文字の大きさ
大
中
小
214 / 706
連載
335、ゲットしたのは神気結晶
全身傷だらけでボロボロのヴィデロさんは、手に何かを握り締めて、でもしっかりと自分の足で立っていた。
顔とか腕とか、全身にかなりの傷がついていて、そこから今も血が流れている。鎧もかなりボロボロになっていて、耐久値がなくなりそうな状態だった。
立ち上がってヴィデロさんのもとに駈け寄ると、ヴィデロさんの口から吐息のような声が洩れた。
「マック……」
ヴィデロさんは俺の顔を確認した瞬間、少しだけ厳しい表情を歪めた。
そして、近付いた俺にギュッと抱き着いた。
よかった、と微かに聞こえた気がした。
ヴィデロさんに抱き着かれたまま、慌ててハイパーポーションを頭から掛ける。その後もう一本取り出して、ヴィデロさんに「これを飲んで」と促した。
身体の傷がどんどん治っていくのがわかる。けれど、ヴィデロさんは俺に抱き着いたまま、手を離そうとはしない。
試練、キツイものだったのかな。
どんなだったんだろう。
「ヴィデロさん、大丈夫? 俺、どこもなんともないよ。最初にクリアしてきたんだ」
すっかり傷がなくなったのを、裂けた鎧の間から確認すると、俺はヴィデロさんの背中に腕を回した。
ギュッと腕に力を込めてそう囁くと、ようやく俺の肩に顔を埋めていたヴィデロさんが顔を上げた。
ちょっとだけ、目に涙が溜まってる気がするのは気のせいかな。
「マック……よかった」
「ヴィデロさん……」
「試練だということは頭ではわかっていたんだ……でも、もう二度とマックを目の前で失うのはごめんだって、思って……っ」
ぎり、とヴィデロさんの奥歯が鳴った気がした。
そうか。今の言葉でなんとなくわかった。ヴィデロさんは、オランさんと戦ってきたんだ。そして、勝って、ここに立ってるんだ。
「ヴィデロさん。やったね」
「ああ」
「ゲットした?」
「ああ。……試練に出てきたマックに、貰った」
ヴィデロさんは握りしめていた手を、そっと開いた。
そこに入っていたのは、オレンジ色をした結晶だった。
「鑑定していい?」
「頼む」
「鑑定。『神気結晶:使うことで心身の枷が外れ、今まで以上の身体能力が得られる結晶。アクセサリーとして使用することも可。身に着けておくと通常の1.2倍の力が出る』」
「ありがとうマック」
「お安い御用。ヴィデロさん、ハイパーポーション飲んで」
今度こそヴィデロさんはハイパーポーションを飲んでくれた。ようやくほっとする。
ホッとしたついでに俺はもう一度ヴィデロさんに抱き着いていた。
まだ帰ってきていないのは、雄太と海里とブレイブ、ガンツさんと月都さんとエミリさんとセイジさん。そしてヴィルさん。
俺はちらりとステータス欄の時計を見た。
もしかして一度ログアウトしてきた方がいいかな。
交代で一瞬だけログアウトすれば、ログイン時間が伸びるよな。
ヴィデロさんの隣に陣取っていた俺は、ヴィデロさんを見上げて「一瞬だけ寝てもいい?」と訊いてみた。
ヴィデロさんは目を細めて俺の肩に手を回して引き寄せて、肩を貸してくれた。一瞬なんだけども。ヴィデロさんが優しすぎて胸が苦しい。
好き。
ヴィデロさんに抱き着いて、もったいないけれどそのままログアウトした。
そしてトイレとご飯を最短時間で済ませ、もう一度ログイン。明日寝溜めするとして、今日は徹夜しないと。
目を開けると、頬と腕と身体にヴィデロさんの鎧の感触があって、思わず顔を緩める。
「マック? 起きたのか?」
「うん」
「三人、戻って来たぞ」
ヴィデロさんにそう教えて貰って、顔をあげる。
すると、ユイの所に雄太と海里、ガンツさんがいた。
消えてないってことは、皆成功?
