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第4章:交易都市ペルトーセ
第38話:仲間たちの力
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「行くぞ!」
ナハトが聖桜剣を抜き放ち、先陣を切る。想獣王相手に加減は無用と分かっているので始めから想力を解放し、聖桜剣を黄金の光刃と化し、斬り掛かる。
前足の一本に斬り掛かろうとした時だった。想獣王が意外な行動を見せたのは。
「なっ!?」
思わず驚愕の声が出る。想獣王はナハトの聖桜剣の一振りを後ろに下がることで避けたのだ。巨体に似合わぬ俊敏性だ。
想獣王とはいえ獣。獣にそんな頭があったのかとナハトは驚く。この想獣王は聖桜剣の脅威を理解している。
「ナハト殿! 驚いている暇はないぞ!」とグレースの声が弾け、ナハトはハッと意識を前に戻す。
想獣王の太い前足、数多の名剣よりも鋭い爪がついたそれがナハトに向かって振り下ろされようとしているところだった。
ナハトは慌てて聖桜剣を盾にする。ガキン、と剣と爪が噛み合う音が響く。巨体から繰り出された攻撃の激しさにナハトは体が後ろに吹っ飛ばされそうになるのを必死で堪えた。
「これでも喰らいなさいよ!」
アイネの声。アイネが氷雪剣を振るい氷雪の波動を想獣王に向かって飛ばす。
しかし、これも想獣王は巨体に似合わぬ俊敏さで避ける。グレースが無言でハルバードを振るい風の刃を飛ばすも、これも想獣王は回避した。
どうやら、今度の想獣王はこちらの攻撃に対処するだけの頭を兼ね備えているようだ。
「はあああっ!」
イーニッドがガントレットの想力を解放し、巨大な拳のオーラを纏ったガントレットで殴り掛かる。
これは想獣王は回避しなかった。代わりに真っ向から前足で迎撃する。
イーニッドの拳と想獣王の前足がぶつかり合い、イーニッドは真後ろに吹っ飛ばされる羽目になった。
真っ向勝負に押し負けたのだ。この想獣王は攻撃を回避する頭だけではない。真っ向からの攻撃をしのぐだけのパワーも持ち合わせている。
吹っ飛ばされ、後ろに転がったイーニッドの元にイヴが治療をするために走る。
ナハトはもう一度、前進し、聖桜剣を振るった。一振り、二振り、攻撃は躱される。カウンター気味に繰り出される爪の一撃は今度は受け止めずにナハトも後退することで回避した。
この想獣王、なかなかに厄介だ。闇雲に攻撃を繰り出していても倒せないことを悟る。
治癒杖キュアの治療を受けてイーニッドが前線復帰したのを見届け、「みんな、連携で行くぞ」と声をかける。
「グレースとアイネは同時に遠距離攻撃! それを躱した隙に俺とイーニッドが攻める!」
「わかった!」とイーニッド。「承知した!」とグレース。「任せなさい!」とアイネ。
風刃矛ヴェントハルバードと氷雪剣ネーヴェが同時に振るわれ、風刃と氷雪が同時に放たれる。
これを想獣王は回避する。だが、その瞬間に隙が生じる。始めからそこに狙いを定めていたナハトとイーニッドが駆け寄り、攻撃を繰り出す。
聖桜剣が振るわれ、イーニッドの拳がうなる。想獣王は今度は回避を諦めた。代わりに迎撃に出た。
聖桜剣と想獣王の爪がぶつかり合う。しかし、対処はそこまでが限界だった。
足の一本にイーニッドの巨大なオーラを纏った拳が直撃する。「グガアアッ!」と想獣王が唸り声を上げる。
怒り狂った想獣王はナハトとイーニッドを八つ裂きにせんとする。が、そこに風刃と氷雪が直撃した。
風刃と氷雪自体は想獣王に対したダメージは与えられていないようだったが、これを持って、ますます想獣王は怒りに行動を縛られる。
