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760、先生パーティー
「そういや前にマックから聖域の匂いがするとかディーが言ってたけど、聖域行ったことあるのか?」
岩場ではあるけれど、そこまで歩きにくくはない道を進みながら、閃光さんが聞いてきた。
あの出来事は言っていいのかな。でもあの時この子を助けてくれたの、閃光さんたちなんだよな。
俺はチラリと卵に視線を向けてから、「実は」と口を開いた。
「神隠し? しかも現実で?」
「うわあ、にわかには信じられない出来事ね」
俺の話を聞いた鉄骨さんとユーカリさんが驚愕を浮かべる中、閃光さんは顔を顰めて黙り込んだ。
「ここにいるってことは……無事ってことだよな。それにしても、パートナーと婚前旅行……」
閃光さんの呟きに、反応そこ? と苦笑する。
ちょっとだけ考え込んで足の遅くなっていた閃光さんは、ディーに後ろから容赦なく押されて、表情を緩めた。
「まあ、無事ならいいか。それにしても現実に結婚……早いな」
「そうですか? そうかもしれないですね。俺も自分が10代で結婚するとは思ってなかったですから」
「10代!?」
「え、てことは、学生?」
「いえ、社会人です。三月に高校卒業したので」
「それで結婚。早すぎるわ」
「ほんと! 羨ましいわ! 私なんて、出会いの場なんてどこにもないのに。毎日こまっしゃくれたガキどもと悪戦苦闘だってのに。同僚だってそんな色っぽい雰囲気になんかならないし、何よりお互い苦労をわかってるから、せめて家では教師じゃない人に出迎えて欲しいって皆思ってるし。ね、鉄骨、閃光」
でも結婚、夢よね! 可愛い嫁さん、夢よね! と大声で叫ぶユーカリさんを見ながら、嫁? と首をひねる。そういえばネカマって最初に自己紹介されたっけ。
「俺まで一緒にするなよ。俺はまだガキどもの相手だけでいっぱいいっぱいだよ」
『教鞭を執るなど、立派ではないか。主にもそのうちいい仲の者が現れるだろう。性根はいいのだし』
「性根だけかよ……」
「キャー、閃光先生かっこいい!」
「ユーカリに言われても嬉しくねえよ!」
ちっと舌打ちする閃光さんに、もしかして鉄骨さんとユーカリさんだけじゃなくて、閃光さんも先生なのかなってふと思う。
「先生が集まったパーティーっていうのもなんだか面白いですね」
「そうかあ? ただこっちで職場の愚痴を言い合うくらいしかメリットねえぞ。皆同意してくれるから気安くてついついパーティー組んじまっただけだしな。残業すりゃ一人でログインだしよ。な、ユーカリ」
「ほんとにねえ」
鉄骨さんにそう言われて、肩をコキコキしながらユーカリさんが親父臭い仕草で溜息を吐く。
先生も辛いのよ、何で私先生になっちゃったのかしら、なんて俺にまで愚痴を言うユーカリさんに、俺は苦笑を返すことしかできなかった。
「そういえば、俺が高校の時の担任の先生もADOやってたみたいですけど。なんかテスト前とかログインしてる奴いないか確かめるために先生とフレンドなりたい奴いるかーなんて聞いてて、俺、すごくその担任の先生が好きだったんですよ。なんていうか、話が分かってくれるっていうか、頭ごなしに否定しないので」
「何その先生。楽しいじゃない。私も生徒にその手使おうかな」
「クラスでも何人か手を上げてたけれど、先生本当にフレ登録したのかちょっとだけ気になってたんですよ。俺の親友もそれに手を上げてて」
「へえ、マック君の親友もADOやってるんだ」
「はい。知ってるかな。『高橋と愉快な仲間たち』っていうアホみたいなパーティー名の高橋です」
俺がそういうと、ユーカリさんと鉄骨さんが顔を見合わせた。
