これは報われない恋だ。

朝陽天満

文字の大きさ
139 / 744
連載

222、もう親子でいいじゃん

しおりを挟む
「騎士団本部はこっちだ」



 勇者先導の元、石畳の道を進む。たまに壁が壊れていたりするのは、街の中まで魔物が襲ってくるからなのかな。それとも喧嘩とか。

 結構な数のプレイヤーが歩いていて、どの人も立派な鎧を着ててすごく強そうだった。

 雄太たちも見劣りしないんだよなあ。さすがだ。俺はどう見ても「ここは危ないから帰った方がいいんじゃない?」って声を掛けられるタイプだよ。



 さほど歩くことなく騎士団本部に着いた俺たちが案内されたのは、騎士団長の部屋だった。

 入ると、立派な身なりの人が座って書類仕事のような物をしていた。



「よお。薬師を連れてきちまった。騎士団用に買い上げるからよ」

「予算内交渉は出来ているんですか?」

「してねえ。だってまだここには出回ってねえ薬だぜ。高橋が一発で全快するような薬、納品してもらえるだけでありがたいんだから、予算くらいなんとでもなるだろ。足りねえ場合は俺の所から出すから心配するなよ」

「しかし……姫に不自由な思いをさせるわけには」

「俺がジャスミンにそんな思いさせるわけねえだろ。ふざけんな。あ、マック、クラッシュ、こいつが騎士団の副団長」



 簡単な紹介と共にぺこりと頭を下げられ、俺もつられたように返す。

 副団長は溜め息を呑み込んで、眉間に刻まれた皺を人差し指でもみ込んだ。



「薬師殿。一般にまだ出回っていないという貴重な薬を売ってくれるというのですか? 値段がいくらかわかりませんが、実は私たちの騎士団は、いつも火の車なのですよ。もしその薬が大変高価な物だとしたら、支払いが出来るかどうかもわかりません。初めて会った方にこんな内情を晒すのはこちらの恥になりますが、しかし、薬を納品していただいてから、実はお金がありませんでした、ではさらに騎士として恥となってしまいます」



 感情の抑揚のない平坦な声で、副団長が騎士団の内容を語る。

 それは聞いていて、思わず顔を顰めてしまうような物だった。



 王宮から補給される物が品質低下してるだけじゃなくて、予算も年々削減傾向にあり、そのため傷ついた武具を直すこともままならない。

 異邦人の鍛冶師が好意から低予算で直してくれるのにすがるしかなく、仕留めた魔物の素材を売りに出してやりくりしているという。しかもその素材も本来であれば中央に渡さないといけないので、そこまでの足しにはならないらしい。

 王に直談判すると、王はここに送る一覧の書類を見せて、間違いなくこれを送っていると言っているという。そして、直談判しても、王は数字しか見ていないような感じらしい。

 実際に確固たる証拠を突き付けないと動かない王様なんだなあ、なんて、改めて思った。でもこれ、確固たる証拠ってどこにある案件なんだろう。



 っていうか、納品して終わり、っていうクエストだと思ったら、この副団長をちゃんと納得させないといけないクエストだったんだ……。

 納品してもらう気がない気がするよこの人。だってこんな現状だからお金が払えないって俺を納得させに掛かってるもん。

 逆に大変。金はないけど寄越せって言われた方がまだ簡単だったよ。

 俺も副団長と一緒に溜め息を呑み込んで、ちらりとクラッシュを見た。

 こういう時に、薬の相場を知ってるクラッシュがいてくれたことに感謝。



「まだ価格設定はしてないんで何とも言えないんですが、定期納品は大丈夫ですよ。作り続けないと腕が上がらないですから。材料にしても、伝手はあるので大丈夫です。丁度相場を知ってるクラッシュもいることだし、ここで交渉しちゃいませんか」

「え、俺?」

「うん。だってまだこっちでは誰も作ってない例のアレだもん。いくらくらいがいいかな。クラッシュが考える相場の7割くらいで納品が丁度いい気がするんだけど、それでも高いなら応相談」

