文字の大きさ
大
中
小
593 / 706
連載
714、祝杯を
俺たちが現れたことに気付いた皆は、ユキヒラの隣にいるネーヴェに目が釘付けになっていた。
「なんか増えてるじゃねえか。もしかして、聖獣か?」
ガンツさんがネーヴェを指さすと、ネーヴェは目を細めた。
「え、白い虎? かっこいい! ユキヒラもとうとうテイマー? 俺もテイマーなりたい! どこかに猫の聖獣いないかな! 肩に乗せて歩きたい!」
「ホント凄い。どうやって懐かせたの?」
『主とそちらの聖魔法がとても心地よかった』
「聖魔法? って喋れるんだ。ってことは、かなり上位だっけ。ノワールも喋れてたもんね。うわあ、虎さん。よろしくね。あたしユーリナっていうの」
『よろしく頼む。それよりも、そちらの者はかなり衰弱しているが』
「あ、大丈夫大丈夫。これも試練だから」
「試練ってユーリナ! あれが試練なんだったらユーリナもやってみてよ! 死ぬかと思ったし泣きそうだったんだから!」
「死ななかったし泣かなかったでしょ。ドレインえらいえらい。ほら、勇者も褒めてたじゃん」
「あれは褒めてたとは言わないってば! 俺をいたぶって楽しんでたの!」
言い合いを始めた二人にネーヴェはちょっと引いたのか、少し下がってユキヒラの斜め後ろについた。
いったいどんなことをされたんだろう。本当に一人で戦わされたのかな。それだったら俺だって死にそうになるし泣きそうになる。わかる。
「上手くいったみてえだな」
「無事帰って来れてよかったわ」
楽しそうな勇者を横目に、セイジさんとエミリさんが俺たちをねぎらってくれる。
サラさんはネーヴェと目が合うと、ゆっくりと近付いていった。
そして、ネーヴェの前で服が汚れるのも厭わずに、膝をつく。
「時の調べの守護の君……ご無事な顔を見ることが出来て、安心しました」
『心配をかけた。我の代わりにあの場所を護ってくれて感謝している』
「気付いていたのですか」
『狂っていたとはいえ、記憶は薄れてはいない……使命と本能だけで生きる獣と化していた我を許して欲しい』
「仕方のないことです。あれだけの闇の中、狂わずにいるほうがおかしいのです。今は無事を喜びましょう。そちらの子があなた様を正気に戻したのですね」
『正しくは、主とそちらの女神の代理の子が我を正気に戻してくれたのだ』
「女神の代理の子? ……マック?」
サラさんは驚いた顔をしてこっちを見た。ってちょっと待って。『女神の代理の子』って何。そんな称号ないよ!?
俺もサラさんばりに驚いていると、隣から雄太が「よ、女神」と茶化してきたので、蹴りを入れておいた。
だから、女神じゃないから!
「そうでしたか。彼についたのは、彼が聖騎士だからですか?」
『我はそのような立場では人を選ばん。主の方が戦いに身を置くからだな。主は騎士、女神の代理の子は錬金術師。我はずっと黒い物からあの場所を護り、戦いに身を置いてきた者。戦いから離れることは出来ぬのだ』
「たまには安息の地に身を置いてもいいでしょうに」
『そんな場所に身を置いたら我が腑抜けてしまう』
「まあ」
サラさんが楽し気な声を上げて笑うと、ネーヴェも雰囲気を和らげた。
隣に立つユキヒラは呆れた様な視線でネーヴェを見ている。
「そんな理由で俺と契約したのかよ。騙し討ちみたいに」
『騙し討ちとは人聞きの悪い。我は主と共に歩みたいという本能に従ったまで』
「っつっても俺もそんなに戦闘はしねえよ。普段は王宮あたりで雑用係をやってるんだからよ」
『王宮とは愛憎蠢く醜い戦いの場ではないか』
