これは報われない恋だ。

朝陽天満

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463、巻き込まれそうなんだけど!

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『今日は王宮が騒がしい』



 ユキヒラから一言だけメッセージが届いた。

 ソルブさんが出掛けてから二日後のことだった。

 ここ数日アダルトアイテムが相次いで売り切れてるからすべてを50個ずつ納品してくれっていうクエストを受けてたんだ。

 作り終えてクラッシュの店に行く途中届いたチャットメッセージに、俺は少しだけ顔を顰めた。

 もしかして、ソルブさんたちの話し合いが難航しているとか。そういう騒がしいじゃないことを祈ろう。

 と店に着くと、クラッシュが丁度店の外に出てきてドアに『クローズ』の札を掛けているところだった。



「あれ、クラッシュ、店お休み?」



 つい声を掛けると、クラッシュも俺に気付いて肩を竦めた。



「ちょっとね。母さんに頼まれてアルさんの所まで行かないといけないんだ。もしかして納品に来てくれたの?」

「そうなんだけど。え、勇者の所に?」



 珍しい、と呟くと、クラッシュが少しだけ顔を曇らせた。



「アルさんが王宮に行くから、アルさんとジャスミンさんを連れて行くよう母さんに頼まれて。母さんはもう転移魔法陣でセィ城下街に向かってるんだけどね。アルさんは魔法陣を登録してないんだって」

「ああ……なるほど。でも勇者と王女様が王宮なんて、なんか物々しいね」

「ほんとにね」



 だからごめん、とクラッシュは店の中に消えていった。

 見送ってから気付く。クラッシュに頼まれた納品クエスト、これじゃクリア出来ない。クラッシュが店を閉じたってことはもう店には入れないってことだし、どうしようかな。期限がもうすぐなんだよな。とクエスト欄を開いた俺は、目にしたクエストに違和感を感じて首を傾げた。



『納品しよう



 トレの雑貨屋で『固形媚薬』『疑似恋愛成就薬』『潤滑香油』が品薄になった。

 ランクの高い物を作り、トレの雑貨屋店主に渡そう



 固形媚薬……50

 疑似恋愛成就薬……50

 潤滑香油……50



 タイムリミット:2:15



 クリア報酬:素材 1,200,000ガル

 クエスト失敗:時間内に納品できなかった 買い取り額800,000ガルに低下』



 あれ、最初に開いて上に【NEW】ってついてた時は「トレの雑貨屋に顔を出して店主に渡そう」ってなってた気がするのに。

 ってことは、店でじゃなくてクラッシュの所に行って渡せばクリアってことかな。でもこれだと時間が過ぎてから納品してもまあいいって感じなんだよな、買い取り額低下っていうのが。そういえば前にクエスト内容が変更されたことがあったって雄太が言ってなかったっけ。これがそうなのかな。

 じゃあとりあえず勇者の所に行って待ち伏せして渡したらいいってことかな。

 そう考えて、俺は工房に戻ってから、ついでに今月分のハイパーポーションとマジックハイパーポーションを詰め込んで、辺境に跳んだ。





 騎士団の詰所に顔を出すと、副団長だけがいて、勇者はさっき家に帰ったと教えてくれた。

 なので、そこでアイテムを納品することにした。



「いつもありがとう。これのおかげで私達の生還率が飛躍的に上がったよ。代金は……すぐに払いたいところだけど、団長が個人で出している物だから、私から支払うことは出来ないんだ。悪いけど、団長の家に向かってくれないか?」