鋭い爪を振るい、近くにいるナハトとイーニッドに攻撃を加える。イーニッドは自分の力では想獣王とぶつかり合うのは不可能と分かっているので始めから回避に専念する。
一方のナハトは聖桜剣を振るい、想獣王の爪を受け止める。
想獣王の爪を受け止めたナハトは「今だ! グレース! アイネ!」と声を上げる。「全力の一撃を叩き込んでくれ!」と叫ぶ。
それを受けてグレースは風刃矛ヴェントハルバードの全想力を解放する。風が嵐のようにハルバードの全身から吹き荒れる。
同じくアイネも氷雪剣の全想力を解き放つ。氷と雪の波動が氷雪剣を包み込む。
それらは同時に放たれた。怒り狂い目の前のナハトとイーニッドを攻撃することしか頭になかった想獣王にこれを回避することはできなかった。
暴風と氷雪が直撃し、体中をズタズタにされる。想獣王はあちこちから血を流し、あちこちを凍り付かせている。しかし、それでもなお、想獣王の威容は健在だ。
伊達に王と呼ばれる訳ではない。
さらに怒り狂った想獣王はさらに激しく爪での攻撃をナハトに繰り出してくる。イーニッドは後方に一旦、下がっている。
恐ろしい速度とパワーで繰り出される連撃をナハトは黄金の光刃と化した聖桜剣でなんとかしのぎ切る。
その隙に再びグレースとアイネの攻撃が想獣王に命中する。
イーニッドも駆け出し、飛ぶ。高くにある想獣王の顔面目掛けて青い巨拳と化したガントレットの一撃を叩き込む。
顔面に重い一撃を受けて、流石の想獣王もひるんだ。ナハトは聖桜剣を振るい、想獣王の前足を斬り付ける。
今度は迎撃されなかった。黄金の光刃は想獣王の太い前足の一本を斬り裂き、そこから鮮血がしたたる。
しかし、千切れた訳ではない。まだ想獣王の四本の足は健在。
だが、想獣王はもはや満身創痍。顔面に振るわれたイーニッドの一撃も大きなダメージを残しているようだし、足の一本は深々と聖桜剣に斬り裂かれている。
もはや、想獣王は全力で戦うことはできない。それを好機と見たか、これまで後方から遠距離攻撃をしていたグレースとアイネも前に出て刃を振るう。
満身創痍の体でそれらをなんとか爪を振るい、受け止める想獣王だが、グレースとアイネの対処だけでもう手一杯になっている。
ナハトとイーニッドは飛び、想獣王の顔面目掛けて攻撃を仕掛けた。イーニッドの拳が再び想獣王の顔面を殴り、聖桜剣が想獣王の頭部を斬り裂く。
想獣王の絶叫が響く。ここが勝負どころ、と誰もが分かっていた。グレースのハルバードからの風刃とアイネの氷雪剣からの氷雪が飛び、想獣王に襲いかかる。
イーニッドが想獣王の肉体を殴りつけ、ナハトが黄金の光刃を振るい、想獣王の本体を一刀両断にせんとする。
それらの攻撃は全て直撃した。黄金の光刃に体を斬り裂かれ、想獣王は体中の傷から血とラプラニウム鉱石をこぼしながら、ついに倒れた。
巨大な四足獣が地面に横たわり、それでもまだ息があるのか「グルルルル……」と唸る。その顔面目掛けて、ナハトは聖桜剣を突き刺しだ。
この一刺しがついにトドメとなり、想獣王は完全に活動を停止した。「やった!」と誰かが声を上げる。
「みんな! 大丈夫!?」
後方で戦況を見守っていたドラセナが飛び出してきて声をかけてくる。
「ああ、大丈夫だ、大丈夫」とナハトはドラセナに笑みを見せた。「傷ついた人は言って下さいね。治しますから」とイヴも治癒杖を持って前に出る。
前線で戦い、そこら中に浅い切り傷を作っていたナハトとイーニッドは素直にこの治療を受けた。
「やっぱりアタシって、天才ね。想獣王といえどもアタシの敵じゃないわ!」
自慢げにアイネがそう言って笑みを浮かべる。「貴殿一人の力ではあるまい……」とグレースは苦笑いだ。
