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ハインの従兄弟②
しおりを挟む(……ハイン?)
あまり声を張り上げるイメージはなかったのだが颯爽とこの場に現れたハインはというと、ザッとおれとクロイツの間に割って入って来た。
「断る……とはどういうことでしょう?」
険しい表情さえ浮かべていたハイン相手にも流石従兄弟と言うべきか、焦りひとつ見せずにクロイツはハインに理由を問う。
「そのままの意味だ。魔力のコントロールは私以外に介入させるつもりはもうない」
「ほう」
ハインの即答の返しにクロイツはなるほどと顎に手を掛けては少し考えている様子。
「けれど、それを決めれるのは陛下なのでは?」
てっきりクロイツはすぐに身を引くと思っていたのだけれど、ハインを困らせたいのかはたまた本音を引き出したいのか、意地悪くその言葉を放った。
するとだ、ハインはまるでそのクロイツのその挑発に乗っかってやるとばかりに、ぐいっとおれの肩に手を掛け、ハインの懐にへと惹き寄せるなりおれをその鍛えられた腕で抱えながら、他の魔族たちの目もある中で、こう訴えたのである。
「陛下も私以外を求めることはないだろう」
一体何処からその自信が出て来ているのか。おれはあまりにも、自信満々なハインに頭ではそう思ったが、それと同時になんだかハインにようやく自分自身を見てもらえた気がして、なんだか胸の中が温かくなった。
「本当ですか、陛下?」
「え?ーーそれは」
ここで違うと答えればハインを拒絶したことになる。
(なんかそうはなりたくねぇな……)
普段無愛想で思いやりなんてないハインに此処で仕返してやった方が、日々の鬱憤は晴れそうなのだが、ハインを拒絶する気持ちにはどうしてもなれない。
そんなものだからここはもう意を決してこくりと頷いたあと、言葉でもそれを示すことにした。
「本当、だからーー……って、ぅわ!?」
おれの真っ直ぐな返答にすぐ様視界に飛び込んできたのはクロイツの柔らかな笑み。その微笑みは一体どういう意味なのかーーと、考えるより先に何やらここで、おれの身体が突然宙に浮く。
どうやらがっしりとしたハインの肩に片腕で担がれてしまったらしく。わたわたと両手足をバタバタさせると、「しばらく大人しくしていろ」とすぐにハインから、ピシャリとそう言われてしまう。
(うう、やっぱり拒絶してやるんだったかな)
偉そうな奴ーーと悪態は当然つく暇もなく。そうと決まればとばかりに、ハインは軽々とおれを担いだまま、くるりとクロイツに背を向けるなりこの場から立ち去って行く。
ざわざわと魔族たちの間で少し騒ぎになっているようだが、それもお構いなしと言ったところらしく。
ハインはおれが「どこに連れて行く気なんだよ!」と問いても、ろくに答えてくれることはなくーー……。
何やら目的地にへと到着すればそこは見慣れない一室だった。
「ここは?」
「私の部屋だ」
「ーーえ?ハインの部屋?」
余計なものは一切なく簡素にも伺える紺の色でカーテンまで統一された部屋は無機質にも伺える。
そんな部屋にどうしてハインはこのおれをここへ連れて来たのか。私物には触れさせたくはないというタイプにも見えるのに。
するとだ、どさりとそこまで乱暴にはせずにハインの寝台であろう場所に、おれを肩から降ろすなりハインはそのあと、おれの隣にへとギシリと音を立て腰掛けた。
「本当に私以外に求めることはないのか?」
「ーーえ?」
何やら昨日までのハインとは別人のようにも見えるその姿に、おれは当然あからさまに困惑してしまった。
だっておれをみつめてくるその深い紺色の瞳がいつもと違って柔らかに、みつめてきているようにも感じられたからだ。顔が怖いことにはいつもなんなら変わりはないが。
そんな些細な変化すら感じ取ってしまう自分にも多少は驚いてはいるが。
「答えてもらおうか?魔王陛下」
「あ、」
下からずいっと顔を至近距離で覗き込まれてもしまえばうっと言葉に詰まる。あまり今までこうやってこの距離でじっくりと、ハインの顔を目にする機会はなかったものだから、強面顔ではあるものの端正でもあるその顔に、同じ男だというのにクロイツの時は違う色気にドキッと、してしまう。
(あきらかにハインがいつものハインじゃ……ない)
どくんどくんどくんと騒がしい自分の心臓の音に耳さえ塞ぎたくなってしまう程だが、おれの返答をじっと待っているハインに、おれはこれは適当に答えるべきではないことは確実に、伝わってきており。
もうこれは覚悟を決める時だーーとさえ思えばおれはこくりと頷きを見せることにした。さっきクロイツの前で見せた頷きよりも、より深めに。
「もう引き返せない」
ハインのその言葉におれもまたハインとまったく同じことを同じタイミングで、そう思ったのはもはや言うまでもなかった。
「本当のところはどう思っていたのかを貴方の口から聞いてみたいところだが?魔王陛下」
「っ、は、……ぅ、あ……ァッ……いつもと……違っ……いつもはそんなとこ……さわ、んねぇ、のにッ」
「いつもと違うのは当然だろう」
これが本当に魔力のコントロール云々の一環から来ているもなのか?ーーはたまたこれはハインのおれへの独占欲から来ているものなのか?