「あ、はい。でも代金はいつでもいいんですけど」

「それはよくない。すぐに貰いに行ってくれると助かる」

「はい」



 きっと奥方様を片時も離さず戯れているだろうから、と送り出されて思わず笑う。

 クラッシュに会うために行く予定だったんだけどね。もう連れられて王宮に行ってないといいけど。

 騎士団詰所の建物の裏に回って、そこまで遠くはないけど転移で行こうと魔法陣を描き始める。

 すると、「何してんだ?」という雄太の声がどこかから聞こえて来た。

 手を止めて見回すと、奥の訓練所に行く通りの窓から雄太たちがこっちを見ていた。

 顔に何でこんなところにいるんだ? と書かれている気がする。

 雄太たちは窓を開けて、そこを乗り越えて俺の方に向かってきた。

 ユイも一生懸命窓枠を越えている。スカートだから。あんまりそんな無茶しないの。中見えちゃうってば。

 ブレイブと海里も同じように窓から出てくると、俺の方にぞろぞろとやってきた。



「なんか面白そうなことしてるじゃねえか。こんな裏から魔法陣使うなんてよ」



 ニヤリと笑って俺の手をがしっと掴んだ雄太は、一緒に行く気満々な顔をしていた。



「面白そうだから付いてっていいか?」



 そういうとブレイブも俺の腕をわしっと掴んだ。

 ユイがちょこんとローブの裾を握り、海里が二の腕を両手で包む。

 かくして、俺は左半身に4人をくっつけたまま勇者の家に跳ぶことになった。いいのかな。

 勇者の家に着くと、入り口は固く閉ざされていた。

 ノッカーをトントン叩いても、中から人が出てくる気配はない。

 あ、出遅れた。もう王宮に行っちゃったんだ。



「勇者は今日用事があるって言ってたぜ」

「うん。さっきそう言って本部から出てったわよ。私たちに壁向こうの魔物を倒しとけって課題を出して」

「奥さんと旅行するって言ってたよ」

「顔つきから、なんかあるなとは思ってたけど。マックが関わってるのか?」



 最後ブレイブにそう突っ込まれて、俺はとりあえず首を横に振った。関わってはいないよ。多分。



「勇者に用事もそうだけど、ほんとは勇者を迎えに来るはずだったクラッシュに用事があったんだ。でも、この分だともう王宮に跳んじゃったかな」

「王宮? あのセィの?」

「勇者が?」



 4人が4人、すごく不可解だという顔をしている。

 きっと俺なんかより勇者と王宮のしがらみとかそういうのを知ってるんだろうと思う。



「うん。エミリさんも、トレの街門騎士団長も王宮に行ってるはず」



 その言葉を聞いた『高橋と愉快な仲間たち』のメンバーは、顔を見合わせてうんと頷いた。



「ってことで王宮に行くか」

「私王宮ってまだ一回くらいしか入ったことないんだ」

「楽しみね。あの王様はあんまり好きになれないけど」

「王様謁見とかだったらどうせ俺らは入れないだろ」



 人の手にしがみつきながらの会話である。

 もしかしてさらに行く気満々? これでセィに跳べと。

 俺は頭の中で地図を開き、距離を測った。

 ドイリーあれば行けるかな。厳しいかな。もっとMPが欲しい。結構育ちはしたんだけどね。

 楽しそうな顔をする4人をくっつけたまま、俺は一度オットまで跳んでからセィ城下街に跳ぶことにした。





 モントさんの所に跳んで、挨拶してから貴族街の方の門を出る。なぜか雄太たちもぞろぞろついてきてるけど、王宮に入れるのかな。

 でも貴族街の端に位置するモントさんの農園から王宮までは結構な距離があって、歩いていると絶対に中に入られちゃうよな、なんてついつい呟くと、それなら、と海里に腕を取られた。

 そして、海里が詠唱を始める。え、え、何してんの?

 4人全員が詠唱を唱えると、全員が浮き上がった。俺は海里に捕獲されている。



「いこっか」



 朗らかなユイの声と共に、身体にぐわっと重力がかかった。

 そして、貴族の館が風のように過ぎ去っていく。

 俺は驚きすぎて口から悲鳴も出なかった。

 だってこいつら。飛翔を使って身体を浮かせて、全速力で飛んでるんだもん! 雄太まで! 何でそんな楽しそうな顔でこんなスピード出せるんだよ!



「あ、そうだ海里、言い忘れてたけど、そいつジェットコースター苦手だから」

「知ってるわよ。前に店主さんに連れられてた時すっごい悲鳴をあげてたもの」

「ならいい」



 よくないよ! レールがあって落ちないってわかっててすら怖いのに、そんなのもなく、ただウエストに腕を回されてるだけの状態で簡易ジェットコースターって、頭おかしい! 絶対に壁にぶつかってキラキラキラ……ってトレに戻ることになるんだよ!

 え、待って。この移動速度、こいつら絶対転移魔法陣いらないよな!? 結構ある距離、もう目の前!

 ユイはチラッと俺を見ると、首を傾げて「マック君涙目だよ、大丈夫?」と訊いてきた。



 だ、い、じょ、ば、な、い、よ!



 と叫んだところで、王宮の前に着いた。飛んでた時間、約5分。歩くと三十分とか普通にかかるのに。車並のスピードだったよ。

 途中で「これで魔物にぶち当たると痛いしHPかなり減るけど魔物も大抵弱ってるんだよな」なんて朗らかな顔で言わないでブレイブ! ホントは中身男の子だろ!