「戦いの意味が違うだろーが」
『主、我を使え。我が横に立てば、今まで首を横にしか振らなかった者も首を縦に振ろう』
「使わねーよ。そんなアホみたいなことにネーヴェを使うかっての」
そんな無駄遣いしねえよ、というユキヒラの言葉に、ネーヴェは満足そうな顔つきになった。
なんていうか、ネーヴェ、ユキヒラにベタぼれに見えるんだけど。
ユキヒラが優しくネーヴェの頭を撫でると、とうとう皆がネーヴェに群がった。撫でたかったみたい。俺も撫でたい。けど出遅れてもうスペースがない。さっきのうちに撫でさせてもらえばよかった。
最後はなんだかんだあったけど、とにかく戻って来れてよかった。
そして、魔王はもう現れないっていう事実にホッとした。何せ、魔王を生み出した釜は俺のインベントリの中にあるからね。怖くて錬金できないんじゃなかろうか。今度俺が魔王になっても止めてくれる人の近くで錬金してみよう。
勇者たち4人は、旅立った時からの念願をようやく果たせたことで、穏やかな表情を浮かべていた。
俺が手に入れた釜を見せると、涙を浮かべていた。
感慨深そうに、深い息を吐いていた。
考えると、俺がまだ3歳くらいの時からこの人たちは戦ってたんだよね。その前の旅路を考えると、俺が生まれたころくらいからこの世界の命運を背負い続けていたのかもしれない。
抱き合う4人を見ていると、つられて目頭が熱くなってくる。
これでもう、ヴィデロさんの故郷は滅亡することが無くなるんだね。よかった。
きゅっと鎧越しにヴィデロさんの手を握ると、その手にも少しだけ力が込められた。
ログアウトしてギアを外し、充電器の上に置く。
ホッと溜息を吐いて、俺はベッドから立ち上がった。
ヴィルさんの部屋では、今頃ヴィデロさんがログアウトして立ち上がっていると思う。
そう思うと、いてもたってもいられなくて、俺は部屋を飛び出して、隣の部屋のチャイムを鳴らしていた。
ドアが開いた瞬間抱き着いた俺を笑いながら抱き返してくれたヴィデロさんを堪能すると、俺はいつもの通りにキッチンに立った。
一日中ログインして、魔大陸の女神の所に行ってたから、すでに外は暗くなっている。
部屋の主のヴィルさんはまだ下の職場にいるらしく、姿が見えない。
スープを作りながら、すぐ横で野菜の皮をむいてくれているヴィデロさんを見ると、ヴィデロさんはすぐに俺の視線に気付いて笑みを返してくれた。
ああ、幸せだな。
そう思う。
「グランデ、もう魔王は出てこないね。よかった。でも魔物は? 魔物はまだ出るの?」
「魔物は魔素だまりがある限り現れるだろ。魔王と関係があるのは、強さの方だな」
「魔大陸はたとえ魔王がいなくなってもやっぱり人は住めないんだよね」
「ああ。魔素自体が穢れてるから、住めないだろうな。何十年、何百年経てばわからないが」
「そっか」
じゃあ、魔物を倒して生活している人たちもこれからも普通に生きて行けるし、魔物がいなくなってプレイヤーがいなくなったりするってこともないんだ。
過疎っちゃったらいくらアリッサさんでもサービスを止めざるを得なくなりそうだし。それだけはいやだから。
ログインできなくなったら向こうの人たちにも会えなくなるし。
ヴィデロさんに切って貰った野菜を肉と共に圧力鍋に入れて、火を調整する。
すごく大きな圧力鍋は、ヴィルさんが買ってくれたものだ。滅茶苦茶お高かったけれど、必要な物だからって躊躇いなく買ってくれたヴィルさんはかなりカッコよかった。そういうところ、ヴィデロさんと兄弟なんだなって思う。
