文字の大きさ
大
中
小
284 / 706
連載
405、総攻撃
『ガァアァァァァァァァァァァァ!!』
オランさんの口から発せられた咆哮は、さっき魔物が放った咆哮が目じゃないくらいに地面を揺るがせた。
俺も思わずビクッとしたくらいだし。
その咆哮が魔物に効いたのか、魔物は手を中途半端に伸ばした状態でピタッと止まっていた。
それをチャンスと見たのか、ユキヒラが聖剣を叩きつける。
「気高き至高の神よ、その光で闇を照らし影を打ち払うことを願う、『聖光』!」
剣を魔物に埋め込んだ状態で、ユキヒラが聖魔法を使った。
途端に聖剣から眩しいくらいの光が溢れ、魔物が低い低い悲鳴を上げる。
目標を俺からユキヒラに変えたのか、魔物の手がユキヒラを絡め取ろうとした瞬間、オランさんが爪でその手をぶった切った。
その隙にユキヒラは距離を置き、剣を地面に突き立てた。
「気高き至高の神よ、聖なる鎖で悪なる者を捕縛せよ、『聖鎖』!」
ユキヒラの剣から光の線が魔物に向かって走り、魔物の周りで鎖のような物が現れる。
魔物はその鎖を避けるようにぶわっと煙になって宙に逃げるが、それを追うように鎖が何本も伸びていき、そのまま魔物をがんじがらめにしてしまった。
「今だ!」
ユキヒラの声と共に皆が一斉に鎖にからめとられた魔物を攻撃する。
光の鎖は皆の武器で切れることもなく、しっかりと魔物を絡め取っている。
俺もしっかりと聖魔法と起爆剤で参戦し、しっかりとHPを減らすことに貢献した。
約10秒ほど魔物を縛った鎖が消えると、魔物はすぐさまユキヒラに槍攻撃を始めた。
でもユキヒラに攻撃が集中するってことは、俺は魔法が打ちやすくなるってことかな。
と聖短剣を構えると。
頭上でキン! という何かを弾く音が聞こえた。
黒い槍が頭上に現れたのをヴィデロさんが打ち払ってくれた音だった。
「手が増えやがった!」
二本だった手が、4本に増えていた。
見ると、魔物のHPゲージは緑色になっていた。
またワンランクアップしたってことか。
「マック! 剣の属性消えた!」
雄太の声でハッと我に返り、俺は本を開いた。
「至高の神よ、その気高い神気を我が仲間の剣に纏わせ、闇を払う力を貸し与え給え。『聖属性付与』」
皆の武器が聖属性になったところで、魔物がまたも部屋全体を黒い霧で包んだ。
前振りがなかったのでケインさんのサークルが間に合わなかった俺たちは、隣も見えない状態で真っ黒の何かに包まれた。
何だこれ、気持ち悪い。
黒い闇に触れたところからじわじわと何かがせり上がってくるような、すべての気力を削ぎ落していくような、そんな倦怠感が身体を襲う。
聖魔法を使おうとして、手元の本を見下ろしたら、自分の手がどこにあるのかわからないことに軽くパニックを起こす。
「マック!」
すぐ隣からヴィデロさんの声が聞こえてきて、がっと肩を掴まれる。
「無事か?!」
「ヴィデロさんは……?」
声を出すのも億劫と感じるのは、この闇に取り込まれてるからかな。
「俺は大丈夫だ。マックと一緒に買いに行った鎧を纏っているからな」
「そか……よかった」
座り込みそうになる身体を、ヴィデロさんの腕が支えてくれる。暗いし黒いしヴィデロさんの手すら見えないけれど、この手は絶対にヴィデロさんだ。
座り込む前にまだ俺にはやることがあるんだ。ここで気を削がれたら、取り込まれたままだったら、ヴィデロさんとクラッシュとオランさんはどうなるのか、考えるだけでぞっとする。
皆全員超ド級の強さの魔物になっちゃうよ。絶対にそんなことさせない。
本を見ないと聖魔法を唱えられない俺だけど。
一つだけは本がなくても唱えられるんだよね。
「この世界を見守る最上の神よ、その気高き聖なる神気でこの禍なる気を包みこみ給え」
舌がもつれそうになる。これでステータス画面も見えなかったらもうアウトだったけど、ちゃんとそれは確認できたし、手にはしっかりと聖短剣を握ってるから。
ログに出てくる呪文を口に乗せる。
「『円状鎮魂歌』」
ルミエールダガーがいつも以上に光り輝き、俺たち全員を照らしだす。
まとわりついていた闇は一瞬で消え去り、しっかりと部屋の景色が見える状態にまで戻った。
闇に取り込まれていた間はガンガンHPが減っていたみたいで、今ステータス欄を見たらHPが4分の3くらいになっていた。