 そんなこんなで、王宮に着いた頃には、俺は既に満身創痍だった。

 青い顔でしゃがみ込んでいると、「何やってるんだお前ら」と低い声が聞こえて来た。



「勇者。あのな、こいつが勇者に用事があるっていうから連れて来たんだ」



 顔を上げると、丁度雄太の指が目に入り、その後ろにはクラッシュと勇者と王女様が立っていた。

 途中からもう何も目に入らなかったよ。勇者たちがいたのも全然気付かなかった。

 こらそこクラッシュ、笑い事じゃないよ。

 雄太に引っ張り起こされながら立ち上がると、俺は目の前にいた勇者とその後ろにいた王女様に頭を下げた。

 かなり減っているスタミナに笑いも出ないよ。



「俺に用事って、珍しいな」

「さっき定期依頼の納品をしてきまして」

「ほう。なんだ取り立て屋か」

「それとクラッシュにも用事がありまして」

「俺? 何でさっき言わなかったの」

「いう前に店に入ってっちゃっただろ」



 皆に断ってインベントリからスタミナポーションを取り出すと、俺は一気に飲んだ。はあ、生き返る心地だよ。

 ついでにかなりMPが減っただろう『高橋と愉快な仲間たち』にもマジックハイパーポーションを一本ずつ渡して、まずはクラッシュに向きなおる。



「納品の品、もうすぐタイムリミットなんだけど。今日中に欲しいって言ったのクラッシュじゃん」

「そうだっけ?」

「そうだっけじゃないよ。今すぐ渡していい?」

「そんなのカバンに入るわけないじゃん。全部50ずつだっけ」



 やめてよ、とか言われても、タイムリミット2時間切ってるから無理やり行くよ。



「じゃあクラッシュのカバン出して」

「入らないってば」

「無理やり入るようにする。いい?」

「壊れちゃうから」

「大丈夫」

「大丈夫じゃないって」



 クラッシュのカバンにヴィデロさんに施したのと同じような魔法陣をくっつけてやろうと思ってクラッシュに手を伸ばした瞬間、ユイがポツリと零した。



「なんか、ちょっとエッチな会話だね」



 誰かユイに教育的指導をしてください。



 勇者たちが見守っている中、俺はカバン拡張のことをクラッシュに伝えて、ちゃんと許可を貰ってから魔法陣を施した。

 雄太たちが見てるけど、まあいい。勇者も、魔法陣魔法には耐性があるだろうし。王女様はニコニコ黙ってこっちを見ていたけど、勇者の奥さんだから信用しよう。

 クラッシュの白いカバンは、魔法陣がくっついて、柄物カバンの様になった。

 でもMPは減ってるから大丈夫だろ、ということで、早速納品物を収納してみることにした。



 クラッシュが口を押えたカバンの中に次々納品物を入れていく。入る入る。

 固形媚薬全部入れてもカバンはぺしょっとしたままだった。不安そうな顔をしているクラッシュに、出してみるように言うと、クラッシュはカバンに手を突っ込んで、引き抜いた。クラッシュの手には、こぼれんばかりの固形媚薬が。鷲掴みしたね。

 依頼品すべてクラッシュのカバンに納品しても、やっぱりカバンは膨らんでいなかった。確かヴィデロさんの時はあと100瓶は入った気がするから、まだまだ容量はあるはず。



「なにこれ面白い」

「前に覚えたんだ」

「ありがと。すぐにお金って手持ちがないんだけどどうする?」

「後で店に取りに行くよ。これの納品に来ただけだから」



 一安心してじゃあ、と離れようとすると、勇者に頭を鷲掴みにされた。



「待て。俺の取り立てをどうするんだ」

「後でいいですよ。ギルドに振り込んでもらえれば」

「そうか。エミリに頼めばいいんだな」

「はい。エミリさんなら信頼できます。っていうかエミリさんが見当たらないんですけど、エミリさんもう王宮に行っちゃってるんですか?」



 入口付近なのに近衛騎士団が見回ってないのが不思議で、辺りを見回すと、勇者がこともなげに言った。



「すでに中で王にたてついてるんじゃないか? 俺もこれから王に文句を言いに行くところだ。うちの奥さんも力添えをしてくれるっていうのがとてつもなく愛しい……じゃなくて心強い」



 勇者の笑顔に、思わず「は?」と声を上げる。

 たてついてるって、え、ヤバくない? クーデター?



「各街の者たちも揃っているはずだ。マックも来るか?」

「俺関係ないですよね!? それに行ったところで何も出来ないですよ!」



 まるで遊びに行くか的な誘われ方をして、俺は勇者に突っ込んだ。

 そんな俺の突っ込みを軽くスルーした勇者は、「高橋、ユイ、海里、ブレイブ、どうする」と訊いてきた。4人ともすごい勢いで「もちろん行く!」と答えている。だってクーデターだよ? 戦力過多だよね! 全員で暴れたら王宮なんてすぐに破壊されそうな面子が揃ってる気がするよ。



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