「ああ。知ってる。ってから、高橋たちとフレ登録してるぞ。そっか。マックとリアルフレだったのか」
「やっぱりもうフレ登録してたんですね。リアフレです」
「ほうほう、何で一緒にパーティー……ってのは訊いちゃだめだな」
「普通は一緒に遊んだりしますからね。でもあいつは鎧とか大剣とか好きで、前衛希望だったんですけど、俺、魔物と戦うの好きじゃなくて」
「そっか。だから薬師か」
そういえば始めたばっかりの時に助けてもらった通りすがりのプレイヤーにそのことを言ったら「じゃあ何でこのゲームしてるんだ」なんて呆れたような目を向けられたことがあったっけ。でもユーカリさんたちは、なるほどねえ、と頷いて、なぜか俺の頭を撫でた。
「薬師としてトップランカー入り、頑張ってるってことだね」
「おいおいユーカリ、先生の地が出てるぞ。ここは学校じゃないからな」
「だってえ。こうやって頑張ってる子を見ると応援したくなるのよ。そうじゃなかったら先生なんてやってらんないわ」
閃光さんの突っ込みに、ユーカリさんが口を尖らしながら俺の頭を撫で続ける。
っていうか俺、社会人なんですけど。苦笑しながら俺もそう突っ込むと、ユーカリさんは気にしない気にしない、と笑った。こういう先生だと学校が楽しいんだろうなあ。
「あれでも、リアル結婚って……門番さんは……? 前にギルドの隅で門番さんとイチャイチャしてたじゃない」
「あ、あの、それには深いわけがありまして……」
ズバリユーカリさんに返答に困るところを突っ込まれて、俺は視線を泳がせた。門番さんがリアルに来たからそっちでも結婚式を挙げるとか、言ったところで荒唐無稽すぎて誰も信じてくれないよね。
むにゃむにゃと誤魔化そうとすると、鉄骨さんの拳骨と閃光さんの平手が綺麗にユーカリさんの頭にヒットした。
「お前なあ。いくらマックが話しやすいからってそれはマナー違反だろ」
「ほんとだぞ。今の質問は踏み込み過ぎだぞ」
頭を撫でながら、ユーカリさんに「ほんとだわー、不躾な質問ごめんねーマック君」と謝られて、俺は誤魔化し笑いをして首を振った。
『ほら、そこが聖域内部の入り口だ』
ディーに促されて、俺たちは岩山の間にある洞窟に足を踏み入れた。
周りを見回して、思わず声を上げる。
岩の中に入ってきたはずなのに、なぜかたくさんの木が生え、泉が沸き、木漏れ日が射しこんでいる。
空気もとても澄んでいて、呼吸をするたびに胸がスッとすがすがしくなる。
「すごい……綺麗な場所」
呟くと、ディーが『そうであろう』とちょっとだけ得意げな顔をした。
『ここは入り口にすぎん。もっともっと奥まで聖域は続くんだが……一部穢れが入り込んだ場所もあってなあ。それが、玉龍の生まれた場所だ。その卵の種族が生息していたのはもう少し東の方だが、そちらもまた浸食されていたらしい。聖獣が巣を追われて飛び立ったという話は聞いていた』
「あ、だからブルーテイルは川沿いに巣を作っちゃったのか。もしかして、あのブルーテイルがこの子のお母さん……なんてことは」
『違うな。この卵の方が東の聖獣より長いはずだ。ただその身体が育つような状況になかっただけのようだ』
「そうか。そうだよね。護られてたって言ってたもんね。でも、そんな状態でも生きててよかった」
卵を籠から出して、腕に抱える。
卵はほんのり温かく、その温度がなんだかすごく嬉しい。
そっと撫でると、卵の中からほんの少しだけコリ……と音が聞こえてきた気がした。
『食事をしてくる。帰るまでにここに戻っていろよ』
ディーはそういうと、素早い動きで奥に消えていってしまった。
残されたトランスメンバーは、慣れたもので、その場で野営用意を始めてしまった。
「一時間くらいしたら戻ってくるから、それまでは好きにしてていいぞ。飯は?」