「ユキヒラ!」
ハルポンさんと雄太と長光さんが同時に叫ぶ。
ハッとして目を中央に向けると、ユキヒラがぐったりとしていた。
「やべえ……滅茶苦茶効く……ちょ、回復してくれねえ……?」
ユキヒラの小さな声に反応して、ミネさんの回復魔法が飛ぶ。
「バッドステータスもついてるんだわ俺……職業上闇属性はほんとダメで……」
何とか立ち上がれるようになったユキヒラは、じわじわと黒く染まった鎧を見て顔を顰めた。
ケインさんもユキヒラの状態を見て顔を顰めて、急いで魔法陣を飛ばす。
そして、「祈り」を唱えた。
部屋全体に高濃度魔素の雨が降り、ケインさんの祈りに呼応するようにキラキラと輝いていく。聖水の雨は、俺たちだけじゃなくて、魔物の上にも容赦なく降りそそぎ、魔物は『オォォォォォォォォォ!』と声を上げながら元の姿に戻っていった。
聖水の雨はユキヒラの鎧に着いた黒い穢れも払っていく。範囲浄化でも消えなかった穢れは、ケインさんによって綺麗さっぱり洗濯された。
雨が止むと、魔物はまたもぴたりと動きを止めた。
ケインさんが動きを読んでか防御の魔法陣を展開する。ヴィデロさんが行ってくると一言呟いて、飛び出していく。
と同時に魔物の身体から360度攻撃の衝撃波が飛んだ。
魔法陣の中にいなかったヴィデロさんは、それでも魔物の攻撃をものともせずに全体攻撃をしたばかりで硬直している魔物に剣を次々繰り出していく。
俺も負けてられないと、早口でホーリーボムを唱えると、近くにいたブレイブがそれに合わせるように「ロックオン」と呟いて『起爆剤』を飛ばしてくれた。
長光さんは俺のさらに後ろに座り込んで、何かをしていた。
グリスのような物に液体を馴染ませている。
「門番さん! 高橋君! 二人ちょっとだけ前線抜けてこっち来てくれ! ユキヒラ、マック君、2人のフォローをよろしく」
何かが出来上がったと思ったら、長光さんは前線組二人を呼んだ。
二人が抜けたのをフォローするかのように、他の人たちの手数が増える。
またも逃げに入った魔物を気にしながら後ろに下がったヴィデロさんと雄太は、長光さんに「剣を貸してくれ」と言われて、素直に剣を出した。
長光さんは今まさに作っていたものを、よくわからない器具でポンポンと塗りつけていく。
「これはマック君が作ったホーリーハイポーションを含んだグリスだ。属性を変化させた状態で手入れしたから聖属性の武器になってる。もし属性を戻したくなったらメンテをするから手が空いたときにでも店まで来てくれると助かる」
すぐに二人に剣を返すと、長光さんは同じことを皆に繰り返した。
その後、懐からたくさんの矢を取り出して、その矢にグリスを塗っていく。
それをブレイブと乙さんに渡した。
「さっきちょっと知り合いの爺さんの所に詰め寄ってこれを貰って来た。今聖属性付けたから、使ってくれ。多分効く。本数が少ないのはまあ、すまん」
「ありがたいっす! 何も出来なくてもどかしかったから!」
「このお礼はいつか」
二人とも遠慮なく矢を掴んで元の位置に戻った。
もしかして必要だと思ったものを持ってきてくれたのかな。長光さん。
これで俺は武器に聖属性付与の魔法を掛けなくてもよくなったってことだ。心置きなく攻撃しよう。
長光さんのサムズアップに頷きながら気合いを入れると、ルミエールダガーもそれに応えるようにキラリと光った、気がした。
そこからは大分スムーズに魔物のHPを削ることが出来るようになった俺たち。
魔物の全体攻撃はオランさんの掛け声とともにケインさんがすぐさまガードし、硬直状態になると全員が一斉に攻撃、逃げに入るとユキヒラが光の鎖を放ってがんじがらめにして、また攻撃。
それにしてもユキヒラの対魔物の戦い方って初めて見たけど、流石ソロで辺境行ける変人、っていう感じだった。
剣で切りつけながら詠唱をするから、同時くらいに物理と魔法の両方のダメージが魔物に入るんだ。そして剣も魔法に反応するのか、属性攻撃化してるみたいだった。その攻撃で魔物の身体は3度くらい真っ二つになった。でもすぐ元に戻っちゃうけど。でもしっかりとダメージは入っていて、HPバーもぐいぐい減って残り二本となった。
一本なくなるごとに強化されていく魔物は、今回も咆哮を上げつつ身体が一段階大きくなった。