「お、起きたかマック」
「戻って来たのか高橋」
雄太がこっちを向いてニヤリと笑ったので返しておくと、雄太はサムズアップした。そしてオレンジ色の結晶をぶら下げて見せつけて来た。あ、ヴィデロさんと同じやつだ。
でも雄太、サムズアップもいいけど、また鎧がぼろぼろになってるよ。さっきも鎧を溶かされてなかったっけ? ご愁傷様。
俺は憐みの視線を雄太に送ると、ヴィデロさんの鎧を改めて観察した。結構な亀裂が入ったりしてる黒い鎧は、すっかり雷が抜けて真っ黒になっている。
ヴィデロさんの了承を得て鑑定をしてみると、耐久値が残り11となっていた。まだ0になってないからセーフなのかな。どうなんだろう。戻ったら防具屋さんに相談してみないと。
それにしても、鎧の人たちは全員ボロボロだなあ。ガンツさんもしっかりと鎧がボロボロで、一体何と戦ってきたのか詳細を聞きたいくらいだった。
そうこうしているうちに、月都さんが帰ってきた。やっぱり鎧がボロボロだった。腐食防止は打撃とか斬撃には効かなかったらしい。
「まさかもう一回壁向こうの魔物の大量発生を防ぐことになるとは思わなかった」
「あれやったのかよ」
「うわあ……」
ハイパーポーションを飲み干して、月都さんがオヤジの様に「っかぁ! うめえ!」と声をあげる。
ああ、はい。入り口で無双したいって祈ったのはもしかして月都さんだったのかな。ってことはすごいことをしたいとかなんとか言ってたのは、ドレインさんか。どんだけ無茶な試練が出たんだろう。気になるけど怖くて聞けない。
「ところでドレインはまだなのか?」
月都さんが周りをきょろきょろしながらユーリナさんにそんな質問をした。
ユーリナさんは「ドレインは何か失敗して死に戻ったみたいよ」なんてあっけらかんと答えている。その言葉に月都さんが「ふうん」なんて軽く返していた。
「辺境街って、死に戻るのが普通なのかな……」
あまりの呆気なさに思わずそう漏らすと、肩に回ったヴィデロさんの腕に力がこもった。
「死に戻るっていうのを普通だとは、思いたくないな……」
「ヴィデロさん……」
ぐっと腕に込められた力に、ヴィデロさんの気持ちもこもっている気がして、俺は小さくうんと頷いた。
ワイワイと騒がしくなった洞窟内で、俺とヴィデロさん、そして勇者とクラッシュだけは静かに座って、まだ戻っていない人のことを待っていた。
さっきようやくブレイブが帰ってきて、手にした結晶を皆に見せてくれていた。
まだ帰ってきていないのが、エミリさんとセイジさんとヴィルさん。一体どんな試練を受けているんだろう。人によって難易度もバラバラな気がする。だってヴィデロさんの対オランさん戦とか勇者の対魔王戦なんて、難易度最大って気がするし。俺の錬金はまだまだ難易度が低い方で、もしかしてジョブレベルとかも試練内容に関係してくるのかな、なんてちょっとだけ思う。
ってことは、セイジさん、エミリさんはやっぱり超難しい難易度だろうし、ヴィルさんは……うん。ヴィルさんの試練だけは全く想像つかない。知識、でしょ。どんなことをしてるんだろう。
「……遅いね」
「まあ、あいつらなら心配ねえよ、クラッシュ」
ポツリと呟いたクラッシュの言葉に、勇者が笑いながら答えている。それでもそれ以上に会話が続かないのを見ると、2人とも心配してるんだ。
俺が試練を終わらせてからすでに数時間経っている。時間は真夜中を指していて、プレイヤー陣は交代でログアウトをして戻って来るらしい。今頃ドレインさんは夢の中なのかな。リベンジするって言ってたから、またこの神殿に来るってことかな。その時は今度は薬師のジョブで俺も一緒に来ようかな。また違った試練になると思う。
待っている間、俺はクエストを確認するために、ヴィデロさんに寄りかかりながらそっとステータス欄を開いた。
『隠されし古代の神殿を制し限界突破せよ
聖山麓に隠された古代の神殿の入り口が発見された。
限界を超える力を欲する者たちで手を取り、最奥の神殿にてその力を守護者に認めさせろ
人数制限:3人~15人(発見者の参加必須)
タイムリミット:祈り発動から48時間
クリア報酬:ステータス限界閾値いきち突破アイテム取得 攻撃力魔法攻撃力限界閾値突破アイテム取得 大陸の歯車
クエスト失敗: 守護者を突破できなかった 限界閾値突破アイテム取得不可 古代の神殿再封印 (再度封印が解かれるまで約1440時間の経過必要)
【クエストクリア!】
無事守護者に力を認めさせることが出来た。
クリアランク:C 最終試練を突破できない者がいたため、排出後は古代の神殿再封印(神殿に入った者は封印が解かれるまで再入場ならず)