想獣王相手の戦いの完全なる勝利。ナハトたち一行に深刻なダメージを受けたものはいない。
この勝利にナハトは満足していた。自分たちが力を合わせれば想獣王にだって勝てる。それを実感すると嬉しくなる。それだけの連携が取れる程度にはパーティーの絆を育むことができているのだ。「みんな、やったな」と再び声に出していた。
誰もが満足げな表情を浮かべている。想獣王相手の完勝に思うことがあるのはナハトだけではないようだった。
「さあ、それじゃあ、ラプラニウム鉱石を引っぺがすわよ! いっぱい取れるわよ! 持ちきれるかしら!」
そんなことを言いながらアイネが想獣王の死体に近寄る。物欲丸出しのその態度にみんなして苦笑いしつつも、協力して想獣王が遺したラプラニウム鉱石は回収した。
それから少しの休息を挟み、ナハトたち一行は出発した。険しかったフランベル山脈ももう下り道。後少しで抜けられるところまできている。
明るい表情で山を下っている中、不意にアイネが口を開いた。
「そうだ、ナハト。この山を降りたら、アタシと勝負するって約束、忘れてないわよね?」
あ……、とナハトは思う。想獣王との戦いがあってすっかり忘れていた。「そういや、そんな約束してたな」と言うと、「何よ、忘れていた訳?」と睨まれる。
「天才のアタシが桜の勇者よりも上だってことを証明してやるんだから、逃げ出したりしないでよね?」
そう言ってアイネは自信満々に笑う。ナハトの聖桜剣の力はアイネもよく知っているだろうにどこからそんな自信が沸いて出るのか。アイネ以外の一同は思わず、苦笑した。
まぁ、アイネと戦うのも今より強くなるためには役に立つだろう、とナハトは思う。
ドラセナを守るため、自分は少しでも強くならなければならない。決して無駄にはならないはずだ。氷雪剣を相手にすれば、凍傷を負わされるかもしれないのが恐いがイヴに治療してもらえばいいか。
そんなやりとりもしながら、ついにナハトたちはフランベル山脈を抜けるのだった。ここまで来たら目的地の交易都市ペルトーセは目前だった。
ナハトが聖桜剣を抜き放ち、先陣を切る。想獣王相手に加減は無用と分かっているので始めから想力を解放し、聖桜剣を黄金の光刃と化し、斬り掛かる。
前足の一本に斬り掛かろうとした時だった。想獣王が意外な行動を見せたのは。
「なっ!?」
思わず驚愕の声が出る。想獣王はナハトの聖桜剣の一振りを後ろに下がることで避けたのだ。巨体に似合わぬ俊敏性だ。
想獣王とはいえ獣。獣にそんな頭があったのかとナハトは驚く。この想獣王は聖桜剣の脅威を理解している。
「ナハト殿! 驚いている暇はないぞ!」とグレースの声が弾け、ナハトはハッと意識を前に戻す。
想獣王の太い前足、数多の名剣よりも鋭い爪がついたそれがナハトに向かって振り下ろされようとしているところだった。
ナハトは慌てて聖桜剣を盾にする。ガキン、と剣と爪が噛み合う音が響く。巨体から繰り出された攻撃の激しさにナハトは体が後ろに吹っ飛ばされそうになるのを必死で堪えた。
「これでも喰らいなさいよ!」
アイネの声。アイネが氷雪剣を振るい氷雪の波動を想獣王に向かって飛ばす。
しかし、これも想獣王は巨体に似合わぬ俊敏さで避ける。グレースが無言でハルバードを振るい風の刃を飛ばすも、これも想獣王は回避した。
どうやら、今度の想獣王はこちらの攻撃に対処するだけの頭を兼ね備えているようだ。
「はあああっ!」
イーニッドがガントレットの想力を解放し、巨大な拳のオーラを纏ったガントレットで殴り掛かる。
これは想獣王は回避しなかった。代わりに真っ向から前足で迎撃する。
イーニッドの拳と想獣王の前足がぶつかり合い、イーニッドは真後ろに吹っ飛ばされる羽目になった。