そして手が6本。切っても腕の本数が減るってことはないから、腕を抑える人が増えてしまって攻撃が手薄になった。俺の所にも容赦なく黒い槍が降ってきて、諦めたケインさんが局所防御の魔法陣を俺の頭の上にセットしてくれた。それで槍は防げるらしい。
クラッシュはいったん俺の魔法陣魔法の本を奪っていって、後ろの方でそれをじっと見ていた。
本を返してきたクラッシュは、今度は魔法陣魔法で聖魔法を発動し始めた。
何でそんな簡単にできるの、と思わず突っ込むと、「だって基本は見たし、構築はさっき覚えたから」なんて平然と返してきた。どういう頭脳をしているんだろうクラッシュ。とはいえ数回魔法陣を描いた後にマジックハイパーポーションをごっそり持っていったから、きっとまだ省エネ化には成功してないってことだ。もっと精進しよう。うん、俺もだけど。
ムコウダさんは長光さんにあのグリスを盾に塗ってもらって、魔物の手を弾いただけでダメージを与えることが出来るようになった。
ユイは攻撃に混ざれないので、ケインさんを飛翔で移動させることに終始していた。でも顔がすごく嬉しそう。ケインさんは空中から皆をガードしたり強化したりとすごく忙しそうだった。
黄色いゲージは、あっという間に削れていった。
とうとう黄色いゲージも削り切り、赤いゲージに突入した瞬間、魔物は大きくなった身体をまたも霧状にして部屋全体に広がった。
ケインさんが俺たちをガードしてくれたからさっきみたいにはならなかったものの、さっきよりも闇が深い様な、そんな印象を受けた。同じ黒なのに、さらに黒いというか黒すぎて目が何かを見ることを拒否するようなそんな感じの闇が、魔法陣の外を包んでいる。
「この世界を見守る最上にして最高の神よ、その気高き聖なる気を持ちて、この地、この場所、この建造物に残る邪なる気を包み込み給え。『浄化鎮魂歌』」
ユキヒラが、前にニコロさんが見せてくれた聖魔法を唱えた。
スッと闇の間から光が射していく。まるで雨が降った後の空みたいな状態に、俺は一瞬見惚れた。
とぎれとぎれになった闇が、床や壁を這って一か所に集まっていく。
さっきよりさらに大きくなった魔物が赤く光る眼をユキヒラのみに合わせていた。
次の瞬間、魔物の顔が大きくなり、ユキヒラに向けて顔をぐわっと伸ばした。ギザギザの歯をむき出しにして、ユキヒラのいた場所でガチン! と歯を鳴らす。
食べられた! と息を呑んだ俺たちは、オランさんの腕に抱えられているユキヒラを発見して、盛大に安堵の息を吐いた。
すぐさまヴィデロさんに切り刻まれて、魔物は元の位置に元の大きさで戻っていった。
すると、ケインさんがケーン! と鳴き声を上げた。
「オラン様! 手が!」
「構わん」
「石像のライオン! 何してるんだよ! せっかくくっついた身体だろ?!」
三人のやり取りに、今度こそ息を呑む。
さっきの魔物は、ユキヒラを食べ損ねたけれど、それを庇ったオランさんの手を食い千切っていた。
「早くくっつけて! 手の先は?!」
「闇に呑まれたな。ケイン、落ち着け」
「落ち着けねえよ! だって、オラン様の手が! 先がないともう二度と前の手には戻らないんだよ?!」
慌ててオランさんの所に飛び降りようと暴れるケインさんを、ユイが危ないからと必死で宥める。
「それは戦士の大事な手だ、返せ!」
ヴィデロさんが魔物に接近し、剣を揮う。
魔物は霧となり煙となりヴィデロさんの攻撃をかわし続ける。
オランさんの腕から下ろされたユキヒラは、くそ、と吐き捨てて光の鎖を繰り出した。
さっきよりもさらに多い鎖でがんじがらめにされた魔物に、ユキヒラが聖剣を突き立てる。そのまま魔物の身体にずぶずぶと聖剣を突き刺し、何かを呟いた。
「『浄化鎮魂歌』! 消えやがれ畜生!」
剣から光が溢れ、魔物の身体の至る所から光が溢れて来る。
鎖で逃げられない魔物は、身体中から光を撒き散らしながら、少しずつ、少しずつキラキラと宙に消えていった。
感想 555
あなたにおすすめの小説
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結済。
おまけのお話を時々更新したりしています。
皆さまの応援のおかげで『もふもふ獣人に転生したら、最愛の推しに溺愛されています』書籍化、心から、ありがとうございます!