鍋を火にかけている間に、グリルで魚を焼く。
圧力鍋がシュンシュンいい始めた辺りで、ヴィルさんと佐久間さんが来た。
おかえりなさいと声をかけながら、野菜に掛けるためのソースを作っていると、やることのなくなったヴィデロさんを佐久間さんが拉致っていってしまった。酒盛りをするらしい。
「今日の詳細を聞いてもいいか?」
今度はヴィルさんが俺の横に立った。
今日は魔大陸に行ってクエストを消化してくるって前もって伝えてたから。
今日の出来事を詳しく教えている間に、いい感じで料理が出来上がった。
佐久間さんが凝りを解すために通っているスポーツジムの話をしつつ、和やかに夕食の時間は過ぎていった。
食事が済むと、ヴィルさんが数本の酒の瓶をテーブルに載せた。
「今日は乾杯だな」
魔王の脅威が消え去った祝杯を、とヴィルさんにグラスを持たされて、俺も一緒に乾杯した。
グラスの中身はノンアルコールドリンクだけど。雰囲気だけね。
ヴィデロさんと合わせたグラスの澄んだ音が、なぜだかとても胸に響いた。
「なんか増えてるじゃねえか。もしかして、聖獣か?」
ガンツさんがネーヴェを指さすと、ネーヴェは目を細めた。
「え、白い虎? かっこいい! ユキヒラもとうとうテイマー? 俺もテイマーなりたい! どこかに猫の聖獣いないかな! 肩に乗せて歩きたい!」
「ホント凄い。どうやって懐かせたの?」
『主とそちらの聖魔法がとても心地よかった』
「聖魔法? って喋れるんだ。ってことは、かなり上位だっけ。ノワールも喋れてたもんね。うわあ、虎さん。よろしくね。あたしユーリナっていうの」
『よろしく頼む。それよりも、そちらの者はかなり衰弱しているが』
「あ、大丈夫大丈夫。これも試練だから」
「試練ってユーリナ! あれが試練なんだったらユーリナもやってみてよ! 死ぬかと思ったし泣きそうだったんだから!」
「死ななかったし泣かなかったでしょ。ドレインえらいえらい。ほら、勇者も褒めてたじゃん」
「あれは褒めてたとは言わないってば! 俺をいたぶって楽しんでたの!」
言い合いを始めた二人にネーヴェはちょっと引いたのか、少し下がってユキヒラの斜め後ろについた。
いったいどんなことをされたんだろう。本当に一人で戦わされたのかな。それだったら俺だって死にそうになるし泣きそうになる。わかる。
「上手くいったみてえだな」
「無事帰って来れてよかったわ」
楽しそうな勇者を横目に、セイジさんとエミリさんが俺たちをねぎらってくれる。
サラさんはネーヴェと目が合うと、ゆっくりと近付いていった。
そして、ネーヴェの前で服が汚れるのも厭わずに、膝をつく。
「時の調べの守護の君……ご無事な顔を見ることが出来て、安心しました」
『心配をかけた。我の代わりにあの場所を護ってくれて感謝している』
「気付いていたのですか」
『狂っていたとはいえ、記憶は薄れてはいない……使命と本能だけで生きる獣と化していた我を許して欲しい』
「仕方のないことです。あれだけの闇の中、狂わずにいるほうがおかしいのです。今は無事を喜びましょう。そちらの子があなた様を正気に戻したのですね」
『正しくは、主とそちらの女神の代理の子が我を正気に戻してくれたのだ』
「女神の代理の子? ……マック?」
サラさんは驚いた顔をしてこっちを見た。ってちょっと待って。『女神の代理の子』って何。そんな称号ないよ!?
俺もサラさんばりに驚いていると、隣から雄太が「よ、女神」と茶化してきたので、蹴りを入れておいた。
だから、女神じゃないから!