その答えが分からぬままにハインの濃い匂いが広がる寝台の上へ、押し倒されたおれはあっという間に下半身に身につけていたものを剥がされ、既に硬さを帯びていた陰茎へ刺激を与えられていた。
だが、さっきも口にしたようにいつもの行為と違うのは今ハインが何故か、おれの陰茎の先端を必要以上に、ハインの指の腹でくちゅくちゅと音を立て弄ってきていたからだ。これではまるでおれへの愛撫にも伺える。
それにだ、いつもは〝お前〟と魔王のおれを敬う素振りを見せなかった癖に、今はどうだろうか。〝貴方〟だとか〝魔王陛下〟と口にして来ている。
(一体、ハインの中でどんな心変わりが生まれたって言うんだよ)
心境の変化が気になる訳だがそれを気にかけるよりももっと、こちらを気にかけたらどうかと言わんばかりにハインの手の動きが、もっとあからさまに変化していく。
「私の手で感じてもらえるのは光栄だがそれよりも先にクロイツのことを本当のところは、どう思っていたのかを聞かせてもらいたい訳だが」
「く、ろいつ?……ゥアッ!?」
そう言えば先ほども似たようなことをハインが口にしていた気がするが、いかんせんぐりぐりぐりと陰茎の先端を先ほどよりも、また更に刺激してくる強さが増したことから、びくんびくんびくんと下半身への刺激が増していく。そんなにもそこばかり刺激されてしまってはもう、限界に達してしまうというのに。
とにかく目の前のハインはおれがクロイツにどういう感情を向けているのかが、気になって仕方がない様子だ。
「そうだ、その男のことだ。貴方がそうやってアイツの名前を呼ぶたびに、ここのところ胸の中が騒ついて仕方がない」
「は?それってーー……」
驚いた。冷徹で無愛想で相手の心のなんて思いやれないような男が、まさかそんな告白じみたことを口にするだなんて。
ハイン自体自覚していないのか真剣そのものという目線をただただ、真っ直ぐこちらに向けて来ている。
だが、そんなハインの気持ちに答える云々よりもハインが与えてくる刺激が、とりあえず大き過ぎて中々すぐには答えられず。それに対し何やら痺れでも切らしたらしいハインが、スーッと陰茎の先端を弄っていた指を下へ、ずらしてくるなり既にひくついていたおれのお尻の窪みへと、その指をあてがってきたのである。
「ここをあの男に使わせてやっても良いと思ってい居たのか?」
「ち、ちがっ!そんな訳ーー……」
「信用できんな」
「は、う、ァッ!?」
先ほどまでカウパーを絡めて陰茎の先端を散々弄ってきていたからか、未だにカウパーの滑りが拭えていないハインの指が、そのうちつぷんっとおれのその小さな窪みにへと、侵入してきてしまう。
どうしてそんなところに触れる必要があるのか?という疑問よりも先に、気になってしまったのはいつも、無機質にも思えるようなハインのその表情に余裕が、なさそうに伺えたからだ。
ぬぐぐっと奥に奥にと入ってくるハインの指の感触になんとも言えぬ感覚が伝わってくるも、それが嫌だとは感じず。この行為が魔力のコントロール云々をもはや、飛び越えてしまっていることは分かる。
「はじめは慣れることはないだろう。だが、これからはこちらもここと一緒に刺激を与えてやる」
「ァッ、~~ふ、ぅ」
ハインが口にする〝ここ〟というのはたらたらと先端からカウパーが、未だに垂れ流れになっている陰茎のことを指しており。ハインのごつごつとした大きな手が再び、陰茎の先端を蓋するように掌全体で触れてくれば、ぐちゅぐちゅと卑猥な音と共に、それらを扱かれていってしまう。
同時に今も尚胎内の中にはハインの指が侵入したままになっており。どちらに意識を持っていけば良いのかも分からぬままに、おれの下半身はこのハインによって、蹂躙されていってしまう。
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