桜の勇者~異世界召喚されたら聖剣に選ばれ、可憐な少女が自分を頼ってくるので守ることにした~

和美 一

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序章

第2話:召喚

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週3の空手の稽古を終えた後の帰り道はすっかり太陽は沈んでいた。

 月明かりと街灯だけが照らす夜道を少年は歩く。

 少年の名は葛城夜かつらぎナハト。奇妙な名前をしていることを除けば至って平凡な高校二年生の17歳である。

 このナハトという所謂、キラキラネームが少年は嫌いだった。ドイツ語では夜をナハトと言うらしいから夜でナハトとのことらしいが、ここは日本だ。日本式の命名をしてほしかった。

 この名前のせいで幼稚園時代はいいが、小学校に上がれば無駄に注目を集めるし、名前をいじられてからかわれるし、イジメられるというところまではいかなかったもののその一歩手前までいくなど散々だった。

 結局、自己防衛するしかないということで小学校時代から空手に通い、中学校に上がると同時に剣道にも通うようになった。文句も付けられないように学校の成績も中の上をキープ。人並みに高校受験を乗り越え、それなりの進学校に入学することに成功していた。

 小学校・中学校時代から続けている空手と剣道のおかげで体格も平均的な高校生よりはガッシリと引き締まっているし、体力もある。 無論、学校での体育の授業も人並み以上にこなし、それ以外の成績も悪くない。文武両道を地で行く学校生活を送り、とりあえず両親もそんなナハトに満足しているようだった。

 それでも少年は――ナハトは今の現状に今ひとつ満足していなかった。

 空手も剣道も嫌いではない。

 同じ志を持つ仲間たちと一緒に汗を流す時間というのは心地良ささえ感じるし、肉体的に厳しいということもない。

 学生生活もそこまでつらいものではない。名前の件でからかわれることはあれど、勉強が極端にできないなどということもなく、友人もそこそこはいて、順調な学生生活を送っている。

 しかし、満足はしていない。

 空虚なのだ。

 どことなく。空手や剣道に打ち込んでいる間も、高校でノートをとっている間もどこか空虚な自分が胸の中にいるのだ。

 こんなことをして、何になる。結局、お前は本当に自分のやりたいことも、楽しいことも見つけてはいないのだ。

 そんな空虚な自分が囁きかけてくるのだ。

 その結果、出来上がったどこか虚無的な性格はナハトの持病といってよかった。

 空手や剣道をやっている間も、学校で勉強している間も、友人と遊んでいる間も、楽しい。楽しいことは楽しいのだが、それは本当に自分が求めているものだろうか? と疑念を抱いてしまう。

 そして高校二年生の夏ともなれば少し早いがそろそろ来年の大学受験を考え出す時期でもある。

 このまま高校受験の時と同じように適当に勉強して、適当に大学に進み、さらにそこから適当に就職活動して……あ、就職活動ではこの名前は不利かもしれないな……どこかに適当に就職して社会人として一人立ちをする。そんな未来図を思い描いて見る。

 ……全く魅力的に映らなかった。

 結局、今の虚無感を感じつつも、なあなあで過ごしている学生時代が一番恵まれているのかもしれないな、とも思う。

 とはいえ、そう思いながらもその学生時代にいまひとつ満足感が湧くこともない。

 自分はそういう人間なのだろう。そういう性格なのだろう。与えられたこと全てを捻くれた目で見てしまって素直に楽しむということができないのだろう。

 無論、そんな自分も変わることはあるかもしれない。

 まず、ナハトは彼女いない歴イコール年齢の男児である。

 ナハトの顔たちは決して悪いものではなく、むしろ端正の部類に入る整った顔たちをしている。

 それでいて空手や剣道もやっていて、勉強も人並み以上にはできるのだから彼に目をかける女子は少なくない。

 しかし、ナハトからすれば女の子と付き合うなど考えたこともなかった。

 それがいけないのかもしれない。彼女の一人でもできれば、全てを忘れられるくらい熱烈な恋愛ができれば、こんな虚無感など吹っ飛んでいってしまうかもしれない。

 恋をすれば、人は変わる。ヒットソングなどでもよく歌われるフレーズだ。その通り……なのだろうか?