「そうでしたか。彼についたのは、彼が聖騎士だからですか?」
『我はそのような立場では人を選ばん。主の方が戦いに身を置くからだな。主は騎士、女神の代理の子は錬金術師。我はずっと黒い物からあの場所を護り、戦いに身を置いてきた者。戦いから離れることは出来ぬのだ』
「たまには安息の地に身を置いてもいいでしょうに」
『そんな場所に身を置いたら我が腑抜けてしまう』
「まあ」
サラさんが楽し気な声を上げて笑うと、ネーヴェも雰囲気を和らげた。
隣に立つユキヒラは呆れた様な視線でネーヴェを見ている。
「そんな理由で俺と契約したのかよ。騙し討ちみたいに」
『騙し討ちとは人聞きの悪い。我は主と共に歩みたいという本能に従ったまで』
「っつっても俺もそんなに戦闘はしねえよ。普段は王宮あたりで雑用係をやってるんだからよ」
『王宮とは愛憎蠢く醜い戦いの場ではないか』
「戦いの意味が違うだろーが」
『主、我を使え。我が横に立てば、今まで首を横にしか振らなかった者も首を縦に振ろう』
「使わねーよ。そんなアホみたいなことにネーヴェを使うかっての」
そんな無駄遣いしねえよ、というユキヒラの言葉に、ネーヴェは満足そうな顔つきになった。
なんていうか、ネーヴェ、ユキヒラにベタぼれに見えるんだけど。
ユキヒラが優しくネーヴェの頭を撫でると、とうとう皆がネーヴェに群がった。撫でたかったみたい。俺も撫でたい。けど出遅れてもうスペースがない。さっきのうちに撫でさせてもらえばよかった。
最後はなんだかんだあったけど、とにかく戻って来れてよかった。
そして、魔王はもう現れないっていう事実にホッとした。何せ、魔王を生み出した釜は俺のインベントリの中にあるからね。怖くて錬金できないんじゃなかろうか。今度俺が魔王になっても止めてくれる人の近くで錬金してみよう。
勇者たち4人は、旅立った時からの念願をようやく果たせたことで、穏やかな表情を浮かべていた。
俺が手に入れた釜を見せると、涙を浮かべていた。
感慨深そうに、深い息を吐いていた。
考えると、俺がまだ3歳くらいの時からこの人たちは戦ってたんだよね。その前の旅路を考えると、俺が生まれたころくらいからこの世界の命運を背負い続けていたのかもしれない。
抱き合う4人を見ていると、つられて目頭が熱くなってくる。
これでもう、ヴィデロさんの故郷は滅亡することが無くなるんだね。よかった。
きゅっと鎧越しにヴィデロさんの手を握ると、その手にも少しだけ力が込められた。
ログアウトしてギアを外し、充電器の上に置く。
ホッと溜息を吐いて、俺はベッドから立ち上がった。
ヴィルさんの部屋では、今頃ヴィデロさんがログアウトして立ち上がっていると思う。
そう思うと、いてもたってもいられなくて、俺は部屋を飛び出して、隣の部屋のチャイムを鳴らしていた。
ドアが開いた瞬間抱き着いた俺を笑いながら抱き返してくれたヴィデロさんを堪能すると、俺はいつもの通りにキッチンに立った。
一日中ログインして、魔大陸の女神の所に行ってたから、すでに外は暗くなっている。
部屋の主のヴィルさんはまだ下の職場にいるらしく、姿が見えない。
スープを作りながら、すぐ横で野菜の皮をむいてくれているヴィデロさんを見ると、ヴィデロさんはすぐに俺の視線に気付いて笑みを返してくれた。
ああ、幸せだな。
そう思う。
「グランデ、もう魔王は出てこないね。よかった。でも魔物は? 魔物はまだ出るの?」
「魔物は魔素だまりがある限り現れるだろ。魔王と関係があるのは、強さの方だな」
「魔大陸はたとえ魔王がいなくなってもやっぱり人は住めないんだよね」
「ああ。魔素自体が穢れてるから、住めないだろうな。何十年、何百年経てばわからないが」
「そっか」
じゃあ、魔物を倒して生活している人たちもこれからも普通に生きて行けるし、魔物がいなくなってプレイヤーがいなくなったりするってこともないんだ。
過疎っちゃったらいくらアリッサさんでもサービスを止めざるを得なくなりそうだし。それだけはいやだから。
ログインできなくなったら向こうの人たちにも会えなくなるし。
ヴィデロさんに切って貰った野菜を肉と共に圧力鍋に入れて、火を調整する。
すごく大きな圧力鍋は、ヴィルさんが買ってくれたものだ。滅茶苦茶お高かったけれど、必要な物だからって躊躇いなく買ってくれたヴィルさんはかなりカッコよかった。そういうところ、ヴィデロさんと兄弟なんだなって思う。
鍋を火にかけている間に、グリルで魚を焼く。
圧力鍋がシュンシュンいい始めた辺りで、ヴィルさんと佐久間さんが来た。
おかえりなさいと声をかけながら、野菜に掛けるためのソースを作っていると、やることのなくなったヴィデロさんを佐久間さんが拉致っていってしまった。酒盛りをするらしい。
「今日の詳細を聞いてもいいか?」
今度はヴィルさんが俺の横に立った。
今日は魔大陸に行ってクエストを消化してくるって前もって伝えてたから。
今日の出来事を詳しく教えている間に、いい感じで料理が出来上がった。
佐久間さんが凝りを解すために通っているスポーツジムの話をしつつ、和やかに夕食の時間は過ぎていった。
食事が済むと、ヴィルさんが数本の酒の瓶をテーブルに載せた。
「今日は乾杯だな」
魔王の脅威が消え去った祝杯を、とヴィルさんにグラスを持たされて、俺も一緒に乾杯した。
グラスの中身はノンアルコールドリンクだけど。雰囲気だけね。
ヴィデロさんと合わせたグラスの澄んだ音が、なぜだかとても胸に響いた。
感想 555
あなたにおすすめの小説
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結済。
おまけのお話を時々更新したりしています。
皆さまの応援のおかげで『もふもふ獣人に転生したら、最愛の推しに溺愛されています』書籍化、心から、ありがとうございます!
