村に残ってもらったのだ……。
その辺のこともあって、グラヴィスハイド様には必要以上に関わりたくない。
なのに、サヤは前に出てしまった。
サヤを探られるのではと慄く俺とは違い、彼女はグラヴィスハイド様を警戒する様子を見せない……。
この方の怖さは伝えていたけれど、まだ実感を伴っていないのだろうか?
背筋を伸ばし、綺麗な姿勢で礼を取るサヤ。
グラヴィスハイド様も、そんなサヤを面白そうに眺めている。
「やぁ、久しいね。未来のレイシールの奥方殿。貴女は私のこと、レイシールから聞いているのだよね?」
「はい。伺っております」
「……そう。聞いているのに……面白い人だ。
サヤ……そう呼んでも構わないよね?」
そうして、ちらりと俺に視線をやり、目を眇めた。
やばい。駄目だサヤ、この人の悪い癖が始まった!
「貴女は私と、懇意にしてくれるのかい?」
猫撫で声で、そう問い掛けたグラヴィスハイド様。
「お許しいただけるならば……。
それと、レイシール様も、グラヴィスハイド様を避けているわけではないのです」
「うん。それは分かっているけれどね。他とは簡単に距離を詰める彼が、私とだけ……いっこうに警戒の壁を取り払ってくれない。
そのことが、どうにも気に食わないんだ。
レイシールが私に晒せないものは、お前? それとも……」
「……何かは分かりかねますが、レイシール様がそうする時には、きちんと理由がございます」
まるで警戒無しにグラヴィスハイド様と言葉を交わすサヤ。
俺は気が気じゃなく、途切れない会話に介入できずにオロオロするばかりとなっている。
そんな俺の様子に、クスクスと笑ったグラヴィスハイド様は、興に乗ってきたらしい。更なる茶目っ気を発揮してきた。
「懇意にしてくれるというならば……。
サヤ……私の挨拶は、受けてくれるのかい?」
サヤの表情が強張った。
一瞬視線を彷徨わせ、すぐに答えを導き出した様子で、返事を返す。
「…………それは、公爵家のご子息様からしていただくことではございません……。
身分的に、私たちからが……」
「そうだね。私としてはどちらでも良いから、受けるよ」
ニコニコと笑顔でグラヴィスハイド様。そう言い、すっと左手を差し出した。
それは、サヤに対し、小指への口づけを許すという仕草。
その表情と、みなまで言わせなかったことを考えれば、そこに作為があったことは容易に理解できた。
サヤに言わせたのだ……。
自ら挨拶をするよう、言質を取るために。サヤが引けないようにした。
それが分かったから、もう隙を窺っている場合じゃないと、急いでサヤの前に身を割り込ませる。
「グラヴィスハイド様!」
「なんだいレイシール」
「……お戯れは、もうその辺でお辞め下さい。サヤはまだ平民です。公爵家ご子息様に礼を取るほどの身分ではございません」
サヤの挨拶をなんとしても拒否しようとする俺に、グラヴィスハイド様は更に笑みを深める。
「おかしなことを言うね。彼女、男爵家領主の妻となる立場を、自ら示してきたんだよ。
だから私も、それに応えたんじゃないか」
「っ……。まだ半年も先のこと……、身分不相応な行い、大変失礼致しました。彼女にはきつく言って聞かせますのでどうか……」
「別に構わない。私は彼女に好感を持ったし、懇意にしたいと思った。だから私に触れることを許した。私が良いならそれが答えだ。
どうせ半年程度の時間だし、私はそこに、さしたる拘りは無いからね。
それよりもレイシール……今、私はサヤと話している。そこを退けてくれないかな」
有無を言わさぬ口調。
全く譲る気がないことは明白で、だけどサヤから、口づけを行うということは、彼女にとって難題すぎる……っ。
「サヤは私の機嫌を取るべきだよ。だってこれは、お前の尻拭いだからね」
「それはっ……し、失礼致しました。でもそれならば、私が咎を受けますから……」
「だーめ。私はサヤの挨拶でそれをチャラにすると決めたから。もうお前の出番は終わっている」
「……グラヴィスハイド様……っ」
肩を押し、退けられた。
そして表情を固めたサヤを舐めるように眺めて…………。
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