 とはいえこれまで恋に対して消極的でいた人間がいきなり恋人を作るなどできるはずもない。結局、自分はこの虚無感を抱いたまま日々の生活を送るしか無いのか、と思う。

 オタク趣味というものに手を出してみるのも悪くはないかな、と思う。

 ナハトはマンガやらを全く読まない訳でもないし、ゲームも全くやらない訳ではないが、クラスにいる所謂、オタクと呼ばれる面々ほど、熱心にマンガやらアニメやらゲームやらに打ち込んでいる訳ではない。

 せいぜい週刊少年誌を買って読んだり、流行のゲームを適当にプレイしたりする程度の軽度のオタクだった。

 高校にオタクの友人もいる。彼らは自分たちの趣味を語る時は何よりも熱く、この作品のどこどこはどうなっていいとか、このキャラは最高だ、とかとにかく熱意を感じさせる。

 その熱はナハトにはないものだ。ならば、それを追い求めてみるのもいいかな、とも思う。今度、高校のオタクの友人に何かオススメのマンガなりアニメなりゲームなりがないか、訊いてみるか、と思った。

 なんの代わり映えもしない日々、安定しているが刺激に欠ける日々、心地良い停滞が続き、それに安堵しつつも虚無感を抱く日々。

 これまでそんな日々の積み重ねだった。幼稚園、小学校、中学校、高校。ならば、これから先もそうなのだろう。

 大学、社会。これから先、自分が進む道というものも人並みの良さや辛さがあって、人並みの幸福感や不幸感をいだきつつ、それも人生と割り切って、なんとなくで過ごしていくのだろう。

 虚無的な感情に支配されたナハトはこんな日常が劇的に変わればいいのに、と思いを抱く。そう、何か、劇的な変化だ。ナハトが暮らす日々が全てひっくり返ってしまうような劇的な変化。

 勿論、そんなことは起きるはずもない。この月明かりに照らされた帰路を歩いた先には自分の家があり、帰宅し、母が作った晩御飯を食べ、風呂に入り、後は適当にテレビを見るなり、パソコンや、スマホをいじるなりして寝るだけだろう。

 そんな未来図が具体的な形を持ってナハトに押し寄せる。何の代わり映えもしない日常。心底、うんざりした。

 うんざりした気分のまま空を見上げる。

 雲一つない夜空だが、都会にあっては物語のように星々が輝くこともなく、月だけがその存在を主張している。ああ、月は綺麗だな。そんなことを思った次の瞬間だった。

 視界がくらんだ。光が視界を覆い尽くし、目を開けてられなくなる。

 思わず目をつぶる。そして目を開けると周りの風景は一変していた。



「な、なんだ……?」



 自分は舗装された道路を歩いていたはずだ。

 それが今、自分が踏みしめているのはおよそ人の手など入ってないであろう自然の土。

 都会ではまずお目にかかれない自然の木々がそこら中に生え、ぼうぼうのブッシュが生え茂っている。

 土の臭い、草の臭い、木の臭い。天然の自然がもたらす臭い。そういったものが鼻をつく。先程まで自分が歩いていたはずの道路ではまずあり得ない臭いと光景だった。ナハトはいつの間にか森の中にいた。



「あ……」



 声がして、思わず声の方を振り向く。

 そこには一人の少女がいた。

 中学生くらい……だろうか? 幼いが可憐な顔たちに疲労に色を滲ませながらもそれでも希望を込めた瞳でナハトを見上げてくる一人の少女。明らかに日本人ではない銀色の髪にアメジストの瞳。白いレースのワンピースのような服装を纏った少女だった。少女はこの森の中を駆けてきたのかそこら中が土に汚れ、草木に引っ掛けたのか手足に擦り傷が見える。痛々しい姿だった。