「そんなこと言ってマックの場合下手すると素材代だけ貰おうとするじゃん。わかった、仕方ないから手伝ってあげるよ。で、例のアレって?」



 クラッシュが商売人の顔になったので、早速交渉の話を出すと、副団長はこいつら人の話を聞いていたのか、とでも言うようにさらに眉間の皺を増やした。

 応接用のテーブルに移動して、4人でソファに座る。勇者が見習いの子を呼んでお茶を淹れてもらっている間に、俺はハイパーポーションをカバンから取り出して見せた。



「これが、勇者に納品してくれって頼まれた物。前にクラッシュに飲ませたやつ。高橋が一発で瀕死から全快するくらいのやつ」



 はい見本、と全員の前に一本ずつ差し出す。

 俺の説明に、副団長が息を呑んでいた。

 素材代はね、ほとんどハイポーションと一緒なんだよ。獣人の村でしか生えてない物も一つ入れるけど、それは村に遊びに行けばそこらへんに自生してるから集め放題だし。すぐまた生えるから今度根っこごと貰って帰ってこようかな。こっちでも育つならだけど。

 あとはカイルさんが丹精込めて育てて最高の出来にした薬草類かな。そっちは自生してるものを手に入れたら無料だけど、ランク的に目に見えて落ちるからなあ。



「ホントこれ回復量が酷い。前より腕上げた? さらに回復量増えてる。ほんとにこれ納品するの?」

「酷いってなんだよ。ランクCだからだよ。ちゃんと納品するよ」

「だってハイポーションですらすぐ売り切れになるくらいなんだよ。それがさらに上を行くこれ……って相場か……難題を押し付けやがって」



 うんうん唸りながらクラッシュが瓶を色々な角度から見ている。

 でもこれ、獣人の村ではポピュラーな回復薬なんだよ。売るにしても二束三文……。獣人さんたちの作る薬の方が全然効果高いから当たり前なんだけどね。



「まだランク低いけど、そのうちもっといいランクの物を作る予定だからそれくらいで唸るなよ」

「……これ、売値はランクSのハイポーションの8倍でもいいかもしれないと思う。戦闘中に回復を短縮できるのって、それだけで結構なアドバンテージになるから、何回も飲むより一本だけ飲んで全快する方が生き残る確率がぐんと上がるんだよ。だから効果は3倍でも、値段はもっとぐっと上がるんだ」

「え、それ、高すぎない?」

「高くない。下げれて6倍がいいところ。命はお金で買える場合もあるいい例だよマック」

「そこを何とか。もうひと声」



 さすがにクラッシュの言う値段で卸す気にはならずに思わず値引き交渉をすると、俺達の会話を聞いていた勇者が肩を震わせた。

 そして、豪快に笑い始めた。



「売る側のマックが値引き交渉してどうするんだ。それはこいつの仕事だろ? おかしなやつだな。さすが高橋の親友と名乗るだけある」



 膝を打って笑う勇者に、クラッシュも「そうですよね、マックそういうところが可笑しいっていうか」と便乗して笑い始めた。笑いを取ったつもりはないんだけど!



「気に入った。言い値で仕入れさせてもらおう」

「待ってください! 今年はまた予算を削減されたんですよ!」



 勇者の豪快な依頼に、副団長が悲鳴を上げる。

 そこにすかさずクラッシュが提案をしていた。



「でも、これで回復量が増えたら、魔物を討伐する数も今よりだいぶ増えますよ。疲弊した騎士たちが立ち直るわけですから。だから、その増えた分の素材をすべて懐にしまい込んで換金すればすぐに潤うんじゃないですか? 王宮には今までと同じくらいの素材を卸しておいて。ついでに、品質の悪い物を次々放り込んで王宮に送って、あなた方が辺境に対して管理をおろそかにするため、これ以上の物を納品することが出来なくなりました、とでも言えばいいんじゃないですか? アルさんだったら言えると思いますけど」