閃光さんにそう言われて、俺も近くの倒木に腰を下ろす。
そういえば今日はまだ夜ご飯食べてないや、と空腹ゲージを見ると、だいぶ減っている。
卵を籠に戻してインベントリから持ち歩いているサンドイッチを取り出していると、閃光さんたちが慣れた手つきで鍋を用意していた。
「ここの素材ね、食材になるような物が豊富なのよ」
「食材!」
「あの木の実なんか美味かったな」
「木の実!」
「結構珍しい素材とかあるから見てみろよ」
「素材!」
三人に助言を貰って、俺はすぐにサンドイッチを口に突っ込み、歩き始めることにした。
素材、木の実、食材。どれも俺にとっては垂涎の物だから。
卵を片手にそこら辺を歩き回ることにした。
聖域だから魔物は出ないみたいなので、心行くまで歩くことにする。こういう時マップはホントありがたい。
ワクワクしながら素材採取した結果、インベントリいっぱいまでレア素材をゲットできたことに大満足した俺だった。
ディーが戻ってくると、まず俺の手元の卵に顔を寄せた。
『うむ。大分回復しておるな。また連れてくるといい。一人で来れない場合はまた道案内をするがどうする』
「転移で来れるなら大丈夫だけど」
『古代魔法陣を使うのであれば、ここではなく岩場の外なら大丈夫だ。転移が使えるのであれば、大丈夫だな。今度はその子を癒した者も一緒に連れて来るといい。その子が元気になる』
「ヴィデロさんも? うん。そっか。二人だとこの子が元気になるんだ。絶対誘う」
『よき主を選んだの』
のう、と鼻を卵にこすりつけて、ぺろりとひと舐めすると、ディーは閃光さんの所にのしのしとゆっくり歩いて行った。
そっか。ヴィデロさんとくればもっと元気になるんだ。じゃあ、絶対に来よう。俺は口もとを緩めながら、卵を撫でた。
岩場ではあるけれど、そこまで歩きにくくはない道を進みながら、閃光さんが聞いてきた。
あの出来事は言っていいのかな。でもあの時この子を助けてくれたの、閃光さんたちなんだよな。
俺はチラリと卵に視線を向けてから、「実は」と口を開いた。
「神隠し? しかも現実で?」
「うわあ、にわかには信じられない出来事ね」
俺の話を聞いた鉄骨さんとユーカリさんが驚愕を浮かべる中、閃光さんは顔を顰めて黙り込んだ。
「ここにいるってことは……無事ってことだよな。それにしても、パートナーと婚前旅行……」
閃光さんの呟きに、反応そこ? と苦笑する。
ちょっとだけ考え込んで足の遅くなっていた閃光さんは、ディーに後ろから容赦なく押されて、表情を緩めた。
「まあ、無事ならいいか。それにしても現実に結婚……早いな」
「そうですか? そうかもしれないですね。俺も自分が10代で結婚するとは思ってなかったですから」
「10代!?」
「え、てことは、学生?」
「いえ、社会人です。三月に高校卒業したので」
「それで結婚。早すぎるわ」
「ほんと! 羨ましいわ! 私なんて、出会いの場なんてどこにもないのに。毎日こまっしゃくれたガキどもと悪戦苦闘だってのに。同僚だってそんな色っぽい雰囲気になんかならないし、何よりお互い苦労をわかってるから、せめて家では教師じゃない人に出迎えて欲しいって皆思ってるし。ね、鉄骨、閃光」
でも結婚、夢よね! 可愛い嫁さん、夢よね! と大声で叫ぶユーカリさんを見ながら、嫁? と首をひねる。そういえばネカマって最初に自己紹介されたっけ。
「俺まで一緒にするなよ。俺はまだガキどもの相手だけでいっぱいいっぱいだよ」
『教鞭を執るなど、立派ではないか。主にもそのうちいい仲の者が現れるだろう。性根はいいのだし』
「性根だけかよ……」
「キャー、閃光先生かっこいい!」
「ユーカリに言われても嬉しくねえよ!」
