【完結】私が見る、空の色〜いじめられてた私が龍の娘って本当ですか?〜

近藤アリス

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 日もゆっくり沈み始めた時。家に帰ってみて、タグミが目にしたのは怪我人のベットで寝息を立てている花梨。

 タグミは無言で近づくと、ぺしゃりと額を叩いた。

「んん! ……あれ?」

 ん~と眠そうに目を擦り、辺りをきょろきょろとうかがう。

 目の前には無表情で椅子に座っているゼフィルドと、にっこりと目を細めずに笑うタグミの顔。

(――やばい。え? なんで怒ってるの!? この笑顔の時は危険だ!)

 状況がつかめずに、救いを求めるようにゼフィルドへ視線を向けた。その視線を受け止めると、ぐぐっと眉を顰めた。

「……食事は良いのか?」

 ゼフィルドの最大の助け舟。まさか本当に助けてもらえるとは思っても居なかったので、花梨は驚きを隠せない。

「仕方ないね、来な」

 はぁとため息とともに言われた言葉に、ほっと安堵のため息。ぴょんっとベットから起き上がると、ゼフィルドに向かって笑顔を向けた。

「ありがとう、助かったっ!」

 情けない声になってしまうのは、勘弁してもらおう。

「良い」

 それだけ言うと、少しゼフィルドの雰囲気が柔らかくなった。

「花梨。ヴィラとは?」

「へ? 寝言、言ってた?」

 ひくっと頬を引きつらせて、こわごわと訊ねた。

(――寝言だけじゃなくて、もしかしたら『うふふ』とか怪しげな笑いとか浮かべてたかも!)

「……何でもない、行くぞ」

 含むような言葉を残して、さっさとゼフィルドは歩き出した。

(――気になるけど、黙ってた方が良いんだろうなぁ)

 むむっと一つ唸り、考える。まぁいいや。ぎゅるっと鳴いた腹を押さえて、うんうんと一人頷く。

【黙ったってことは、意味があるんだろうし】

 そう自分に言うように呟いた。










 黙々と食事が始まる。

 今日のご飯はシチューにパン。そのパンの上にはチーズがのっている。大抵はこのご飯だった。シチューの味が変わったりするくらいだ。

 最初は『ハイジのご飯みたい』何て思ったものだ。

(――不思議と沈黙が苦痛じゃないんだよね)

 そう思いながら、カチャっとスプーンで音を鳴らすとタグミに睨まれた。あははとごまかすように笑って、スプーンを口に運ぶ。

「花梨、後で話しがある」

「ん?」

 口の中にスプーンをくわえたまま、首を傾げる。

(――話って、何だろ? さっきのやつかなぁ)

 もぐもぐと考え事をしながら食べていると……

「痛ぁ!」

 がりっと花梨は口の中を噛んだ。

 これもゼフィルドのせいだっ! と睨み付けるが、返ってくるのは冷えた目線。

 相変わらずな無表情、花梨は思わずむっとするが、ゼフィルドの目が微かに揺れていた事に気が付く。

(――むむ? 少しは心配してくれてるのかなぁ? ……なら良いや)

 うんうんと頷いて、シチューを口に運ぶ。その二人の様子を呆れたようにタグミが見ていた。
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