新米魔王、冷徹貴族閣下に躾けられます

寅次郎

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婚約者③

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「マサト?何をーー」

 いつもされるがまま、という形になっていたことからおれは真っ先に、ハインの下半身に両手を伸ばす。少し脱がしにくい仕様にもなっている軍服のズボンから、それに続き下着にまで手をつけたところで、ガシッと頭上から頭を鷲掴みにされてしまう。

「なに?」
「何……と言いたいのはこちらなんだが」

 そんなにがっちり頭を固定されてしまっては身動きが出来ない。目を上に向けて不服そうな顔をすればハインが珍しくも、困っているのであろう様子が伝わってくる。
 笑った顔も珍しいが困った顔も珍しい。

「おればっかりだろ、いつも」
「それは魔力のコントロールの一環でーー」
「はいはいはい」
「マサト」

 距離が縮まったと感じたのはおれだけだったのか。寂しさすら感じてしまえばしゅんとおれの気持ちが下がったのに気づいたらしい、ハインの手の力が緩む。

(今だ……!)

 その瞬間を逃さないーー!とばかりにおれはすぐにまた、ハインの股間にかぶりつくように衣服を薙ぎ払っていった。その手つきはまるで職人のようだと思われても良いくらいの手際で。
 すると、今度はもう抵抗はしないと誓ったようにも感じられたハインはおれに、されるがままであり。この好機を逃すわけにはいかないーーとおれは自分の手によって、曝け出したハインの半分硬さを帯び始めていた雄を手にかけるなり、すぐにぱくりと口に咥える。

「っーー」
「あ、ごめっ、歯が当たって」
「……気にするな」
「っ」

 勢いがあまりガツッと歯をハインの陰茎の先端にぶつけてしまったが、ハインのその顔に浮かんでいたのはまるで、おれを慈しむような表情。ドキンッと心臓が跳ねたおれは、はむりっとまたそれを咥えては思うがままに、それをちゅぶっちゅぶっと水音を立てては、自分の口内で愛撫していくことにした。

(これで、ハインが少しでも気持ち良くなってくれたらいいんだけど)

 少し前までは考えられなかったおれのこの行動。
 魔力のコントロールの一環でハインに触れられることに、だんだん抵抗がなくなり終いにはそれを求めてしまっている今のおれだからこそ、こんなことをしてしまっているのだろう。
 あまり口当たりは良くないのは当たり前だが徐々に徐々に、自分の口内でハインの陰茎に張りが出てくることに、当然喜びさえ生まれてくるもので。
 自分にもついているものだから構造は分かっているとばかりに、おれはなんの躊躇いもなしにそっと陰茎の付け根を手で握った。

(先っぽを舐めながら、扱いてやったらより気持ち……いいよな?)

 ちらちらと下からハインの様子を伺いながらもおれは自分の舌を使っては陰茎の先端を、ぐりぐりと刺激し、同時にこしゅっこしゅっと太い陰茎を上下に扱いていく。
 そのうち、おれの唾液が竿の形に沿って下に流れおれの手の中に絡まっていけば、じゅぽっじゅぽっと卑猥な音を奏でていく。
 それに合わせたように、ハッ、ハッ、と少しハインの息が上がってきているのも読み取れる。

(気持ち良くなってる、良かった)

 相変わらず眉間には皺が寄せられているがいつもの眉間の皺とは確実に違い、その表情には色気さえ上乗せされている。もっと、もっと、その顔を拝みたいと思い、ぢゅぷぷっと先端を吸い上げてもみれば、ここで辛抱堪らんとばかりにガッと今度はハインの手が、おれの後頭部を掴んだ。

「んぐっう!?」

 うしろから押されるように掴まれたことでごつんっと喉奥に、ハインの陰茎の先がぶつかる。少し苦しくなり無意識に、頭をうしろに引こうとしたが生憎、そのうしろからがっしりと頭を掴まれてしまっているものだから、それが叶うことはなく。

「ンっ、んんん、ンッ!!」
「ふっ……はあ……マサト……っ」
「んぐ!?!?」

 予想外のことにあっという間に主導権を掻っ攫われてしまったらしく、鷲掴んでいたおれの頭をハインは遠慮もなく、ゆさっゆさっと前後させるではないか。
 その動きによりごつんっごつんっと喉奥にハインのものが、ぶち当たってくるものだから益々息苦しくて仕方ない。それに、痛みは感じないものの喉奥の刺激に、次第におれの目尻には涙の粒が生理的に浮かんでくるというもので。

(は、げ、しいっ、つの!)

 そのうち、限界にきてしまったおれはというとバンッバンッと、手の下のシーツ目掛けてたんまたんと両手で叩き、ストップしてくれとアピールする。
 しかしだ、それが却ってハインへのただの興奮材料になってしまったのか、ますますおれの頭を前後させる動きは増していくばかりーー……。


「んぐ、ぐ、ふ、ぅ、ううううーー!!!!」

 やばいやばいやばいっと涙目をぎゅっときつくその両目を閉じたところで、ぐぐぐっと更に奥まで入って来てしまうになる。
 無意識にぎゅううっと手元にシーツを握りしめていたところで、ピタリとハインの動きが止まりずるりっと、すぐに口内からハインのものを引っ張り出された。