ふたりの動画をつくりました!
もしよかったら、プロフのwebサイトからどうぞです!
表紙や動画にはAIを使っていますが、小説にはAIを使っておりません
【8月書籍化♡】キュートなモブ令息に転生したボク。可愛さと前世の知識で悪役令息なお義兄さまを守りますっ!
これは、あざと可愛い悪役令息の義弟VS.あざと主人公のおはなし。
ボクの名前は、クリストファー。
突然だけど、ボクには前世の記憶がある。
ジルベスターお義兄さまと初めて会ったとき、そのご尊顔を見て
「あああ!《《この人》》、知ってるう!悪役令息っ!」
と思い出したのだ。
あ、この人ゲームの悪役じゃん、って。
そう、俺が今いるこの世界は、ゲームの中の世界だったの!
そして、ボクは悪役令息ジルベスターの義弟に転生していたのだ!
しかも、モブ。
繰り返します。ボクはモブ!!「完全なるモブ」なのだ!
ゲームの中のボクには、モブすぎて名前もキャラデザもなかった。
どおりで今まで毎日自分の顔をみてもなんにも思い出さなかったわけだ!
ちなみに、ジルベスターお義兄さまは悪役ながら非常に人気があった。
その理由の第一は、ビジュアル!
夜空に輝く月みたいにキラキラした銀髪。夜の闇を思わせる深い紺碧の瞳。
涼やかに切れ上がった眦はサイコーにクール!!
イケメンではなく美形!ビューティフル!ワンダフォー!
ありとあらゆる美辞麗句を並び立てたくなるくらいに美しい姿かたちなのだ!
当然ながらボクもそのビジュアルにノックアウトされた。
ネップリももちろんコンプリートしたし、アクスタももちろん手に入れた!
そんなボクの推しジルベスターは、その無表情のせいで「人を馬鹿にしている」「心がない」「冷酷」といわれ、悪役令息と呼ばれていた。
でもボクにはわかっていた。全部誤解なんだって。
ジルベスターは優しい人なんだって。
あの無表情の下には確かに温かなものが隠れてるはずなの!
なのに誰もそれを理解しようとしなかった。
そして最後に断罪されてしまうのだ!あのピンク頭に惑わされたあんぽんたんたちのせいで!!
ジルベスターが断罪されたときには悔し涙にぬれた。
なんとかジルベスターを救おうとすべてのルートを試し、ゲームをやり込みまくった。
でも何をしてもジルベスターは断罪された。
ボクはこの世界で大声で叫ぶ。
ボクのお義兄様はカッコよくて優しい最高のお義兄様なんだからっ!
ゲームの世界ならいざしらず、このボクがついてるからには断罪なんてさせないっ!
最高に可愛いハイスぺモブ令息に転生したボクは、可愛さと前世の知識を武器にお義兄さまを守りますっ!
※表紙その他のイラストはAIにて作成致しております。(文字指定のみで作成しております)
⭐︎⭐︎⭐︎
ご拝読頂きありがとうございます!
コメント、エール、いいねお待ちしております♡
「もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!」書籍発売中!
連載続いておりますので、そちらもぜひ♡
【完結】悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
本編完結済です。
もっちもっち感謝祭で、リクエストいただいたお話を更新しています。
皆さまの応援のおかげで『もふもふ獣人に転生したら、最愛の推しに溺愛されています』書籍化、心から、ありがとうございます!