真っ向勝負に押し負けたのだ。この想獣王は攻撃を回避する頭だけではない。真っ向からの攻撃をしのぐだけのパワーも持ち合わせている。
吹っ飛ばされ、後ろに転がったイーニッドの元にイヴが治療をするために走る。
ナハトはもう一度、前進し、聖桜剣を振るった。一振り、二振り、攻撃は躱される。カウンター気味に繰り出される爪の一撃は今度は受け止めずにナハトも後退することで回避した。
この想獣王、なかなかに厄介だ。闇雲に攻撃を繰り出していても倒せないことを悟る。
治癒杖キュアの治療を受けてイーニッドが前線復帰したのを見届け、「みんな、連携で行くぞ」と声をかける。
「グレースとアイネは同時に遠距離攻撃! それを躱した隙に俺とイーニッドが攻める!」
「わかった!」とイーニッド。「承知した!」とグレース。「任せなさい!」とアイネ。
風刃矛ヴェントハルバードと氷雪剣ネーヴェが同時に振るわれ、風刃と氷雪が同時に放たれる。
これを想獣王は回避する。だが、その瞬間に隙が生じる。始めからそこに狙いを定めていたナハトとイーニッドが駆け寄り、攻撃を繰り出す。
聖桜剣が振るわれ、イーニッドの拳がうなる。想獣王は今度は回避を諦めた。代わりに迎撃に出た。
聖桜剣と想獣王の爪がぶつかり合う。しかし、対処はそこまでが限界だった。
足の一本にイーニッドの巨大なオーラを纏った拳が直撃する。「グガアアッ!」と想獣王が唸り声を上げる。
怒り狂った想獣王はナハトとイーニッドを八つ裂きにせんとする。が、そこに風刃と氷雪が直撃した。
風刃と氷雪自体は想獣王に対したダメージは与えられていないようだったが、これを持って、ますます想獣王は怒りに行動を縛られる。
鋭い爪を振るい、近くにいるナハトとイーニッドに攻撃を加える。イーニッドは自分の力では想獣王とぶつかり合うのは不可能と分かっているので始めから回避に専念する。
一方のナハトは聖桜剣を振るい、想獣王の爪を受け止める。
想獣王の爪を受け止めたナハトは「今だ! グレース! アイネ!」と声を上げる。「全力の一撃を叩き込んでくれ!」と叫ぶ。
それを受けてグレースは風刃矛ヴェントハルバードの全想力を解放する。風が嵐のようにハルバードの全身から吹き荒れる。
同じくアイネも氷雪剣の全想力を解き放つ。氷と雪の波動が氷雪剣を包み込む。
それらは同時に放たれた。怒り狂い目の前のナハトとイーニッドを攻撃することしか頭になかった想獣王にこれを回避することはできなかった。
暴風と氷雪が直撃し、体中をズタズタにされる。想獣王はあちこちから血を流し、あちこちを凍り付かせている。しかし、それでもなお、想獣王の威容は健在だ。
伊達に王と呼ばれる訳ではない。
さらに怒り狂った想獣王はさらに激しく爪での攻撃をナハトに繰り出してくる。イーニッドは後方に一旦、下がっている。
恐ろしい速度とパワーで繰り出される連撃をナハトは黄金の光刃と化した聖桜剣でなんとかしのぎ切る。
その隙に再びグレースとアイネの攻撃が想獣王に命中する。
イーニッドも駆け出し、飛ぶ。高くにある想獣王の顔面目掛けて青い巨拳と化したガントレットの一撃を叩き込む。
顔面に重い一撃を受けて、流石の想獣王もひるんだ。ナハトは聖桜剣を振るい、想獣王の前足を斬り付ける。
今度は迎撃されなかった。黄金の光刃は想獣王の太い前足の一本を斬り裂き、そこから鮮血がしたたる。
しかし、千切れた訳ではない。まだ想獣王の四本の足は健在。
だが、想獣王はもはや満身創痍。顔面に振るわれたイーニッドの一撃も大きなダメージを残しているようだし、足の一本は深々と聖桜剣に斬り裂かれている。
もはや、想獣王は全力で戦うことはできない。それを好機と見たか、これまで後方から遠距離攻撃をしていたグレースとアイネも前に出て刃を振るう。