クリア報酬:ステータス限界閾値突破アイテム 大陸の歯車』
さっきはザッとしか見なかったから気付かなかったけど、じっくり最後まで見てみると、一番最後に『大陸の歯車』っていうアイテムを取得したことが書かれていた。
でも、その大陸の歯車って何だろう。もしかして蘇生薬がそうなのかな。それとも今までにあったみたいにあとで入手の流れになるのかな。
それに、一人でもクリアできない人が出てくると、俺たち全員がここにまた入れるようになるのが約二か月後ってことになるらしい。全員がクリアすると、再封印はされないで、一度入った人はいつでも入れるようになる仕様なのかな。そんな感じなんだけどよくわからない。
クエスト欄を閉じようとして、俺はふと蘇生薬精製のクエストが気になった。さっき作ったんだよな。ってことは、何か変化があるってことかな。
指でたどってセイジさんクエストを開いてみて、俺はハッと目を見開いた。
だって、成功率が100%になってるんだもん。サラさんのあの無茶振りが、この成功率を上げたのかな。そうとしか思えない。ってことは、いつでも俺は蘇生薬を作ることが出来るようになったってことか。
クエスト欄を閉じながら、俺はゆっくりと目を閉じて、コテッ、とヴィデロさんの硬い肩当てに頭を預けた。
感想 555
あなたにおすすめの小説
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結済。
おまけのお話を時々更新したりしています。
皆さまの応援のおかげで『もふもふ獣人に転生したら、最愛の推しに溺愛されています』書籍化、心から、ありがとうございます!
ふたりの動画をつくりました!
もしよかったら、プロフのwebサイトからどうぞです!
表紙や動画にはAIを使っていますが、小説にはAIを使っておりません
【8月書籍化♡】キュートなモブ令息に転生したボク。可愛さと前世の知識で悪役令息なお義兄さまを守りますっ!
これは、あざと可愛い悪役令息の義弟VS.あざと主人公のおはなし。
ボクの名前は、クリストファー。
突然だけど、ボクには前世の記憶がある。
ジルベスターお義兄さまと初めて会ったとき、そのご尊顔を見て
「あああ!《《この人》》、知ってるう!悪役令息っ!」
と思い出したのだ。
あ、この人ゲームの悪役じゃん、って。
そう、俺が今いるこの世界は、ゲームの中の世界だったの!
そして、ボクは悪役令息ジルベスターの義弟に転生していたのだ!
しかも、モブ。
繰り返します。ボクはモブ!!「完全なるモブ」なのだ!
ゲームの中のボクには、モブすぎて名前もキャラデザもなかった。
どおりで今まで毎日自分の顔をみてもなんにも思い出さなかったわけだ!
ちなみに、ジルベスターお義兄さまは悪役ながら非常に人気があった。
その理由の第一は、ビジュアル!
夜空に輝く月みたいにキラキラした銀髪。夜の闇を思わせる深い紺碧の瞳。
涼やかに切れ上がった眦はサイコーにクール!!
イケメンではなく美形!ビューティフル!ワンダフォー!
ありとあらゆる美辞麗句を並び立てたくなるくらいに美しい姿かたちなのだ!
当然ながらボクもそのビジュアルにノックアウトされた。
ネップリももちろんコンプリートしたし、アクスタももちろん手に入れた!
そんなボクの推しジルベスターは、その無表情のせいで「人を馬鹿にしている」「心がない」「冷酷」といわれ、悪役令息と呼ばれていた。
でもボクにはわかっていた。全部誤解なんだって。
ジルベスターは優しい人なんだって。
あの無表情の下には確かに温かなものが隠れてるはずなの!
なのに誰もそれを理解しようとしなかった。
そして最後に断罪されてしまうのだ!あのピンク頭に惑わされたあんぽんたんたちのせいで!!
ジルベスターが断罪されたときには悔し涙にぬれた。
なんとかジルベスターを救おうとすべてのルートを試し、ゲームをやり込みまくった。
でも何をしてもジルベスターは断罪された。
ボクはこの世界で大声で叫ぶ。
ボクのお義兄様はカッコよくて優しい最高のお義兄様なんだからっ!
ゲームの世界ならいざしらず、このボクがついてるからには断罪なんてさせないっ!
最高に可愛いハイスぺモブ令息に転生したボクは、可愛さと前世の知識を武器にお義兄さまを守りますっ!
※表紙その他のイラストはAIにて作成致しております。(文字指定のみで作成しております)
⭐︎⭐︎⭐︎
ご拝読頂きありがとうございます!
コメント、エール、いいねお待ちしております♡
「もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!」書籍発売中!