「かはっ、げほっ、けほっ、はあっ、はあっ……げほっ」

 あと、もう少し奥まで入っていたらーーと思うとなんだか、これまでにない欲に支配されそうだとさえ思えた。
 すると、おれの口内から陰茎を引き抜いたあとすぐにハインは自身のそれを片手で塞いでは、少し丸々ように、頭を下げては「ふぅー、ふぅー」と息を整えているのが伺える。
 どうやら今この瞬間ハインの手の中でどくどくどくと彼の熱が、放出されていたようだ。この目にしなくとも、同じ男なものだから目の前のその光景から、手に取るように分かってしまう。

「はぁ、けほっ、ハイン……その、気持ち良かーー」
「この、馬鹿者が!」
「うえっ」

 この年齢からは想像出来ないほど長生きしている年長者からのその、叱りには思わず縮こまってしまいそうなり。
 短い変な声さえ飛び出してしまったところで、はぁーーと長いため息が聞こえたあと、ハインがおれの口元に、そっと指で触れてくる。

「もう少しで、お前の口の中に放ってしまうところだったではないか」
「べ、別にそれでもおれは良かったけどー?」
「何を言う、避妊をしていないというのに口内で出していたら、お前が孕むところだったんだぞ」
「は、孕むぅ?く、口で!?」
「ああ」
「!?」

 ここで突然やって来る異世界ならではの当たり前に当然、驚かされるというもので。唖然とすらしていたおれを見るなり、また、長いため息でも吐きそうになっていたハインが、この世界のことをまだまだ分かっていないおれに、ご丁寧にも説明してくれる。

「上の口であろうが、下の口であろうが避妊の処理をしていなければ身体の中に、体液が一定数入るだけで魔族というのは孕んでしまうもの。特に、多くの魔族の中でも大きな力を持つ魔王となると、通常の魔族よりも影響は大きい」
「な、なるほど……」

 自分の世界の保健体育の知識が当たり前でしかなかったものだから、今ハインが説明してくれたことはもはや、未知の世界とも思えた。
 
「だから、今後こういうことはーー」
「なあ、一定数ってことはさ別にちょっとなら問題ねぇってこと?」
「何?」
「ハインのそこ、綺麗にしてあげよっか?」
「……」
「ハイン?」

 未だに自身の陰茎の先端を覆っていたハインの手がここでふと気になったものだから、そんな風に悪気なく声掛けてしまったのだが、ハインにとっては何やら、おれがまた余計なことを言ってしまったようで。
 とてつもなくわなわなと怒ってもいるような雰囲気が漂ってきたものだから、やべぇしくじったとすぐに、自分の口を覆うことにした。
 だが、ここでいつもの冷たい視線を浴びせられることはなく。半ばこんな調子のおれに諦めたらしいハインはゆっくりと、その手の中のものを曝け出すなり、おれにこう言った。

「なら、綺麗にしてもらおうか」

 どうやら、ここはおれの世界の常識と一緒らしく外気にへと、触れた体液は精子としての効果は消えるらしく。
 白くどろりとした性液が絡むハインの陰茎が目の前に聳え立つ。射精後でもすぐに縮んではいなかったハインのそれは今も、さっきみたいに勃ち上がったまま。

(うっ、なんか改まると急激に恥ずかしくなってきたような……)

 いざ、綺麗にしてくれと言われてしまうとなんだか目の前の雄っ気満々のそれに、圧倒されてしまうというもので。ドキドキドキドキと心臓の音が激しくすらなってきたところで、ハインが口を開く。

「これも、躾けの内にするか」
「へ?ーーあ、」

 今なんてーーと聞き返すよりも先にするりとハインのごつごつとしたいつもの指が、顎のラインに沿ってやってくると、おれの顎下から後頭部にへと移れば、さっきとは違いゆっくりとうしろから力を加えてきた。
 それによりおれの顔のすぐ目の前にどんっとハインの陰茎がドアップが、やってくる。また、ぎゅっと目を閉じそうになったが、躾けると言っただけあり、このあとどうすれば良いのかを耳元で囁いてくる。

「先ずは一番上に少し吸いつけ」
「ン、ひょ、ひょう?」
「咥えながら離すな、そう、そこだ」
「ん、う」

 鼻につく濃い雄の匂いにくらくらしそうにはなるがこれも、ハインのものと思うと心臓の騒ぎが中々収まらない。
 それから、すぐに竿に沿って舐めていけば良いと言われれば、指示通りにそれを実行していく。途中おれの舌がぎこちなく這っていくことで、ハインがぴくりぴくりと、反応している様にまたも色気を感じてしまう。

(やっば、本当おれってばいつの間にかこんなにもハインのことが……)

 その先の言葉はいくら心の中の呟きと言えど思い浮かべるのは、恥ずかしさが増してしまう。だから今はこっちに集中しろ!と、言い聞かせてはハインの陰茎に、付着したそれらを綺麗にしていく。

「魔王陛下にこんなことをさせるなんてな」

 それから終わったあと何やら後悔からなのかそれとも、ただの独り言なのかそんなことを口にしているハインに、おれはこう宣言してやることにした。

「おれが、したかったから別にいいんだって!」
「……ふむ」

 ビシッと指でハインを指してやれば案外今のおれの言葉で、すんなりと納得してくれたらしく。あまりにもそんな素直な姿に少し調子が狂うなと思ってしまう。
 だが、ハインはその後颯爽と下半身の乱れを正すなり、「明日も早い」とそう言い残しては壁の開いた場所に戻って行く。
 
「あんまり、夜更かしすんなよなー」

 きっと、聞こえては居るのだろうけれどまた執務に戻ったハインを邪魔してやるのは、悪いよなとおれもまた、寝る支度を整えるなりベッドの中へと潜り込むことに、したのであった。
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