 ナハトは少女に「君は……?」と声をかける。

 少女は驚いたような顔をしたが、それもすぐに引っ込めてすがるような顔でナハトに言った。



「わたしはドラセナ! ドラセナ・エリアス!」

「そ、そうか、ドラセナ……」



 見るからに日本人ではないと思っていたがやはり日本人ではないようだ。



「俺は葛城夜かつらぎナハト……これは一体? なんで俺は森の中なんかに?」



 疑問をドラセナと名乗った少女にぶつけて見るもそれどころではない状況であることを知る。

 周囲に注意を向けてみれば、二人を包囲するように男たちの姿が見えたからだ。

 男たちは唐突に現れたナハトに警戒心を露わにしている。



「あの人たちはドラセナの知り合い……?」

「…………」



 フルフル、とドラセナは首を振る。「……じゃないよな」とナハトも薄々分かっていたことを口にする。

 どう見ても友好的な相手には見えない。



「あの人たちはわたしを捕まえようとしているの。わたしはあの人たちから逃げないと……」



 泣き出しそうな顔でドラセナはそう言う。



「お願い、ナハト。わたしを助けて」

「助けて、って言われてもな……」



 こちとら空手と剣道をやっているだけの一介の高校生に過ぎない。

 それに対し、二人を取り囲んでいる男たちは素人目のナハトでも判断できるくらいどう見てもその道のプロたちだ。

 そんな屈強な男たちから目の前の少女を助けるというのはなかなか、難しい。常識的に考えれば無理な相談。だが。



「………………」



 自分のことを今にも泣き出しそうな目で、すがるように見上げてくる少女を前にしてはそんなことはとても言えなかった。

 空手の帰りに道路を歩いていた自分がどうしてこんな森の中にいるのか。

 男たちに追われている少女は何者なのか。

 分からないことだらけだ。しかし、「分かった」とナハトは言う。



「君を助ける」



 ナハトはドラセナの目をしっかりと見据えてそう言った。

 ドラセナは不安げな表情の中に歓喜の色を浮かべる。

 さて、とナハトは周囲を観察した。周りは囲まれている。

 少なくとも一人は倒さなければ突破は不可能だろう。

 正面を見る。正面にはナハトとドラセナの道を塞ぐ、男が一人。

 手に持っているのは剣、だろうか? 体には革製と思われる鎧のようなものまで身に纏っている。

 ナハトが現れたことで冷静さを失っていた男だったがこの頃にはもう冷静さを取り戻していた。

 とりあえず前に抜けるしかない、とナハトは判断する。



「走るぞ、できるか?」



 ナハトはドラセナに問いかける。ドラセナはコクリ、と頷いた。

 直後、ナハトは駆け出す。ドラセナも続く。

 自分のところに来ていることを察したのか正面を塞いでいた男が構える。

 「くらえ!」とナハトは手に持っていた空手の道着が詰められた袋を投げつけた。

 突然のことに男は対応できず、それなりの質量の道着袋が男の顔面に直撃する。

 その隙にナハトは男の側まで行く。

 男がひるんだ。この隙を逃す手はない。剣らしきものを持ち、レザーアーマーまで身に纏っている男を相手に正攻法では勝機はない。道着袋が男の顔面に当たり、跳ねた後、男がナハトたちを睨み付ける。

 その瞬間、男の鼻っ面にナハトの拳が叩き込まれた。嫌な音が鳴った。

 これまで空手で試合という形で拳を振るうことはあったが、相手を倒すという明確な目的を持って拳を振るったのは初めてだった。

 鼻の骨が折れただろうか? 男は後ろに倒れ込む。殴った方のナハトの手もジンジン、と痛む。「今だ! こっちから抜けるぞ!」とナハトはドラセナに手を伸ばす。

 投げ捨てた道着袋の回収は、諦めた方がいいだろう。

 ナハトとドラセナは倒れた男の横をすり抜け、駆け出す。

 包囲していた男たちも慌てて、その後を追う。

 こうしてナハトにとっては訳が分からないまま、闇夜の森を舞台に逃避行が始まった。

 ナハトは後ろをチラリと見る。必死に自分についてこようと小柄な体で荒い息遣いをしながら駆ける少女の可憐な顔たちを視界におさめる。

 何が何なのか訳が分からない。ここはどこなのか、彼女は何者なのか、追跡者たちは何者なのか。だが、



(この子は……俺が守ってみせる……!)



 その決意だけはナハトの胸の中で燃え滾っていた。

 それはこの場所に呼ばれるまでナハトが抱いていた虚無感とは真逆の感覚だった。
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