連載続いておりますので、そちらもぜひ♡
【完結】悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
本編完結済です。
もっちもっち感謝祭で、リクエストいただいたお話を更新しています。
皆さまの応援のおかげで『もふもふ獣人に転生したら、最愛の推しに溺愛されています』書籍化、心から、ありがとうございます!
皆の動画をつくりました!
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです!
表紙や動画にAIを使っていますが、小説にはAIを使っておりません
薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~
薬師のロベルト・シルベスタは偉大な師匠(神様)の教えを終えて自領に戻ろうとした所、異世界勇者召喚に巻き込まれて、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。
─── からの~数年後 ────
俺が此処に来て幾日が過ぎただろう。
ここは俺が生まれ育った場所とは全く違う、環境が全然違った世界だった。
「ロブ、申し訳無いがお前、明日から来なくていいから。急な事で済まねえが、俺もちっせえパーティーの長だ。より良きパーティーの運営の為、泣く泣くお前を切らなきゃならなくなった。ただ、俺も薄情な奴じゃねぇつもりだ。今日までの給料に、迷惑料としてちと上乗せして払っておくから、穏便に頼む。断れば上乗せは無しでクビにする」
そう言われて俺に何が言えよう、これで何回目か?
まぁ、薬師の扱いなどこんなものかもな。
この世界の薬師は、ただポーションを造るだけの職業。
多岐に亘った薬を作るが、僧侶とは違い瞬時に体を癒す事は出来ない。
普通は……。
異世界勇者巻き込まれ召喚から数年、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。
勇者?そんな物ロベルトには関係無い。
魔王が居ようが居まいが、世界は変わらず巡っている。
とんでもなく普通じゃないお師匠様に薬師の業を仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。
はてさて一体どうなるの?
と、言う話。ここに開幕!
● ロベルトの独り言の多い作品です。ご了承お願いします。
● 世界観はひよこの想像力全開の世界です。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
【完結】憧れの先輩アルファに告白されたんだがどうやら罰ゲームだったらしい
ある日の放課後、校舎裏で花壇の手入れをしていた上田凛斗に告白してきたのは、憧れの先輩であり校内の人気者でもある上條蘭世だった。
目付きの悪さと暗い性格のせいで恋人どころか友達もいない凛斗は、戸惑いながらもお試しで蘭世との交際をはじめたのだが……
美形溺愛アルファ×三白眼平凡オメガ
ベータだった俺が後天性オメガになったら、幼馴染アルファがもっと過保護になりました
ごく普通のベータとして生きてきた村井圭太(むらいけいた)は、ある日突然、希少な「後天性オメガ」に転化してしまう。
不安な日々が始まる……かと思いきや、幼馴染アルファの白河泰雅(しらかわたいが)とはまさかの両思い。
早々に『番(つがい)』となり、幸せな日々を送っていた。
「オメガになっても俺は俺」と持ち前のポジティブさで新しい生活に向き合っていく圭太。
だが、晴れて番となった泰雅は、今まで以上に過保護になっていく。
どんなトラブルも二人なら大丈夫!
過保護で執着強めなスパダリ幼馴染攻め(α) × ポジティブで男前な元ベータ受け(β→Ω)
明るくて幸せいっぱいオメガバース!
私の大好きなオメガバース。
愛をたくさん詰め込んだので、みなさまにも楽しんでいただけますように。
辺境食堂の隠れΩなのに、拾った皇帝陛下が嫁になれと迫ってくる
元宮廷料理人で隠れΩの青年レオは、帝国の辺境で小さな食堂兼農園を営みながら、誰にも縛られない平穏なスローライフを送っていた。
ある日、レオは裏庭の不思議な洞窟で、血まみれになって倒れていた大柄な青年アレクを拾う。
彼の正体は、お忍びで辺境を訪れていた帝国最強のα皇帝だった。
身分を隠してレオの家に居候することになったアレクは、レオの作る絶品の手料理と、彼から漂う穏やかな香りに冷え切った心を溶かされていく。
一緒に土を耕し、美味しいご飯を分け合ううちに、相反するはずの二人のフェロモンは心地よく調和していくが、やがて帝都からの追手が迫り……。
手料理が繋ぐ心と体。身分差を越えた、最強α皇帝と隠れΩ料理人の美味しくて甘い辺境スローライフが幕を開ける!
※本作にはボーイズラブ要素およびオメガバース設定(α、β、Ωの概念やフェロモンに関する描写)が含まれています。苦手な方は閲覧にご注意ください。