 流石クラッシュ、あこぎな商売人だ。

 なんて思っていたら、勇者が笑いを収めて、今度は皮肉気に口元を上げた。



「確かに俺なら出来る。だがなあ、流石に俺も腐っても騎士だ。しかも相手はジャスミンの親なんだよ。こんな極貧な騎士団でもな、最低限の矜持ってもんはあるんだ」



 あくまで皮肉気に、勇者が言い放つ。

 騎士目線と商人目線ってこんなに価値観が違ってくるんだ。

 感心していると、いきなり視界の隅に集団が現れたのが目に入った。

 まるで転移で移動してきたような……。



 集団の中心に見えるシルバーの長い髪は。



「セイジさん?」



 クラッシュが声を上げ、それが聞こえたらしいぼろぼろになった総勢9人の集団は、俺達を見て驚いたような顔をした。

 セイジさんと、『高橋と愉快な仲間たち』と、見たことのない4人。

 セイジさんはクラッシュに視線を向けて、「なんでこんなところにいるんだ?」と首を傾げた。



「マックとアルさんをここまで連れて来たんですけど、セイジさんは……もしかして、ダンジョンに」

「ああ。あたりだった。5個目が手に入った。クラッシュ、戦利品、持ってくか? たんとあるぜ」

「待ってくださいここの机まで魔物臭くするつもりですか! っていうか俺ちゃんと儲けてますから、それはセイジさんが売ってください! 何なら買い取りますから!」



 いきなり荷物をひっくり返そうとするセイジさんを慌ててクラッシュが止めるのを見て、やっぱりセイジさんはクラッシュのお父さんみたいだ、なんて思った。

 それにしても、このメンバーでシークレットダンジョンかあ。当たりってことは、クリアオーブってことか。

 こんなレベルの高そうな人たちがここまでボロボロになるなんて、恐ろしすぎるシークレットダンジョン。



「ようマック。何でこんなところにいるんだ?」



 ボロボロの鎧を着たまま、雄太がしゅっと手を上げた。

 俺も同じように手を上げて、取引、と答える。

 ブレイブとユイも俺を見て笑顔を向けて来るけど、やっぱり装備は大変なことになっていて、ユイなんかローブは擦り切れててスカートが一部かぎ裂きになっていた。足が、大変見えておりますよユイさん。早く隠そうか。

 海里も海里で肩当が片方壊れていて、胸元を覆っていた鎧が割れている。インナー破けてるよ、何そのサービスショット。隠そうか。っていうか、女の子って魔物にボロボロにされるとこんな風にサービス的な何かになるのか? 

 一方、一緒にいた、初めて見る人たちも、立派な鎧がすっかりボロボロになっていた。大人びてるから、もしかしてこの人たちが雄太がよく話す『白金の獅子』さんたちかな。擦り傷とか裂傷とか、見てて痛いから治そうよ。

 うわあ、と思いながら観察していると、セイジさんが机の上に置かれているハイパーポーションに気付いた。セイジさんも鑑定持ってるんだよな。目を剥いている。



「何だこりゃ。すげえ。クラッシュんところで売り始めたのか?」

「俺の所では扱ってないです。マックだけしか作れないので、ちょっと市場に流すのは時期尚早なんですよ」

「マックが?」



 瓶を持ち上げて俺を見たセイジさんと目が合う。

 久し振りに見たセイジさんは、たとえボロボロでも相変わらずの美人だった。

 でもクリアオーブあと二個か。二つが手に入る前に、俺、作れるようになるのかな。

 頑張ろう。



「アル、これを仕入れることにしたのか。そうだな。これなら、今まで回復しないままで思ったように力を振るえなかった騎士が今まで以上に魔物を狩ってそれを売れるから、極貧から抜けれるな! 王宮にはぼろぼろのランク低い奴を献上すりゃいいと思うぜ」