ふたりの動画をつくりました!
もしよかったら、プロフのwebサイトからどうぞです!
表紙や動画にはAIを使っていますが、小説にはAIを使っておりません
【8月書籍化♡】キュートなモブ令息に転生したボク。可愛さと前世の知識で悪役令息なお義兄さまを守りますっ!
これは、あざと可愛い悪役令息の義弟VS.あざと主人公のおはなし。
ボクの名前は、クリストファー。
突然だけど、ボクには前世の記憶がある。
ジルベスターお義兄さまと初めて会ったとき、そのご尊顔を見て
「あああ!《《この人》》、知ってるう!悪役令息っ!」
と思い出したのだ。
あ、この人ゲームの悪役じゃん、って。
そう、俺が今いるこの世界は、ゲームの中の世界だったの!
そして、ボクは悪役令息ジルベスターの義弟に転生していたのだ!
しかも、モブ。
繰り返します。ボクはモブ!!「完全なるモブ」なのだ!
ゲームの中のボクには、モブすぎて名前もキャラデザもなかった。
どおりで今まで毎日自分の顔をみてもなんにも思い出さなかったわけだ!
ちなみに、ジルベスターお義兄さまは悪役ながら非常に人気があった。
その理由の第一は、ビジュアル!
夜空に輝く月みたいにキラキラした銀髪。夜の闇を思わせる深い紺碧の瞳。
涼やかに切れ上がった眦はサイコーにクール!!
イケメンではなく美形!ビューティフル!ワンダフォー!
ありとあらゆる美辞麗句を並び立てたくなるくらいに美しい姿かたちなのだ!
当然ながらボクもそのビジュアルにノックアウトされた。
ネップリももちろんコンプリートしたし、アクスタももちろん手に入れた!
そんなボクの推しジルベスターは、その無表情のせいで「人を馬鹿にしている」「心がない」「冷酷」といわれ、悪役令息と呼ばれていた。
でもボクにはわかっていた。全部誤解なんだって。
ジルベスターは優しい人なんだって。
あの無表情の下には確かに温かなものが隠れてるはずなの!
なのに誰もそれを理解しようとしなかった。
そして最後に断罪されてしまうのだ!あのピンク頭に惑わされたあんぽんたんたちのせいで!!
ジルベスターが断罪されたときには悔し涙にぬれた。
なんとかジルベスターを救おうとすべてのルートを試し、ゲームをやり込みまくった。
でも何をしてもジルベスターは断罪された。
ボクはこの世界で大声で叫ぶ。
ボクのお義兄様はカッコよくて優しい最高のお義兄様なんだからっ!
ゲームの世界ならいざしらず、このボクがついてるからには断罪なんてさせないっ!
最高に可愛いハイスぺモブ令息に転生したボクは、可愛さと前世の知識を武器にお義兄さまを守りますっ!
※表紙その他のイラストはAIにて作成致しております。(文字指定のみで作成しております)
⭐︎⭐︎⭐︎
ご拝読頂きありがとうございます!
コメント、エール、いいねお待ちしております♡
「もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!」書籍発売中!
連載続いておりますので、そちらもぜひ♡
【完結】悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
本編完結済です。
もっちもっち感謝祭で、リクエストいただいたお話を更新しています。
皆さまの応援のおかげで『もふもふ獣人に転生したら、最愛の推しに溺愛されています』書籍化、心から、ありがとうございます!