ちっと舌打ちする閃光さんに、もしかして鉄骨さんとユーカリさんだけじゃなくて、閃光さんも先生なのかなってふと思う。
「先生が集まったパーティーっていうのもなんだか面白いですね」
「そうかあ? ただこっちで職場の愚痴を言い合うくらいしかメリットねえぞ。皆同意してくれるから気安くてついついパーティー組んじまっただけだしな。残業すりゃ一人でログインだしよ。な、ユーカリ」
「ほんとにねえ」
鉄骨さんにそう言われて、肩をコキコキしながらユーカリさんが親父臭い仕草で溜息を吐く。
先生も辛いのよ、何で私先生になっちゃったのかしら、なんて俺にまで愚痴を言うユーカリさんに、俺は苦笑を返すことしかできなかった。
「そういえば、俺が高校の時の担任の先生もADOやってたみたいですけど。なんかテスト前とかログインしてる奴いないか確かめるために先生とフレンドなりたい奴いるかーなんて聞いてて、俺、すごくその担任の先生が好きだったんですよ。なんていうか、話が分かってくれるっていうか、頭ごなしに否定しないので」
「何その先生。楽しいじゃない。私も生徒にその手使おうかな」
「クラスでも何人か手を上げてたけれど、先生本当にフレ登録したのかちょっとだけ気になってたんですよ。俺の親友もそれに手を上げてて」
「へえ、マック君の親友もADOやってるんだ」
「はい。知ってるかな。『高橋と愉快な仲間たち』っていうアホみたいなパーティー名の高橋です」
俺がそういうと、ユーカリさんと鉄骨さんが顔を見合わせた。
「ああ。知ってる。ってから、高橋たちとフレ登録してるぞ。そっか。マックとリアルフレだったのか」
「やっぱりもうフレ登録してたんですね。リアフレです」
「ほうほう、何で一緒にパーティー……ってのは訊いちゃだめだな」
「普通は一緒に遊んだりしますからね。でもあいつは鎧とか大剣とか好きで、前衛希望だったんですけど、俺、魔物と戦うの好きじゃなくて」
「そっか。だから薬師か」
そういえば始めたばっかりの時に助けてもらった通りすがりのプレイヤーにそのことを言ったら「じゃあ何でこのゲームしてるんだ」なんて呆れたような目を向けられたことがあったっけ。でもユーカリさんたちは、なるほどねえ、と頷いて、なぜか俺の頭を撫でた。
「薬師としてトップランカー入り、頑張ってるってことだね」
「おいおいユーカリ、先生の地が出てるぞ。ここは学校じゃないからな」
「だってえ。こうやって頑張ってる子を見ると応援したくなるのよ。そうじゃなかったら先生なんてやってらんないわ」
閃光さんの突っ込みに、ユーカリさんが口を尖らしながら俺の頭を撫で続ける。
っていうか俺、社会人なんですけど。苦笑しながら俺もそう突っ込むと、ユーカリさんは気にしない気にしない、と笑った。こういう先生だと学校が楽しいんだろうなあ。
「あれでも、リアル結婚って……門番さんは……? 前にギルドの隅で門番さんとイチャイチャしてたじゃない」
「あ、あの、それには深いわけがありまして……」
ズバリユーカリさんに返答に困るところを突っ込まれて、俺は視線を泳がせた。門番さんがリアルに来たからそっちでも結婚式を挙げるとか、言ったところで荒唐無稽すぎて誰も信じてくれないよね。
むにゃむにゃと誤魔化そうとすると、鉄骨さんの拳骨と閃光さんの平手が綺麗にユーカリさんの頭にヒットした。
「お前なあ。いくらマックが話しやすいからってそれはマナー違反だろ」
「ほんとだぞ。今の質問は踏み込み過ぎだぞ」
頭を撫でながら、ユーカリさんに「ほんとだわー、不躾な質問ごめんねーマック君」と謝られて、俺は誤魔化し笑いをして首を振った。
『ほら、そこが聖域内部の入り口だ』
ディーに促されて、俺たちは岩山の間にある洞窟に足を踏み入れた。
周りを見回して、思わず声を上げる。
