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連載
244、ゴロンゴロンの神髄
新しい工房にヴィデロさんをお迎えした。
ヴィデロさんに各部屋を案内して、説明していく。
ヴィルさん安置所を見せたときは、流石のヴィデロさんもちょっとだけ慄いていたのが面白かった。
キッチンのダイニングテーブルに座って、お仕事帰りのヴィデロさんに飲み物と食べ物を差し出す。
「ご飯を食べる間もなく連れ出しちゃったから、お腹空いてるでしょ」
「ありがとうマック」
嬉しそうに目を細めてご飯を食べ始めるヴィデロさんの目の前に座って、俺はただニコニコとヴィデロさんの食べる姿を堪能した。
美味しそうに食べてくれるのがすごく嬉しい。
そんな俺と目があったヴィデロさんは、口に運んでいたフォークを止めて、「マックは食べないのか?」と訊いてきた。
「俺はさっきドーナツを揚げた時の匂いですでに胸いっぱいになっちゃったから、今はいいんだ」
「そうか。俺一人のために飯の用意させてごめんな」
「俺がしたいんだから気にしないで」
とやり取りをしていて、ふと思う。
気分は新婚さんだ俺。すごく奥さんな気分になってるよ。何考えてるんだよ俺……。
一緒にここに住んで二人でラブラブ生活をするのは、もう少しだけ先のはずなのに。
お家が一新すると、いつもと違う気分になっちゃうよ。
ああああとひとり悶えていると、食べ終わったヴィデロさんが皿を流しに片付けてくれた。
そして、ふわっと背中に大好きな感触が降って来る。
「本当だ。マックの匂い、すごく甘い匂いがする」
「あ、で、デザートに食べる? ドーナツまだあるよ」
ドキドキしながら振り返ってヴィデロさんを見上げると、ヴィデロさんは俺に覆いかぶさったままちゅ、と軽いキスをくれた。
「いや、大丈夫。マックの唇を食べるから」
是非食べてください心ゆくまで!
甘い雰囲気を垂れ流すヴィデロさんが、俺の返事にさらに甘いとろけるような表情になった。ヴィデロさんが美味しそう過ぎて心臓が持たないよ……。
キッチンから通じる寝室のドアを開けて、お互いが絡まり合うように大きなベッドに向かう。
さっきベッドを見せた時、ヴィデロさんが「……すごいな」なんて感想を呟いてたけど、転がった感想を聞きたい。でも聞く余裕は既に俺にはない。
部屋のインベントリから愛し合うのに必要なブツ一式を手探りで取り出して、ちゃんと薄いピンクかどうかを確かめて舐める。
口を漱ぐようにお茶を取り出して少しだけ飲んで、サイドテーブルに置く。ついでに解しに必要なホットゼリーも置いてヴィデロさんを振り返ると、キス解禁とばかりにヴィデロさんが今度こそ濃厚なキスをしながら俺の服に手を掛けた。
お風呂エッチはまた今度。
今までと違って、腕を大の字にしても全然はみ出さないベッドの上で、二人で絡まり合う。今までのベッドなんかよりよほどふわふわなベッドが、ヴィデロさんの動きに合わせてゆったりと沈む。俺が目のくらむような気持ちよさに身体を跳ねさせても余裕で受け止めるベッドは、俺達がこういうことをするためにあるんじゃないかなって思わせるほどの包容力をこれでもかと発揮している。
「あ……っ、ん、ヴィデロさん、ん……」
「マック、可愛い。マック……」
奥まで熱を感じながら、ヴィデロさんの首にしがみついて擦れる胸もスルスルの肌も堪能する。
ぴったりとくっついた素肌に挟まれた俺のがその刺激でちょっとだけ二人の腹を汚す。
舌を絡ませて、吸われて、胸の突起の片方を指で抓まれて、奥を抉られて、身体中を熱が駆け巡っていく。
「も、まって、イく、イきそ……っ」
息も絶え絶えに舌攻撃の合間を縫って自己申告すると、ヴィデロさんがスッと目を細めて口を離した。そして、俺の中からゆっくりと抜いていく。
「え、あ、抜かないで……っ」
頂点に達しそうだった状態で刺激のなくなった喪失感に思わずそんな声をあげると、ヴィデロさんは俺の身体に腕を回して、コロンと転がした。
熱のくすぶった俺がされるがままになりながら息を上げていると、ヴィデロさんが俺の片足を持ち上げた。
俺の伸び切った足をまたいだヴィデロさんが、片足を持ち上げたまま、また伸し掛かってくる。
今までヴィデロさんのヴィデロさんが収まっていたところにまたも頭がくっついて、早くとでも言うようにそこがギュッとなる。
身体を横にしたままヴィデロさんを見上げると、ヴィデロさんも雄の顔で、俺を見下ろしていた。
ゆっくりと俺の中が熱に満たされてく。
あああ、じれったいのがまたいい。
「あ、あ、ふか……っ!」
なかなか奥に到達しないヴィデロさんのヴィデロさんに、思わずそんな声が洩れる。
今までの正面とか後ろからとかとはまた違う挿入角度に、ただ驚く。そして、俺の立ち上がって我慢が効かなくなってるモノがヴィデロさんの太腿に触れる。
あ、この体位、深い……!