皆の動画をつくりました!
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです!
表紙や動画にAIを使っていますが、小説にはAIを使っておりません
薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~
薬師のロベルト・シルベスタは偉大な師匠(神様)の教えを終えて自領に戻ろうとした所、異世界勇者召喚に巻き込まれて、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。
─── からの~数年後 ────
俺が此処に来て幾日が過ぎただろう。
ここは俺が生まれ育った場所とは全く違う、環境が全然違った世界だった。
「ロブ、申し訳無いがお前、明日から来なくていいから。急な事で済まねえが、俺もちっせえパーティーの長だ。より良きパーティーの運営の為、泣く泣くお前を切らなきゃならなくなった。ただ、俺も薄情な奴じゃねぇつもりだ。今日までの給料に、迷惑料としてちと上乗せして払っておくから、穏便に頼む。断れば上乗せは無しでクビにする」
そう言われて俺に何が言えよう、これで何回目か?
まぁ、薬師の扱いなどこんなものかもな。
この世界の薬師は、ただポーションを造るだけの職業。
多岐に亘った薬を作るが、僧侶とは違い瞬時に体を癒す事は出来ない。
普通は……。
異世界勇者巻き込まれ召喚から数年、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。
勇者?そんな物ロベルトには関係無い。
魔王が居ようが居まいが、世界は変わらず巡っている。
とんでもなく普通じゃないお師匠様に薬師の業を仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。
はてさて一体どうなるの?
と、言う話。ここに開幕!
● ロベルトの独り言の多い作品です。ご了承お願いします。
● 世界観はひよこの想像力全開の世界です。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
【完結】憧れの先輩アルファに告白されたんだがどうやら罰ゲームだったらしい
ある日の放課後、校舎裏で花壇の手入れをしていた上田凛斗に告白してきたのは、憧れの先輩であり校内の人気者でもある上條蘭世だった。
目付きの悪さと暗い性格のせいで恋人どころか友達もいない凛斗は、戸惑いながらもお試しで蘭世との交際をはじめたのだが……
美形溺愛アルファ×三白眼平凡オメガ
ベータだった俺が後天性オメガになったら、幼馴染アルファがもっと過保護になりました
ごく普通のベータとして生きてきた村井圭太(むらいけいた)は、ある日突然、希少な「後天性オメガ」に転化してしまう。
不安な日々が始まる……かと思いきや、幼馴染アルファの白河泰雅(しらかわたいが)とはまさかの両思い。
早々に『番(つがい)』となり、幸せな日々を送っていた。
「オメガになっても俺は俺」と持ち前のポジティブさで新しい生活に向き合っていく圭太。
だが、晴れて番となった泰雅は、今まで以上に過保護になっていく。
どんなトラブルも二人なら大丈夫!
過保護で執着強めなスパダリ幼馴染攻め(α) × ポジティブで男前な元ベータ受け(β→Ω)
明るくて幸せいっぱいオメガバース!
私の大好きなオメガバース。
愛をたくさん詰め込んだので、みなさまにも楽しんでいただけますように。
辺境食堂の隠れΩなのに、拾った皇帝陛下が嫁になれと迫ってくる
元宮廷料理人で隠れΩの青年レオは、帝国の辺境で小さな食堂兼農園を営みながら、誰にも縛られない平穏なスローライフを送っていた。
ある日、レオは裏庭の不思議な洞窟で、血まみれになって倒れていた大柄な青年アレクを拾う。
彼の正体は、お忍びで辺境を訪れていた帝国最強のα皇帝だった。
身分を隠してレオの家に居候することになったアレクは、レオの作る絶品の手料理と、彼から漂う穏やかな香りに冷え切った心を溶かされていく。
一緒に土を耕し、美味しいご飯を分け合ううちに、相反するはずの二人のフェロモンは心地よく調和していくが、やがて帝都からの追手が迫り……。
手料理が繋ぐ心と体。身分差を越えた、最強α皇帝と隠れΩ料理人の美味しくて甘い辺境スローライフが幕を開ける!
※本作にはボーイズラブ要素およびオメガバース設定(α、β、Ωの概念やフェロモンに関する描写)が含まれています。苦手な方は閲覧にご注意ください。