皆の動画をつくりました!
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです!
表紙や動画にAIを使っていますが、小説にはAIを使っておりません
薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~
薬師のロベルト・シルベスタは偉大な師匠(神様)の教えを終えて自領に戻ろうとした所、異世界勇者召喚に巻き込まれて、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。
─── からの~数年後 ────
俺が此処に来て幾日が過ぎただろう。
ここは俺が生まれ育った場所とは全く違う、環境が全然違った世界だった。
「ロブ、申し訳無いがお前、明日から来なくていいから。急な事で済まねえが、俺もちっせえパーティーの長だ。より良きパーティーの運営の為、泣く泣くお前を切らなきゃならなくなった。ただ、俺も薄情な奴じゃねぇつもりだ。今日までの給料に、迷惑料としてちと上乗せして払っておくから、穏便に頼む。断れば上乗せは無しでクビにする」
そう言われて俺に何が言えよう、これで何回目か?
まぁ、薬師の扱いなどこんなものかもな。
この世界の薬師は、ただポーションを造るだけの職業。
多岐に亘った薬を作るが、僧侶とは違い瞬時に体を癒す事は出来ない。
普通は……。
異世界勇者巻き込まれ召喚から数年、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。
勇者?そんな物ロベルトには関係無い。
魔王が居ようが居まいが、世界は変わらず巡っている。
とんでもなく普通じゃないお師匠様に薬師の業を仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。
はてさて一体どうなるの?
と、言う話。ここに開幕!
● ロベルトの独り言の多い作品です。ご了承お願いします。
● 世界観はひよこの想像力全開の世界です。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
【完結】憧れの先輩アルファに告白されたんだがどうやら罰ゲームだったらしい
ある日の放課後、校舎裏で花壇の手入れをしていた上田凛斗に告白してきたのは、憧れの先輩であり校内の人気者でもある上條蘭世だった。
目付きの悪さと暗い性格のせいで恋人どころか友達もいない凛斗は、戸惑いながらもお試しで蘭世との交際をはじめたのだが……
美形溺愛アルファ×三白眼平凡オメガ
ベータだった俺が後天性オメガになったら、幼馴染アルファがもっと過保護になりました
ごく普通のベータとして生きてきた村井圭太(むらいけいた)は、ある日突然、希少な「後天性オメガ」に転化してしまう。
不安な日々が始まる……かと思いきや、幼馴染アルファの白河泰雅(しらかわたいが)とはまさかの両思い。
早々に『番(つがい)』となり、幸せな日々を送っていた。
「オメガになっても俺は俺」と持ち前のポジティブさで新しい生活に向き合っていく圭太。
だが、晴れて番となった泰雅は、今まで以上に過保護になっていく。
どんなトラブルも二人なら大丈夫!
過保護で執着強めなスパダリ幼馴染攻め(α) × ポジティブで男前な元ベータ受け(β→Ω)
明るくて幸せいっぱいオメガバース!
私の大好きなオメガバース。
愛をたくさん詰め込んだので、みなさまにも楽しんでいただけますように。
辺境食堂の隠れΩなのに、拾った皇帝陛下が嫁になれと迫ってくる
元宮廷料理人で隠れΩの青年レオは、帝国の辺境で小さな食堂兼農園を営みながら、誰にも縛られない平穏なスローライフを送っていた。
ある日、レオは裏庭の不思議な洞窟で、血まみれになって倒れていた大柄な青年アレクを拾う。
彼の正体は、お忍びで辺境を訪れていた帝国最強のα皇帝だった。
身分を隠してレオの家に居候することになったアレクは、レオの作る絶品の手料理と、彼から漂う穏やかな香りに冷え切った心を溶かされていく。
一緒に土を耕し、美味しいご飯を分け合ううちに、相反するはずの二人のフェロモンは心地よく調和していくが、やがて帝都からの追手が迫り……。
手料理が繋ぐ心と体。身分差を越えた、最強α皇帝と隠れΩ料理人の美味しくて甘い辺境スローライフが幕を開ける!
※本作にはボーイズラブ要素およびオメガバース設定(α、β、Ωの概念やフェロモンに関する描写)が含まれています。苦手な方は閲覧にご注意ください。