 笑顔でサムズアップするセイジさんの言葉に、思わず吹き出す。

 ヤバい、クラッシュと同じこと言ってる。さすが、同じ人たちに育てられた二人だ。なんて思わず笑う。もう親子でいいと思うんだ。

 勇者も同じように吹き出して、同じように笑った。同じこと言ってんじゃねえよ、なんて突っ込みが入っている。



「んじゃ、外野がうるせえが交渉に移るか。で、マック。いくらで納品してくれるんだ? 数は、そうだな……ハイパーポーション500、マジックハイパーポーション300」

「ええと、そうですね」



 言い値でって言ってたよな。クエストのクリア報酬も、相応のガルってなってたよな。低すぎず高すぎず設定しないといけないのかな。それとも俺が勝手に値段付けちゃっていいのかな。クラッシュが言ってたこともちょっとだけ考慮して。下げれて6倍って言ってたよな。俺のハイポーションが通常のハイポーションより数倍高値だっていうのはこの際無視して。



「この街の店で売ってる通常のハイポーションの、ええと6倍で」

「安すぎる!」



 セイジさんとクラッシュが、ハモるように突っ込んできたけれど、俺はこれで儲ける気はあんまりないんだよ。だってこのクエスト、成功すると魔物がちょっとだけ弱体化するんだよ。そうしたら、俺も自力でエルフの里に行けるようになるかもしれないじゃん。それに賭けたいんだよ。錬金したいから!

しおりを挟む
感想 535

あなたにおすすめの小説

【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている

キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。 今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。 魔法と剣が支配するリオセルト大陸。 平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。 過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。 すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。 ――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。 切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。 全8話 お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください! できるかぎり毎日? お話の予告と皆の裏話? のあがるインスタとYouTube インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

【完結】この契約に愛なんてないはずだった

なの
BL
劣勢オメガの翔太は、入院中の母を支えるため、昼夜問わず働き詰めの生活を送っていた。 そんなある日、母親の入院費用が払えず、困っていた翔太を救ったのは、冷静沈着で感情を見せない、大企業副社長・鷹城怜司……優勢アルファだった。 数日後、怜司は翔太に「1年間、仮の番になってほしい」と持ちかける。 身体の関係はなし、報酬あり。感情も、未来もいらない。ただの契約。 生活のために翔太はその条件を受け入れるが、理性的で無表情なはずの怜司が、ふとした瞬間に見せる優しさに、次第に心が揺らいでいく。 これはただの契約のはずだった。 愛なんて、最初からあるわけがなかった。 けれど……二人の距離が近づくたびに、仮であるはずの関係は、静かに熱を帯びていく。 ツンデレなオメガと、理性を装うアルファ。 これは、仮のはずだった番契約から始まる、運命以上の恋の物語。

嫌われ魔術師の俺は元夫への恋心を消去する

SKYTRICK
BL
旧題:恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する ☆11/28完結しました。 ☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます! 冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫 ——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」 元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。 ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。 その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。 ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、 ——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」 噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。 誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。 しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。 サラが未だにロイを愛しているという事実だ。 仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——…… ☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!

【完結済】「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。

キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ! あらすじ 「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」 貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。 冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。 彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。 「旦那様は俺に無関心」 そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。 バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!? 「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」 怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。 えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの? 実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった! 「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」 「過保護すぎて冒険になりません!!」 Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。 すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。

【完結】悪役令息の従者に転職しました

  *  ゆるゆ
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。 依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。 皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ! 透夜×ロロァのお話です。 本編完結、『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました! 時々おまけを更新するかもです。 『悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?』のカイの師匠も 『悪役令息の伴侶(予定)に転生しました』のトマの師匠も、このお話の主人公、透夜です!(笑) 大陸中に、かっこいー激つよ従僕たちを輸出して、悪役令息たちをたすける透夜(笑) 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

もう殺されるのはゴメンなので婚約破棄します!

めがねあざらし
BL
婚約者に見向きもされないまま誘拐され、殺されたΩ・イライアス。 目覚めた彼は、侯爵家と婚約する“あの”直前に戻っていた。 二度と同じ運命はたどりたくない。 家族のために婚約は受け入れるが、なんとか相手に嫌われて破談を狙うことに決める。 だが目の前に現れた侯爵・アルバートは、前世とはまるで別人のように優しく、異様に距離が近くて――。

番解除した僕等の末路【完結済・短編】

藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。 番になって数日後、「番解除」された事を悟った。 「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。 けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。