岩の中に入ってきたはずなのに、なぜかたくさんの木が生え、泉が沸き、木漏れ日が射しこんでいる。
空気もとても澄んでいて、呼吸をするたびに胸がスッとすがすがしくなる。
「すごい……綺麗な場所」
呟くと、ディーが『そうであろう』とちょっとだけ得意げな顔をした。
『ここは入り口にすぎん。もっともっと奥まで聖域は続くんだが……一部穢れが入り込んだ場所もあってなあ。それが、玉龍の生まれた場所だ。その卵の種族が生息していたのはもう少し東の方だが、そちらもまた浸食されていたらしい。聖獣が巣を追われて飛び立ったという話は聞いていた』
「あ、だからブルーテイルは川沿いに巣を作っちゃったのか。もしかして、あのブルーテイルがこの子のお母さん……なんてことは」
『違うな。この卵の方が東の聖獣より長いはずだ。ただその身体が育つような状況になかっただけのようだ』
「そうか。そうだよね。護られてたって言ってたもんね。でも、そんな状態でも生きててよかった」
卵を籠から出して、腕に抱える。
卵はほんのり温かく、その温度がなんだかすごく嬉しい。
そっと撫でると、卵の中からほんの少しだけコリ……と音が聞こえてきた気がした。
『食事をしてくる。帰るまでにここに戻っていろよ』
ディーはそういうと、素早い動きで奥に消えていってしまった。
残されたトランスメンバーは、慣れたもので、その場で野営用意を始めてしまった。
「一時間くらいしたら戻ってくるから、それまでは好きにしてていいぞ。飯は?」
閃光さんにそう言われて、俺も近くの倒木に腰を下ろす。
そういえば今日はまだ夜ご飯食べてないや、と空腹ゲージを見ると、だいぶ減っている。
卵を籠に戻してインベントリから持ち歩いているサンドイッチを取り出していると、閃光さんたちが慣れた手つきで鍋を用意していた。
「ここの素材ね、食材になるような物が豊富なのよ」
「食材!」
「あの木の実なんか美味かったな」
「木の実!」
「結構珍しい素材とかあるから見てみろよ」
「素材!」
三人に助言を貰って、俺はすぐにサンドイッチを口に突っ込み、歩き始めることにした。
素材、木の実、食材。どれも俺にとっては垂涎の物だから。
卵を片手にそこら辺を歩き回ることにした。
聖域だから魔物は出ないみたいなので、心行くまで歩くことにする。こういう時マップはホントありがたい。
ワクワクしながら素材採取した結果、インベントリいっぱいまでレア素材をゲットできたことに大満足した俺だった。
ディーが戻ってくると、まず俺の手元の卵に顔を寄せた。
『うむ。大分回復しておるな。また連れてくるといい。一人で来れない場合はまた道案内をするがどうする』
「転移で来れるなら大丈夫だけど」
『古代魔法陣を使うのであれば、ここではなく岩場の外なら大丈夫だ。転移が使えるのであれば、大丈夫だな。今度はその子を癒した者も一緒に連れて来るといい。その子が元気になる』
「ヴィデロさんも? うん。そっか。二人だとこの子が元気になるんだ。絶対誘う」
『よき主を選んだの』
のう、と鼻を卵にこすりつけて、ぺろりとひと舐めすると、ディーは閃光さんの所にのしのしとゆっくり歩いて行った。
そっか。ヴィデロさんとくればもっと元気になるんだ。じゃあ、絶対に来よう。俺は口もとを緩めながら、卵を撫でた。
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手料理が繋ぐ心と体。身分差を越えた、最強α皇帝と隠れΩ料理人の美味しくて甘い辺境スローライフが幕を開ける!
※本作にはボーイズラブ要素およびオメガバース設定(α、β、Ωの概念やフェロモンに関する描写)が含まれています。苦手な方は閲覧にご注意ください。