満身創痍の体でそれらをなんとか爪を振るい、受け止める想獣王だが、グレースとアイネの対処だけでもう手一杯になっている。
ナハトとイーニッドは飛び、想獣王の顔面目掛けて攻撃を仕掛けた。イーニッドの拳が再び想獣王の顔面を殴り、聖桜剣が想獣王の頭部を斬り裂く。
想獣王の絶叫が響く。ここが勝負どころ、と誰もが分かっていた。グレースのハルバードからの風刃とアイネの氷雪剣からの氷雪が飛び、想獣王に襲いかかる。
イーニッドが想獣王の肉体を殴りつけ、ナハトが黄金の光刃を振るい、想獣王の本体を一刀両断にせんとする。
それらの攻撃は全て直撃した。黄金の光刃に体を斬り裂かれ、想獣王は体中の傷から血とラプラニウム鉱石をこぼしながら、ついに倒れた。
巨大な四足獣が地面に横たわり、それでもまだ息があるのか「グルルルル……」と唸る。その顔面目掛けて、ナハトは聖桜剣を突き刺しだ。
この一刺しがついにトドメとなり、想獣王は完全に活動を停止した。「やった!」と誰かが声を上げる。
「みんな! 大丈夫!?」
後方で戦況を見守っていたドラセナが飛び出してきて声をかけてくる。
「ああ、大丈夫だ、大丈夫」とナハトはドラセナに笑みを見せた。「傷ついた人は言って下さいね。治しますから」とイヴも治癒杖を持って前に出る。
前線で戦い、そこら中に浅い切り傷を作っていたナハトとイーニッドは素直にこの治療を受けた。
「やっぱりアタシって、天才ね。想獣王といえどもアタシの敵じゃないわ!」
自慢げにアイネがそう言って笑みを浮かべる。「貴殿一人の力ではあるまい……」とグレースは苦笑いだ。
想獣王相手の戦いの完全なる勝利。ナハトたち一行に深刻なダメージを受けたものはいない。
この勝利にナハトは満足していた。自分たちが力を合わせれば想獣王にだって勝てる。それを実感すると嬉しくなる。それだけの連携が取れる程度にはパーティーの絆を育むことができているのだ。「みんな、やったな」と再び声に出していた。
誰もが満足げな表情を浮かべている。想獣王相手の完勝に思うことがあるのはナハトだけではないようだった。
「さあ、それじゃあ、ラプラニウム鉱石を引っぺがすわよ! いっぱい取れるわよ! 持ちきれるかしら!」
そんなことを言いながらアイネが想獣王の死体に近寄る。物欲丸出しのその態度にみんなして苦笑いしつつも、協力して想獣王が遺したラプラニウム鉱石は回収した。
それから少しの休息を挟み、ナハトたち一行は出発した。険しかったフランベル山脈ももう下り道。後少しで抜けられるところまできている。
明るい表情で山を下っている中、不意にアイネが口を開いた。
「そうだ、ナハト。この山を降りたら、アタシと勝負するって約束、忘れてないわよね?」
あ……、とナハトは思う。想獣王との戦いがあってすっかり忘れていた。「そういや、そんな約束してたな」と言うと、「何よ、忘れていた訳?」と睨まれる。
「天才のアタシが桜の勇者よりも上だってことを証明してやるんだから、逃げ出したりしないでよね?」
そう言ってアイネは自信満々に笑う。ナハトの聖桜剣の力はアイネもよく知っているだろうにどこからそんな自信が沸いて出るのか。アイネ以外の一同は思わず、苦笑した。
まぁ、アイネと戦うのも今より強くなるためには役に立つだろう、とナハトは思う。
ドラセナを守るため、自分は少しでも強くならなければならない。決して無駄にはならないはずだ。氷雪剣を相手にすれば、凍傷を負わされるかもしれないのが恐いがイヴに治療してもらえばいいか。
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