手帳の運び屋

彩葉

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───碧side

6

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夢───。


不思議な感覚だった。
此処へ来てから初めて夢を見た様な気がする。
───凄い汗だ。
出来る事なら思い出したくなかった。
遠い昔の様な気がした。
いや、これは最近までの出来事のはず………。


───何かがおかしい。
どうして?たかが夢にこんなに頭が混乱する事ってあるだろうか。
これはいつの話だったか。
僕はいつ此処に来たのか。
僕はいつ───。


分からない。
───何も分からない。
さっきの夢は僕の記憶の一部の筈なのに、どうしてこんなに疑問ばかり湧くんだろう。実際に僕が経験して感じてきた気持ちな筈なのに、何も確信が持てない。


足元で手帳がパラパラめくれた。


風も無いのにめくれていく。
(──────。)
最後から2番目のページで止まった。
ここは確か白紙だった筈。


『貴方の時を動かします』


ただのメモ書きの様な適当な字だった。
───どういう事だろう。
僕は次のページをめくった。


何処か分からない住所。
見た事が無い───。

───本当に?

此処は───。


───また僕は深い眠りに堕ちた。


───この時手帳に今日の日付けが書き込まれた事を、僕は知る由もなかった───
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