「あ、や、んんっ、あ……っあ!」
数度動かされただけでヴィデロさんの太腿に白くて恥ずかしい液体を掛けてしまった俺は、それでもいまだに奥を刺激し続けるヴィデロさんのヴィデロさんに、やらしい声を上げることしかできなかった。
しばらくひたすら深さを味わわされた俺は、ヴィデロさんの熱がじわっと奥に染み込んだのを感じると、フッと力を抜いた。
ずるっと抜かれて、ホッと息が洩れる。
出し過ぎてヴィデロさんの足がドロドロになってるよ……なんてぼんやりと思ってると、今度はお腹に手が回ってくい、と腰が持ち上げられた。
あ、今の格好、ヴィデロさんから後ろの孔が丸見えなんだけど。
お尻だけ高くあげられた格好に、疲れも吹き飛んでカッと頬が熱くなる。
「ちょ、や、ヴィデロさ……っ、開かないで、さ、流石に恥ずかしい……」
双丘をくいっと開かれて、思わずそう口走ると、ヴィデロさんが「恥ずかしがるマックも可愛い……」とお尻にチュッと唇を落とした。待って、そこもキスするところなの?!
お尻を開かされたまま、またもヴィデロさんのヴィデロさんをそこに感じて、ああ、今度はこの体位でするのか、と身体の力を抜く。
ぐぐぐと挿ってくるヴィデロさんのヴィデロさんが、また違うところを擦っていき、頭に血が上る。
後ろから覆いかぶさられるようにして動かれると、今度は俺のイイところがダイレクトに擦られて、擦られて……!
「あ、ぁあ! そこ……っ!」
何回も動かないうちにまたも俺はたらたらと頂点を極めていた。も、出ない。出ないよ……。
息も絶え絶えにヴィデロさんと睦みながら、俺はゴロンゴロンエッチの神髄をそこに見た気がした。
ぐったりしながら身体を拭いてもらって、インナーを着せてもらう。
なんか、今日はいつもよりすごかったね。思わずそう呟くと、ヴィデロさんは苦笑を浮かべてベッドに腰を下ろし、俺を膝に乗せた。
「なんか、マックと俺がこの家に二人で住んでいるような気分になったら、どうしても歯止めが効かなかったんだ、ごめん……嬉しいっていうか、最高っていうか、なんていうか」
ちゅ、ちゅ、とキスを繰り返しながらそんなことを照れたように囁くヴィデロさんに、俺の気分も最高になったのは言うまでもない。
でも心残りが。
二人でベッドでイチャイチャしすぎて、一緒にお風呂に入るという野望が達成できなかったよ。次の機会にかな、残念。……明日もお仕事後、ヴィデロさんを拉致しようかな。
新しい工房を使い慣れて来るころには、桜前線がどうのというニュースが流れ始めた。
もう春なんだなあ、なんてゆったりと朝ご飯を食べながら思って、ハッとする。
もうすぐ春休みじゃん。
春休みは課題がないから最高。
三年はクラス替えがないから、またも雄太と同じクラスだ。
三年になるとこれから先のことも見据えないといけなくなってくんだろうなあ。どうしようかな。
大学に進むんなら、少し勉強しないとだしなあ。
モグモグ口を動かしながら少しだけ現実的なことを考える。
でも、一つだけ気になるのがあるんだ。
ヴィルさんがやっている作業とか、ああいうの、やってみたいなってたまに思う。
ヴィルさんの手伝いが少しでもできれば、ヴィデロさんの所にこの身で行けるのも近くなったりして、とか。
でもそうなると工業系かな。電子工学とかそっちなのか何なのか。今度少しヴィルさんに聞いてみようかな。
ちょっとでも、ヴィデロさんに近付きたい。なんて考えで大学を選ぶのは不純かな。お金は両親に出してもらうんだし。
今の俺の学年は二年。
その時はそんな風に軽く考えていて、学校に着いた頃にはすっかり春休みの方に気をとられていた俺は、まだまだ進路を決めるのなんて先のことだと思っていた。
終業式の後のホームルームで進路希望調査という紙を渡され、「春休み中に親御さんと相談して来いよ」という担任の言葉を聞くまでは。
俺、最終的にヴィデロさんの所に行こう、ってことくらいしか、決めてないよ。なんか、ダメダメじゃん俺。
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※本作にはボーイズラブ要素およびオメガバース設定(α、β、Ωの概念やフェロモンに関する描写)が含まれています。苦手な方は閲覧にご注意ください。